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遷移せんい状態じょうたい理論りろん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
1: ブロモメタンと水酸化物すいさんかぶつイオンとのあいだの2分子ぶんしてきもとめかく置換ちかんSN2反応はんのう反応はんのう座標ざひょう

遷移せんい状態じょうたい理論りろん(せんいじょうたいりろん、えい: Transition state theory略称りゃくしょう: TST)は、化学かがく反応はんのう反応はんのう速度そくど説明せつめいする。ほん理論りろん反応はんのうぶつ活性かっせいした遷移せんい状態じょうたいふく合体がったいとのあいだ特別とくべつ種類しゅるい化学かがく平衡へいこうなずらえ平衡へいこうじゅん平衡へいこう)を仮定かていする[1]

TSTは、どのように化学かがく反応はんのうこるかを定性的ていせいてき理解りかいするためにおも使つかわれる。TSTは絶対ぜったい反応はんのう速度そくど定数ていすう計算けいさんするというその当初とうしょ目標もくひょうについてはあまり成功せいこうしていない。これは、絶対ぜったい反応はんのう速度そくど計算けいさんにはポテンシャルエネルギーめん正確せいかく情報じょうほう必要ひつようなためである[2]。しかし、速度そくど定数ていすう実験じっけんてき決定けっていされている特定とくてい反応はんのうについての標準ひょうじゅん活性かっせいエンタルピーΔでるたHΔでるたHɵともかれる)、標準ひょうじゅん活性かっせいエントロピー英語えいごばんΔでるたSまたはΔでるたSɵ)、および標準ひょうじゅん活性かっせいギブズエネルギーΔでるたGまたはΔでるたGɵ)の計算けいさんには成功せいこうしている(表記ひょうき興味きょうみあるが「遷移せんい状態じょうたいのもの」であることをす; ΔでるたH遷移せんい状態じょうたいのエンタルピーと反応はんのうぶつのエンタルピーのである)。

この理論りろんは1935ねんに(当時とうじプリンストン大学ぷりんすとんだいがくの)ヘンリー・アイリングと(マンチェスター大学だいがくの)メレディス・グウィン・エヴァンス英語えいごばんマイケル・ポランニーによって同時どうじ構築こうちくされた[3][4]。TSTは「活性かっせい合体がったい理論りろん」、「絶対ぜったい速度そくど理論りろん」、「絶対ぜったい反応はんのう速度そくど理論りろん」ともばれる[5]

TSTの構築こうちくまえは、アレニウスの速度そくどそく反応はんのう障壁しょうへきについてのエネルギーを決定けっていするためにひろ使つかわれた。アレニウスのしき経験けいけんてき観察かんさつからみちびかれ、1つかそれ以上いじょう反応はんのうちゅうあいだたい反応はんのうぶつ始原しげんけい)から生成せいせいぶつ生成せいせいけい)への変換へんかん関与かんよしているのかといった機構きこうてき考察こうさつ無視むししている[6]。したがって、この法則ほうそく関連かんれんした2つのパラメータ、ぜん指数しすう因子いんし英語えいごばんA)と活性かっせいエネルギー(Ea)を理解りかいするためにはさらなる理論りろん発展はってん必要ひつようであった。アイリングのしきをもたらしたTSTはこれら2つの問題もんだい解決かいけつ成功せいこうした。しかしながら、アレニウスの速度そくどそく発表はっぴょうされた1889ねんから、アイリングのしきがTSTからみちびかれた1935ねんまで、46ねん経過けいかしていた。このあいだおおくの科学かがくしゃ研究けんきゅうしゃがこの理論りろん発展はってんおおきく貢献こうけんした。

理論りろん

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遷移せんい状態じょうたい理論りろん背景はいけいにある基本きほんてきかんがかた以下いかとおりである。

