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阿部あべ征ただし司し

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阿部あべ 征ただし司し（あべ せいじ、1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）8月がつ1日にち[1][2] - 2012年ねん（平成へいせい24年ねん）12月29日にち[2]）は、日本にっぽんのテレビドラマの元もとプロデューサー。元もと東映とうえい所属しょぞく。秋田あきた県けん鹿角かづの市し出身しゅっしん[3][2]。早稲田大学わせだだいがく教育きょういく学部がくぶ社会しゃかい科学かがく科か卒業そつぎょう[1][3][2]。

作詞さくし家かとしてのペンネームは中瀬なかせ当とう一いち[4][2]、田中たなか守まもる[注釈ちゅうしゃく 1]。脚本きゃくほん家かとしてのペンネームとしては、東映とうえいプロデューサーの平山ひらやま亨とおるとの共同きょうどう筆名ひつめい「海堂かいどう肇はじめ」がある[要よう出典しゅってん]。

来歴らいれき

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実家じっかが映画えいが館かんだったこともあり、幼おさない頃ころから映画えいが業界ぎょうかいを志こころざす[3][2]。大学だいがく在学ざいがく中ちゅうにはシナリオ研究けんきゅう会かいに所属しょぞく[3][5][2]。同期どうきには、フジテレビジョン代表だいひょう取締役とりしまりやく会長かいちょうの日枝ひえ久ひさがいる[3]

大学だいがく卒業そつぎょう後ごの1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）に東映とうえい入社にゅうしゃ[3][5][1][2]。入社にゅうしゃ後ごは東映とうえい東京とうきょう撮影さつえい所しょに配属はいぞくされ、進行しんこう助手じょしゅ・進行しんこう主任しゅにんなどを務つとめた[2]。1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）にテレビ部ぶへ異動いどうし[2]、1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）に『プレイガール』で初はじめてプロデューサーに就任しゅうにん[1][2]。『仮面かめんライダー』以後いご、 仮面かめんライダーシリーズをはじめとする子供こども番組ばんぐみで平山ひらやま亨とおるの片腕かたうでとして予算よさんの配分はいぶんから配役はいやく起用きようなど番組ばんぐみを裏うらで支ささえた[2]。そのほか、『暴あばれん坊ぼう将軍しょうぐんシリーズ』（テレビ朝日てれびあさひ）、『特捜とくそう最前線さいぜんせん』など、数々かずかずの作品さくひんにプロデューサーとして携たずさわった[2]。1997年ねん（平成へいせい9年ねん）に定年ていねんを迎むかえ、以降いこうは契約けいやく企画きかくマンとして活動かつどうしていた[3][2]。　 2012年ねん（平成へいせい24年ねん）12月29日にち、拡張かくちょう型がた心筋しんきん症しょうにより東京とうきょう都と東村山ひがしむらやま市しの病院びょういんで死去しきょ[6][7]。75歳さい没ぼつ。葬儀そうぎは近親きんしん者しゃのみで執とり行おこなわれた。2013年ねん（平成へいせい25年ねん）5月がつ26日にちには東京とうきょう中野なかのサンプラザで偲しのぶ会かいが催もよおされ、会場かいじょうには藤岡ふじおか弘ひろし、、佐々木ささき剛つよし、宮内みやうち洋ひろし、速水はやみ亮あきら、菅田すげた俊しゅん、高杉たかすぎ俊介しゅんすけ、村むら枝えだ賢一けんいち、三ツ木みつぎ清隆きよたからが訪おとずれた。

エピソード

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『仮面かめんライダー』のスタート時じは、初はじめて挑いどむジャンルに興味きょうみはあったものの、それまで子供こども番組ばんぐみを観みたこともなかったことから、内容ないようについてどこが面白おもしろいのかわからなかったという[8]。企画きかく書しょを読よみ込こむうちに面白おもしろくなりそうだと感かんじるようになったものの、『キイハンター』の子供こども版ばんと想像そうぞうしていたため、実際じっさいには被かぶり物ものを被こうむったり飛とび跳はねるアクションとなったことには驚おどろいたという[8]。

