陶山すやま節子せつこ

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陶山すやま 節子せつこ（すやま せつこ、旧姓きゅうせい：吉川よしかわ、1903年ねん12月18日にち - 2000年ねん8月がつ8日にち）は日本にっぽんの宣教師せんきょうしの通訳つうやく者しゃ、伝道でんどう者しゃ、福音ふくいん派はの指導しどう者しゃの一人ひとり。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

初期しょき[編集へんしゅう]

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）に横浜よこはま市しに6人にん兄弟きょうだいの第だい4子しとして生うまれる[1]。小学校しょうがっこうを卒業そつぎょうすると、米国べいこく美び普ひろし教会きょうかい（メソジスト・プロテスタント教会きょうかい）本部ほんぶによって設立せつりつされた横浜よこはま英和えいわ女学校じょがっこう（現げん：青山学院あおやまがくいん横浜よこはま英和えいわ中学校ちゅうがっこう・高等こうとう学校がっこう)に入学にゅうがくし、在学ざいがく中ちゅうに第だい8代目だいめ校長こうちょうのオリヴ・ハジスの薫陶くんとうを受うけ、キリスト教きりすときょうに初はじめて触ふれる[2]。

1920年ねん頃ころ、女学校じょがっこうの5年生ねんせいの時ときに第だい三さん美び普ひろし教会きょうかい（日之出ひので町まち教会きょうかい、現在げんざいの日本にっぽん基督教きりすときょう団だん蒔田まきた教会きょうかい）で洗礼せんれいを受うける。

1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に横浜よこはま英和えいわ女学校じょがっこうを卒業そつぎょうし、東京女子大学とうきょうじょしだいがくに入学にゅうがくする。

1923年ねん9月がつ1日にちに横浜よこはま市し南太田みなみおおたの自宅じたくで関東大震災かんとうだいしんさいに被災ひさいする[2]。

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）、当時とうじ東京女子大とうきょうじょしだいの教員きょういんだった渡辺わたなべ善よし太ふとしに相談そうだんして、東京とうきょう府ふ柏木かしわぎの内村うちむら鑑三かんぞう聖書せいしょ研究けんきゅう会かいの入会にゅうかいを申請しんせいして許可きょかされる[3]。

英語えいご教師きょうし時代じだい[編集へんしゅう]

1926年ねん(昭和しょうわ2年ねん)東京女子大学とうきょうじょしだいがくを卒業そつぎょうし、横浜よこはまの母校ぼこうの横浜よこはま英和えいわ女学校じょがっこうで教師きょうしになる[4]。1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）実業じつぎょう家か、政治せいじ家か、詩人しじんの陶山すやま篤太郎とくたろうと結婚けっこん。

1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）9月がつに夫おっと陶山すやま篤太郎とくたろうが肺結核はいけっかくのために死去しきょ。娘むすめに婿むこを迎むかえる。1941年ねん12月に太平洋戦争たいへいようせんそうが始はじまると娘むすめ婿むこが南方みなかた戦線せんせんに出征しゅっせいしたため、娘むすめと2人ふたりで川崎かわさき市しに住すむ。その後ご、横浜よこはまの郊外こうがい戸塚とつかの山中さんちゅうに疎開そかいする。

1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）8月がつ、太平洋戦争たいへいようせんそうが終結しゅうけつすると、横浜よこはま山手やまての共立きょうりつ女学校じょがっこう（現げん：横浜よこはま共立きょうりつ学園がくえん中学校ちゅうがっこう・高等こうとう学校がっこう）で英語えいご教師きょうしとして勤務きんむするようになる。

1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）の春はるに、賀川かがわ豊彦とよひこの集会しゅうかいに出席しゅっせきするために鎌倉かまくらに行いく。その時ときに聖霊せいれい体験たいけんの話はなしを聞きき、祈いのり求もとめるようになる。[5]