  1. 反応はんのう速度そくどは、ポテンシャルエネルギーめん鞍点あんてんちかくの活性かっせいふく合体がったい活性かっせい合体がったい)を調しらべることによって研究けんきゅうすることができる。これらのふく合体がったいがどのように形成けいせいされるかの詳細しょうさい重要じゅうようではない。鞍点あんてんそれ自身じしん遷移せんい状態じょうたいばれる。
  2. 活性かっせいふく合体がったい反応はんのうぶつ分子ぶんし特別とくべつ平衡へいこうなずらえ平衡へいこう)にある。
  3. 活性かっせいふく合体がったい生成せいせいぶつへと変換へんかんでき、この変換へんかん速度そくど計算けいさんするために運動うんどうろん使用しようすることができる。

発展はってん

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TSTの発展はってんにおいて、以下いか要約ようやくしたように3つのアプローチがられた。

ねつ力学りきがくてきあつか

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1884ねんヤコブス・ファント・ホッフは、可逆かぎゃく反応はんのうについての平衡へいこう定数ていすう温度おんど依存いぞんせい記述きじゅつするファントホッフのしき提唱ていしょうした。

うえしきにおいて、ΔでるたU内部ないぶエネルギーの変化へんかk反応はんのう平衡へいこう定数ていすうR気体きたい定数ていすうTねつ力学りきがくてき温度おんどである。実験じっけん結果けっかもとづいて、1889ねんスヴァンテ・アレニウス反応はんのう速度そくど定数ていすうについて同様どうようしき提唱ていしょうした。

このしき積分せきぶんするとアレニウスのしき

みちびかれる(k速度そくど定数ていすう)。A頻度ひんど因子いんし現在げんざいぜん指数しすう因子いんしばれる)とばれ、Ea活性かっせいエネルギーとなされる。20世紀せいき初頭しょとうまでに、おおくの科学かがくしゃはアレニウスのしきれていたが、AおよびEa物理ぶつりがくてき解釈かいしゃくはいまだ漠然ばくぜんとしていた。そのため、化学かがく反応はんのう速度そくどろんおおくの研究けんきゅうしゃが、AEa化学かがく反応はんのう必要ひつよう分子ぶんし運動うんどう直接的ちょくせつてきむすけるこころみのなかで、どのように化学かがく反応はんのうこるかについての様々さまざま理論りろん提唱ていしょうした[よう出典しゅってん]

1910ねん、フランスの化学かがくしゃルネ・マルセラン英語えいごばん標準ひょうじゅん活性かっせいギブズエネルギーの概念がいねん導入どうにゅうした。これは

くことができる。

マルスランがかれ理論りろん構築こうちくについて研究けんきゅうしていたのとおなごろ、オランダの化学かがくしゃPhilip Abraham Kohnstamm、Frans Eppo Cornelis Scheffer、Wiedold Frans Brandsmaが標準ひょうじゅん活性かっせいエントロピーと標準ひょうじゅん活性かっせいエンタルピーを導入どうにゅうした。かれらは以下いか反応はんのう速度そくどしき提唱ていしょうした。

しかしながら、この定数ていすう本質ほんしつ不明ふめいなままであった。

運動うんどう理論りろんてきあつか

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1900ねん初頭しょとうマックス・トラウツ英語えいごばんウィリアム・ルイス英語えいごばん気体きたい分子ぶんし運動うんどうろんもとづく衝突しょうとつ理論りろん英語えいごばん使つかって反応はんのう速度そくど研究けんきゅうした。衝突しょうとつ理論りろんは、反応はんのうする分子ぶんしたがいに衝突しょうとつする剛体ごうたいだまとしてあつかう。この理論りろんは、分子ぶんしあいだ衝突しょうとつ完全かんぜん弾性だんせいてきであると仮定かていするため、エントロピー変化へんか無視むしする。

ルイスはかれあつかいを以下いかしき適用てきようし、実験じっけんとのよい一致いっちた。

2HI → H2 + I2

しかしながら、そのおなあつかいが反応はんのう適用てきようされると、理論りろんてき結果けっか実験じっけん結果けっかとのあいだにはおおきな相違そういがあった。

統計とうけい力学りきがくてきあつか

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統計とうけい力学りきがくはTSTの構築こうちくにおいておおきな役割やくわりたした。しかしながら、19世紀せいき中頃なかごろジェームズ・クラーク・マクスウェルルートヴィッヒ・ボルツマンレオポルト・プファウントラー英語えいごばん分子ぶんし運動うんどう分子ぶんし速度そくど統計とうけいがくてき分布ぶんぷ観点かんてんから反応はんのう平衡へいこう速度そくどについて議論ぎろんした複数ふくすう論文ろんぶん出版しゅっぱんした事実じじつかんがみると、統計とうけい力学りきがくのTSTへの応用おうよう非常ひじょうにゆっくりと進展しんてんした。

