身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい (しんたいひょうげんせいしょうがい、英 えい : somatic symptom disorder ; 旧称 きゅうしょう : somatoform disorders)という分類 ぶんるい について述 の べる。身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい の分類 ぶんるい には、身体 しんたい 疾患 しっかん を示唆 しさ する身体 しんたい 症状 しょうじょう を示 しめ すが、それが一般 いっぱん 身体 しんたい 疾患 しっかん 、物質 ぶっしつ の直接的 ちょくせつてき な作用 さよう 、または他 た の精神 せいしん 障害 しょうがい によって完全 かんぜん には説明 せつめい されないことを共通 きょうつう とした特徴 とくちょう とする個々 ここ の障害 しょうがい が含 ふく まれる[1] [2] 。
現在 げんざい の医療 いりょう 制度 せいど では除外 じょがい 診断 しんだん が充分 じゅうぶん でなく、実際 じっさい は精神 せいしん 障害 しょうがい ではない様々 さまざま な疾患 しっかん 等 とう が「気持 きも ちの問題 もんだい である」と片付 かたづ けられ、身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい という診断 しんだん を受 う ける。分類 ぶんるい 名 めい であるため診断 しんだん 名 めい として扱 あつか うのは誤用 ごよう である[3] [4] 。
現在 げんざい 、この疾患 しっかん は他 た の様々 さまざま な疾患 しっかん が誤診 ごしん を受 う け、そのことが問題 もんだい になっている。
2013年 ねん のDSM-5(『精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん と統計 とうけい マニュアル 』第 だい 5版 はん )では身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう および関連 かんれん 症 しょう 群 ぐん へと名称 めいしょう が変 か わった。医学 いがく 的 てき に説明 せつめい できないという限界 げんかい のある定義 ていぎ を外 はず すことで、受 う けるべき身体 しんたい 的 てき な検査 けんさ から除外 じょがい されるという懸念 けねん を減 へ らし、また身体 しんたい 疾患 しっかん の並存 へいそん を可 か としたためである[5] 。以前 いぜん の第 だい 4版 はん (DSM-IV、1994年 ねん )では身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい の大分 おおいた 類 るい が、『ICD-10 第 だい 5章 しょう :精神 せいしん と行動 こうどう の障害 しょうがい 』にも同名 どうめい の中 なか 分類 ぶんるい があった。以前 いぜん のこの定義 ていぎ では精神 せいしん が症状 しょうじょう の中心 ちゅうしん となっていた[6] 。
個々 ここ の診断 しんだん 名 めい を一部 いちぶ 挙 あ げる。身体 しんたい 症状 しょうじょう に過度 かど にとらわれ心配 しんぱい している身体 しんたい 化 か 障害 しょうがい や、典型 てんけい 的 てき には先行 せんこう するストレスが転換 てんかん されて既存 きそん の解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 知見 ちけん に沿 そ わない発作 ほっさ 、麻痺 まひ 、歩行 ほこう 障害 しょうがい などを呈 てい す転換 てんかん 性 せい 障害 しょうがい (変換 へんかん 症 しょう )、病気 びょうき に関 かん して過度 かど にとらわれている病気 びょうき 不安 ふあん 症 しょう が含 ふく まれる。歴史 れきし 的 てき にヒステリー 、神経 しんけい 衰弱 すいじゃく と呼 よ ばれたものを内包 ないほう している。これら診断 しんだん 名 めい は、身体 しんたい 疾患 しっかん の見 み すごしや、汚名 おめい を着 き せられる[7] といった不利益 ふりえき に注意 ちゅうい して用 もち いられる。
