(Translated by https://www.hiragana.jp/)
錯視 - Wikipedia コンテンツにスキップ

錯視さくし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
このイラストは、ウサギにもアヒルにもえるという錯視さくしこる。

錯視さくし(さくし、えい: optical illusion[1])とは、視覚しかくかんする錯覚さっかくのことである。ぞくに「錯覚さっかく」ともよばれる。生理せいりてき錯覚さっかくぞくするもの、とく幾何きかがくてき錯視さくしについてはおおくの種類しゅるいられている。だましとはことなる原理げんりによる。

おもな幾何きかがくてき錯視さくし

[編集へんしゅう]

ミュラー・リヤー錯視さくし

[編集へんしゅう]
ミュラー・リヤー錯視さくし

ミュラー・リヤー錯視さくし (Müller-Lyer illusion) はミュラー・リヤーが1889ねん発表はっぴょうした錯視さくし[2]線分せんぶんりょうはしうちきのけたもの(上段じょうだん)とそときのけたもの(中段ちゅうだん)の線分せんぶんは、上段じょうだんみじかく、中段ちゅうだんながかんじる[2]が、実際じっさいおなながさである。この錯覚さっかく発生はっせいする説明せつめい様々さまざま側面そくめんからおこなわれているが、有名ゆうめい説明せつめいとして、グリゴリーが1963ねん発表はっぴょうしたせん遠近えんきんほうげられる[2]

また、この錯覚さっかく応用おうようしたものとして、ジャッドの図形ずけいげられる[3]。 ジャッドの図形ずけいは、線分せんぶん中央ちゅうおう中点ちゅうてんち、りょうはしことなるきのけると、そときのけられたがわ中点ちゅうてんがずれてえるという錯覚さっかくもちいられた図形ずけいである[3]。 このような錯視さくしを「おおきさの錯視さくし」という[4]

ツェルナー錯視さくし

[編集へんしゅう]
ツェルナー錯視さくし

非常ひじょう有名ゆうめい錯視さくしひとつ。にある4ほん線分せんぶんすべ平行へいこうである。はね角度かくど鈍角どんかくであるほど、錯視さくし顕著けんちょになる。このような錯視さくしを「方位ほうい錯視さくし」という。

ヘリング錯視さくし

[編集へんしゅう]
ヘリング錯視さくし

うえの2ほん平行へいこうせんは、斜線しゃせん影響えいきょうけてゆがんでえる。このような錯視さくしを「湾曲わんきょく錯視さくし」ともいう。湾曲わんきょく錯視さくしではオービソン錯視さくしヴント錯視さくしなどが該当がいとうする。

ポンゾ錯視さくし

[編集へんしゅう]
ふたつの平行へいこうせんおなながさである

ふたつにまじわる線分せんぶんあいだ平行へいこうせんれると、うえ平行へいこうせんながえる。錯視さくし発生はっせいけっしてつよくないが、一般いっぱんによくられる錯視さくしひとつ。また、同視どうし錯視さくしにはポンゾの円筒えんとうがある。なお、この錯視さくしかんしては過去かこにリップスが発表はっぴょうおこなっているが、現在げんざいではポンゾ錯視さくしというのが一般いっぱんてき

フィック錯視さくし

[編集へんしゅう]
一般いっぱんにはT字形じけいられる

フィック錯視さくし (Fick illusion) はフィック (Fick) によって1851ねんしめされた、おなながさの図形ずけいたてにされたものがよこにされたものよりながかんじるという錯視さくし[5][6]みぎ図形ずけい「A」と「B」は合同ごうどうであるが、図形ずけいBのほうながえる。また、図形ずけいAのほうふとえる。これは一般いっぱんに、水平すいへい横線おうせんより垂直すいちょくたてせんほうなが認識にんしきされるためにこるとされるが、この図形ずけいを90かたむけても図形ずけいBのほうながえるため、くわしいメカニズムはまだ解明かいめいされていない。垂直すいちょく水平すいへい錯視さくし (vertical-horizontal illusion, V-H illusion) ともいわれる[6]