フランスの化学かがくしゃA. Berthoudがマクスウェル=ボルツマン分布ぶんぷ使つかって反応はんのう速度そくどかんするしき

aおよびbはエネルギーこう関連かんれんした定数ていすう)をたのは1912ねんのことだった。

その2ねん、ルネ・マルセランは化学かがく反応はんのう進行しんこう位相いそう空間くうかんにおけるてん運動うんどうとしてあつかうことによって本質ほんしつてき貢献こうけんおこなった。マルセランはつぎに、ギブズの統計とうけい力学りきがくてき手順てじゅん適用てきようし、以前いぜんねつ力学りきがくてき考察こうさつから自身じしんていたものとしきた。

1915ねん、イギリスの物理ぶつり学者がくしゃJames Riceが重要じゅうよう貢献こうけんおこなった。自身じしん統計とうけい解析かいせきもとづき、Riceは反応はんのう速度そくどが「critical increment」(臨界りんかい増量ぞうりょう)に比例ひれいすると結論けつろんけた。かれ着想ちゃくそうリチャード・チェイス・トールマンによってさらに発展はってんした。1919ねん、オーストリアの物理ぶつり学者がくしゃカール・フェルディナント・ヘルツフェルト英語えいごばん統計とうけい力学りきがく平衡へいこう定数ていすうに、そして運動うんどう理論りろん原子げんし分子ぶんし可逆かぎゃくてき解離かいりについてのぎゃく反応はんのう速度そくど定数ていすうk−1適用てきようした[7]

ヘルツフェルトはじゅん反応はんのう速度そくど定数ていすうたいして以下いかしき[8]

うえしきにおいて、絶対ぜったいれいにおける解離かいりエネルギー、kBボルツマン定数ていすうhプランク定数ていすうTねつ力学りきがくてき温度おんど結合けつごう振動しんどう周波数しゅうはすうである。このしきは、TSTの重要じゅうよう要素ようそである因子いんしkBT/h速度そくど方程式ほうていしきはじめて登場とうじょうしたことから、非常ひじょう重要じゅうようである。

1920ねん、アメリカの化学かがくしゃリチャード・チェイス・トールマンがRiceのcritical incrementの着想ちゃくそうをさらに発展はってんさせた。トールマンは、反応はんのうのcritical increment(現在げんざい活性かっせいエネルギーとばれる)が反応はんのうこしているぜん分子ぶんし平均へいきんエネルギーからすべての反応はんのうぶつ分子ぶんし平均へいきんエネルギーをいたものにひとしいと結論けつろんけた。

ポテンシャルエネルギーめん

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ポテンシャルエネルギーめん概念がいねんはTSTの発展はってんにおいて非常ひじょう重要じゅうようであった。この概念がいねん基礎きそは1913ねんにルネ・マルセランによってきずかれた。マルセランは、化学かがく反応はんのう進行しんこう原子げんし運動うんどうりょう距離きょり座標ざひょうつポテンシャルエネルギーめんにおけるてんとして記述きじゅつできると理論りろんした。

1931ねんヘンリー・アイリングマイケル・ポランニー以下いか反応はんのうたいするポテンシャルエネルギーめん構築こうちくした。このめんは、量子力学りょうしりきがくてきしょ原理げんりならびに振動しんどう周波数しゅうはすうおよび解離かいりエネルギーの実験じっけんデータにもとづく3次元じげんである。

H + H2 → H2 + H

アイリングとポランニーの構築こうちくから1ねん、ハンス・ペルツァーとユージン・ウィグナーはポテンシャルエネルギーめんじょう反応はんのう進行しんこうをたどることによって重要じゅうよう貢献こうけんおこなった。この成果せいか重要じゅうようせいは、はじめてポテンシャルエネルギーめんにおける鞍点あんてん鞍部あんぶ英語えいごばん)の概念がいねん議論ぎろんされたことであった。かれらは反応はんのう速度そくど鞍部あんぶけい運動うんどうによって決定けっていされる、と結論けつろんけた。