DSM以外 いがい の定義 ていぎ では。心身 しんしん 症 しょう は、身体 しんたい 疾患 しっかん が確定 かくてい しストレスによって症状 しょうじょう が増悪 ぞうあく し、確立 かくりつ されている身体 しんたい 疾患 しっかん を対象 たいしょう とする傾向 けいこう がある[5] 。機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん (または症状 しょうじょう 、Functional somatic syndromes, FSS) では、身体 しんたい と精神 せいしん とが一体 いったい となって症状 しょうじょう が生 しょう じており、線維 せんい 筋 すじ 痛 つう 症 しょう 、慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん などが含 ふく まれ、DSM-5による「身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう 」の定義 ていぎ では、心身 しんしん 症 しょう や機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん との重複 じゅうふく は大 おお きくなる[6] 。心身 しんしん の反応 はんのう 、機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん では原因 げんいん に心理 しんり 的 てき 要因 よういん が、身体 しんたい に病理 びょうり 学 がく 的 てき 所見 しょけん がない[8] 。
線維 せんい 筋 すじ 痛 つう 症 しょう 、慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん 、感染 かんせん 症 しょう 後 ご の慢性 まんせい 疲労 ひろう 等 とう の免疫 めんえき 関連 かんれん 疾患 しっかん には病理 びょうり 学 がく 的 てき 所見 しょけん がなく、この疾患 しっかん の診断 しんだん を受 う けるが、決 けっ して気持 きも ちの問題 もんだい というわけではない。この疾患 しっかん は体内 たいない 異物 いぶつ に対 たい する免疫 めんえき 反応 はんのう 等 とう の様々 さまざま な免疫 めんえき 疾患 しっかん が誤診 ごしん を受 う ける。[9]
精神 せいしん 医学 いがく 的 てき 障害 しょうがい の一種 いっしゅ である。
診断 しんだん 名 めい の新旧 しんきゅう [5]
身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい (DSM-IV, 1994年 ねん )
身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう および関連 かんれん 症 しょう 群 ぐん (DSM-5, 2013年 ねん )
心気 しんき 症 しょう
病気 びょうき 不安 ふあん 症 しょう
身体 しんたい 化 か 障害 しょうがい 疼痛 とうつう 性 せい 障害 しょうがい 心気 しんき 症 しょう 鑑別 かんべつ 不能 ふのう 型 がた 身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい (神経 しんけい 衰弱 すいじゃく [11] )
身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう
転換 てんかん 性 せい 障害 しょうがい
転換 てんかん 性 せい 障害 しょうがい /変換 へんかん 症 しょう (機能 きのう 性 せい 神経 しんけい 症状 しょうじょう 症 しょう )
-
虚偽 きょぎ 性 せい 障害 しょうがい (作為 さくい 症 しょう )以前 いぜん は分類 ぶんるい が別 べつ
身体 しんたい 醜 みにく 形 がた 障害 しょうがい
-
以前 いぜん のDSM-IV-TR(1994年 ねん )では以下 いか の様 よう に分類 ぶんるい されている。
病気 びょうき 不安 ふあん 症 しょう - 病気 びょうき に関 かん する不安 ふあん が正常 せいじょう を逸脱 いつだつ している。誤 あやま った解釈 かいしゃく に基 もと づいている[12] 。ささいな身体 しんたい 症状 しょうじょう から、がんになったと思 おも い込 こ んでいるなど。