ポッゲンドルフ錯視さくし

[編集へんしゅう]
平行へいこうせん軌跡きせきはACがただしい

斜線しゃせんえがき、そのあいだ形跡けいせきべつ図形ずけいかくすと、その直線ちょくせんはじまりとわりがずれてえる錯視さくしで、よくられる錯視さくしである。ではAとつながっているのは、一見いっけんそれらしくえるBではなく、Cがただしい。なお、この錯視さくしはミュラーリヤーが投稿とうこうした論文ろんぶんなかから、審査しんさいんであったポッゲンドルフが発見はっけんしたものであり、かれはミュラーにこの発見はっけんくわえるように依頼いらいしたが、ミュラーがかせ、事実じじつじょう発見はっけんしゃであるポッゲンドルフの名前なまえかんして論文ろんぶん発表はっぴょうしたといわれている。

デルブーフ錯視さくし

[編集へんしゅう]
えんおなおおきさである。

デルブフ錯視さくしともわれる。2つ合同ごうどうえんえがき、片方かたがたにはそとおおきな同心円どうしんえん、もう片方かたがたにはそとちいさな同心円どうしんえんえがくと、もとえんおおきさがことなってえる錯視さくしおおきさが極端きょくたんなほど錯視さくし顕著けんちょになる。応用おうようとして、図形ずけいなかからべつ図形ずけいをくりぬくと、くりぬいた部分ぶぶんおおきくえる。えん以外いがいに、図形ずけい正多角形せいたかっけいなど)でも発生はっせいする。

オッペル・クント錯視さくし

[編集へんしゅう]
オッペル・クント錯視さくし

まずは等間隔とうかんかくに3ほん平行へいこうせんき、それぞれA、B、Cとする。AとBのあいだにはなんほんもの平行へいこうせんき、BとCのあいだにはなにかない。すると、AとBの間隔かんかくほうひろえる。線分せんぶんABと線分せんぶんBCの距離きょりおなじである。なお、最初さいしょ文献ぶんけんにて提示ていじしたのはオッペルであるが、のちにクントが量的りょうてき研究けんきゅうおこなったことから、今日きょうでは先駆せんくしゃ2人ふたりつらねてこうぶのが一般いっぱんてきである[7]

フレイザー錯視さくし

[編集へんしゅう]
渦巻うずまじょう図形ずけいゆびでなぞってみると、実際じっさい同心円どうしんえんであることがかる。

フレイザー錯視さくしは、イギリスの心理しんり学者がくしゃジェームス・フレイザー1908ねん発表はっぴょうした錯視さくし[8]中央ちゅうおう共有きょうゆうする複数ふくすうえんうえかたむ錯視さくしあらわれるようにすることでられ、同心円どうしんえん渦巻うずまきのようにえるようになる[8]。これは、水平すいへいから若干じゃっかんかたむけた斜線しゃせん平行へいこうくことで、全体ぜんたいとしては水平すいへいであるはずの直線ちょくせんが、かたむ方向ほうこうかたむいてえる現象げんしょう利用りようしている[9]

なお、直線ちょくせんでもおな錯視さくしあらわれ、かたむいてえる。また、かたむ錯視さくしもちいてもフレイザー錯視さくしのような渦巻うずま錯視さくし作図さくず可能かのうであることがしめされている[8]

ミュンスターバーグ錯視さくし・カフェウォール錯視さくし

[編集へんしゅう]
カフェウォール錯視さくし水平すいへいせんみぎまたはひだりかたむいてえる。1908ねん報告ほうこく

平行へいこうせん両側りょうがわ等間隔とうかんかくおなしょく正方形せいほうけいえがく(上下じょうげたがちがいになるようにする)。すると、平行へいこうなはずの線分せんぶんいがんでえる。カフェウォール錯視さくしはその線分せんぶん灰色はいいろになったもので、より屈折くっせつたかまる。

エビングハウス錯視さくし

[編集へんしゅう]
中央ちゅうおうえんおなじであるが、ことなってえる。

おなおおきさの図形ずけいでも、おおきいものまわりにかれるとちいさく、ちいさいものまわりにかれるとおおきくえる錯視さくし円形えんけい球体きゅうたいもっと効果こうかあらわれる。また、エビングハウスは錯視さくし発表はっぴょうしているため、エビングハウスのおおきさ錯視さくしともいう。