典型てんけいてきには、りつそくてん最低さいてい鞍点あんてん)は初期しょき基底きてい状態じょうたいおなじエネルギーめんじょう位置いちしている、と仮定かていされてきた。しかしながら、最近さいきん半導体はんどうたいおよび絶縁ぜつえんたいちゅうこる過程かていについてはこれはあやまっているかもしれないことがあきらかにされた。これらの材料ざいりょうちゅうでは、初期しょき励起れいき状態じょうたいが、初期しょき基底きてい状態じょうたいめんじょう鞍点あんてんよりもひく鞍点あんてん通過つうかすることができる[9]

アイリングのしき正当せいとうせい

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アイリングポランニー、およびエヴァンスによって導入どうにゅうされたもっと重要じゅうよう要素ようその1つが、活性かっせいふく合体がったい反応はんのうぶつなずらえ平衡へいこう状態じょうたいにある、というかんがかたであった。その結果けっか反応はんのう速度そくどは、これらのふく合体がったい濃度のうどふく合体がったい生成せいせいぶつへと変換へんかんされる周波数しゅうはすうkBT/h)をじょうじたものにせい比例ひれいする。下部かぶに、アイリングのしき関数かんすう形式けいしきについて厳密げんみつでない妥当だとうせい主張しゅちょう(plausibility argument)がしめされる。しかしながら、かぎとなる統計とうけい力学りきがくてき因子いんしkBT/h正当せいとうされず、したしめされている論拠ろんきょはアイリングのしきしんの「導出どうしゅつ」を構成こうせいしない[10]

なずらえ平衡へいこう仮定かてい

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なずらえ平衡へいこう古典こてんてき化学かがく平衡へいこうとはことなるが、類似るいじしたねつ力学りきがくてき取扱とりあつかいを使つかって記述きじゅつすることができる[5] [11]以下いか反応はんのうについてかんがえる。

2: ポテンシャルエネルギー

ここでは、活性かっせいふく合体がったい [AB]ふくけいちゅうすべての化学かがくしゅあいだ完全かんぜん平衡へいこう達成たっせいされる。統計とうけい力学りきがく使つかって、[AB]濃度のうどはAとBの濃度のうど観点かんてんから計算けいさんすることができる。

TSTは、反応はんのうぶつ生成せいせいぶつたがいに平衡へいこう状態じょうたいにないときでさえも、活性かっせいふく合体がったい反応はんのうぶつなずらえ平衡へいこう状態じょうたいにあると仮定かていする。2でしめされているように、いかなる瞬間しゅんかんにおいても、少数しょうすう活性かっせいふく合体がったい存在そんざいし、一部いちぶ直近ちょっきん過去かこには反応はんのうぶつであり、これは [ABl]ばれる(ひだりからみぎ移動いどうするため)。のこりは直近ちょっきん過去かこには生成せいせいぶつ分子ぶんしであった([ABr])。

TSTでは、活性かっせいふく合体がったい2方向ほうこうながれはたが独立どくりつしていると仮定かていされる。すなわち、すべての生成せいせいぶつ分子ぶんし反応はんのうけいから突然とつぜんのぞかれたとすると、[ABr]ながれはまるが、ひだりからみぎへのながれはまだ存在そんざいする。したがって、技術ぎじゅつてきただしくえば、反応はんのうぶつは [ABl]直近ちょっきん過去かこ反応はんのうぶつだった活性かっせいふく合体がったい)のみと平衡へいこう状態じょうたいにある。

妥当だとうせい主張しゅちょう

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活性かっせいふく合体がったいはエネルギーのボルツマン分布ぶんぷしたがわないが、「平衡へいこう定数ていすう」は活性かっせいふく合体がったいしたが分布ぶんぷから導出どうしゅつすることができる。このなずらえ平衡へいこうついての平衡へいこう定数ていすうK

