関根せきね弘ひろし

関根せきね 弘ひろし（せきね ひろし、1920年ねん1月がつ31日にち - 1994年ねん8月がつ3日にち）は、日本にっぽんの詩人しじん、評論ひょうろん家か。

来歴らいれき

東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し浅草あさくさ区く浅草あさくさ森下もりした町まち（現在げんざいの東京とうきょう都と台東たいとう区く蔵前くらまえ）生うまれ。工員こういん、業界ぎょうかい紙し記者きしゃを務つとめる。戦後せんご、日本にっぽん共産党きょうさんとう員いんとして活動かつどうする傍かたわら（のち脱退だったい）、「列島れっとう」「現代げんだい詩し」などの詩し運動うんどうのリーダーとして活動かつどう。夜よるの会かい、現在げんざいの会かいなどに参加さんかし、ルポルタージュ、社会しゃかい評論ひょうろん、文芸ぶんげい評論ひょうろん、小説しょうせつなど幅広はばひろく執筆しっぴつ活動かつどうを行おこなった。

1970年ねん前後ぜんこう、かつて賛同さんどうした売春ばいしゅん防止ぼうし法ほうが、ブルジョワ的てき偽善ぎぜんに過すぎず、多おおくの「棄民」を生うみ出だしただけだったと気きづいて、『小説しょうせつ吉原よしわら志こころざし』などで、売春ばいしゅん婦ふの実態じったいを抉えぐった。

文芸ぶんげい雑誌ざっし『新しん日本にっぽん文学ぶんがく』1954年ねん3月がつに『狼おおかみが来きた - 現代げんだい詩しの方向ほうこうについての感想かんそう』を発表はっぴょうし、戦前せんぜんのプロレタリア詩しを含ふくめ、パターン化かされた抵抗ていこう詩しを批判ひはん。作家さっか・野間のま宏ひろしとの間あいだでいわゆる「狼おおかみ論争ろんそう」を引ひき起おこした （この論争ろんそうは後のちに詩論しろん集しゅう『狼おおかみがきた』にまとめられた）。

著書ちょしょ

• 『絵えの宿題しゅくだい』（建たて民社みんしゃ） 1953
• 『現代げんだい詩しの作法さほう』（春秋しゅんじゅう社しゃ） 1954
• 『鉄てつ オモチャの世界せかい（柏かしわ林りん書房しょぼう、ルポルタージュ・シリーズ） 1955
• 『狼おおかみがきた』（ユリイカ） 1955
• 『死しんだ鼠ねずみ 関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（飯塚いいづか書店しょてん） 1957
• 『棗なつめを喰くった話はなし』（真鍋まなべ博ひろし共著きょうちょ、亜紀あき社しゃ） 1958
• 『水先案内みずさきあんない人じんの眼め』（現代げんだい思潮しちょう社しゃ） 1959
• 『青春せいしゅんの文学ぶんがく アヴァンギャルド詩論しろん』（三さん一いち書房しょぼう） 1959
• 『現代げんだい詩し入門にゅうもん』（飯塚いいづか書店しょてん） 1961
• 『東大とうだいに灯ひをつけろ 学閥がくばつ・官僚かんりょう・アカデミズム』（内田うちだ老ろう鶴づる圃） 1961
• 『くたばれ独占どくせん資本しほん』（三さん一いち新書しんしょ） 1963
• 『関根せきね弘ひろし詩論しろん集しゅう　自分じぶんの場所ばしょの発見はっけん』（思潮しちょう社しゃ） 1964
• 『新宿しんじゅく 盛さかり場ば・ターミナル・副ふく都心としん』（大和やまと書房しょぼう） 1964
• 『都と門もん 句集くしゅう』（紫むらさきの会かい） 1964
• 『関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（思潮しちょう社しゃ） 1968
• 『わが新宿しんじゅく! 叛逆はんぎゃくする町まち』（財界ざいかい展望てんぼう新しん社しゃ） 1969
• 『戯おどけ話はなし 乱世らんせいのヒーロー』（三省堂さんせいどう新書しんしょ） 1969
• 『関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（思潮しちょう社しゃ、現代げんだい詩文しぶん庫こ） 1969
• 『日本にっぽん民衆みんしゅう詩集ししゅう』（岡本おかもと潤じゅん共編きょうへん、太平たいへい出版しゅっぱん社しゃ） 1970
• 『阿部あべ定じょう 関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1971
• 『小説しょうせつ吉原よしわら志こころざし』（講談社こうだんしゃ） 1971
• 『明あかるい谷間たにま 赤あか線せん従業じゅうぎょう婦ふの手記しゅき』（新しん吉原よしわら女子じょし保健ほけん組合くみあい（復刻ふっこく版ばん解説かいせつ）、土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1973
• 『浅草あさくさコレクション』（創そう樹じゅ社しゃ） 1973
• 『夢ゆめの落おちた場所ばしょ ブルース3部ぶ作さく 関根せきね弘ひろし戯曲ぎきょく集しゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1973
• 『余計よけい者しゃの抵抗ていこうの道みち』（じゃこめてい出版しゅっぱん） 1973
• 『女おんなの机つくえ 詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1973
• 『機械きかい的てき散策さんさく 評論ひょうろん集しゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1974
• 『関根せきね弘ひろし お伽噺とぎばなし集しゅう』（創そう土ど社しゃ） 1974
• 『針はりの穴あなとラクダの夢ゆめ 半はん自伝じでん』（草くさ思おもえ社しゃ） 1978
• 『泪なみだ橋きょう 関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（思潮しちょう社しゃ） 1980
• 『新宿しんじゅく詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1980
• 『路地ろじ裏うらから 1981年ねん春はる - 秋あき』（草くさ思おもえ社しゃ） 1982
• 『街まち 関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1984
• 『パビリオンTokyoの町まち』（創そう樹じゅ社しゃ） 1986
• 『'60年代ねんだいからこんにちは 21世紀せいきを創造そうぞうする対話たいわ 関根せきね弘ひろし対談たいだん集しゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1986
• 『花田はなた清輝きよてる 二に十じゅう世紀せいきの孤独こどく者しゃ』（リブロポート、シリーズ民間みんかん日本にっぽん学者がくしゃ） 1987
• 『奇態きたいな一いち歩ほ 関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ） 1989
• 『関根せきね弘ひろし詩集ししゅう』（土曜どよう美術びじゅつ社しゃ、日本にっぽん現代げんだい詩文しぶん庫こ） 1990

翻訳ほんやく

• 『マヤコフスキー選集せんしゅう』第だい1 - 3（マヤコフスキー、小笠原おがさわら豊樹とよき共とも訳やく、飯塚いいづか書店しょてん） 1958