ジャストロー図形ずけい

[編集へんしゅう]
2つの扇形せんけいおなじであるが、した扇形せんけいおおきくえる。

ジャストロー錯視さくしともいう。アメリカ心理しんり学者がくしゃのジャストローが発見はっけんしたものである。うえで、ふたつの扇形せんけいでは内側うちがわすなわした扇形せんけいほうおおきくえる。また、その応用おうよう台形だいけい上下じょうげならべると必然ひつぜんてきうえ台形だいけいおおきくえる。

その幾何きかがくてき錯視さくし

[編集へんしゅう]
ヴント錯視さくし
ヘリング錯視さくしぎゃくたる。今度こんど平行へいこうせんかえってえる。
オービソン錯視さくし
ヘリング錯視さくしおな原理げんりで、同心円どうしんえんうええがかれた正方形せいほうけいがゆがんでえる。
ザンダー錯視さくし
おなながさの対角線たいかくせんえが平行四辺形へいこうしへんけいかたちによって、べつながさにえる(鈍角どんかくほうながえる)錯視さくし
ボールドウィン錯視さくし
おなながさの平行へいこう線分せんぶんえがき、片方かたがた始点してん終点しゅうてんにはおおきな図形ずけいを、もう片方かたがたにはちいさな図形ずけいえがくと、線分せんぶんことなったながさにえる錯視さくし
ジャッド錯視さくし
等分とうぶんせんりょうはしに、片方かたがたそとけに、もう片方かたがたうちけにじょうはねけると、等分とうぶんされたはずの線分せんぶんながさがことなってえる。はね角度かくどするどいほど錯視さくし顕著けんちょになる。ミュラーリヤー錯視さくし一種いっしゅといわれる。
ヘフラーの図形ずけい
放射状ほうしゃじょうせんうえ線分せんぶんくと、がってえる錯視さくし任意にんい交差こうささせた線分せんぶんだと、なお効果こうかてきである。
もりひさし錯視さくし
垂直すいちょくせんえがき、それにせっする鋭角えいかく左右さゆう対称たいしょうえがく。垂直すいちょくせんせば、たがいの鋭角えいかく接点せってん垂直すいちょくでなくえる。
小保内おぼない角度かくど錯視さくし
垂直すいちょくせん先端せんたんが、斜線しゃせん延長線えんちょうせんじょうまじわるように線分せんぶんいた場合ばあい斜線しゃせん実際じっさい交点こうてんより内側うちがわえる。ポッゲンドルフ錯視さくし一種いっしゅ
内藤ないとう重力じゅうりょくレンズ錯視さくし
平行四辺形へいこうしへんけい交点こうてん4箇所かしょにドットをち、その周辺しゅうへん任意にんいえんえがく(せっしてはいけない)。すると、平行四辺形へいこうしへんけいがいびつな四角形しかっけいえる。1991ねん内藤ないとうひきいるNTTの研究けんきゅうグループが発表はっぴょうした。
レニー錯視さくし
ななめのせんせっするように45かくえがく。おな角度かくどなのに、上下じょうげ角度かくどことなってえる。
ブルンズウィック錯視さくし(ヘフラーの湾曲わんきょく対比たいひ
ふたつのゆるやかな彎曲わんきょくせんえがき、それをつよ彎曲わんきょくせんよわ彎曲わんきょくせんかこってやると、よわ彎曲わんきょくせんほうがりがつよえる。ヘフラー彎曲わんきょく対比たいひともばれる。
エーレンシュタイン錯視さくし
図形ずけい十字じゅうじまじわる線分せんぶん交点こうてん部分ぶぶんすと、そのまわりに円形えんけいかびがる錯視さくし
リップスの方向ほうこう錯視さくし
平行へいこうさん本線ほんせんき、外側そとがわの2つの直線ちょくせんりょうはし屈折くっせつした平行へいこうせんえがく。するとさん本線ほんせんなか平行へいこうではない線分せんぶんえてしまう。
リップスの湾曲わんきょく錯視さくし
おおきさのことなるえん水平すいへいせんじょうならべる。なかおおきくはしちいさくそろえると、水平すいへいせんえがいているようにえる錯視さくし
シェリー錯視さくし
等間隔とうかんかく片方かたがたみじかい、もう片方かたがたながくみ平行へいこうせんえがく。みじか平行へいこうせんほう間隔かんかくひろえる。この錯視さくし学者がくしゃ発表はっぴょうしているが、とう文献ぶんけんではシェリーが一番いちばんふるいとされる。