くことができる。

そのため、遷移せんい状態じょうたいAB濃度のうど

である。

したがって、生成せいせいぶつ生成せいせいする速度そくどしき

となる。うえしきにおいて、速度そくど定数ていすうk

あたえられる。

ここで、k活性かっせいふく合体がったい生成せいせいぶつへと変化へんかさせるのに必要ひつよう振動しんどうモードの周波数しゅうはすうせい比例ひれいする; この振動しんどうモードの周波数しゅうはすうである。すべての振動しんどうかならずしも生成せいせいぶつ形成けいせいをもたらさず、透過とうか係数けいすうばれる比例ひれい定数ていすうがこの効果こうか説明せつめいするために導入どうにゅうされる。k

くことができる。

平衡へいこう定数ていすうKについて、統計とうけい力学りきがく以下いか温度おんど依存いぞんしきをもたらす。

()

kKについてのあたらしいしきわせると、あたらしい速度そくど定数ていすうしき

くことができる。

定義ていぎにより、ΔでるたG = ΔでるたHTΔでるたSであるため、この速度そくど定数ていすうしき以下いかのように展開てんかいでき、アイリングのしきべつ形式けいしきあたえられる。

.

ただしい次元じげんせいのため、このしきたん分子ぶんしてきではない反応はんのうのための追加ついか因子いんし (c)1–m必要ひつようがある。

うえしきにおいて、c標準ひょうじゅん濃度のうど1 mol L–1m分子ぶんしである[12]

遷移せんい状態じょうたい理論りろんからの推論すいろんとアレニウスの理論りろんとの関係かんけい

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遷移せんい状態じょうたい理論りろんからられた速度そくど定数ていすうしきは、実験じっけんてき反応はんのう速度そくどデータを使つかってΔでるたGΔでるたHΔでるたS、そしてΔでるたV活性かっせい体積たいせき)さえも計算けいさんするために使つかうことができる。これらのいわゆる「活性かっせいパラメータ」は、エネルギー容量ようりょう秩序ちつじょなど出発しゅっぱつ物質ぶっしつ比較ひかくした遷移せんい状態じょうたい特性とくせいについて洞察どうさつあたえ、物理ぶつり有機ゆうき化学かがくにおいて反応はんのう機構きこう解明かいめいするための標準ひょうじゅんてきツールとなった。活性かっせい自由じゆうエネルギーΔでるたG遷移せんい状態じょうたい理論りろんにおいてたすようなエネルギーとして「定義ていぎ」される。パラメータΔでるたHおよびΔでるたSつぎことなる温度おんどΔでるたG = ΔでるたHTΔでるたS決定けっていすることによって推定すいていされる。

アイリングのしきとアレニウスのしき関数かんすう形式けいしきているため、活性かっせいパラメータをアレニウスの表現ひょうげん方法ほうほう活性かっせいエネルギーおよびぜん指数しすう因子いんしとつい関連付かんれんづけたくなる。しかしながら、アレニウスのしき実験じっけんデータからみちびかれたものであり、反応はんのう機構きこうにおける遷移せんい状態じょうたいかず関係かんけいなく、2つのパラメータのみを使つかって巨視的きょしてき速度そくどをモデルする。対照たいしょうてきに、活性かっせいパラメータは、すくなくとも原理げんりてきには、段階だんかい機構きこうすべての遷移せんい状態じょうたいについて見出みいだすことができる。したがって、活性かっせいエンタルピーΔでるたHはしばしばアレニウスの活性かっせいエネルギーEa同一どういつされるものの、これらは等価とうかではない。凝縮ぎょうしゅくしょうたとえば溶液ようえきしょう)またはたん分子ぶんしてき相反あいはんおう段階だんかいについて、Ea = ΔでるたH + RTである。相反あいはんおうでは、Ea = ΔでるたH + (1 − Δでるたn)RTである。(Δでるたn遷移せんい状態じょうたい形成けいせいするさい分子ぶんしすう変化へんか[13]。したがって、分子ぶんししょう過程かていでは、Ea = ΔでるたH + 2RTとなる。