平山ひらやま亨とおると組くんでプロデューサーを務つとめた当時とうじ、脚本きゃくほん家かへの発注はっちゅうは阿部あべの役割やくわりであった[9]。初はじめて組くんだ『仮面かめんライダー』では、第だい1話わ・第だい2話わの脚本きゃくほんが完成かんせいした後のちに平山ひらやまは何なにも指示しじしなかったため、『柔道じゅうどう一直線いっちょくせん』などで彼かれと組くんでいた斉藤さいとう頼照よりてるに訪たずね、自身じしんが動うごかねばならないことを知しったという[9]。『仮面かめんライダー』などで脚本きゃくほんを務つとめた伊上いがみ勝まさるに脚本きゃくほんの提出ていしゅつの遅おそさから催促さいそくに行いったところ、あの手てこの手てでいつも上手うまく逃にげられ、喫茶店きっさてんで執筆しっぴつする彼かれをずっと見守みまもっていたこともあったという[9]。阿部あべは伊上いがみの自宅じたくへ電話でんわしても捕つかまらなかったことから、伊上いがみの妻つまに「バカと伝つたえてくれ」と伝言でんごんし、彼女かのじょには初対面しょたいめん時じまで恐こわい人物じんぶつだと思おもわれていた[9]。

『仮面かめんライダー』放映ほうえい当時とうじに社会しゃかい現象げんしょうとなった大だいヒット商品しょうひん『仮面かめんライダースナック』（カルビー）の景品けいひん「仮面かめんライダーカード」では、阿部あべが匿名とくめいで説明せつめい文ぶんを執筆しっぴつしていた[10]。

第だい1期き仮面かめんライダーシリーズ終了しゅうりょうの4年ねん後ごに制作せいさくされた『仮面かめんライダー (スカイライダー)』では、企画きかくを進すすめる平山ひらやまに対たいして人気にんき作品さくひんをもう一度いちどやることのデメリットを説といて忠告ちゅうこくし、制作せいさくには慎重しんちょうな姿勢しせいを見みせて参加さんかを拒こばんだ[11]。放送ほうそう開始かいし後ご、視聴しちょう率りつの不信ふしんから東映とうえい側がわに同どう作品さくひんへの参加さんかを打診だしんされると「何なにをやってもよい」という条件じょうけんで受諾じゅだくし、スカイライダーの配色はいしょくや主題歌しゅだいかを変更へんこうするなど、自身じしんが好このむ明あかるく楽たのしいシンプルなヒーロー像ぞうへの一新いっしんを進すすめた[9][12]。

娘むすめが幼稚園ようちえんに入園にゅうえんする時ときの面接めんせつで「『仮面かめんライダー』を作つくっている」と述のべたところ、先生せんせいらから感心かんしんされたという[3][8]。

スーパー戦隊せんたいシリーズでメインライターを務つとめた曽田そた博久ひろひさは、当時とうじの阿部あべについて実務じつむは鈴木すずき武幸たけゆきに任まかせており、若手わかてが仕事しごとをやりやすいようにしてくれていたと述のべている[13]。

『仮面かめんライダー』で本郷ほんごう猛たけし/仮面かめんライダー1号ごうを演えんじた藤岡ふじおか弘ひろし、は阿部あべの訃報ふほうに際さいし、思おもい出でとして「とにかく子供こどもが好すきで、子供こどものための番組ばんぐみを真剣しんけんに作つくり、何なん度ども現場げんばに足あしを運はこんでいたこと」が印象いんしょうに残のこっており、「現場げんばでは『ヨッ！』と気きさくに声こえをかけてくれましてね。今いま思おもえば、僕ぼくたちにプレッシャーをかけない配慮はいりょだった」と、その人柄ひとがらを偲しのぶとともに「尊敬そんけいすると同時どうじに、自分じぶんもその遺志いしを受うけ継つぎ、子供こどもたちを失望しつぼうさせることなく、夢ゆめを与あたえる責任せきにんを持もって生いきていきたい」とコメントを寄よせている[14]。

