ペンローズの階段かいだん

ペンローズの階段かいだん

ペンローズの階段かいだん（ペンローズのかいだん、Penrose stairs）は、ライオネル・ペンローズと息子むすこのロジャー・ペンローズが考案こうあんした不可能ふかのう図形ずけいである。

概要がいよう

ペンローズの三角形さんかっけいの派生はせい形がたの一ひとつで90度どずつ折おれ曲まがって、永遠えいえんに上のぼり続つづけても高たかいところに行いけない階段かいだんを二に次元じげんで描えがいたものである。三次元さんじげんで実現じつげんするのは明あきらかに不可能ふかのうであり、歪ゆがみのパラドックスを利用りようした二に次元じげんでのみ表現ひょうげんできる。

マウリッツ・エッシャーのリトグラフ『上昇じょうしょうと下降かこう（Ascending and Descending）』の中なかでは、僧院そういんの階段かいだんを何人なんにんかの修道しゅうどう士しが上のぼっている図ずとして描えがかれている。

この階段かいだんは、「不可能ふかのう図形ずけいの父ちち」と呼よばれるスウェーデンの画家がかオスカー・ロイテルスバルトも発見はっけんしていたが、ペンローズもエッシャーもそのことを知しらなかった。

聴覚ちょうかくとの関係かんけい

「無限むげん音階おんかい」も、これにある意味いみで似にている。福田ふくだ繁雄しげおや杉原すぎはら厚吉こうきちらによる、このような図形ずけいの「不可能ふかのう図形ずけいの立体りったい化か」は多おおくの場合ばあい、現実げんじつの三さん次元じげんの階段かいだんのどこかを不連続ふれんぞくにしたものについて、ある位置いちに視点してんを置おいて見みると、その不連続ふれんぞくな部分ぶぶんが把握はあくが難むずかしくなっていて不可能ふかのう図形ずけいに見みえる、というものになっている。「無限むげん音階おんかい」では、可聴かちょう範囲はんいの超ちょう低音ていおんから超ちょう高音こうおんまで一斉いっせいに、まず「ド」が、続つづいて「レ」が鳴なる、といったようになっていて（レコードになっているものでは連続れんぞく的てきに変化へんかしているが、原理げんり的てきには同おなじ）、その低ひくいほうや高たかいほうの端はしは認識にんしきできないため、あたかも無限むげんに続つづいてるように感かんじる（ものすごく長ながいため、端はしが視界しかいに入はいりきらない床屋とこやの回転かいてん看板かんばん、ともたとえられる）。

これに近ちかいものに、ジャン=クロード・リセとロジャー・シェパードの「シェパード・トーン」がある。

関連かんれん文献ぶんけん

• Deutsch, Diana (July 2010). "The Paradox of Pitch Circularity" (PDF). Acoustics Today. 6 (3): 8–14. doi:10.1121/1.3488670. Retrieved March 2011.
• Ernst, Bruno (1992). The Eye Beguiled: Optical Illusions. Benedikt Taschen. ISBN 3-8228-9637-3.
• Hallyn, Fernand (2000). Metaphor and Analogy in the Sciences. Springer. ISBN 978-0-7923-6560-0. Retrieved March 2011.
• IllusionWorks (1997). "Impossible Staircase". Retrieved March 2011.
• Penrose, L.S.; Penrose, R. (1958). "Impossible objects: A special type of visual illusion". British Journal of Psychology. 49: 31–33. doi:10.1111/j.2044-8295.1958.tb00634.x. PMID 13536303.

外部がいぶリンク

• Impossible Staircase
• Escher's "Ascending and Descending" in LEGO
• JISアートによるペンローズの階段かいだん他ほか