食しょくキング

食しょくキング
ジャンル	青年せいねん漫画まんが、料理りょうり・グルメ漫画まんが
漫画まんが
作者さくしゃ	土山つちやましげる
出版しゅっぱん社しゃ	日本文芸社にほんぶんげいしゃ
掲載けいさい誌し	週刊しゅうかん漫画まんがゴラク
レーベル	ニチブンコミックス
発表はっぴょう期間きかん	1999年ねん4月がつ - 2004年ねん4月がつ
巻数かんすう	全ぜん27巻かん
話はなし数すう	全ぜん250話わ＋外伝がいでん4話わ
漫画まんが：極きょく食しょくキング
作者さくしゃ	土山つちやましげる
出版しゅっぱん社しゃ	日本文芸社にほんぶんげいしゃ
掲載けいさい誌し	食しょく漫➡別冊べっさつ漫画まんがゴラク
レーベル	ニチブンコミックス
発表はっぴょう号ごう	食しょく漫VOL1 - 別冊べっさつ漫画まんがゴラク12月がつ号ごう
発表はっぴょう期間きかん	2009年ねん - 2012年ねん12月
巻数かんすう	全ぜん5巻かん
話はなし数すう	全ぜん41話わ
テンプレート - ノート
プロジェクト	漫画まんが
ポータル	漫画まんが

『食しょくキング』（しょくきんぐ・しょっきんぐ）は、土山つちやましげるの漫画まんが作品さくひん。続編ぞくへん『極きょく食しょくキング』についても併あわせて解説かいせつする。

概要がいよう

『漫画まんがゴラクネクスター』1999年ねん2月がつ9日にち号ごう（通巻つうかん71号ごう）及および同どう1999年ねん2月がつ23日にち号ごう（通巻つうかん72号ごう）に2号ごう連続れんぞく掲載けいさいしたあと、『週刊しゅうかん漫画まんがゴラク』にて1999年ねん4月がつから2004年ねん4月がつまで連載れんさいした。『喧嘩けんかラーメン』に続つづく「食しょく」に題材だいざいをとった作品さくひんである。土山つちやましげるは本ほん作さくで、自身じしんが本当ほんとうに描えがきたいものが「食しょく漫画まんが」であることに確信かくしんを得えたとしている。

副題ふくだいに「B級きゅうグルメ店みせ復活ふっかつ請負人うけおいにん」とあるとおり、主人公しゅじんこうである「北方きたがた 歳三としぞう」（きたかた としぞう）がラーメン屋やや洋食ようしょく屋やといった庶民しょみん向むけの飲食いんしょく店てんを再建さいけんするストーリーである。本ほん作さくの特徴とくちょうとして、北方ほっぽうは料理人りょうりにんに対たいして単たんに料理りょうりのトレーニングや客寄きゃくよせとなる料理りょうりを教おしえるだけでなく、一見いっけん料理りょうりとは無関係むかんけいだが実際じっさいには再建さいけんのために必要ひつような特訓とっくんをさせることにある。北方ほっぽうはこれを「修業しゅうぎょう」と称しょうしている。修業しゅうぎょうの例れいを以下いかにあげる。

「食しょくキング」

• カレーライスに小学校しょうがっこうの調理ちょうり師し（小学校しょうがっこうの児童じどう達たちが昼ひるの給食きゅうしょくがカレーだと知しって喜よろこぶ声こえを聞きいた依頼人いらいにんは、「あの笑顔えがおが消きえないカレーを作つくる」と決意けついする）
• オムライスにジョギング（それまでの怠惰たいだな仕事しごとぶりで体からだがなまり、落おちていた体力たいりょくをつけるため）
• 親子おやこ丼どんぶりに卓球たっきゅう（大量たいりょうの来客らいきゃくの注文ちゅうもんをスムーズにさばくための動うごきを身みにつけるため）
• 餃子ぎょうざにホテルのベルボーイ（握力あくりょく作づくり）
• うどんにゲームセンターのダンスマシンをプレイさせる（うどん生地きじを鍛きたえるための足踏あしぶみの訓練くんれん）
• ハンバーグに力士りきし部屋へやでマッサージ（大量たいりょうのハンバーグの種たねをこねるための腕力わんりょく作づくり）
• お好このみ焼やきにカラオケボックスでスーダラ節ぶしを何なん度ども歌うたわせる（お好このみ焼やきの焼やき上あがりのタイミングが同どう曲きょくと全まったく同おなじのため、体内たいない時計とけいを身みにつける）
• 駅弁えきべんにパラグライダー（上空じょうくうから見みた景色けしきを模もした盛もり付づけ）
• ラーメンにサーカスのナイフ投なげ（お互たがいの信頼しんらい関係かんけいの構築こうちく）