ザンフォリン錯視さくし
円形えんけいふたえがき、そのえんあいだえん直径ちょっけいひとしくする。すると、りょうえんあいだほうひろえる。
ウェイト・マッサロの錯視さくし
ミュラー・リヤー錯視さくし応用おうよう合同ごうどう長方形ちょうほうけいけた場合ばあい内向ないこう図形ずけいほうたてはばひろえる。
ヘルムホルツの正方形せいほうけい
合同ごうどう正方形せいほうけいふたえがき、片方かたがた縦縞たてじま片方かたがた横縞よこじまにしてよんへんしてしまうと、縦縞たてじま横長よこながに、横縞よこじま縦長たてながえてしまう錯覚さっかく
プルドン錯視さくし
鋭角えいかくするど三角形さんかっけい2つを一直線いっちょくせんじょうななめにならべると、がってえる錯視さくし
ジョバネッリの錯視さくし
合同ごうどうふたつの図形ずけい並列へいれつさせる。その中心ちゅうしんにドットをつ。すると、双方そうほうてん位置いち中心ちゅうしんからそとはぐれてえる。
ギラム錯視さくし
水平すいへい直線ちょくせん台形だいけいさえぎり、あいだ軌跡きせきすと、水平すいへいせんがずれてえる錯視さくし。ポッゲンドルフ錯視さくし類似るいじしている。
デイの正弦せいげん錯視さくし
平行へいこうせん正弦せいげんえがくと、部分ぶぶんみじかえる。
バーゲン錯視さくし
しろ対角線たいかくせんくろ図形ずけいかこまれた格子戸こうしど交点こうてんじょうに、無数むすう黒点こくてんのスプライトがえる錯視さくし。この錯視さくしななめ45からると錯覚さっかくよわまる[10]
カニッツァの三角形さんかっけい
カニッツァの三角形さんかっけい
えがいてないはずの三角形さんかっけいかびがる錯視さくしかたち残像ざんぞう利用りようしたもの。
エイムスのまど
うごきのある錯視さくし円筒えんとうなか左右さゆう往復おうふくする平行四辺形へいこうしへんけいが、回転かいてんする長方形ちょうほうけいにもえる錯視さくし
メッツガーの図形ずけい
えんえがき、りょうはしのこしてははみるようにべつ図形ずけいかくすと、えん楕円だえんがたえる。図形ずけいしま模様もよう長方形ちょうほうけいだと、度合どあいが顕著けんちょになる。
ネッカーの立方体りっぽうたい
線分せんぶんだけの立方体りっぽうたいすべてのあたりえがくと、2種類しゅるい図形ずけいえる錯視さくし
シュレーダーの階段かいだん
えがいた階段かいだんさかさのきにもえる錯視さくし応用おうようしたものとして、クレーター錯視さくしがある。
クレーターの錯視さくし
凸面とつめん図形ずけいは凹面にもえるという錯視さくし月面げつめんのクレーターが隆起りゅうきした地形ちけいにもえることから名付なづけられた。
シェパードの錯視さくし
2つの平行四辺形へいこうしへんけい片方かたがたななめにかたむけ、はなしてくとことなった図形ずけいえる錯視さくし
市松いちまつ模様もよう錯視さくし
市松いちまつ模様もようひだりうえいがんでえる錯視さくし
ルキーシュ錯視さくし
かさならないように等間隔とうかんかく正方形せいほうけいふたえがく。その正方形せいほうけいいち頂点ちょうてんから対角線たいかくせんじょうてんとお平行へいこうせん等間隔とうかんかくいていく。すると、対角線たいかくせんまじわるあたりし、正方形せいほうけいいびつ四角形しかっけいえる錯視さくし
ロッド・フレーム錯視さくし
ロッドはぼう、フレームはわくあらわす。垂直すいちょくせん一本いっぽんえがき、それを正方形せいほうけいかこみその正方形せいほうけいかたむけていくと、垂直すいちょくせん次第しだいかたむいてえる錯視さくし発見はっけんしゃはAl Behとされている。
トランスキー錯視さくし
複数ふくすうえん任意にんいてき一部分いちぶぶんだけをす。ひとつはさんぶんいちほど、はそれよりみじかっていく。すると、もと部分ぶぶん合同ごうどうであるはずなのに、よりみじかられた曲線きょくせんほう平行へいこうえてしまう。
