茂田井もたい武ぶ

茂田井もたい武ぶ（もたいたけし、1908年ねん 9月29日にち - 1956年ねん 11月2日にち）は、昭和しょうわ時代じだいに活躍かつやくした日本にっぽんの童画どうが家か。

その素朴そぼくでいながら独特どくとくの雰囲気ふんいきに絵本えほん愛好あいこう家かの間あいだでは知しられる作家さっかである^{[要よう出典しゅってん]}。素朴そぼくで大胆だいたんなデフォルメが特徴とくちょうで谷内たにうち六郎ろくろう、山本やまもと夏彦なつひこも絶賛ぜっさんしている^{[要よう出典しゅってん]}。江こう國こく香織かおりの『薔薇ばらの木き枇杷びわの木き檸檬レモンの木き』の表紙ひょうし絵えにもなっている。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

東京とうきょう日本橋にほんばしの旅館りょかん「越えつ喜き」に生うまれる。1923年ねん、関東大震災かんとうだいしんさいで生家せいかが全焼ぜんしょう、翌よく1924年ねんには母ははを病やまいで亡なくす。1926年ねん旧制きゅうせい赤坂あかさか中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょう。その後ご、太平洋たいへいよう画会がかい研究所けんきゅうじょ、川端かわばた画が学校がっこう、本郷ほんごう絵画かいが研究所けんきゅうじょに学まなぶ。アテネ・フランセで中原なかはら中也ちゅうやと出会であう。

1930年ねんにハルピンからシベリア鉄道てつどうでパリへ渡わたり、働はたらきながら独学どくがくで絵えを書かき続つづける。この時期じき、パリで山本やまもと夏彦なつひこと知しり合あう。1933年ねんに帰国きこく後ご、さまざまな職しょくに就つく。1935年ねん頃ころから博文ひろぶみ館かんの雑誌ざっし『新しん青年せいねん』に挿絵さしえを描えがき始はじめる。このころ、『新しん青年せいねん』の挿絵さしえを担当たんとうした縁えんで、同誌どうし編集へんしゅう長ちょうの水谷みずたに準じゅんに紹介しょうかいされ、小説しょうせつ家かの小栗おぐり虫太郎むしたろうの家いえに居候いそうろうする^[1]。1937年ねん、「新しん挿絵さしえ」の会かいに参加さんか。1940年ねんに軍属ぐんぞくとなり南みなみ支ささえ派遣はけん軍ぐん報道ほうどう部ぶ嘱託しょくたくとして広東かんとんに渡わたる。その後ご、帰国きこくして1941年ねんに初はつの絵本えほん『ナニナニ繪本えほん』^[2]を出だすが、1944年ねん再ふたたび招集しょうしゅうされ終戦しゅうせんは北京ぺきんで迎むかえる。

復員ふくいん後ごは多数たすうの児童じどう雑誌ざっしに挿絵さしえを描えがく。日本にっぽん童画どうが会かい作品さくひん展てんにも1947年ねんから1951年ねんまで毎年まいとし出品しゅっぴん。1950年ねんから明治製菓めいじせいか宣伝せんでん部ぶの嘱託しょくたくとなり広告こうこく画がを描えがく（1955年ねんまで）。このころから持病じびょうの気管支きかんし喘息ぜんそくが少すこしずつ悪化あっかしていき肺結核はいけっかくも患わずらい、1952年ねんから闘病とうびょう生活せいかつとなるが、絵えは描えがき続つづける。

1954年ねん、保育ほいく雑誌ざっし『キンダーブック』に発表はっぴょうされた作品さくひんに対たいして小学館しょうがくかん児童じどう文化ぶんか賞しょうを受賞じゅしょう。

1956年ねんには病床びょうしょうで『セロ弾びきのゴーシュ』絵本えほん化かのための挿絵さしえを描えがき上あげる^[3]。同年どうねん11月がつ2日にちに病状びょうじょうが悪化あっかし、48歳さいで死去しきょ。日本にっぽん童画どうが会かいによる会葬かいそうが武井たけい武雄たけおが葬儀そうぎ委員いいん長ちょうとなって取とり行おこなわれた。

主おもな作品さくひん[編集へんしゅう]