「極きょく食しょくキング」

• 唐揚からあげに自動車じどうしゃ整備せいび工場こうじょうでの自動車じどうしゃ整備せいび（従業じゅうぎょう員いん達たちとの食事しょくじを通とおして、カロリーを気きにせず食たべられる唐揚からあげを思おもいつく）
• 冷ひやし中華ちゅうかに銭湯せんとうでの雑用ざつよう（特とくに客きゃくへのマッサージ）（店主てんしゅの作つくる冷ひやし中華ちゅうかは、食たべた北方ほっぽうも「完璧かんぺき」、「これだけ出来できの良よい冷ひやし中華ちゅうかには出会であった事ことがない」と絶賛ぜっさんするほどで、技術ぎじゅつ面めんでの修行しゅぎょうは必要ひつようないため、食しょくする者ものを思おもう心しんの重要じゅうよう性せいに気付きづかせるのが目的もくてき）
• 丼物どんぶりものにパチンコ店員てんいん（ホールスタッフ）のバイトをさせる（北方ほっぽうが考案こうあんした店舗てんぽ形態けいたいでの接客せっきゃく、動うごきなどがパチンコ店てんのそれと同様どうよう）

これら意味いみ不明ふめいの修業しゅうぎょうを強制きょうせいされた料理人りょうりにんは、「なんでこんな事ごとを?」と理由りゆうを尋たずねるが、それに対たいして北方ほっぽうは「質問しつもんは一切いっさい受うけ付つけん!!」と答こたえるのがパターンになっている。北方ほっぽうは修行しゅぎょうにあたり高額こうがくな再建さいけん料りょうを徴収ちょうしゅうする（その時ときの依頼人いらいにんの全ぜん財産ざいさんの時ときもあれば、分割払ぶんかつばらいの時ときもある）が、その中なかから依頼人いらいにんの再さい出発しゅっぱつ時じの必要ひつよう経費けいひや材料ざいりょう費ひも賄まかなっているため、北方ほっぽう自身じしんの実入みいりは実際じっさいはそれほどではない。

修行しゅぎょうを経へて作つくられた料理りょうり名めいは、その土地とちやメインの食材しょくざいにかけた駄洒落だじゃれであることが多おおい。

また、本ほん作さくの前半ぜんはんでは物語ものがたりは基本きほん的てきに区切くぎり（再建さいけんする店みせ）ごとでほぼ完結かんけつしていて、北方ほっぽう以外いがいにはレギュラーとなるキャラクターがいないのも特徴とくちょうである。ある意味いみ主人公しゅじんこうは料理人りょうりにんで、北方ほっぽうは狂言回きょうげんまわしともいえる立たち位置いちにある。

後半こうはんからは北方ほっぽうが幾多いくたの料理人りょうりにんと様々さまざまな料理りょうり対決たいけつを行おこなうようになる。最初さいしょは自みずからの腕うでに自惚うぬぼれていたり、利益りえきのことしか考かんがえていない料理人りょうりにんが北方ほっぽうに敗やぶれることで改心かいしんする、というパターンが多おおく、登場とうじょう人物じんぶつに純粋じゅんすいな悪人あくにんはほぼ皆無かいむである。

物語ものがたり序盤じょばん、料理りょうりは作品さくひんだと言いい切きる傲慢ごうまんな一流いちりゅう料理人りょうりにんとの対決たいけつの中なかで、相手あいての姿すがたが自分じぶんの分身ぶんしんのように見みえた北方ほっぽうは、その勝負しょうぶに敗やぶれ、料理りょうりを酷評こくひょうされたことで自身じしんの驕おごりに気きづき、立たち直なおるといったエピソードがある。

続編ぞくへんの『極きょく食しょくキング』では「My好こう飯めし（まいこうはん）」「五ご人にん囃シ」「癒いやし中華ちゅうか」など、駄洒落だじゃれを使つかったメニューが増ふえてくる。