身体 しんたい 化 か 障害 しょうがい - 歴史 れきし 的 てき にヒステリー と呼 よ ばれ、痛 いた み、胃腸 いちょう など多 おお い症状 しょうじょう で何 なん 年 ねん も持続 じぞく する[12] 。しかし、これはBreast Implant Illness 等 とう の異物 いぶつ に対 たい する免疫 めんえき 関連 かんれん 症状 しょうじょう の典型 てんけい 的 てき な症状 しょうじょう であるので、[13] 実際 じっさい は異物 いぶつ の免疫 めんえき 反応 はんのう や慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん 等 とう のなんらかの免疫 めんえき 疾患 しっかん にかかっている患者 かんじゃ がこの症状 しょうじょう を訴 うった えこの疾患 しっかん の診断 しんだん を受 う けていると考 かんが えられる。[14]
鑑別 かんべつ 不能 ふのう 型 がた 身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい - 過去 かこ に神経 しんけい 衰弱 すいじゃく と呼 よ ばれたものをここに分類 ぶんるい し、上記 じょうき 診断 しんだん の閾値以下 いか で6か月 げつ 以上 いじょう 続 つづ く[11] 。
疼痛 とうつう 性 せい 障害 しょうがい - 重 じゅう 篤 あつし な疼痛 とうつう の発症 はっしょう 、悪化 あっか 、持続 じぞく が心理 しんり 的 てき 要因 よういん によって起 お きている[15] 。一般 いっぱん 身体 しんたい 疾患 しっかん によって疼痛 とうつう が生 しょう じ、疼痛 とうつう の維持 いじ にも心理 しんり 的 てき 要因 よういん がほとんど関与 かんよ しない場合 ばあい 、精神 せいしん 障害 しょうがい とはみなされない[15] 。
転換 てんかん 性 せい 障害 しょうがい - この転換 てんかん の語 かたり は、無意識 むいしき 的 てき な心理 しんり 的 てき な葛藤 かっとう が身体 しんたい 症状 しょうじょう となって表 あらわ れているということであり、診断 しんだん 基準 きじゅん Bに先行 せんこう する葛藤 かっとう やストレスがありそれが関連 かんれん しているということを必要 ひつよう としている[16] 。身体 しんたい 疾患 しっかん 、隠 かく れた神経 しんけい 疾患 しっかん 、投薬 とうやく などの影響 えいきょう を除外 じょがい することを、診断 しんだん 基準 きじゅん Dが要求 ようきゅう する[16] 。けいれん、ひきつけ、麻痺 まひ 、嚥下 えんか 困難 こんなん 、痛覚 つうかく の喪失 そうしつ 、失 しつ 声 ごえ 、幻覚 げんかく 、見 み えない、聞 き こえないといった症状 しょうじょう を呈 てい す[16] 。診断 しんだん 技術 ぎじゅつ が改善 かいぜん される前 まえ は、多 おお くて半分 はんぶん までが、後 のち に一般 いっぱん 身体 しんたい 疾患 しっかん が明 あき らかとなり誤診 ごしん であった[16] 。
身体 しんたい 醜 みにく 形 がた 障害 しょうがい - 想像 そうぞう 上 じょう の外見 がいけん の欠陥 けっかん に過度 かど にとらわれている[12] 。
特定 とくてい 不能 ふのう の身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい 。
DSM-5(2013年 ねん )では、身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう は、以前 いぜん の身体 しんたい 化 か 障害 しょうがい の診断 しんだん 基準 きじゅん を変更 へんこう して疼痛 とうつう 性 せい 障害 しょうがい や鑑別 かんべつ 不能 ふのう 型 がた 身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい を統合 とうごう したもので、また分類 ぶんるい に虚偽 きょぎ 性 せい 障害 しょうがい を含 ふく めた。
身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう - 身体 しんたい 症状 しょうじょう や健康 けんこう に関 かん する過剰 かじょう な心配 しんぱい に度 ど を超 こ えてとらわれており、著 いちじる しい苦痛 くつう や機能 きのう の障害 しょうがい を呈 てい している場合 ばあい に診断 しんだん され、除外 じょがい すべき場合 ばあい は隠 かく れた医学 いがく 的 てき 疾患 しっかん や、あるいはなんらかの医学 いがく 的 てき 疾患 しっかん の場合 ばあい であり、また身体 しんたい 的 てき な疾患 しっかん に誤 あやま って精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん を下 くだ せば、介護 かいご 者 しゃ や家族 かぞく が不適切 ふてきせつ に認識 にんしき されたり、医療 いりょう サービスが打 う ち切 き られるなど不利益 ふりえき を被 こうむ る可能 かのう 性 せい がある。