西川にしかわ利助としすけ (7代だい)

7代だい西川にしかわ 利助としすけ（にしかわ りすけ、延のべ享とおる4年ねん6月12日にち（1747年ねん7月がつ19日にち） - 文政ぶんせい8年ねん1月がつ30日にち（1825年ねん3月19日にち））は、近江おうみ商人しょうにん西川にしかわ甚五郎じんごろう家いえ（屋号やごう山形屋やまかたや、後ごの西川にしかわ）第だい7代だい当主とうしゅ、商家しょうかとしての制度せいど改革かいかくを行おこない、甚五郎じんごろう家中興かちゅうこうの祖そと言いわれる。

生涯しょうがい

延のべ享とおる4年ねん6月がつ12日にち（1747年ねん7月がつ19日にち）、近江おうみ国こく蒲生がもう郡ぐん八幡はちまん（現げん滋賀しが県けん近江八幡おうみはちまん市し）において西川にしかわ甚五郎じんごろう家か6代理だいり助すけ（八日市場ようかいちば高野たかの屋や小左衛門こざえもん三男さんなん）と妻つましま（5代だい利助としすけ7女じょ）の長男ちょうなんとして誕生たんじょうした（母ははしまは翌日よくじつ死去しきょ）。明和めいわ8年ねん（1771年ねん）7代だい利助としすけは家督かとくを継ついだが、江戸えどに店みせを構かまえる八幡やはた商人しょうにんは一時期いちじき14軒けんもあったが、利助としすけが当主とうしゅとなった頃ころには5軒けんまで減へり、店みせの運営うんえいに対たいし何なんらかの方策ほうさくを建たてるべき時期じきに来きていた。

そこで利助としすけは熟考じゅっこうの上うえ、寛政かんせい11年ねん（1799年ねん）店てんの運営うんえい方法ほうほうについて抜本ばっぽん的てきな改革かいかくを行おこなった。

『除じょ銀ぎん』の制定せいてい

山形屋やまかたや西川にしかわ家かだけで元禄げんろく12年ねん（1699年ねん）から7代だい利助としすけが家督かとくを継つぐまでに3度どの火災かさいにあい、利助としすけが当主とうしゅであった期間きかんだけでも2度ど火事かじにより被災ひさいした。当時とうじ火災かさい保険ほけん制度せいどは当然とうぜんなく、火事かじや地震じしんによる被害ひがい・復興ふっこう費ひは全すべて被災ひさいした者ものが負担ふたんしなければならなかった。そこで、7代だい利助としすけは不時ふじの出費しゅっぴに備そなえるための積立つみたて金きん『除じょ銀ぎん（よけぎん）』を制度せいど化かした。しかも、制度せいどとして除じょ銀ぎんの資金しきんと用途ようとを『普請ふしん金きん』（類焼るいしょうへの準備じゅんび、300両りょう）・『仏事ぶつじ金きん』（仏事ぶつじ定じょうにて決きめられた支出ししゅつの準備じゅんび、200両りょう）・『用意ようい金きん』（店舗てんぽの時代じだい賃料ちんりょう資金しきん等とう、300両りょう）の三みっつに区分くぶんし、直接ちょくせつ営業えいぎょうに使つかわれる事ことはなく本家ほんけは各店かくてんの純益じゅんえきより除じょ銀ぎんを毎年まいとし積立つみたて留保りゅうほ金きんとして留置とめおいた。

『三ツ割みつわり銀ぎん』制度せいど

店みせの運営うんえいを活性かっせい化かするために奉公人ほうこうにんにもわかる明確めいかくな運用うんよう基準きじゅんを定さだめた。毎年まいとし2期き勘定かんじょう（半期はんき決算けっさん）の純益じゅんえきを3等分とうぶんして、その一ひとつを奉公ほうこう人ひとに分配ぶんぱいすることとした。奉公人ほうこうにんが頑張がんばり利益りえきを出だせば、その分ぶん奉公人ほうこうにんも潤うるおう事ことが明確めいかく化か（成果せいか主義しゅぎ）された。他たの一ひとつは店みせの内部ないぶ留保りゅうほ金きむ、もう一ひとつは本家ほんけへの納付のうふ金きんと定さだめ、本家ほんけの意向いこうで店みせの金かねが勝手かってに使つかわれないようにもした。

別家べっけ制度せいど（『定法じょうほう目録もくろく』制定せいてい）

奉公人ほうこうにんに分家ぶんけの資格しかくを与あたえる別家べっけ制度せいどを定さだめ（「定法じょうほう目録もくろく」）、別家べっけの権限けんげん・義務ぎむを明確めいかくにし、本家ほんけ・親族しんぞく・別家べっけの共同きょうどう責任せきにん体制たいせいを確立かくりつし、将来しょうらいの発展はってんを期きした。

7代だい利助としすけは改革かいかくと共ともに累代るいだいの記録きろくを整理せいりし後世こうせいへと伝つたえた。改革かいかくにより商家しょうかとしての乱みだれを正ただし、奉公人ほうこうにんを含ふくめた活性かっせい化かを図はかり山形屋やまかたや西川にしかわ家中興かちゅうこうの祖そと呼よばれた。享とおる和わ2年ねん（1802年ねん）隠居いんきょし仁じん右みぎ衛門えもんと改名かいめい、長男ちょうなん宗そう十郎じゅうろうに8代だい利助としすけとして家督かとくを譲ゆずったが家業かぎょうにあまり身みを入いれない姿勢しせいを問題もんだい視しされ、当主とうしゅ就任しゅうにん後ご僅わずか10年ねんで『定法じょうほう目録もくろく』により隠居いんきょさせられ、文化ぶんか9年ねん（1812年ねん）新あらたに7代だい利助としすけの孫まご恒次郎つねじろう（8代だい利助としすけの弟おとうとの子こ。山形屋やまかたや西川にしかわ家か文書ぶんしょ目録もくろく解題かいだいでは7代だい利助としすけの弟おとうとの子こ、甥おいとされる）が8歳さい（文化ぶんか元年がんねん（1804年ねん）生せい）で9代だい甚五郎じんごろうとして当主とうしゅに就任しゅうにんした。7代だい利助としすけ（仁ひとし右みぎ衛門えもん）は後見こうけんとなり9代だい甚五郎じんごろうが21歳さいの文政ぶんせい8年ねん1月がつ30日にち（1825年ねん3月がつ19日にち）死去しきょした。

関連かんれん項目こうもく

• 西川にしかわ甚五郎じんごろう
• 西川にしかわ利右衛門りえもん
• 西川にしかわ甚五郎じんごろう (2代だい)
• 西川にしかわ甚五郎じんごろう (11代だい)
• 西川にしかわ甚五郎じんごろう (13代目だいめ)

外部がいぶリンク

• 社団しゃだん法人ほうじん　近江八幡おうみはちまん観光かんこう物産ぶっさん協会きょうかい. “歴史れきしを楽たのしむ－近江おうみ商人しょうにん（1.西川にしかわ甚五郎じんごろう邸てい）”. 2013年ねん7月がつ5日にち閲覧えつらん。
• 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 西川にしかわ文化ぶんか財団ざいだん. “西川にしかわ文化ぶんか財団ざいだん”. 2013年ねん7月がつ5日にち閲覧えつらん。
• 西川にしかわ産業さんぎょう株式会社かぶしきがいしゃ. “西川にしかわ産業さんぎょうの歴史れきし”. 2013年ねん7月がつ5日にち閲覧えつらん。