あらすじ

メールで依頼いらいを受うけ、多額たがくの報酬ほうしゅうを取とって料理人りょうりにんとして自信じしんを失うしなったり本来ほんらいの姿すがたを忘わすれ客足きゃくあしの遠とおのいた飲食いんしょく店てんを再建さいけんさせる「再建さいけん請負人うけおいにん」、北方きたがた歳三としぞう。一見いっけん料理りょうりと何なんの関係かんけいもない奇抜きばつな修行しゅぎょうや激はげしい叱責しっせきを行おこないながらも、料理りょうりに対たいする真摯しんしな姿勢しせいに依頼人いらいにんは心しんを打うたれ、信頼しんらい関係かんけいの元もとで多おおくの店みせを再建さいけんさせてきた。彼かれは函館はこだて一いちと呼よばれる老舗しにせレストラン「五稜郭ごりょうかく亭ちん」の創業そうぎょう者しゃ北方きたがた清次郎せいじろうの孫まごであり、自身じしんも五稜郭ごりょうかく亭ていの料理りょうり長ちょうとして「伝説でんせつのシェフ」とまで呼よばれた男おとこだったが、弟おとうとであるが料理りょうりよりも採算さいさんや利益りえきなどの数字すうじしか重視じゅうししない精四郎さよしろうと対立たいりつし、自分じぶんが身みを引ひく形かたちで五稜郭ごりょうかく亭ていを離はなれた過去かこを持もっていた。その後ご、再建さいけん請負人うけおいにんとして全国ぜんこくを転々てんてんとしていた北方ほっぽうだが、その中なかで精四郎さよしろうが売上うりあげ至上しじょう主義しゅぎに従したがう人間にんげんだけに料理人りょうりにんをすげかえ、五稜郭ごりょうかく亭ていの名なを広ひろめるために強引ごういんなチェーン展開てんかいを進すすめていることを知しる。味あじへのこだわりと客きゃくのニーズに応こたえる料理りょうり作づくりで名なを築きずいた五稜郭ごりょうかく亭ていが崩壊ほうかいの危機ききにあることを悟さとった北方ほっぽうは、再ふたたび函館はこだてへと舞まい戻もどるのであった。

『極きょく食しょくキング』では、再建さいけん人じんの稼業かぎょうで口くち福ぶく倶楽部くらぶの主管しゅかんである織田おだ獅子しし丸まると対立たいりつしてゆく。獅子しし丸まるとの料理りょうり勝負しょうぶを制せいし、その後ごも再建さいけん稼業かぎょうに従事じゅうじ。最後さいごはライバルだった獅子しし丸まるの再建さいけんに着手ちゃくしゅする。

登場とうじょう人物じんぶつ

※「声こえ」はENSOKU配信はいしんのモーションコミックのもの。

主要しゅよう人物じんぶつ

北方きたがた 歳三としぞう（きたかた としぞう）

声こえ - 三宅みやけ健太けんた

本ほん作さくの主人公しゅじんこう。五稜郭ごりょうかく亭ていで伝説でんせつのシェフとまで呼よばれる凄腕すごうでの料理人りょうりにんだったが、弟おとうとである精四郎さよしろうとの対立たいりつにより、五稜郭ごりょうかく亭ていを出でて、再建さいけん人じんとなる。

料理りょうりを食たべる者ものを何なによりも大切たいせつにする考かんがえを持もち、料理りょうりの腕うでも抜群ばつぐんであったことなどから伝説でんせつの料理人りょうりにんとして業界ぎょうかいでは著名ちょめいな存在そんざいとなる。

五稜郭ごりょうかく亭ていは出奔しゅっぽんしているが、初期しょきは登場とうじょう人物じんぶつが五稜郭ごりょうかく亭ていに電話でんわをする事ことで歳とし三さんと連絡れんらくを取とるシーンがあり、完全かんぜんに断絶だんぜつしていたわけではない。

