軍ぐん臣しん単たん于

軍ぐん臣しん単たん于の治おさめた匈奴きょうどの勢力せいりょく圏けん

軍ぐん臣しん 単たん于（ぐんしん ぜんう、拼音：Jūnchén Chányú、? - 紀元前きげんぜん127年ねん）は、中国ちゅうごく前漢ぜんかん時代じだいの匈奴きょうどの単たん于（在位ざいい：紀元前きげんぜん161年ねん - 紀元前きげんぜん127年ねん）。老ろう上うえ単たん于の子こ。

生涯しょうがい

老ろう上うえ単たん于の子ことして生うまれる。

紀元前きげんぜん161年ねん、父ちちの死しにより軍ぐん臣しんが即位そくいすると、漢かんの文ぶん帝みかど（在位ざいい：前ぜん180年ねん - 前ぜん157年ねん）はまた匈奴きょうどと友好ゆうこう条約じょうやくを結むすび、中ちゅう行くだり説せつも軍ぐん臣しんに仕つかえた。

4年ねん後ご（前ぜん158年ねん）、匈奴きょうどは漢かんとの友好ゆうこう条約じょうやくを破やぶり、大挙たいきょして上郡かみごおり・雲くも中郡なかぐんに侵入しんにゅうした。これに対たいし、漢かんが国境こっきょう警備けいびを強化きょうかしたため、匈奴きょうどは長城ちょうじょうから遠とおく離はなれた。

1年ねんあまりの後のち（前ぜん157年ねん）、文ぶん帝みかどが崩御ほうぎょし、景けい帝みかど（在位ざいい：前ぜん156年ねん - 前ぜん141年ねん）が即位そくいすると、趙ちょう王おうの劉りゅう遂とげは密ひそかに匈奴きょうどへ使者ししゃを送おくり、呉ご・楚すわえの謀反むほんに乗じょうじて匈奴きょうどを漢かんに侵入しんにゅうさせようとした。しかし、趙ちょうが漢かんによって倒たおされたため、匈奴きょうどは侵入しんにゅうをあきらめた。この後のち、孝こう景けい帝みかどは匈奴きょうどとふたたび友好ゆうこう関係かんけいを結むすび、関所せきしょでの交易こうえきを許ゆるし、漢かんの公主こうしゅを娶めとらせた。

武たけ帝みかど（在位ざいい：前ぜん141年ねん - 前ぜん87年ねん）の時代じだいになっても匈奴きょうどと漢かんの友好ゆうこう関係かんけいが続つづいたが、元もと光ひかり2年ねん（前ぜん133年ねん）に将軍しょうぐんの王おう恢の計略けいりゃくによって、馬うま邑の富豪ふごうである聶壱が禁令きんれい違反いはんの貢物みつぎものを携たずさえて、軍ぐん臣しん単たん于を騙だまし討うちにする計画けいかくだったが、これは怪あやしいと察知さっちした軍ぐん臣しん単たん于が一人ひとりの漢かん将しょうから仔細しさいを聴きいて至急しきゅう引ひき揚あげたという。これ以後いご、匈奴きょうどは漢かんとの友好ゆうこう関係かんけいを断交だんこうし、再ふたたび対立たいりつの時代じだいを迎むかえる。

馬うま邑の事件じけんから5年ねん後ご（前ぜん129年ねん）の秋あき、漢かんは衛まもる青あお・公孫こうそん賀が・公孫こうそん敖・李り広ひろの4将軍しょうぐんを匈奴きょうどへ向むけて派兵はへいしたが、ほとんど成果せいかがなかったばかりか、李り広ひろなどは敗北はいぼくして生いけ捕どりにされるという失態しったいを犯おかした。

元もと朔ついたち元年がんねん（前ぜん128年ねん）秋あき、匈奴きょうどの2万まん騎きは漢かんの領内りょうないへ侵入しんにゅうし、遼りょう西にし太守たいしゅを殺害さつがいして2千せん人にんあまりの住民じゅうみんを連つれ去さった。さらに漁りょう陽ひにも侵入しんにゅうし、将軍しょうぐんの韓かん安国やすくにを包囲ほういした。しかし、燕つばめからの援軍えんぐんが来きたので匈奴きょうどは撤退てったいした。その後ごも匈奴きょうどは雁かり門もんに侵入しんにゅうしたが、漢かんの衛まもる青あお・李り息いきの軍ぐんに撃退げきたいされ、数すう千せん人にんが殺害さつがい・捕虜ほりょにされた。

元もと朔ついたち2年ねん（前ぜん127年ねん）、衛まもる青あおは雲くも中ちゅうから隴西まで進軍しんぐんし、オルドスに割拠かっきょする楼ろう煩はんと白しろ羊ひつじ王おうを撃退げきたいし、秦はた代だい以来いらいとなる河南かなんの地ち（オルドス）を匈奴きょうどから取とり戻もどした。これにより漢かんは、朔ついたち方かたに長城ちょうじょうを築きずき、秦はたの蒙こうむ恬の砦とりでを修復しゅうふくして防備ぼうびを固かためた。この年としの冬ふゆ、軍ぐん臣しん単たん于が死しに、その弟おとうとである左ひだり谷たに蠡王の伊い稚やや斜はすが単たん于の位くらいについた。

子こ

• 於単

参考さんこう資料しりょう

• 『史記しき』（匈奴きょうど列伝れつでん）