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酸化さんかハフニウム(IV)

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酸化さんかハフニウム(IV)
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 12055-23-1 チェック
ChemSpider 258363 チェック
特性とくせい
化学かがくしき HfO2
モル質量しつりょう 210.49 g/mol
外観がいかん 無色むしょく粉末ふんまつ
密度みつど 9.68 g/cm3, 固体こたい
融点ゆうてん

2758 ℃

沸点ふってん

5400 ℃

みずへの溶解ようかい 不溶性ふようせい
危険きけんせい
引火いんかてん 不燃ふねんせい
関連かんれんする物質ぶっしつ
そのイオン 酸化さんかチタン(IV)
ジルコニア
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

酸化さんかハフニウム(IV)(Hafnium(IV) oxide、ハフニア)とは、化学かがくしきHfO2であらわされる無機むき化合かごうぶつである。無色むしょく固体こたいであり、ハフニウム化合かごうぶつのなかでは比較的ひかくてき安定あんてい化合かごうぶつひとつである。バンドギャップはおよそ6 eVで絶縁ぜつえんたい金属きんぞくハフニウムをるための反応はんのう過程かていなかあいだたいである。反応はんのうせいひくく、硫酸りゅうさんのようなつよさんつよ塩基えんきでないと反応はんのうしない。フッさんには徐々じょじょ溶解ようかいしてフルオロハフニウムさんアニオンをあたえる。高温こうおん条件じょうけんにおいて、炭素たんそもしくはよん塩化えんか炭素たんそ存在そんざい塩素えんそ反応はんのうさせることによって塩化えんかハフニウム(IV)られる。

用途ようと

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酸化さんかハフニウム(IV)は、光学こうがくコーティングDRAMコンデンサこう誘電ゆうでんりつゲート絶縁ぜつえんまくもちいられる。

酸化さんかハフニウム(IV)および酸化さんかハフニウム(IV)をふくふくごうぶつは、電界でんかい効果こうかトランジスタのゲート絶縁ぜつえんまく素材そざいである二酸化にさんかケイ素けいそわるしん素材そざい有力ゆうりょく候補こうほとして研究けんきゅうすすめられている[1][2]酸化さんかハフニウム(IV)がトランジスタ材料ざいりょうとして有用ゆうようである理由りゆうはそのたか誘電ゆうでんりつにあり、二酸化にさんかケイ素けいそ誘電ゆうでんりつが3.9であるのにたいして酸化さんかハフニウム(IV)は25と6ばい以上いじょう誘電ゆうでんりつつためである[3]

また、カーボンナノチューブ利用りようしたNVRAMにおいても、二酸化にさんかケイ素けいそわる絶縁ぜつえんまくとしてもちいられている。絶縁ぜつえんまく素材そざい二酸化にさんかケイ素けいそから酸化さんかハフニウム(IV)にえることによってメモリへのアクセス時間じかんすうミリびょうから100ナノびょうにまで減少げんしょうし、それによってNVRAMへの時間じかんたりの潜在せんざいてき能力のうりょくが100,000ばい向上こうじょうする[4]

さらに、IBMおよびインテル将来しょうらい集積しゅうせき回路かいろのサブストレート基盤きばん素材そざいとしてえらばれ、論理ろんり密度みつどおよびクロックスピードが向上こうじょうし、電気でんき消費しょうひりょう低減ていげんされる[5]

分野ぶんやでの用途ようととしては、酸化さんかハフニウム(IV)の非常ひじょうたか融点ゆうてん利用りようしてねつでんたいなどの絶縁ぜつえんせいたいねつざいとして利用りようされ、2500 ℃まで機能きのうせいうしなわずにえることができる[6]

出典しゅってん

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  1. ^ Byoung Hun Lee, Laegu Kang, Renee Nieh, Wen-Jie Qi, and Jack C. Lee (2000), “Thermal stability and electrical characteristics of ultrathin hafnium oxide gate dielectric reoxidized with rapid thermal annealing”, Appl. Phys. Lett. 76 (14): pp. 1926  doi:10.1063/1.126214
  2. ^ Kingsuk Maitra, Martin M. Frank, Vijay Narayanan, Veena Misra, and Eduard A. Cartier (2007), “Impact of metal gates on remote phonon scattering in titanium nitride/hafnium dioxide n-channel metal–oxide–semiconductor field effect transistors–low temperature electron mobility study”, J. Appl. Phys. 102 (11): pp. 114507  doi:10.1063/1.2821712
  3. ^ G. D. Wilk, R. M. Wallace, and J. M. Anthony (2001), “High-κかっぱ gate dielectrics: Current status and materials properties considerations”, J. Appl. Phys. 89 (10): pp. 5243  doi:10.1063/1.1361065
  4. ^ Nanotube memory flashes past silicon NewScientist, Article written 05 February 2009 by David Robson 最終さいしゅう更新こうしん確認かくにん: 2010-10-31英語えいご
  5. ^ "Intel Says Chips Will Run Faster, Using Less Power", New York Times, 2007-01-27 最終さいしゅう更新こうしん確認かくにん: 2010-10-31英語えいご
  6. ^ Very High Temperature Exotic Thermocouple Probes product data, Omega Engineering, Inc., 最終さいしゅう更新こうしん確認かくにん: 2010-10-31英語えいご