ボッティ錯視さくし
2種類しゅるい存在そんざいする。
  1. ひとしい垂直すいちょく距離きょり図形ずけいを、ひとつは垂直すいちょくせんのみで、もうひとつは斜線しゃせんのみで構成こうせいする。すると、斜線しゃせんのみの図形ずけいほう間隔かんかくながえる錯視さくし
  2. ひとしい垂直すいちょく距離きょり図形ずけいを、ひとつは平行へいこうせんのみ、もうひとつはおなじく平行へいこうせんだがななめにずらしていく。すると、ななめにずらした図形ずけいほう間隔かんかくみじかえる錯視さくし
ラスカ錯視さくし
平行へいこうせんりょうはしから、片方かたがた鈍角どんかくまじわる直線ちょくせんを、もう片方かたがたには鋭角えいかくまじわるおなながさの直線ちょくせんく。すると、鋭角えいかくまじわる直線ちょくせんほうながえる錯視さくし。あまりられていない錯視さくしであるが、ミュラー=リヤー錯視さくし根本こんぽん概念がいねんくつがえ錯視さくしであるとしるされている。
ロエブ錯視さくし
平行へいこうせんじょうに、ひとしい直線ちょくせんを2つる。片方かたがたはそのうえ平行へいこうせんを、もう片方かたがたには等間隔とうかんかくした平行へいこうせんく。すると、もとの2ほん平行へいこうせんがずれているようにえる錯視さくし
シューマン錯視さくし
2つの図形ずけい間隔かんかくひとしいとき、おおきい図形ずけいはばまれたものはせまえ、せま図形ずけいはばまれたものはひろえる錯視さくし
ヴィカリオ錯視さくし
等間隔とうかんかく垂直すいちょくたてぼうならべていき、2つの正方形せいほうけい(にえるかたち)をつくる。片方かたがたながぼう、もう片方かたがたみじかぼうつくると、みじかぼうつくった正方形せいほうけいほうあきらかにたてぼう同士どうし間隔かんかくひろえる錯視さくし
ジェルビーノ錯視さくし
任意にんい正多角形せいたかっけい頂点ちょうてんかくすように合同ごうどう正三角形せいさんかっけい規則きそくてきかならあたりまじわるように)にいていくと、もと多角たかくがたがずれてえる錯視さくし
カラの正方形せいほうけい錯視さくし
りつぶさないことが条件じょうけんで、あたりふとい2つの合同ごうどう正方形せいほうけいをぎりぎりあたりまじわらないぐらいに2つならべ、おたが平行へいこうせん沿ってずらしていくと、2つの正方形せいほうけいがおたがかたむいてえる錯視さくし
ビンナの角度かくど錯視さくし
2つの合同ごうどう正多角形せいたかっけいえがき、そのかくおなじだけのくろりつぶした長方形ちょうほうけい用意よういする。片方かたがたにはすべての頂点ちょうてんまじわるように長方形ちょうほうけいいていき(ただし、多角たかくがたまじわった内側うちがわ部分ぶぶんす)、もうひとつはすべてのあたりせっするように長方形ちょうほうけいいていく。すると、頂点ちょうてんまじわった正多角形せいたかっけいほうがよりかくするどえ、あたりまじわった正多角形せいたかっけいはより円形えんけいえる。
和田わだ田中たなか角度かくど錯視さくし
どう角度かくど鋭角えいかく図形ずけいを2しゅ用意よういし、片方かたがた線分せんぶんみじかく、もう片方かたがた線分せんぶんながくする。すると線分せんぶんみじかほうが、より鋭角えいかく気味ぎみえる錯視さくし
ギブソン錯視さくし
任意にんい平行へいこうせんき、そのあいだえがくと、平行へいこうせん反対はんたいきの弧状こじょうえる錯視さくし。また、合同ごうどうほんえがき、その始点してん終点しゅうてん接点せってんじょう始点してん終点しゅうてんにした線分せんぶんえがくと、その線分せんぶん弧状こじょうえる。
提灯ちょうちん錯視さくし
心理しんり学者がくしゃ北岡きたおかあきらけい発表はっぴょうした錯視さくし合同ごうどう円形えんけいでも、斜線しゃせんかこまれたえんかこまれていないえんよりちいさくえる錯視さくしかたち提灯ちょうちんていることから名付なづけられた。