DSM-IVのアレン・フランセス はこの診断 しんだん 名 めい は以前 いぜん より基準 きじゅん が緩 ゆる くなり、そのような不利益 ふりえき に対 たい する注意 ちゅうい が不十分 ふじゅうぶん なため無視 むし すべきだと警告 けいこく している[17] 。
転換 てんかん 性 せい 障害 しょうがい /変換 へんかん 症 しょう (機能 きのう 性 せい 神経 しんけい 症状 しょうじょう 症 しょう ) - 既存 きそん の解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 知見 ちけん に沿 そ わない発作 ほっさ 、麻痺 まひ 、歩行 ほこう 障害 しょうがい などを呈 てい し、典型 てんけい 的 てき にはストレスの多 おお い出来事 できごと の後 のち に起 お こり、除外 じょがい すべきは、神経 しんけい 疾患 しっかん 、詐 いつわり 病 びょう などである。西洋 せいよう 文化 ぶんか 圏 けん では20世紀 せいき 初頭 しょとう にはよくみられたが、きわめてまれとなった。
虚偽 きょぎ 性 せい 障害 しょうがい (作為 さくい 症 しょう ) - 世話 せわ を受 う けるために病者 びょうしゃ を装 よそお っており、金銭 きんせん や罰 ばち をまぬがれるといった分 わ かりやすい動機 どうき はなく、その症状 しょうじょう も意図 いと 的 てき に作 つく り出 だ されている。薬 くすり を使 つか ったり、自 みずか らを傷 きず つけたりすることで症状 しょうじょう を作 つく り出 だ す。
正確 せいかく な診断 しんだん は良好 りょうこう な関係 かんけい からなされるものであり、まず重要 じゅうよう なことはニーズを聞 き き理解 りかい に努 つと めることで、これはすべてに勝 まさ ることであり、良好 りょうこう な関係 かんけい が構築 こうちく されれば大事 だいじ がなされたと言 い える。限 かぎ られた情報 じょうほう によって早 はや まって診断 しんだん をくだしがちだが、共感 きょうかん 的 てき 態度 たいど で、情報 じょうほう 提供 ていきょう しながら共同 きょうどう 作業 さぎょう 的 てき に進 すす める。特定 とくてい 不能 ふのう とすることを恥 は じる必要 ひつよう はなく、情報 じょうほう 不足 ふそく 、はっきりしない症状 しょうじょう 、また身体 しんたい 疾患 しっかん や物質 ぶっしつ (薬物 やくぶつ )が症状 しょうじょう を起 お こしているのかがはっきりしない場合 ばあい には診断 しんだん は不 ふ 確実 かくじつ となり、さらに多 おお くの情報 じょうほう を得 え る必要 ひつよう 性 せい があることを示 しめ している。はっきりしない状況 じょうきょう で診断 しんだん するには、その診断 しんだん がその人 ひと を助 たす けるか、あるいは害 がい をなすかを考慮 こうりょ する必要 ひつよう がある。患者 かんじゃ は精神 せいしん 科 か を紹介 しょうかい されたことで、症状 しょうじょう は気 き のせいだと感 かん じ不快 ふかい に思 おも っている場合 ばあい もあるが、じっくり訴 うった えに向 む き合 あ うことで、身体 しんたい 疾患 しっかん が明 あき らかとなることもある[5] 。
身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう について、おおげさだと非難 ひなん したり医学 いがく 的 てき 疾患 しっかん を見 み すごした場合 ばあい 、汚名 おめい を着 き せたり、不適切 ふてきせつ な薬物 やくぶつ 療法 りょうほう や心理 しんり 療法 りょうほう につながったり、病気 びょうき になったりといった被害 ひがい を被 こうむ りうるため、そうした危険 きけん 性 せい に十分 じゅうぶん な注意 ちゅうい が必要 ひつよう とされる[17] 。失明 しつめい のような中枢 ちゅうすう 神経 しんけい の症状 しょうじょう は心 しん 因 いん 性 せい として仮定 かてい しがたいという生理学 せいりがく 者 しゃ の意見 いけん もある[22] 。
