薩戒記き

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『薩戒記き』（さっかいき）は藤原ふじわら北きた家か花山院かさんのいん流りゅうの公卿くぎょう中山なかやま定じょう親おやの日記にっき。『霜しも台だい記き』『定てい親おや卿きょう記き』『中山なかやま霜しも台だい禅門ぜんもん記き』などの別名べつめいで呼よばれることもある。書名しょめいの「薩戒」は、筆者ひっしゃ名めいである「さだちか」の唐風とうふう反はん名な、すなわち名前なまえの最初さいしょの文字もじ「さ」と最後さいごの文字もじ「か」に由来ゆらいする。別名べつめい『霜しも台だい記き』の書名しょめいは、定てい親おやが権けん大納言だいなごんと共ともに兼任けんにんした弾正だんじょう尹いんの唐名とうみょう、「霜しも台だい」に由来ゆらいする。

応おう永ひさし25年ねん（1418年ねん）から嘉吉よしきち3年ねん（1443年ねん）までの記載きさいがあるが、抜書ぬきがき、部類ぶるい抄しょう、消息しょうそく、宣下せんげなどを含ふくむと収録しゅうろく範囲はんいは1448年ねんにまで及およぶ。完全かんぜんに存在そんざいするのは、応おう永なが32 - 33年ねん（1425年ねん - 26年ねん）のみであるが、古ふるくから目録もくろく・抜書ぬきがき・部類ぶるい記きなどの形かたちでの引用いんようが多おおくなされたことがあり、途中とちゅうの7年ねん分ぶんを除のぞけばその内容ないようの多おおくが把握はあくできる。定てい親おやは有職故実ゆうそくこじつに詳くわしく後こう小松こまつ院いんから重用じゅうようされ、武家ぶけ伝奏てんそうも務つとめたことから朝廷ちょうてい・幕府ばくふ双方そうほうの動向どうこうに通つうじていたため、内容ないようは豊富ほうふで文献ぶんけんとしての価値かちは高たかく、『満まん済すみ准じゅん后きさき日記にっき』『建けん内記ないき』『看み聞日記にっき』と並ならんで、室町むろまち時代ときよ中期ちゅうきの重要じゅうような史料しりょうとされる。