銅鑼どら湾わん

	銅鑼どら湾わん
	高密度こうみつどの建造けんぞう物ぶつ群ぐん
繁体字はんたいじ	銅鑼どら灣わん
簡体字かんたいじ	铜锣湾わん
発音はつおん記号きごう
標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご
漢語かんご拼音	Tónglúowān
粤語
粤拼	tung4 lo4 waan1

座標ざひょう: 北緯ほくい22度ど16分ふん50秒びょう東経とうけい114度ど10分ふん51秒びょう / 北緯ほくい22.28066度ど東経とうけい114.18096度ど / 22.28066; 114.18096

銅鑼どら湾わん（どらわん、広東かんとん語ご読よみ: トンローワン、英えい: Causeway Bay コーズウェイベイ）は、香港ほんこんにある香港ほんこん島とうの北岸ほくがんにあって、湾わん仔こ区くおよび東ひがし区くそれぞれの一部いちぶを含ふくむ地域ちいきである。銅鑼どら湾わんないし東ひがし角かく（中国語ちゅうごくご版ばん）は、大変たいへんに建物たてものが密集みっしゅうしている。中国ちゅうごく名めいも、銅鑼どら湾わん道どう（Tung Lo Wan Road）における "Tung Lo Wan" のようにしばしばロろーマ字まじで表記ひょうきされる。銅鑼どら湾わんの商業しょうぎょう地ちの賃貸ちんたい料りょうは、2013年ねんの統計とうけいにおいてニューヨークの5番ばん街がいなどを凌しのぎ、世界せかいで最もっとも高たかい。

位置いち

銅鑼どら湾わんのうち清風せいふう街がい（Tsing Fung Street）、電気でんき道どう（Electric Road）のコーズウェイベイ・マーケット、ヴィクトリア公園こうえん、ロイヤル・ホンコン・ヨットクラブ（香港ほんこん遊ゆう艇てい会かい）、ジャーディン・マセソンのヌーンデイ・ガンそしてポリス・オフィサーズ・クラブ（警察官けいさつかん倶楽部くらぶ）は、東ひがし区内くないに位置いちする。一方いっぽう、クイーンズ・カレッジ（皇すめらぎ仁じん書院しょいん）と香港ほんこん中央ちゅうおう図書館としょかんは、湾わん仔こ区内くないにある。

歴史れきし

都市とし開発かいはつと大だい規模きぼな埋立うめたてての以前いぜんは、銅鑼どら湾わんは沈泥がかなり堆積たいせきした湾わんであった。昔むかしの形状けいじょうは、昔むかしの湾わんに沿そって走はしる銅鑼どら湾わん道どうを、地図ちず上じょうでなぞることによって知しることができる。開発かいはつの初期しょきに "causeway" すなわち防波堤ぼうはていが築造ちくぞうされたが、それが今日きょうの高士こうし威い道どう（Causeway Road）である。1950年代ねんだい、日本にっぽんからヴィクトリア女王じょおう像ぞうが還かえり、ヴィクトリア公園こうえん建設けんせつのために湾わんの残のこりが埋うめ立たてられたとき、海岸かいがん線せんはさらに前進ぜんしんした。この像ぞうは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なか、中ちゅう環たまきの遮さえぎ打だ道みち（ジェダードウ、Chater Road）沿ぞいにある皇后こうごう像ぞう広場ひろばから持もち出だされたものであった。

銅鑼どら湾わんの避難ひなん港こうと海うみの神かみである媽祖を祀まつった天てん后きさき廟びょうの存在そんざいが、この地域ちいきが漁村ぎょそんだったことを物語ものがたっている。

怡和街がい、渣甸街がい（チャアティンガイ、Jardine's Bazaar）そして渣甸坊ぼう（チャアティンフォン、Jardine's Crescent）という地名ちめいは、企業きぎょうたるジャーディン・マセソンの香港ほんこん名めいが怡和洋行ようこうであること及および人物じんぶつ名めいのジャーディンに対たいする漢字かんじ表記ひょうきが渣甸であることに因ちなむものである。このことは、この地域ちいきの土地とちが、19世紀せいき前半ぜんはんに英国えいこく植民しょくみん地ち政府せいふによってジャーディン・マセソンへと払はらい下さげられたことを今いまに伝つたえている。この地域ちいきは、ヴィクトリア市しの中心ちゅうしんから東ひがしにある海岸かいがん線せんのとがった箇所かしょにちなんで東ひがし角かくと名付なづけられた。