身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい という分類 ぶんるい 自体 じたい を診断 しんだん 名 めい かのように扱 あつか うのは不適切 ふてきせつ であり、個々 ここ の診断 しんだん 基準 きじゅん を適応 てきおう していない不適切 ふてきせつ な臨床 りんしょう につながるため、この用語 ようご 自体 じたい は臨床 りんしょう で役立 やくだ つとは言 い えない[4] 。
解剖 かいぼう 学 がく 的 てき に非合理 ひごうり 的 てき な症状 しょうじょう を呈 てい し、かつ心 こころ 因 いん 性 せい として起 お こりやすい症状 しょうじょう であれば、身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい や心 しん 因 いん 性 せい の診断 しんだん を行 おこな いがちだが、たいした心 しん 因 いん がない場合 ばあい も多 おお く、ほとんどが自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい の脳症 のうしょう が推定 すいてい され免疫 めんえき 療法 りょうほう に反応 はんのう したという報告 ほうこく がある[23] 。検査 けんさ 技術 ぎじゅつ の向上 こうじょう によって器質 きしつ 性 せい 疾患 しっかん (身体 しんたい 的 てき な所見 しょけん がある)の鑑別 かんべつ が進 すす んできたが、検査 けんさ でとらえにくく残 のこ ってきたものが自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい 脳症 のうしょう だとも考 かんが えられる[24] 。21世紀 せいき に入 はい り、自己 じこ 抗体 こうたい の知見 ちけん や検査 けんさ 技術 ぎじゅつ が進展 しんてん し自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい 脳炎 のうえん ・脳症 のうしょう の症例 しょうれい が蓄積 ちくせき されたきたが、これまで心 しん 因 いん 性 せい とされてきたような、身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい でみられる偽 にせ 神経症 しんけいしょう 状 じょう のような症状 しょうじょう を起 お こしやすく、とりわけ症状 しょうじょう が1つ2つというわけではない場合 ばあい に疑 うたが える[25] 。
心身 しんしん 症 しょう では、身体 しんたい 疾患 しっかん が確定 かくてい しストレスなどによってこれが悪化 あっか する場合 ばあい の病態 びょうたい である[5] 。身体 しんたい 医学 いがく にて確立 かくりつ された疾患 しっかん が対象 たいしょう となる傾向 けいこう が大 おお きい[6] 。
以下 いか は精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん 名 めい ではない。
いわゆる心身 しんしん の反応 はんのう 、または機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症状 しょうじょう (あるいは症候群 しょうこうぐん )では、原因 げんいん に心理 しんり 的 てき 要因 よういん が皆無 かいむ で組織 そしき などに病理 びょうり がないが、身体 しんたい 症状 しょうじょう の増悪 ぞうあく また慢性 まんせい 化 か に心理 しんり ・社会 しゃかい 的 てき な要因 よういん が関与 かんよ する[8] 。身体 しんたい や病理 びょうり 学的 がくてき には異常 いじょう がないが、神経 しんけい 、内分泌 ないぶんぴつ 、免疫 めんえき といった恒常 こうじょう 性 せい の維持 いじ が破 は たんしている可能 かのう 性 せい があり、慢性 まんせい 的 てき なストレスと関 かかわ りがあるとみなされている[26] 。