担当たんとう作品さくひん

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テレビ

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映画えいが

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ほか多数たすう

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 平山ひらやま亨とおるとの共同きょうどう著名ちょめい[2]。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 『仮面かめんライダー大全たいぜん』双葉社ふたばしゃ、2000年ねん、23頁ぺーじ。ISBN 4-575-29121-8。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 仮面かめんライダー怪人かいじん大だい画が報ほう 2016, p. 176, 「仮面かめんライダー スタッフ・キャスト人名じんめい録ろく 2016年版ねんばん」
  3. ^ a b c d e f g h OFM仮面かめんライダー2 2004, p. 32, 杉田すぎた篤彦あつひこ「匠たくみたちの肖像しょうぞう 第だい7回かい 阿部あべ征ただし司し」
  4. ^ OFM仮面かめんライダー4 2004, p. 30, 早川はやかわ優ゆう「仮面かめんライダー音楽おんがく考こう 第だい6回かい 仮面かめんライダー・作詞さくし考こう」.
  5. ^ a b 仮面かめんライダー1971-1984 2014, p. 125, 「新しん組織そしきの出現しゅつげん」
  6. ^ お知しらせがあります 仮面かめんライダー40周年しゅうねん記念きねん 仮面かめんライダーを愛あいする男おとこ
  7. ^ 阿部あべ征ただし司つかさ氏し死去しきょ（元もと東映とうえいプロデューサー） 時事通信じじつうしん - archive.today（2013年ねん4月がつ26日にちアーカイブ分ぶん）
  8. ^ a b c 仮面かめんライダー怪人かいじん大だい画が報ほう 2016, pp. 168–171, 「仮面かめんライダーを育そだて上あげた三さん賢人けんじんII 運営うんえいの賢者けんじゃ 阿部あべ征ただし司し」
  9. ^ a b c d e OFM仮面かめんライダー5 2004, pp. 27–29, 赤星あかほし政まさし尚なお「特集とくしゅう 果はてしなき闘たたかいのドラマ 『仮面かめんライダー』脚本きゃくほん家か列伝れつでん」
  10. ^ 仮面かめんライダー1971-1984 2014, p. 148, 「仮面かめんライダースナック」.
  11. ^ 仮面かめんライダー1971-1984 2014, pp. 377、390.
  12. ^ 仮面かめんライダー1971-1984 2014, p. 390, 「パワーアップシリーズ」.
  13. ^ 「スーパー戦隊せんたい制作せいさくの裏うら舞台ぶたい 曽田そた博久ひろひさ」『スーパー戦隊せんたい Official Mook 20世紀せいき』《1988 超ちょう獣しし戦隊せんたいライブマン》講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃシリーズMOOK〉、2018年ねん4月がつ10日とおか、32頁ぺーじ。ISBN 978-4-06-509615-4。 
  14. ^ “スポーツ報知ほうち / 社会しゃかい 「仮面かめんライダーの父ちち・阿部あべ征ただし司つかささん死去しきょ…東映とうえい元もとチーフプロデューサー」”. ウェブ魚拓ぎょたくによるキャッシュ (2013年ねん1月がつ1日にち). 2013年ねん5月がつ22日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 『仮面かめんライダー本郷ほんごう猛たけし』（扶桑社ふそうしゃ）
  • 『KODANSHA Official File Magazine 仮面かめんライダー』（講談社こうだんしゃ）
    • Vol.2《仮面かめんライダー2号ごう》、2004年ねん10月がつ8日にち。ISBN 4-06-367092-9。 
    • Vol.4《ライダーマン》、2004年ねん9月がつ24日にち。ISBN 4-06-367091-0。 
    • Vol.5《仮面かめんライダーX》、2004年ねん11月がつ10日とおか。ISBN 4-06-367094-5。 
  • 講談社こうだんしゃ 編へん『仮面かめんライダー1971-1984 秘蔵ひぞう写真しゃしんと初はつ公開こうかい資料しりょうで蘇よみがえる昭和しょうわライダー10人にん』講談社こうだんしゃ、2014年ねん11月20日にち。ISBN 978-4-06-218566-0。 
  • 『宇宙船うちゅうせん別冊べっさつ 仮面かめんライダー怪人かいじん大だい画が報ほう2016』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2016年ねん3月がつ28日にち。ISBN 978-4-7986-1202-7。 

関連かんれん項目こうもく

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