活性かっせいエントロピーΔでるたSは、(反応はんのう関与かんよするあるいは反応はんのうによって摂動せつどうける溶媒ようばい分子ぶんしふくむ)遷移せんい状態じょうたい出発しゅっぱつ物質ぶっしつ比較ひかくしてより無秩序むちつじょである程度ていどあたえる。これは、アレニウスのしきぜん指数しすう因子いんしA具体ぐたいてき解釈かいしゃくあたえる; たん分子ぶんしてきいち段階だんかい過程かていでは、おおまかな等価とうかせいA = (kBT/h) exp(1 + ΔでるたS/R) がつ(分子ぶんしてき相反あいはんおうでは A = (kBT/h) exp(2 + ΔでるたS/R))。たん分子ぶんし過程かていでは、まけ基底きてい状態じょうたいよりも秩序ちつじょだった、かた遷移せんい状態じょうたいしめすのにたいして、せい遷移せんい状態じょうたいがよりゆる結合けつごうとよりおおきなはいてき自由じゆう両方りょうほうまたはいずれか一方いっぽうっていることを反映はんえいしている。次元じげんせい理由りゆうのため、分子ぶんしてきまたはそれ以上いじょう反応はんのう選択せんたくした標準ひょうじゅん状態じょうたい具体ぐたいてきうと、標準ひょうじゅん濃度のうど)に依存いぞんしたΔでるたSつことに注意ちゅういすることが重要じゅうようである。近年きんねんのほとんどの文献ぶんけんにおいて、1 mol L–1(1モーラー)がえらばれる。この選択せんたくはモルりょう体積たいせきについての単位たんい我々われわれ定義ていぎもとづく人間にんげんによる産物さんぶつであるため、単一たんいつ反応はんのうについてのΔでるたSおおきさと符号ふごうはそれ自体じたいでは無意味むいみである。おな標準ひょうじゅん状態じょうたい決定けっていされた「既知きちの」(または想定そうていされる)機構きこう参照さんしょう反応はんのうとの比較ひかくのみが妥当だとうである[14]

活性かっせい体積たいせきは、(温度おんど一定いっていでの)圧力あつりょくかんするΔでるたGへん微分びぶん議論ぎろんすることによって見出みいだされる。

これは、遷移せんい状態じょうたいおおきさ、したがって結合けつごう度合どあいにかんする情報じょうほうあたえる。結合けつごうてき機構きこうまけ活性かっせい体積たいせきをおそらくつのにたいして、解離かいりてき機構きこうせいをおそらくつ。

平衡へいこう定数ていすうじゅんおよびぎゃく速度そくど定数ていすうとのあいだ関係かんけいかんがえると、アイリングのしき

ということになる。

TSTのもう1つの暗示あんじカーティン–ハメットの原理げんり英語えいごばんである: Rから2つの生成せいせいぶつAおよびBがられる速度そくどろんてき支配しはい制御せいぎょ)された反応はんのう英語えいごばん生成せいせいぶつ生成せいせいぶつをもたらすかく遷移せんい状態じょうたいのエネルギー反映はんえいする(それぞれの生成せいせいぶつ単一たんいつ遷移せんい状態じょうたい仮定かていする)。

()

上記じょうきΔでるたΔでるたGについてのしきでは、もしAおよびBが平衡へいこう状態じょうたいにある2つのことなる化学かがくしゅSAおよびSBから形成けいせいされるならば追加ついかこう存在そんざいする。)

1.36ルール
ねつ力学りきがくてき支配しはいされた反応はんのうでは、生成せいせいぶつAとBの自由じゆうエネルギーにおいてRT ln 10 ≈ (1.987 × 10–3 kcal/mol K)(298 K)(2.303) ≈ 1.36 kcal/molごと室温しつおん298 K)での選択せんたくせいが10ばいになる。
()

類似るいじてきに、活性かっせい自由じゆうエントロピーの1.36 kcal/molごと室温しつおんでの速度そくどろん支配しはい過程かていについての選択せんたくせい英語えいごばんは10ばいになる[15]