機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん は、症状 しょうじょう の訴 うった えや、障害 しょうがい の程度 ていど が、確認 かくにん できる組織 そしき 障害 しょうがい の程度 ていど に対 たい して大 おお きい[6] 。以前 いぜん のDSM-IVの身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい の定義 ていぎ では精神 せいしん が中心 ちゅうしん となっているので違和感 いわかん があるが、それを外 はず したDSM-5による「身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう 」の定義 ていぎ では、身体 しんたい と精神 せいしん が一体 いったい となっているという心身 しんしん 症 しょう や機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん との重複 じゅうふく は大 おお きくなる[6] 。
繊維 せんい 筋 すじ 痛 つう 症 しょう では、精神 せいしん 障害 しょうがい とするならば疼痛 とうつう 性 せい 障害 しょうがい となるが、治療 ちりょう のための証拠 しょうこ がある繊維 せんい 筋 すじ 痛 つう 症 しょう と診断 しんだん したほうがいいという議論 ぎろん がある[3] 。
『精神 せいしん 科 か 治療 ちりょう における処方 しょほう ガイドブック』では、本 ほん 分類 ぶんるい の項 こう で以下 いか も紹介 しょうかい している。
線維 せんい 筋 すじ 痛 つう 症 しょう [27] - 広範囲 こうはんい に痛 いた みがあり、診断 しんだん 基準 きじゅん では全身 ぜんしん の18か所 しょ を押 お したときに11か所 しょ 以上 いじょう が痛 いた い。中高年 ちゅうこうねん の女性 じょせい に発症 はっしょう しやすい。関節 かんせつ リウマチ 、がんなど鑑別 かんべつ 困難 こんなん なものがあり、診断 しんだん は慎重 しんちょう に下 くだ される。
慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん [27] - 激 はげ しい疲労 ひろう 感 かん のため社会 しゃかい 生活 せいかつ が送 おく れず、原因 げんいん 不明 ふめい である。
機能 きのう 性 せい 胃腸 いちょう 症 しょう と過敏 かびん 性 せい 腸 ちょう 症候群 しょうこうぐん [27] - 消化 しょうか 器 き 系 けい の症状 しょうじょう があるが検査 けんさ による身体 しんたい 疾患 しっかん として判明 はんめい せず、過敏 かびん 性 せい 腸 ちょう 症候群 しょうこうぐん では下痢 げり 型 がた ・便秘 べんぴ 型 がた ・混合 こんごう 型 がた などで、ストレスや心理 しんり 的 てき なものも一因 いちいん にあるとされるもの。
更年期 こうねんき 障害 しょうがい [27] - 機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん の一覧 いちらん にはない[6] 。更年期 こうねんき (中高年 ちゅうこうねん )の女性 じょせい において、女性 じょせい ホルモンの分泌 ぶんぴつ の変動 へんどう と性格 せいかく などによって複 ふく 合 あい 的 てき に、ほてり、発汗 はっかん 、めまい、頭痛 ずつう 、関節 かんせつ 痛 つう 、冷 ひ え、疲労 ひろう 感 かん といった身体 しんたい 症状 しょうじょう を示 しめ し、精神 せいしん では不安 ふあん や抑 そもそも うつなどであり、ホルモン補充 ほじゅう 療法 りょうほう に反応 はんのう しやすいがこの治療 ちりょう 法 ほう には副作用 ふくさよう もあり21世紀 せいき 初期 しょき に使用 しよう が減少 げんしょう した。
腰 こし の痛 いた みと歩行 ほこう 困難 こんなん となり、3人 にん の医師 いし を訪 たず ねたが、それぞれ更年期 こうねんき 障害 しょうがい 、自律 じりつ 神経 しんけい 失調 しっちょう 症 しょう 、原因 げんいん 不明 ふめい とされ、まだ痛 いた むので整形 せいけい 外科 げか に入院 にゅういん したが、「気持 きも ちの問題 もんだい 」「痛 いた いと思 おも うから痛 いた い」などと言 い われ、別 べつ の病院 びょういん に行 い ったら、血液 けつえき 検査 けんさ に疑問 ぎもん な点 てん があり化膿 かのう 性 せい 脊髄 せきずい 炎 えん と診断 しんだん された[28] 。先 さき の入院 にゅういん では医師 いし の言動 げんどう によって心 しん 因 いん 性 せい に症状 しょうじょう が悪化 あっか したといってよい[28] 。
