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遮断しゃだん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
JR西日本にしにほん踏切ふみきり遮断しゃだん腕木うできしき)。右側みぎがわ大口おおぐち遮断しゃだん桿を採用さいよう

遮断しゃだん(しゃだんき)とは、踏切ふみきりなどにおいて優先ゆうせんされる交通こうつう確保かくほするためなどにもちいられる通行つうこう制限せいげんするための装置そうち有料ゆうりょう道路どうろ料金りょうきんしょ有料ゆうりょう駐車ちゅうしゃじょう車両しゃりょう一時いちじ停車ていしゃさせる場合ばあいや、大雨おおあめ落石らくせきとうによる通行止つうこうどめが頻繁ひんぱん発生はっせいする道路どうろにも設置せっちされる(交通こうつう遮断しゃだん)が、ここでは鉄道てつどうよう遮断しゃだん踏切ふみきり遮断しゃだん)について説明せつめいする。

概要がいよう

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踏切ふみきり遮断しゃだん遮断しゃだん桿(かん)などで踏切ふみきりないへの自動車じどうしゃ歩行ほこうしゃなどの進入しんにゅうふせぐための装置そうちである[1]踏切ふみきり遮断しゃだんおおきくけると手動しゅどうしき電動でんどうしき分類ぶんるいでき、ふるくは踏切ふみきり係員かかりいん手動しゅどう操作そうさしていた[1]。また、電動でんどうづけ踏切ふみきり遮断しゃだん登場とうじょうしたのちもその操作そうさ踏切ふみきり係員かかりいんおこなっていた[1]日本にっぽん自動じどうされた踏切ふみきり遮断しゃだん登場とうじょうするのは1958ねん昭和しょうわ33ねん)になってからである[1]

日本にっぽんでは踏切ふみきり警報けいほうとあわせて自動じどうしきがほとんどであるが、開閉かいへい踏切ふみきり警手けいしゅおこなうものや、踏切ふみきり通行つうこうしゃあつかうものも存在そんざいする。

おおくは遮断しゃだん機内きない電源でんげんスイッチ・電動でんどう(モーター)ブレーキ装置そうち回路かいろ制御せいぎょ・リレーなどを内蔵ないぞうしており、停電ていでんなどにより電源でんげんとなったときは自動的じどうてき遮断しゃだん稈が降下こうかするものと上昇じょうしょうするものがあり、これらは各社かくしゃきょくにより相違そういがある。また、電気でんき素子そし記録きろくおこなっている。

遮断しゃだん連続れんぞく風速ふうそく15m/sのなかでも安全あんぜん遮断しゃだん動作どうさできる性能せいのうゆうしている。

種別しゅべつ

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制御せいぎょ駆動くどう方式ほうしき

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踏切ふみきり遮断しゃだん遮断しゃだん桿は、警報けいほう開始かいし直後ちょくごでは、踏切ふみきり進入しんにゅうした自動車じどうしゃなどがそこから進出しんしゅつできるように、5-8びょうでゆっくりと降下こうかし、警報けいほう解除かいじょ直後ちょくごでは、通行つうこうしゃ自動車じどうしゃなどがはや踏切ふみきり進入しんにゅうできるように、4-5びょうはや上昇じょうしょうする仕組しくみとなっている。

踏切ふみきり遮断しゃだんでは遮断しゃだん桿を作動さどうさせる電源でんげん種類しゅるいにより直流形ちょくりゅうがた交流こうりゅうがたがあり、直流形ちょくりゅうがたではちょくまき電動でんどうとブラシレス電動でんどう使用しようされ、蓄電池ちくでんち設備せつびがある踏切ふみきり使用しようされており、交流こうりゅうがたでは、誘導ゆうどう電動でんどう使用しようされ、専用せんようこうあつ配電はいでんせん設備せつびがある踏切ふみきり使用しようされている。

踏切ふみきり遮断しゃだん機内きないには、遮断しゃだん桿を上昇じょうしょう位置いちまたは下降かこう位置いち保持ほじするブレーキ装置そうち[2]遮断しゃだん桿が作動さどうしているときにいたずらや自動車じどうしゃ通行つうこうなどによる拘束こうそくけたさい電動でんどう保護ほごするためのフリクションクラッチがもうけられており、電動でんどう回転かいてんりょくを2だん減速げんそく歯車はぐるまと3だんにあるセクトーギアーとばれる1/4えん歯車はぐるまかいして遮断しゃだん桿を駆動くどうさせる。遮断しゃだん桿の動作どうさにおいては、下降かこうでは、上昇じょうしょう位置いちにおいてブレーキ装置そうちによるブレーキが解除かいじょされたのち電動でんどう電源でんげんはい遮断しゃだん桿が降下こうか開始かいしする、下降かこう位置いちになると電動でんどう電源でんげん遮断しゃだんされてブレーキ装置そうちによるブレーキがかり下降かこう位置いち保持ほじされ、上昇じょうしょうでは、したのぼり位置いちにおいてブレーキ装置そうちによるブレーキが解除かいじょされたのち電動でんどう電源でんげんはい遮断しゃだん桿が上昇じょうしょう開始かいしする、うえくだ位置いちになると電動でんどう電源でんげん遮断しゃだんされてブレーキ装置そうちによるブレーキがかりじょうくだ位置いち保持ほじする仕組しくみとなっている。

遮断しゃだん方式ほうしき

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踏切ふみきり遮断しゃだん種別しゅべつには片側かたがわ腕木うできしき両側りょうがわ腕木うできしきのぼりひらくしき引戸ひきどしきつなはりしきがある[1]電動でんどう場合ばあいは「電動でんどう」をかんした名称めいしょうとなる[1]

