大陸たいりく国家こっか

大陸たいりく国家こっか（たいりくこっか、英えい: continental nation^[1]）とは、地政学ちせいがくの概念がいねんの一ひとつであり、歴史れきし上うえを含ふくめ、海洋かいよう国家こっかに対置たいちする概念がいねん^[2]。

概要がいよう

大陸たいりくに国家こっかの主軸しゅじくを置おき、陸上りくじょうにおける農産物のうさんぶつの生産せいさん性せいなどに着目ちゃくもくし、陸上りくじょうの支配しはい地域ちいきの拡大かくだいを排他はいた的てき・覇権はけん的てきに行おこなう。領土りょうどおよび周縁しゅうえん地帯ちたいの維持いじ・拡張かくちょうを極きわめて重要じゅうよう視しし、大おおきな軍事ぐんじ力りょく保有ほゆうを志向しこうする。

支配しはい領域りょういきの拡大かくだい志向しこうの点てんで主観しゅかん的てきであり、常つねに新あたらしいものを追おう点てんでは革新かくしん的てきであり、海洋かいよう国家こっかとは異ことなる志向しこうを有ゆうするとされる。またこれらの源みなもととして、自みずからの伝統でんとう・歴史れきしも重要じゅうよう視しする。

歴史れきし

古代こだいにおいて大陸たいりくの生産せいさん性せいに着目ちゃくもくして栄ばえた国くにには古代こだいオリエントのペルシア帝国ていこくや、アレクサンドロス大王だいおうの帝国ていこく、前漢ぜんかん王朝おうちょうなどがある。

中世ちゅうせいにおいてはモンゴル帝国ていこくがその典型てんけいである。またその影響えいきょうを強つよく受うけた、中国ちゅうごくの後裔こうえい王朝おうちょう（元もと、明あきら、清きよし、また現在げんざいの中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく）、ロシア帝国ていこく（また現在げんざいのロシア連邦れんぽう）がある。大陸たいりくに広ひろい領域りょういきを確保かくほすることに腐心ふしんし、周縁しゅうえん部ぶに対たいしては征服せいふく戦争せんそうを起おこしている。

通商つうしょう交易こうえき、民族みんぞく融和ゆうわ、都市とし建設けんせつなどの帝国ていこく主義しゅぎ的てき指向しこうが見みられる。反面はんめん、残虐ざんぎゃくな民族みんぞく制圧せいあつ・敵てき都市とし抹殺まっさつも躊躇ちゅうちょせず追求ついきゅうする。

ヨーロッパ

オーストリア帝国ていこくやドイツ帝国ていこくは東欧とうおうの領土りょうど化かを志向しこうし戦争せんそうを起おこした。

フランスも（ルイ14世せいからナポレオン1世せいの時期じき）、大陸たいりく国家こっかの性格せいかくを明瞭めいりょうにしており、ヨーロッパ最強さいきょう陸軍りくぐんを保有ほゆうした^[3]。