ポップル錯視さくし文字もじれつ傾斜けいしゃ錯視さくし

[編集へんしゅう]

平行へいこうならべた図形ずけい模様もよう均等きんとう上下じょうげにずらすと、図形ずけいかたむいてえる錯視さくし。ツェルナー錯視さくしのようにならべると顕著けんちょになる。あるしゅ活字かつじたい可視かしされた文字もじれつにも、この傾向けいこうられるパターンがあることがられている。「あんずマナー」という文字もじれつかえならべると、みぎがりにえる。北岡きたおかあきらけいがポップル錯視さくしとの類似るいじ指摘してきした。この錯視さくしは、たんなるインターネットメディアの話題わだいにとどまらず、国内こくない錯視さくし研究けんきゅう第一人者だいいちにんしゃでもある北岡きたおかのホームページでも「びとらず」としてげられているほか、新井あらい仁之ひとしがこの錯視さくしを『文字もじれつ傾斜けいしゃ錯視さくし』と定義ていぎして、ウェーブレット利用りようしてこの現象げんしょうこす文字もじれつ見出みいだしたり、錯視さくし現象げんしょうをキャンセルしたり強化きょうかしたりするといった論文ろんぶん発表はっぴょうしている[11]。また、「アロマ企画きかく」「コニア」「けん交付こうふ[12]しも广卞廿にじゅう十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广」の文字もじれつでも、この錯視さくし発生はっせいする。

いろかんする錯視さくし

[編集へんしゅう]

いろ錯視さくし

[編集へんしゅう]
ネオンしょく拡散かくさんれいしろ背景はいけい格子こうし部分ぶぶんのネオンしょくえんまたはひしがたじょうえる錯覚さっかく。1975ねん報告ほうこく
  • いろ対比たいひ
  • いろ同化どうか
  • マッハバンド
  • シュブルール錯視さくし : マッハのおび混同こんどうされることがおおい。
  • パザルリ錯視さくし
  • ムンカー錯視さくし
  • ネオンしょく拡散かくさん
  • ベンハムの独楽こま : しろくろけた独楽こままわすと、いろ感覚かんかくまれるという錯視さくし

いろ同化どうか

[編集へんしゅう]

色の同化1 色の同化2

背景はいけいいろすべおなじであるが、もといろよりもせんいろ傾向けいこういろえる。これをいろ同化どうかという[13]

チェッカーシャドウ錯視さくし

[編集へんしゅう]

白と灰色のチェッカーボードに円柱が影を落としているイラスト。影の外の白のタイルAの色は、影に入った灰色のタイルBの色よりも明るく見える。しかしイラストの作成においてAとBのタイルに使われている色は同じである。 この使われている一色でAとBのタイルをつなぐと単色の一体の図形になる。 AとBのタイルの上にオレンジ色で楕円が描かれている。影の外の灰色のタイルAの上のオレンジ色はBの上のオレンジ色よりも暗く、影の中の白いタイルBの上のオレンジ色はAの上のオレンジ色よりも鮮やかに見える。しかしイラストの作成において使われているオレンジ色はどちらの楕円も同じである。

この画像がぞう作成さくせいにおいてAとBのタイルに使つかわれているいろおなじである。これはマサチュまさちゅセッツ工科大学せっつこうかだいがくのエドワード・エーデルソン教授きょうじゅかんがえた「チェッカーシャドウ錯視さくし」というものである。