画帳がちょう[編集へんしゅう]

ton paris
Parisの破片はへん
続ぞく・白しろい十字架じゅうじか
退屈たいくつ画帳がちょう
無精ぶしょう画帳がちょう
古ふるい旅たびの絵本えほん
幼年ようねん画帳がちょう

挿絵さしえ[編集へんしゅう]

二に十じゅう世紀せいき鐡仮面めん（小栗おぐり虫太郎むしたろう著ちょ）

文ぶんと絵え[編集へんしゅう]

三さん百ひゃく六ろく十じゅう五ご日にちの珍ちん旅行りょこう（長編ちょうへん漫画まんが物語ものがたり）

絵本えほん挿絵さしえ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ 鮎川あいかわ哲也てつや「幻まぼろしの探偵たんてい作家さっかを求もとめて・番外ばんがい編へん第だい一いち回かい子育こそだてに『黒くろ死し館かん』創作そうさくの秘密ひみつを見みた――小栗おぐり虫太郎むしたろうの巻まき」『鮎川あいかわ哲也てつやと十じゅう三さんの謎なぞ '90』東京とうきょう創そう元もと社しゃ、1990年ねん12月がつ20日はつか、235頁ぺーじ。ISBN 4-488-02325-8。
^ “絵本えほん作家さっかのご紹介しょうかい”. ビリケン商會しょうかい. 2017年ねん2月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ 福音館書店ふくいんかんしょてんの松居まつい直ただしによれば、『セロ弾びきのゴーシュ』絵本えほん化かの依頼いらいに訪おとずれたとき、茂田井もたいは「それが出来できるなら、ぼくは死しんでもいいですよ」と言いって病床びょうしょうにあるにもかかわらず引ひき受うけたという。絵本えほん『セロ弾びきのゴーシュ』はこどものとも第だい2号ごう（1956年ねん5月がつ号ごう）として配本はいほんされた。（松居まつい直ただし『絵本えほん・物語ものがたるよろこび』福武書店ふくたけしょてん 1990年ねん）
^ スライド映写機えいしゃき用ように描えがかれた絵えを再さい編集へんしゅうし、新あらたに分ぶんを付つけた絵本えほん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

松居まつい直ただし『絵本えほん・物語ものがたるよろこび』福武書店ふくたけしょてん 1990年ねん
『ton paris』広松ひろまつ由希子ゆきこ (解説かいせつ) 講談社こうだんしゃ　2010年ねん [1]
『茂田井もたい武たけ美術館びじゅつかん記憶きおくノカケラ』 (講談社こうだんしゃARTピース) 講談社こうだんしゃ　2008年ねん - 詳くわしい年譜ねんぷあり、広松ひろまつ由希子ゆきこ (解説かいせつ)
『茂田井もたい武たけ画集がしゅう1946→1948』茂田井もたい武たけ画集がしゅう編集へんしゅう委員いいん会かい編へん JULA出版しゅっぱん局きょく

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

[1] 鮎川あいかわ哲也てつや「幻まぼろしの探偵たんてい作家さっかを求もとめて・番外ばんがい編へん第だい一いち回かい子育こそだてに『黒くろ死し館かん』創作そうさくの秘密ひみつを見みた――小栗おぐり虫太郎むしたろうの巻まき」『鮎川あいかわ哲也てつやと十じゅう三さんの謎なぞ '90』東京とうきょう創そう元もと社しゃ、1990年ねん12月がつ20日はつか、235頁ぺーじ。ISBN 4-488-02325-8。

[2] “絵本えほん作家さっかのご紹介しょうかい”. ビリケン商會しょうかい. 2017年ねん2月がつ1日にち閲覧えつらん。

[3] 福音館書店ふくいんかんしょてんの松居まつい直ただしによれば、『セロ弾びきのゴーシュ』絵本えほん化かの依頼いらいに訪おとずれたとき、茂田井もたいは「それが出来できるなら、ぼくは死しんでもいいですよ」と言いって病床びょうしょうにあるにもかかわらず引ひき受うけたという。絵本えほん『セロ弾びきのゴーシュ』はこどものとも第だい2号ごう（1956年ねん5月がつ号ごう）として配本はいほんされた。（松居まつい直ただし『絵本えほん・物語ものがたるよろこび』福武書店ふくたけしょてん 1990年ねん）

[4] スライド映写機えいしゃき用ように描えがかれた絵えを再さい編集へんしゅうし、新あらたに分ぶんを付つけた絵本えほん。

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