().
概算がいさん
アイリングのしき使つかうと、特定とくてい温度おんどでのΔでるたGいち速度そくど定数ていすう、および反応はんのう半減はんげんあいだ直接的ちょくせつてき関係かんけい存在そんざいする。298 Kでは、ΔでるたG = 23 kcal/mol反応はんのうk ≈ 8.4 × 10–5 s–1速度そくど定数ていすうt1/2 ≈ 2.3あいだ半減はんげんつ。これらの数字すうじはしばしばk ~ 10–4 s–1t1/2 ~ 2 hまるめられる。したがって、このおおきさの活性かっせい自由じゆうエネルギーは室温しつおんいちばん終了しゅうりょうまで進行しんこうする典型てんけいてき反応はんのう対応たいおうする。比較ひかくのため、シクロヘキサンいす反転はんてん英語えいごばんはおよそ11 kcal/molのΔでるたGk ~ 105 s–1速度そくど定数ていすうゆうする。したがって、これは室温しつおんで(NMR時間じかんスケールよりもはやく)迅速じんそくこる動的どうてき過程かていとなる。反対はんたいがわでは、2-ブテンのシス/トランス異性いせいはおよそ60 kcal/molのΔでるたGち、298 Kでk ~ 10–31 s–1相当そうとうする。これは無視むしできる速度そくどである。半減はんげんは12けたで、宇宙うちゅう年齢ねんれいよりもなが[16]

限界げんかい

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一般いっぱんに、TSTは研究けんきゅうしゃらに化学かがく反応はんのうがどのようにこるかを理解りかいするための概念的がいねんてき基盤きばんあたえてきた。たとえほん理論りろんひろ適用てきようできるとしても、限界げんかいがある。たとえば、段階だんかい反応はんのう個々ここ過程かてい適用てきようするときほん理論りろん個々ここなかあいだたいつぎ段階だんかいすすまえにエネルギーのボルツマン分布ぶんぷたっするのに十分じゅうぶん長寿ちょうじゅいのちであること仮定かていする。中間なかまたい非常ひじょうたん寿命じゅみょうであるとき、TSTは破綻はたんする。こういった場合ばあい反応はんのうぶつから中間なかまたいへの反応はんのう軌跡きせき運動うんどうりょう生成せいせいぶつ選択せんたくせい影響えいきょうおよぼす可能かのうせいがある(こういった反応はんのういちれいが、Anslynとドウアティ英語えいごばん教科書きょうかしょしめされているジアゾビシクロペンタンるいねつ分解ぶんかいである)。

遷移せんい状態じょうたい理論りろんは、原子核げんしかく古典こてん力学りきがくしたがってうという仮定かていにももとづく[17]原子げんしあるいは分子ぶんし遷移せんい構造こうぞう形成けいせいするために十分じゅうぶんなエネルギーをって衝突しょうとつしないかぎり、反応はんのうこらない、と仮定かていされる。しかしながら、量子力学りょうしりきがくによれば、有限ゆうげんりょうのエネルギーをついかなる障壁しょうへきについても、粒子りゅうし障壁しょうへきこうがわへトンネリングできる可能かのうせい存在そんざいする(トンネル効果こうか)。化学かがく反応はんのうかんしてこれは、分子ぶんしがエネルギー障壁しょうへきえるのに十分じゅうぶんなエネルギーをって衝突しょうとつしないとしても反応はんのうする可能かのうせい存在そんざいすることを意味いみする[18]。この効果こうかおおきな活性かっせいエネルギーを反応はんのうについては無視むしできるが、トンネリングかくりつ障壁しょうへきたかさがひくくなるほどおおきくなるため、比較的ひかくてきていエネルギー障壁しょうへき反応はんのうについては重要じゅうよう現象げんしょうとなる。

遷移せんい状態じょうたい理論りろん高温こうおんでの一部いちぶ反応はんのうについて破綻はたんする。ほん理論りろんは、反応はんのうけいがポテンシャルエネルギーめん最低さいていエネルギー鞍点あんてん通過つうかすることを仮定かていする。この描写びょうしゃ比較的ひかくてき低温ていおんこる反応はんのうについてはつじつまがっているが、高温こうおんでは分子ぶんしはよりたかいエネルギー振動しんどうモードを占有せんゆうする。それらの運動うんどうはより複雑ふくざつとなり、衝突しょうとつ結果けっかとして最低さいていエネルギー鞍点あんてんからとおはなれた遷移せんい状態じょうたいがもたらされるかもしれない。遷移せんい状態じょうたい理論りろんからのこのずれは原子げんし水素すいそ水素すいそラジカルとのあいだ単純たんじゅん交換こうかん反応はんのうにおいてさえも観測かんそくされる[19]