英語えいご教師きょうしとして勤務きんむしていた共立きょうりつ女学校じょがっこうに進駐軍しんちゅうぐん将校しょうこうが聖書せいしょの話はなしをするために来くるようになり、その際さいに陶山すやまが通訳つうやくを務つとめる。その将校しょうこうが横浜よこはま市し本町ほんちょうの小学校しょうがっこうの体育館たいいくかんで、毎週まいしゅう日曜日にちようびの午後ごごにユース・フォー・クライスト（英語えいご版ばん）の集会しゅうかいを行おこなっていた。その集会しゅうかいの通訳つうやくを行おこなうようになる。1946年ねん秋あき頃ごろ、ドイツ人じん宣教師せんきょうしに導みちびかれて、回心かいしん（聖霊せいれい体験たいけん）を経験けいけんする[6]。そして、浸礼しんれいによる洗礼せんれいを受うけ直なおした。それ以来いらい、英語えいご教師きょうしを務つとめながら、平日へいじつの放課後ほうかごに横浜よこはま市内しないの中学校ちゅうがっこう、女学校じょがっこうでクリスチャンの米兵べいへいを招まねいてバイブルクラスを開ひらき通訳つうやくを務つとめる。土曜日どようびの午後ごごは、大磯おおいそか平塚ひらつかの教会きょうかいでGIゴスペルアワーに出席しゅっせきするようになる。また、その年とし娘むすめ婿むこが復員ふくいんし、娘むすめ一家いっかが別べつに住すむようになったので、陶山すやまは姉あね夫婦ふうふと末弟ばっていと一緒いっしょに住すむようになる。

宣教師せんきょうし通訳つうやく時代じだい[編集へんしゅう]

1947年ねん(昭和しょうわ22年ねん)、クリスマスの後のちに共立きょうりつ女学校じょがっこうを退職たいしょくする。1948年ねん1月がつよりアメリカ人じん婦人ふじん宣教師せんきょうしカルターが行おこなっていた「十じゅう週間しゅうかん聖書せいしょ学校がっこう」の手伝てつだいを行おこなう。カルター宣教師せんきょうしが米国べいこくロサンジェルスに帰国きこくすると、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）6月がつに保守ほしゅバプテスト外国がいこく伝道でんどう協会きょうかい(CBFMS)のジョセフ・ミーコ (Joseph G. Meeko) 宣教師せんきょうしと共ともに山形やまがた県けんに行いき、山形やまがた市しで伝道でんどうを開始かいしした[7]。

1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）山形やまがたバプテスト教会きょうかい（現げん：保守ほしゅバプテスト同盟どうめい山形やまがた第だい一いち聖書せいしょバプテスト教会きょうかい）を設立せつりつし、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）1月がつ15日にちには教会堂きょうかいどうを建設けんせつする。そして、その教会堂きょうかいどうで同年どうねん4月がつよりミーコ宣教師せんきょうしの婦人ふじんと共ともに幼稚園ようちえん（現げん：学校がっこう法人ほうじん東原とうばら幼稚園ようちえん）を開園かいえんする。

1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）のミーコ宣教師せんきょうしの一時いちじ帰国きこくに伴ともない、陶山すやまを中心ちゅうしんに日本にっぽん伝道でんどう隊たいにあやかり、山形やまがた福音ふくいん伝道でんどう隊たいを設立せつりつ[8]。

女子じょし寮舎りょうしゃ監かん時代じだい[編集へんしゅう]

1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）4月がつより、東京とうきょうキリスト教きりすときょう短大たんだい (JCC) で5年間ねんかん女子じょし寮舎りょうしゃ監かんを務つとめる[9]　。

1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）に東京とうきょうキリスト教きりすときょう短大たんだいの女子じょし寮舎りょうしゃ監かんを辞やめ、山形やまがたに戻もどる。同年どうねん6月がつ北米ほくべいの諸しょ教会きょうかいと南米なんべいブラジル実弟じってい一家いっかを訪問ほうもんする[10]。

伝道でんどう師し・幼稚園ようちえん園長えんちょう時代じだい[編集へんしゅう]

その後ご、山形やまがた第だい一いち聖書せいしょバプテスト教会きょうかい伝道でんどう師し、東原ひがしはら幼稚園ようちえん園長えんちょうに就任しゅうにんし、幼児ようじ教育きょういくに仕つかえる[11]。1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）に東原ひがしはら幼稚園ようちえん園長えんちょうを辞任じにん、同どう名誉めいよ園長えんちょうになる。