他 た には、頭痛 ずつう 、めまい、歩行 ほこう 時 じ によろめくといった症状 しょうじょう を呈 てい し、大学 だいがく 付属 ふぞく 病院 びょういん の内科 ないか で異常 いじょう がなかったため、精神 せいしん 科 か に行 い き心 しん 因 いん 性 せい が疑 うたが われた後 のち に、脳波 のうは 異常 いじょう 、右 みぎ 耳 みみ に偏 かたよ った難聴 なんちょう が検査 けんさ で確認 かくにん され、外泊 がいはく を含 ふく む入院 にゅういん 5か月 げつ までに心理 しんり 面接 めんせつ も定期 ていき 的 てき に行 おこな われ、最終 さいしゅう 的 てき に、本人 ほんにん が口 くち を割 わ らなかった鎮静 ちんせい 剤 ざい の慢性 まんせい 中毒 ちゅうどく だと判明 はんめい した[28] 。
過度 かど の疲労 ひろう 、身体中 からたじゅう の痛 いた み、睡眠 すいみん 障害 しょうがい 、消化 しょうか 器 き の不調 ふちょう 等 とう の症状 しょうじょう があり、通常 つうじょう の検査 けんさ 結果 けっか には何 なに も異常 いじょう が見 み られない事 こと から「精神 せいしん 的 てき な問題 もんだい である」と言 い われていた患者 かんじゃ が、他 た 院 いん に転院 てんいん し遺伝子 いでんし 検査 けんさ を受 う けた結果 けっか 、古典 こてん 型 がた エーラスダンロス症候群 しょうこうぐん 判明 はんめい したケースもある。エーラスダンロス症候群 しょうこうぐん は身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう や慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん と誤診 ごしん を受 う けがちな症状 しょうじょう を呈 てい することがある。このような身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい と似 に ている症状 しょうじょう が重 おも く現 あらわ れる患者 かんじゃ の場合 ばあい 、エーラスダンロスの典型 てんけい 症状 しょうじょう である皮膚 ひふ の進展 しんてん 症状 しょうじょう が重症 じゅうしょう ではない場合 ばあい もある。エーラスダンロス症候群 しょうこうぐん の有 ゆう 病 びょう 率 りつ は5000人 にん に1人 ひとり と言 い われているがこれは誤 あやま りであり、多 おお くの患者 かんじゃ が身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい 等 とう の別 べつ の疾患 しっかん の診断 しんだん を受 う け続 つづ けるため、正 ただ しい診断 しんだん 名 めい にたどり着 つ けないことで有 ゆう 病 びょう 率 りつ が実際 じっさい の患者 かんじゃ 数 すう よりも低 ひく いのである。
体内 たいない 異物 いぶつ に対 たい する免疫 めんえき 反応 はんのう を起 お こしている患者 かんじゃ がこの疾患 しっかん の診断 しんだん を受 う ける。この症状 しょうじょう はBreast Implant Illnessと呼 よ ばれ、英語 えいご 圏 けん ではさまざまな文献 ぶんけん が存在 そんざい している。体内 たいない 異物 いぶつ は人工 じんこう 関節 かんせつ や美容 びよう 整形 せいけい 等 とう の液体 えきたい 注入 ちゅうにゅう 系 けい の異物 いぶつ 、豊 ゆたか 胸 むね だけではなく鼻 はな や顎 あご 等 とう の異物 いぶつ を含 ふく む。体内 たいない 異物 いぶつ に対 たい する免疫 めんえき 反応 はんのう やアレルギーの場合 ばあい 、通常 つうじょう 検査 けんさ で検査 けんさ 所見 しょけん は異常 いじょう が見当 みあ たらないが、異物 いぶつ を除去 じょきょ することで症状 しょうじょう が改善 かいぜん する。この疾患 しっかん は海外 かいがい では身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい に誤診 ごしん を受 う けやすい疾患 しっかん としてBreast implant illnessと呼 よ ばれ多 おお くの文献 ぶんけん で取 と り上 あ げられている。[29] [30]
心 しん 因 いん 性 せい に見 み えても、身体 しんたい の検査 けんさ を怠 おこた らず、資料 しりょう を集 あつ めて、その範囲 はんい を超 こ える不確 ふたし かな判断 はんだん に注意 ちゅうい し、身体 しんたい ・精神 せいしん 両面 りょうめん からの可能 かのう 性 せい を忘 わす れないことが教訓 きょうくん とされる[28] 。