錯視さくし原因げんいん

[編集へんしゅう]

錯視さくし原因げんいん錯視さくしによってそれぞれちがうとかんがえられている。たとえば、エニグマ錯視さくしマイクロ・サッケードこしている[14]

しかし、おおくの錯視さくし原因げんいんかっておらず、仮説かせつてられているというものがほとんどである(れい:ムンカー錯視さくし詳細しょうさい[15])。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ 文部省もんぶしょう日本にっぽん心理しんり学会がっかいへん学術がくじゅつ用語ようごしゅう : こころ理学りがくへん日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい、1986ねんISBN 4-8181-8602-3http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 
  2. ^ a b c 北岡きたおかあきら 2010, p. 2.
  3. ^ a b ジャック・ニニオ 2004, p. 128.
  4. ^ 北岡きたおかあきら 2010, p. 1.
  5. ^ Oppelによって1855ねんしめされたのが最初さいしょとする資料しりょう存在そんざいする。これは、Oppelがフィック錯視さくし錯視さくしとして研究けんきゅうしたはつ研究けんきゅうしゃであることによる。
  6. ^ a b 北岡きたおかあきら 2010, p. 10.
  7. ^ 北岡きたおかあきら 2010, p. 8.
  8. ^ a b c 北岡きたおかあきら 2010, p. 24.
  9. ^ 同心円どうしんえんあつまりなのに渦巻うずまきにえる(フレーザー錯視さくし)”, Newton別冊べっさつ のうはなぜだまされるのか? 錯視さくし 完全かんぜん図解ずかい (ニュートン プレス): p. 94, (2007-10-01) 
  10. ^ 北岡きたおかあきら 2007, p. 101.
  11. ^ 新井あらい仁之ひとし; 新井あらいしのぶ (2012ねん4がつ2にち). “文字もじれつ傾斜けいしゃ錯視さくし 作品さくひんしゅう”. 錯視さくし科学かがくかん. 2015ねん2がつ24にち閲覧えつらん
  12. ^ けん交付こうふ」は北岡きたおか考案こうあんしたものである。
  13. ^ いろ同化どうか学習がくしゅう支援しえんツール”. いろひかり能力のうりょくテストTOCOL(トーコル). 2011ねん8がつ20日はつか閲覧えつらん
  14. ^ Brandon Keim (2008ねん11月21にち). “Eye Flicker Explains 'Enigma' Optical Illusion” (英語えいご). Wired Science. 2013ねん9がつ18にち閲覧えつらん
  15. ^ NTT物性ぶっせい科学かがく基礎きそ研究所けんきゅうじょ. “錯視さくし 色彩しきさい錯視さくし ムンカー錯視さくし”. Illusion Forum イリュージョンフォーラム. 2013ねん9がつ18にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 後藤ごとう倬男・田中たなか平八へいはちへん へん錯視さくし科学かがくハンドブック』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2005ねんISBN 4-13-011115-9  - 一連いちれん幾何きかがく錯視さくし図形ずけい(ツェルナー、ポンゾ、ポッゲンドルフ、フィック、オッペル・クント、デルブーフ)は本編ほんぺん参考さんこうおよび、かく錯視さくしにおける定義ていぎ参考さんこう市販しはん図形ずけい描画びょうがツールにて作成さくせいした。また、その幾何きかがく錯視さくしにおける説明せつめい本誌ほんし凡例はんれい参考さんこうにしたものである。
  • 北岡きたおかあきらけい錯視さくし入門にゅうもん朝倉書店あさくらしょてん、2010ねん6がつ30にちISBN 9784254102260全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:21798667 
  • ジャック・ニニオ ちょ鈴木すずき光太郎こうたろう向井むかい智子さとこ やく錯視さくし世界せかい 古典こてんからCG画像がぞうまで』(初版しょはんしん曜社、2004ねん2がつ25にち 
  • 北岡きたおかあきらけい『だまされる視覚しかく 錯視さくしたのしみかた』(初版しょはん化学かがく同人どうじん、2007ねん1がつ20日はつかISBN 9784759813012全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:21264368 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]