これらの限界げんかい考慮こうりょして、複数ふくすう遷移せんい状態じょうたい理論りろん代替だいたい理論りろん提唱ていしょうされてきた。これらの理論りろんについての簡潔かんけつ解説かいせつ以下いかしめす。

一般いっぱん遷移せんい状態じょうたい理論りろん

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小正おばさじゅん(ミクロカノニカル)へんぶんがたTST、せいじゅん(カノニカル)へんぶんがたTST英語えいごばん、および改良かいりょうただしじゅんへんぶんがたTSTといった遷移せんい状態じょうたいかならずしも鞍点あんてん位置いちしていないTSTは、一般いっぱん遷移せんい状態じょうたい理論りろんばれる。

小正おばさじゅんへんぶんがたTST

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遷移せんい状態じょうたい理論りろん根本こんぽんてき欠陥けっかんは、反応はんのうぶつから生成せいせいぶつまたはそのぎゃくはんおうとして遷移せんい状態じょうたいすべての交差こうさかぞえることである。現実げんじつには、分子ぶんしはこの「分割ぶんかつめん」をえてえすかもしれず、あるいはふくすうかいえて、本当ほんとういちしか反応はんのうしないかもしれない。そのため、補正ほせいのTSTは速度そくど係数けいすううえかいしかあたえない、とわれる。これを補正ほせいするため、へんぶんがた遷移せんい状態じょうたい理論りろんはそれぞれの固定こていエネルギーについて反応はんのう速度そくど最小さいしょうするためにうまくいく反応はんのう定義ていぎする分割ぶんかつめん位置いち変動へんどうさせる[20]。この小正おばさじゅんてきあつかいでられた速度そくどしきはエネルギーにわたって積分せきぶんすることができる。これは、せいじゅんねつてき速度そくどあたえるために、エネルギー状態じょうたいにわたる統計とうけいがくてき分布ぶんぷ考慮こうりょれている。

せいじゅんへんぶんがたTST

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特定とくてい温度おんどにおける速度そくど定数ていすう最小さいしょうするために分割ぶんかつめん位置いち変動へんどうさせる遷移せんい状態じょうたい理論りろん発展はってん

改良かいりょうただしじゅんへんぶんがたTST

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せいじゅんへんぶんがた遷移せんい状態じょうたい理論りろん修正しゅうせい。閾値エネルギーよりしたのエネルギーにつしては、分割ぶんかつめん位置いち小正おばさじゅん閾値エネルギーのものとされる。これにより、閾値エネルギー未満みまんならば、速度そくど定数ていすうへの寄与きよはゼロになる。つぎに、よりたかいエネルギーを反応はんのうぶつによってされる速度そくど定数ていすうへの寄与きよ最小さいしょうするように妥協だきょう分割ぶんかつめん選択せんたくされる。

断熱だんねつTST

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2つのスピン状態じょうたい同時どうじ関与かんよする反応はんのうへのTSTの拡張かくちょう断熱だんねつ遷移せんい状態じょうたい理論りろん英語えいごばん(NA-TST)とばれる。

はん古典こてんてきTST

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振動しんどう摂動せつどう理論りろん使つかって、トンネリングやへんぶん効果こうかといった効果こうかはん古典こてんてき遷移せんい状態じょうたい理論りろん英語えいごばん(SCTST)形式けいしきない説明せつめいすることができる。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • Radzicka, A.; Woldenden, R., Transition State and Multisubstrate$Analog Inhibitors. Methods in Enzymology 1995, 249, 284-312
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  • Schramm, V.L., Enzymatic Transition State Theory and Transition State Analogue Design. Journal of Biological Chemistry 2007, 282, (39), 28297-28300

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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