1993年ねん（平成へいせい5年ねん）11月、福音ふくいん派はの教会きょうかいの発展はってんに貢献こうけんした功績こうせきが認みとめられて、日本にっぽん福音ふくいん振興しんこう会かいより日本にっぽん福音ふくいん功労賞こうろうしょうを受賞じゅしょうする。

2000年ねん（平成へいせい12年ねん）に山形やまがた市しにて老衰ろうすいにより死去しきょする。　

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 陶山すやま（1977年ねん）p.76
  2. ^ a b 陶山すやま（1977年ねん）p.78
  3. ^ 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）6月がつ20日にち内村うちむら聖書せいしょ研究けんきゅう会かい会員かいいん名簿めいぼのマリヤ組ぐみ28名めいの一人ひとりであった。:内村うちむら美代子みよこ『晩年ばんねんの父ちち内村うちむら鑑三かんぞう』p.262
  4. ^ 陶山すやまは横浜英和学院よこはまえいわがくいんの『90年ねん史し余話よわ』で、1922年ねんに教師きょうしとして母校ぼこうに赴任ふにんした時ときに、ハジズ時代じだいのように成熟せいじゅくしたクリスチャン人格じんかく者しゃから直接ちょくせつ感化かんかを受うける生徒せいとが少すくなくなったことを、学校がっこうの創立そうりつの意図いとから、かなり外はずれてしまったのではないかと指摘してきしている。中井なかい幸夫ゆきお『美よし普ひろし教会きょうかい史し-日本にっぽんにおけるもうひとつのメソジスト教会きょうかい-』p.138
  5. ^ 陶山すやま（1977年ねん）p.80
  6. ^ 陶山すやま（1977年ねん）p.83
  7. ^ 和田わだ守まもる「山形やまがた県けん」『日本にっぽんキリスト教きりすときょう歴史れきし大だい事典じてん』p.1430
  8. ^ 「いつの日ひにか、私わたしたちも日本にっぽん伝道でんどう隊たいのように大おおきな奉仕ほうしができるようになることを願ねがってのことでした。」陶山すやま（1977年ねん）p.98
  9. ^ 現在げんざいの東京とうきょう基督教きりすときょう大学だいがくの前身ぜんしんである。三さん校こう沿革えんかく史し編纂へんさん委員いいん会かい編へん『東京とうきょうキリスト教学きょうがく園えんのあゆみ』東京とうきょうキリスト教学きょうがく園えん、1989年ねん,p.161の年表ねんぴょうより。
  10. ^ 陶山すやま（1977年ねん）pp.101-106
  11. ^ 陶山すやま（1977年ねん）p.124

著書ちょしょ[編集へんしゅう]

  • 『福音ふくいんにいのちを賭かけた女性じょせい』藤ふじ家かさと、松山まつやま静しず共著きょうちょ、いのちのことば社しゃ、1977年ねん
  • 『幼児ようじたちとともに』

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 和田わだ守まもる「山形やまがた県けん」『日本にっぽんキリスト教きりすときょう歴史れきし大だい事典じてん』教きょう文ぶん館かん、1988年ねん
  • 『生涯しょうがいを捧ささげ尽つくして』（「百ひゃく万まん人にんの福音ふくいん」1993年ねん9月がつ号ごう）
  • 『福音ふくいんにかけた人生じんせい』（陶山すやま節子せつこ先生せんせいを記念きねんして）2001年ねん
  • 内村うちむら美代子みよこ『晩年ばんねんの父ちち内村うちむら鑑三かんぞう』教きょう文ぶん館かん、1985年ねん
  • 『東京とうきょうキリスト教学きょうがく園えんのあゆみ』東京とうきょうキリスト教学きょうがく園えん・三さん校こう沿革えんかく史し編集へんしゅう委員いいん会かい編へん（丹羽にわ喬たかし委員いいん長ちょう）1989年ねん7月がつ1日にち

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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