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閃光 せんこう 遅延 ちえん 効果 こうか 連続 れんぞく 的 てき な軌道 きどう 上 じょう を移動 いどう している視覚 しかく 的 てき な刺激 しげき 体 たい (赤 あか い点 てん )が、瞬間 しゅんかん 的 てき な閃光 せんこう など予測 よそく できない事象 じしょう が発生 はっせい した際 さい に、実際 じっさい より前方 ぜんぽう にあるように見 み える。この錯視 さくし から、視覚 しかく の仕組 しく みについて重大 じゅうだい な示唆 しさ を得 え られる。すなわち、コンピュータに比 くら べ、視神経 ししんけい の処理 しょり が相対 そうたい 的 てき に低速 ていそく であるということだ。この処理 しょり の遅延 ちえん が閃光 せんこう の空間 くうかん 的 てき ズレを引 ひ き起 お こすことは広 ひろ く知 し られているものの、数 すう 十 じゅう 年 ねん にわたる議論 ぎろん を経 へ てもなお、根本 こんぽん 的 てき なメカニズムについて統一 とういつ 的 てき な見解 けんかい は得 え られていない。
緑色 みどりいろ の閃光 せんこう が写 うつ っている静止 せいし 画 が (73フレーム目 め 、黒 くろ 背景 はいけい は省略 しょうりゃく )
閃光 せんこう 遅延 ちえん 効果 こうか は、錯視 さくし の一 ひと つである。
移動 いどう する物体 ぶったい と同 おな じ位置 いち に瞬間 しゅんかん 的 てき に現 あらわ れる閃光 せんこう が、空間 くうかん 的 てき にズレているように知覚 ちかく される錯覚 さっかく 。
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閃光 せんこう 遅延 ちえん 効果 こうか を説明 せつめい するものの一 ひと つが、モーション外 がい 挿仮説 せつ である。移動 いどう する物体 ぶったい の光 ひかり が網膜 もうまく に到達 とうたつ してから知覚 ちかく されるまでには、ある程度 ていど の時間 じかん が必要 ひつよう である。そうすると、知覚 ちかく されたときには物体 ぶったい は既 すで にその先 さき の位置 いち へと移動 いどう しているということになる。視覚 しかく システムはこのような神経 しんけい 遅延 ちえん を埋 う め合 あ わせるために、移動 いどう する物体 ぶったい の軌道 きどう を未来 みらい に向 む かって外 そと 挿 さ することによってその位置 いち を先取 さきど りする、というのがこの仮説 かせつ の主張 しゅちょう である。
二 ふた つ目 め の説 せつ が、レイテンシ差 さ 仮説 かせつ である。これは、視覚 しかく システムが一瞬 いっしゅん だけ光 ひか る物体 ぶったい よりも移動 いどう する物体 ぶったい の方 ほう をより高速 こうそく に処理 しょり できる、とする仮説 かせつ だ。つまり、光 ひか る物体 ぶったい を知覚 ちかく した時 とき には、動 うご く物体 ぶったい は既 すで にその先 さき の位置 いち へ移動 いどう しているというのだ。このレイテンシ差 さ 仮説 かせつ は、意識 いしき は刺激 しげき が「知覚 ちかく の終点 しゅうてん 」に到達 とうたつ しだい発生 はっせい するオンライン現象 げんしょう であるという推定 すいてい に暗黙 あんもく のうちに依拠 いきょ している。
^ MacKay, D. M. (15 February 1958). “Perceptual Stability of a Stroboscopically Lit Visual Field containing Self-Luminous Objects”. Nature 181 (4607): 507–508. doi :10.1038/181507a0 . PMID 13517199 .
^ Nijhawan, Romi (28 July 1994). “Motion extrapolation in catching”. Nature 370 (6487): 256–257. doi :10.1038/370256b0 . PMID 8035873 .
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