精神 せいしん 医学 いがく における症状 しょうじょう による分類 ぶんるい は、脳 のう の病理 びょうり 学 がく 的 てき な解明 かいめい が進 すす むまでの手段 しゅだん であり、ドイツ精神 せいしん 医 い 学会 がっかい を創設 そうせつ したヴィルヘルム・グリージンガー (英語 えいご 版 ばん ) を継承 けいしょう し、診断 しんだん 分類 ぶんるい を体系 たいけい 化 か したエミール・クレペリン の時代 じだい には、アルツハイマー の疾患 しっかん 単位 たんい も発見 はっけん されている[5] 。クレペリンの偉業 いぎょう は、『精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん と統計 とうけい マニュアル 』にも受 う け継 つ がれた[5] 。医学 いがく の進展 しんてん は、以前 いぜん 理解 りかい されていなかった症状 しょうじょう の原因 げんいん を発見 はっけん するものであり、精神 せいしん 医学 いがく の領域 りょういき を縮小 しゅくしょう していき、病原菌 びょうげんきん としてのスピロヘータ の発見 はっけん は、精神病 せいしんびょう による麻痺 まひ を神経 しんけい 学 がく のものとして置 お き換 か えた[17] 。
1980年 ねん のDSM-IIIに「身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい 」の分類 ぶんるい が登場 とうじょう した[5] 。精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん 名 めい としての身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 、身体 しんたい 化 か といった言葉 ことば は、精神 せいしん が中心 ちゅうしん となっているという含意 がんい があり、精神 せいしん と身体 しんたい が二分 にぶん されており、精神 せいしん と身体 しんたい が一体 いったい となっている機能 きのう 性 せい 身体 しんたい 症候群 しょうこうぐん から見 み れば受 う け入 い れにくいものであった[6] 。2013年 ねん のDSM-5では「身体 しんたい 症状 しょうじょう 症 しょう および関連 かんれん 症 しょう 群 ぐん 」へと分類 ぶんるい 名 めい が変更 へんこう され、「医学 いがく 的 てき に説明 せつめい ができない」という信頼 しんらい 性 せい に限界 げんかい のある定義 ていぎ があり、精神 せいしん に帰 き するとして受 う けるべき身体 しんたい 的 てき な検査 けんさ から除外 じょがい されるという懸念 けねん を減 へ らし、また身体 しんたい 疾患 しっかん の並存 へいそん を可 か とした[5] 。
日本 にっぽん ではクレペリンに学 まな んだ呉 ご 秀三 しゅうぞう (くれしゅうぞう)が19世紀 せいき 末 まつ に診断 しんだん 分類 ぶんるい を輸入 ゆにゅう し、ギリシャ語 ご の子宮 しきゅう hustéra に由来 ゆらい する、ヒステリーを臓躁狂 きょう と訳 やく し、また神経 しんけい 衰弱 すいじゃく 狂 きょう といった診断 しんだん も日本 にっぽん で用 もち いられるようになった[5] 。日本 にっぽん では10世紀 せいき より以前 いぜん から、中国 ちゅうごく より輸入 ゆにゅう した養生 ようじょう によって健康 けんこう 増進 ぞうしん を図 はか り、また苦 くる しみに社会 しゃかい 的 てき また倫理 りんり 的 てき な価値 かち を見出 みいだ してきており、そこに精神 せいしん 医学 いがく がドイツから輸入 ゆにゅう され、神経 しんけい 衰弱 すいじゃく が共感 きょうかん を得 え て、日常 にちじょう レベルの苦痛 くつう を初 はじ めて治療 ちりょう 対象 たいしょう とするものとして大衆 たいしゅう に受 う け入 い れられた[31] 。神経 しんけい 衰弱 すいじゃく の診断 しんだん は、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご には廃 すた れていった[31] 。
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