なお、日本にっぽんきゅう基準きじゅんでは1925ねん大正たいしょう14ねん)に引掛しき上下じょうげしき、引出しきの3しゅさだめられていた[3]。また、1948ねん昭和しょうわ23ねん)にはのぼりひらくしき片側かたがわ腕木うできしき両側りょうがわ腕木うできしき引戸ひきどしきつなはりしきさだめられた[3]

腕木うできしき

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2だんがた遮断しゃだん桿(伊賀いが鉄道てつどう
中央ちゅうおうせん快速かいそく豊田とよだ日野ひのあいだしょうじた遮断しゃだん折損せっそん
列車れっしゃ警笛けいてきらしつつさい徐行じょこう通過つうかする。

腕木うでき遮断しゃだん桿)を利用りようする踏切ふみきり遮断しゃだんもっとおお採用さいようされている遮断しゃだん方式ほうしきである。

踏切ふみきりどう片側かたがわから道路どうろ遮断しゃだんする踏切ふみきり遮断しゃだん片側かたがわ腕木うできしき踏切ふみきりどう両側りょうがわから道路どうろ遮断しゃだんする踏切ふみきり遮断しゃだん両側りょうがわ腕木うできしきという[1]

遮断しゃだん桿のながさは、むかしは6mが主流しゅりゅうであったが、道路どうろ整備せいび進展しんてんによって現在げんざいは8mが主流しゅりゅうとなっており、道幅みちはばひろ場合ばあいでは、10-20mの範囲はんい遮断しゃだんできる、「2だんがた遮断しゃだん桿」が採用さいようされている踏切ふみきりもある。

遮断しゃだん桿はおもたけ使つかわれてきたが、近年きんねんでは繊維せんい強化きょうかプラスチック (FRP) を使つかったものが主流しゅりゅうとなってきている。日本にっぽんでは、ほとんどがくろしま模様もようであるが、最近さいきんでは踏切ふみきり事故じこ防止ぼうしのため、遮断しゃだん桿のはばおおきくした「大口おおぐち遮断しゃだん桿」やあかしろ模様もよう遮断しゃだん桿も使用しようされている。なお、日本にっぽん国外こくがい踏切ふみきりではあかしろ模様もようもっとおお使つかわれている。

なお、遮断しゃだん桿が自動車じどうしゃ踏切ふみきりない往生おうじょうした場合ばあいには、そのままゆっくり遮断しゃだん桿をすように車両しゃりょうすすめていけば遮断しゃだん桿がななめにがる「遮断しゃだん折損せっそん防止ぼうし」が設置せっちされている場合ばあいがある。この場合ばあい容易ようい脱出だっしゅつすることが可能かのうである。

遮断しゃだん桿がれた場合ばあいは、安全あんぜん確認かくにんのため列車れっしゃ遅延ちえんしてダイヤがみだれたりする場合ばあいおおい。

なお、つね踏切ふみきりどう遮断しゃだんしているもので、通行つうこうしゃ自力じりき遮断しゃだん桿をげる形式けいしきのものは重力じゅうりょくしきばれることがある。社員しゃいん専用せんよう通路つうろなどで使用しようされている。

のぼりひらくしき

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のぼりひらくしき遮断しゃだん名古屋鉄道なごやてつどう

のぼりひらくしき水平すいへいったワイヤーをそのまま上下じょうげさせる方式ほうしき踏切ふみきり遮断しゃだん[1][3]踏切ふみきりりょうはしはしら設置せっちして、はしらにレールを取付とりつけてワイヤーをり、それが上下じょうげうごくことによって踏切ふみきりどう遮断しゃだんする。ワイヤーには踏切ふみきりしるべばんけられている。

腕木うできしきでは遮断しゃだんできないはばひろ踏切ふみきりどうや、交通こうつうなどに設置せっちされているが、踏切ふみきりないひと自動車じどうしゃとうめられたときには、そこから脱出だっしゅつできないため、踏切ふみきり警手けいしゅ常駐じょうちゅうする踏切ふみきりかぎられる。「2だんがた遮断しゃだん桿」の普及ふきゅうなどにより、かずすくなくなってきている。

なお、日本にっぽんの1925ねん大正たいしょう14ねん)にさだめられた基準きじゅんでは桿類を上下じょうげして遮断しゃだんする方式ほうしき上下じょうげしき分類ぶんるいされていた[3]

引戸ひきどしき

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引戸ひきどしきとびら引戸ひきど)を左右さゆううごかして開閉かいへいする踏切ふみきり遮断しゃだん[1]。なお、日本にっぽんの1925ねん大正たいしょう14ねん)の基準きじゅんでは桿やして遮断しゃだんする方式ほうしきは引出しき分類ぶんるいされていた[3]

つなはりしき

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つなはりしきつなくさりなどを左右さゆう方式ほうしき踏切ふみきり遮断しゃだん[1]。なお、日本にっぽんの1925ねん大正たいしょう14ねん)の基準きじゅんではくさりつないて遮断しゃだんする方式ほうしきは引掛しき分類ぶんるいされていた[3]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j 踏切ふみきり警報けいほう遮断しゃだん”. 鉄道てつどう総研そうけん. 2019ねん2がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ 作動さどう電気でんき使用しようしており、ブレーキーシューの摩擦まさつりょくによる電磁でんじしき摩擦まさつブレーキとうず電流でんりゅう吸引きゅういんりょくによる接触せっしょく電磁でんじブレーキがある
  3. ^ a b c d e f 安部あべ誠治せいじ踏切ふみきり事故じこはなぜなくならないか』高文たかふみとげ、2015ねん、57ぺーじ 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 鉄道てつどう電気でんき読本とくほん 改訂かいていばん 日本にっぽん鉄道てつどう電気でんき技術ぎじゅつ協会きょうかい ISBN 978-4-931273-65-8

関連かんれん項目こうもく

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