特色とくしょく

現在げんざいの銅鑼どら湾わんは、しばしば東ひがし角かくと混同こんどうされるが、前者ぜんしゃが後者こうしゃを取とり込こんだことによる。もともとの銅鑼どら湾わんは、現在げんざいのMTR 天てん后きさき駅えきの付近ふきんであり、MTR銅鑼どら湾わん駅えきは、東ひがし角かくにある。今日きょうの銅鑼どら湾わん地域ちいきの概念がいねんは、堅けん拿道（キンナードウ、Canal Road）まで、すなわち鵝頸橋きょう（オウゲンキュウ、Canal Road 地区ちく）をも含ふくんでいる。

東ひがし角かくは、地理ちり的てき名称めいしょうが吸収きゅうしゅうされた結果けっか、現在げんざいは銅鑼どら湾わんの一部いちぶとみなされる。東ひがし角かく道どうが今いまに残のこり、埋うめ立だてより以前いぜんの、昔日せきじつの先端せんたんのとがった海岸かいがん線せんを示しめしている。

銅鑼どら湾わんないし東ひがし角かくは、香港ほんこんの主要しゅよう商業しょうぎょう地ちの一ひとつである。そこには、現在げんざいはフランチャイズ方式ほうしきで運営うんえいされている13階かい建だての日系にっけいデパート崇たかし光こう（そごう）やタイムズスクウェアといった複ふく合あい商業しょうぎょう施設しせつがある。また、ワールドトレードセンター（世よ貿中心ちゅうしん）、ウィンザーハウス（皇室こうしつ大廈たいか）、ハン・ルン・センター（恒隆つねたか中心ちゅうしん）、ファッション・アイランド、ファッション・ウォーク（名店めいてん坊ぼう）、リー・ガーデンズ（利り園えん）そしてリー・ガーデンズ２（利り園えん二に期き）といった、少すこし規模きぼの小ちいさいショッピングモールもある。銅鑼どら湾わんは、香港ほんこんで最もっとも賑にぎやかな地域ちいきの一ひとつであり、それは、現地げんちで作つくられたファッションと日本にっぽん、ヨーロッパ、アメリカから来きた製品せいひんの両方りょうほうを取扱とりあつかう、数すう多おおくの洒落しゃれた店みせが存在そんざいするからである。この地域ちいきでは、多おおくの店みせが、深夜しんや遅おそくまで開ひらいている。このような結果けっか、銅鑼どら湾わんは、若者わかものたちにとって人気にんきのスポットになっている。

銅鑼どら湾わんの有名ゆうめいなホテルとして、エクセルシオールとリーガル・ホンコン・ホテル等とうが挙あげられる。Jia や Shamas といった、近代きんだい的てきなサービスを提供ていきょうするアパートが、過去かこ数すう年間ねんかんにオープンした。

英語えいご名めい Causeway Bay（コーズウェイベイ）は、今日きょうの高士こうし威い道どう（Causeway Road）の場所ばしょにあった以前いぜんの causeway すなわち防波堤ぼうはていにちなんで名付なづけられた。銅鑼どら湾わんの海岸かいがんの沖合おきあいに浮うかんでいた奇き力りょく島とうは、埋うめ立だての結果けっか、独立どくりつした島しまではなくなり香港ほんこん島とうとつながった。このもともと奇き力りょく島とうだった場所ばしょが、ロイヤル･ホンコン･ヨットクラブ（香港ほんこん遊ゆう艇てい会かい）の所在地しょざいちである。

長年ながねんにわたり、ジャーディン・マセソンが、ヴィクトリア・ハーバーのかたわら、銅鑼どら湾わんの旧きゅう奇き力りょく島とうのやや東側ひがしがわで毎日まいにち、午砲ごほうを打うち鳴ならしている。その砲声ほうせいは、香港ほんこんの古ふるくからの住民じゅうみんにとって何なん世代せだいにもわたり、時報じほうの役目やくめを果はたしてきた。この伝統でんとうは、今日きょうもなお、続つづいている。これが、ノエル・カワードの歌うた『Mad dogs and Englishmen』に出でてくる「ヌーンデイ・ガン」である。

銅鑼どら湾わん西部せいぶの地物ちぶつの中なかには、その名前なまえが「湾わん仔こ」で始はじまるものもあるが（例れい：湾わん仔こ消防局しょうぼうきょく）、それらは湾わん仔この通例つうれい的てきな地域ちいき境界きょうかいである堅けん拿道（Canal Road）を越こえていることに注意ちゅういを要ようする。

銅鑼どら湾わん書店しょてんは中国ちゅうごくの習近平ひらた政権せいけんに対たいして批判ひはん的てきな書籍しょせきを出版しゅっぱんしていたが、2015年ねん10月がつ以降いこう、書店しょてんの店長てんちょうや株主かぶぬしら５人にんが次々つぎつぎと行方ゆくえ不明ふめいになり、香港ほんこん警察けいさつが捜索そうさくを行おこなった^[1]。