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ちょうきも循環じゅんかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ちょうきも循環じゅんかん(ちょうかんじゅんかん、えい: Enterohepatic circulation :EC)は、体内たいない生体せいたい物質ぶっしつ薬物やくぶつなどが、胆汁たんじゅうとともにきもかん十二指腸じゅうにしちょう管内かんない一旦いったん分泌ぶんぴつされたのち、腸管ちょうかんから再度さいど吸収きゅうしゅうされ、もんみゃく肝臓かんぞうもど循環じゅんかんのこと[1]極性きょくせいたか抱合ほうごうたい一般いっぱん小腸しょうちょうから吸収きゅうしゅうされにくいが、ちょうない細菌さいきんちょうきも循環じゅんかんではおおきな役割やくわりたしている。肝臓かんぞう抱合ほうごう代謝たいしゃけた代謝たいしゃぶつは、嫌気いやけてき細菌さいきんぐん酵素こうそるいβべーた-グルクロニダーゼβべーた-グルコシダーゼアゾ還元かんげん酵素こうそ)により、おも還元かんげん加水かすい分解ぶんかいけ、だつ抱合ほうごうされてふたた腸管ちょうかんから吸収きゅうしゅうされるという過程かていをたどる。ちょうきも循環じゅんかんは、小腸しょうちょうから肝臓かんぞう栄養えいよう豊富ほうふ血液けつえきおくられるきももんみゃくけい混同こんどうされてはならない。また、ビタミンD3、ビタミンB12ビタミンB6葉酸ようさんエストロゲン胆汁たんじゅうさんなどが効率こうりつよく利用りようされる[2]

コレステロールと胆汁たんじゅうさん[編集へんしゅう]

かん細胞さいぼうは、コレステロール代謝たいしゃし、コールさんケノデオキシコールさん胆汁たんじゅうさんさんせいする。このあぶら溶性ようせい胆汁たんじゅうさんは、グリシンタウリンむすびついて時々ときどき抱合ほうごう胆汁たんじゅうさんばれる水溶すいようせいいち胆汁たんじゅうさんとなる。これらの胆汁たんじゅうさんは、消化しょうか活動かつどうをしない場合ばあいたくわえられる胆嚢たんのうまではこばれ、消化しょうか活動かつどうそうきもかんだい十二指腸じゅうにしちょう乳頭にゅうとうつうじて十二指腸じゅうにしちょうした行部ゆくべ分泌ぶんぴつされる。十二指腸じゅうにしちょう分泌ぶんぴつされた胆汁たんじゅうさんの95%は、ちょうきも循環じゅんかんによりリサイクルされる[3]小腸しょうちょうpHにもよるが、ほとんどの胆汁たんじゅうさんイオン化いおんかされており、ほとんどの場合ばあいには「いち抱合ほうごう脂肪酸しぼうさん」とばれるナトリウムしおになっている。小腸しょうちょう下部かぶおよ大腸だいちょうにおいてはちょうない細菌さいきん一部分いちぶぶんいち胆汁たんじゅうさんだっヒドロキシし(依然いぜんとして水溶すいようせいである)、胆汁たんじゅうさん生成せいせいする。回腸かいちょういたるまで、これらのいち抱合ほうごう胆汁たんじゅうさんちょうきも循環じゅんかんによって活発かっぱつさい吸収きゅうしゅうされる。ちょうない細菌さいきんは、いち抱合ほうごう胆汁たんじゅうさん抱合ほうごう胆汁たんじゅうさん分解ぶんかいし、ちょうきも循環じゅんかんさからわずに吸収きゅうしゅうされるあぶら溶性ようせい胆汁たんじゅうさん変化へんかさせる。最終さいしゅうてきには、イオン化いおんかされていない抱合ほうごう胆汁たんじゅうさんさからわずに吸収きゅうしゅうされる。回腸かいちょうからの静脈じょうみゃくは、もんみゃくぐに肝臓かんぞうへとかう。きも細胞さいぼう胆汁たんじゅうさんきわめて効率こうりつ回収かいしゅうし、肝臓かんぞう胆汁たんじゅうさんをこのだい循環じゅんかんからすこしもがさない。もし胆汁たんじゅうしたら黄疸おうだんみとめられることだろう。ちょうきも循環じゅんかん実質じっしつ効率こうりつは、抱合ほうごう胆汁たんじゅうさんが20かいさい利用りようされていることになり、一回いっかい消化しょうか活動かつどうでも多分たぶんなんかいさい利用りようされている。

薬剤やくざい[編集へんしゅう]

おも肝臓かんぞうによって抱合ほうごうされたグルクロニドが、腸管ちょうかん循環じゅんかんけやすい。

ちょうきも循環じゅんかんは、肝臓かんぞうでの濃度のうどたかめるためそれほど有害ゆうがいせいたかくない薬剤やくざい異常いじょう有害ゆうがいせいたかいものに作用さようさせてしまう可能かのうせいがある。薬剤やくざいちょうきも循環じゅんかんにより長期間ちょうきかんにわたってこの循環じゅんかんサイクルにのこ可能かのうせいがある。また、なんらかの理由りゆう抗生こうせい物質ぶっしつ投与とうよとう)で、ちょうない細菌さいきんにダメージがあると、ちょうきも循環じゅんかんみだれがおこり[3]薬物やくぶつ効果こうか持続じぞくせい影響えいきょうがでてくることがられている。腸管ちょうかん循環じゅんかんこすことでよくられている薬物やくぶつとして、クロルプロマジンインドメタシンモルヒネひとしげられる。

PFAS毒性どくせいおよ体内たいない半減はんげんながさは、胆汁たんじゅうけたPFASがちょうきも循環じゅんかんするためとされている[4]

出典しゅってん脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]