邵雍

邵堯夫おっと・『晩ばん笑わらい堂どう竹荘たけしょう畫が傳でん』より

邵 雍（しょう よう、大中おおなか祥さち符ふ4年ねん12月15日にち（1012年ねん1月がつ11日にち）- 熙寧10年ねん7月がつ5日にち（1077年ねん7月がつ27日にち））は、中国ちゅうごく北きた宋そう時代じだいの儒学じゅがく者しゃ。字じは堯夫。百ひゃく源げん先生せんせい・安楽あんらく先生せんせいと称しょうされた。諡おくりなは康かん節たかし。

略伝りゃくでんと性格せいかく

涿州范陽県けんの出身しゅっしん。幼おさないときに父ちちに従したがい衛まもる州しゅう共きょう城ぐすく県けん蘇そ門もん山やまの百ひゃく源げん（現在げんざいの河南かなん省しょう新郷しんごう市し輝てる県けん市し）に移住いじゅう。若わかい頃ころから自負じふ心しんが強つよく己おのれの才能さいのうをもってすれば先王せんおうの事業じぎょうも実現じつげんできるとし、郷里きょうりに近ちかい百ひゃく源げんのほとりに庵あんをたてて刻苦こっく勉励べんれいした。この間あいだ、宋そう初はつの隠者いんじゃの陳ちん摶の系統けいとうをひく李り之の才ざい（字じは挺てい之の）から『易えき経けい』の河かわ図ず洛らく書しょと先さき天象てんしょう数すうの学がくを伝授でんじゅされた。やがて自分じぶんの学問がくもんの狭せまさを自覚じかくし、各地かくちを遊歴ゆうれきして土地とちの学者がくしゃに教おしえを請こい見聞けんぶんを広ひろめたが、道みちは外そとに求もとめて得えられないと悟さとり、帰郷ききょうして易学えきがくについて思索しさくを深ふかめた。39歳さい頃ごろに洛陽らくように移住いじゅうし、以後いご亡なくなるまでこの地ちで儒学じゅがくを教おしえた。

邵雍は貧まずしかったが富とみ弼・司馬しば光ひかり・程ほど氏し兄弟きょうだい（程ほど顥・程ほど頤）・張ちょう載のなどの政せい学界がっかいの大物おおものを知己ちきとし、ものにこだわらない豪放ごうほう洒脱しゃだつな人柄ひとがらから「風流ふうりゅうの人ひと豪ごう」ともいわれ、洛陽らくようの老若男女ろうにゃくなんにょに慈父じふのように慕したわれた。晩年ばんねんに天津てんしん橋きょう上じょうで杜鵑とけん（ホトトギス）の声こえを聞きき、王おう安やすし石せきの出現しゅつげんと政界せいかいの混乱こんらんを予言よげんした逸話いつわは、邵雍の易学えきがくの一端いったんをうかがわせる。

思想しそう

著書ちょしょには『皇すめらぎ極ごく経世けいせい書しょ』と詩集ししゅう『伊川いがわ撃げき壌集』がある。易学えきがくとしては｢1→2→4→8→16→32→64」と進展しんてんする｢加か一いち倍ばいの法ほう｣や、四季しきの4、十干じっかんの10、十二支じゅうにしの12、一世いっせい三さん十じゅう年ねんの30など、中国人ちゅうごくじんになじみの深ふかい数かずを適宜てきぎに掛かけあわせる数理すうり計算けいさんによって、万物ばんぶつ生成せいせいの過程かていや宇宙うちゅう変遷へんせんの周期しゅうきなどを算出さんしゅつしようとした。数かずを通とおして理りを考かんがえようとした点てんは、朱しゅ熹の易学えきがくに影響えいきょうを与あたえたと考かんがえられる。

関連かんれん図書としょ

• 野口のぐち豊太とよた『性せい理り大全たいぜん版ばん　皇すめらぎ極ごく経世けいせい書しょ全訳ぜんやく』（ブイツーソリューション）2022年ねん　ISBN9784867410967