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閉グラフ定理ていり

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学すうがく分野ぶんやにおける閉グラフ定理ていり(へいグラフていり、英語えいご: closed graph theorem)とは、バナッハ空間くうかんあいだ連続れんぞく線形せんけい作用素さようそ作用素さようそグラフかんして特徴付とくちょうづけるような、関数かんすう解析かいせきがくにおける基本きほんてき結果けっかひとつである。

閉グラフ定理ていり[編集へんしゅう]

任意にんい関数かんすう T : XYたいし、Tグラフ

によって定義ていぎする。もし X位相いそう空間くうかんYハウスドルフ空間くうかんであるなら、つぎしめすことは容易よういである: もし T連続れんぞくであるなら、T のグラフは閉である。

もし XY がバナッハ空間くうかんで、Tいたところ定義ていぎされた(すなわち、T定義ていぎいき D(T)X であるような)線形せんけい作用素さようそであるなら、うえ記述きじゅつぎゃく成立せいりつする。これがすなわち閉グラフ定理ていりである: もし T のグラフが(直積ちょくせき位相いそうそなえた)空間くうかん X × Y において閉であるなら、T作用素さようそばれ、この設定せっていしたでは、T連続れんぞくであると結論けつろんけることが出来できる。

うえのような定義ていぎいきかんする制限せいげんは、有界ゆうかい線形せんけい作用素さようそ存在そんざいがあるために必要ひつようとなる。 うえ微分びぶん作用素さようそ典型てんけいてき反例はんれいである。

閉グラフ定理ていり一般いっぱんてき証明しょうめいにはひらけ写像しゃぞう定理ていりもちいられる。実際じっさい、閉グラフ定理ていりひらき写像しゃぞう定理ていりおよび有界ゆうかいぎゃく写像しゃぞう定理ていりはすべて同値どうちである。この同値どうちせいはまた X および Y がバナッハ空間くうかんであることの必要ひつようせい明示めいじするためにやくつ; たとえば、コンパクト・サポートをつような連続れんぞく関数かんすうや、あるいはうえ極限きょくげんノルムをそなえた有限ゆうげんゼロなもとからなるれつもちいることで、有界ゆうかいぎゃくつような線形せんけい作用素さようそ構成こうせいすることが出来できる。

閉グラフ定理ていりつぎのようにえることも出来できる。もし T : XY がバナッハ空間くうかんあいだ線形せんけい作用素さようそなら、つぎふたつは同値どうちである:

  1. X うち任意にんいてんれつ {xn} にたいして、もし {xn} が X においてあるもと x収束しゅうそくするなら、Y うちてんれつ {T(xn)} も収束しゅうそくし、その極限きょくげんT(x) となる。
  2. X うち任意にんいてんれつ {xn} にたいして、もし {xn} が X においてあるもと x収束しゅうそくし、{T(xn)} が Y においてあるもと y収束しゅうそくするなら、y = T(x)成立せいりつする。

一般いっぱん[編集へんしゅう]

閉グラフ定理ていりは、つぎのようにして、より抽象ちゅうしょうてき位相いそうベクトル空間くうかんへと一般いっぱん出来できる。

たるがた空間くうかん X からフレシェ空間くうかんY線形せんけい作用素さようそ連続れんぞくであるための必要ひつようじゅうふん条件じょうけんは、そのグラフが直積ちょくせき位相いそうそなえた空間くうかん X×Y において閉であることである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Folland, Gerald B. (1984), Real Analysis: Modern Techniques and Their Applications (1st ed.), John Wiley & Sons, ISBN 978-0-471-80958-6 
  • Rudin, Walter (1973), Functional analysis, Tata MacGraw-Hill .
  • Proof of closed graph theorem - PlanetMath.org英語えいご