北方きたがた精四郎さよしろう（きたかた せいしろう）

歳とし三さんの弟おとうと。幼おさない頃ころは歳とし三さんと仲なかが良よく、将来しょうらいは2人ふたりで五稜郭ごりょうかく亭ていを継つぐことを夢見ゆめみていたが、高校こうこう時代じだいに自みずからは料理りょうりの才能さいのうがないと悟さとり、経営けいえいを学まなんで裏側うらがわから五稜郭ごりょうかく亭ていを支ささえるべく大学だいがくに進学しんがくし、さらにはいくつかの会社かいしゃに勤つとめるも、その間あいだに数字すうじしか信用しんようしない冷徹れいてつな男おとこに変貌へんぼうしてしまった。

店みせの経営けいえい方針ほうしんを巡めぐって歳とし三さんと対立たいりつし、歳三としぞうが去さってからは自みずからにとって都合つごうの悪わるい者ものを解雇かいこしたり、五稜郭ごりょうかく亭ていをチェーン店てん化かしたり、他たの料理りょうり店てんを乗のっ取とって自分じぶんのものとしたりするなど、さらに強引ごういんな経営けいえいをするようになっていった。

物語ものがたりの終盤しゅうばんでは自みずからが連つれて来きて、料理りょうり長ちょうを任まかせていたイギリスの料理人りょうりにん、エドワード・クックと一味いちみが造反ぞうはんした際さいに、五稜郭ごりょうかく亭ていを守まもるため、歳とし三さんに涙なみだを流ながしながら五稜郭ごりょうかく亭ていの再建さいけんを依頼いらいし、それがきっかけで和解わかいした。これ以降いこうは冷徹れいてつな描写びょうしゃはなくなり、かつて目指めざしていた様ように裏側うらがわから五稜郭ごりょうかく亭ていを支ささえている様ようである。

当初とうしょの執務しつむ時じはスーツを着込きこんでいたが、エドワード・クックの問題もんだいの解決かいけつ後ごはコックコートに身みを包つつんでいる。

五稜郭ごりょうかく亭ていの関係かんけい者しゃ

北方ほっぽう総そう次郎じろう（きたかた そうじろう）

歳三としぞうと精四郎さよしろうの曾祖父そうそふ。函館はこだて五稜郭ごりょうかく亭ていの創始そうし者しゃ。

カレーライスの誕生たんじょうに深ふかく関かかわっており、そのことがきっかけでエドワード・クックの祖先そせんであるエドワード・G・クックと対立たいりつし、現代げんだいに至いたるまで禍根かこんを残のこしている。

明治めいじ2年ねん、箱はこ館かん総そう攻撃こうげきの少すこし前まえに店みせを訪おとずれた土方ひじかた歳三としぞうから新選しんせん組ぐみの旗はたを代金だいきんとともに受うけ取とっており、その後ご自身じしんの名字みょうじを「北きたの土方どかた」である北方ほっぽうとし、店名てんめいもそれにあやかり「五稜郭ごりょうかく亭てい」としている。

芹澤せりざわ　丈たけ（せりざわ　じょう）

横浜よこはま五稜郭ごりょうかく亭ていの総そう料理りょうり長ちょう。

基本きほん通どおりの味付あじつけから柔軟じゅうなんに変更へんこうすることを許ゆるさず、自分じぶんの味あじ以外いがいの味あじを出だしたら叱責しっせき、殴打おうだは当あたり前まえのワンマンオーナー。

政財界せいざいかいの名士めいしといった上客じょうきゃくを毎月まいつきディナータイムに招待しょうたいし、「研究けんきゅう費ひ」という名目めいもくで多額たがくの金かねを出資しゅっしさせ、私財しざいとすることで横浜よこはま五稜郭ごりょうかく亭ていを半なかば私物しぶつ化かしていた。

改心かいしん後ごは他たの従業じゅうぎょう員いんと交流こうりゅうを持もち、メニューや味付あじつけを議論ぎろんしていた。

新見にいみ

横浜よこはま五稜郭ごりょうかく亭ていのセコンド。腕うでは良よいが、歳とし三さんの事ことが気きに入いらないという理由りゆうで山崎やまざきを利用りようして恥はじをかかせようとする。

賄まかない食しょく対決たいけつで作つくったメンチカツは味あじは良よかったものの、高価こうかな食材しょくざいを使つかった事こととご飯はんに合あうおかずではないという理由りゆうで敗北はいぼくする。

山崎やまざき 進すすむ悟さとる（やまざき しんご）

カレー専門せんもん店てんを10年ねん開ひらいていたが、客足きゃくあしの悪化あっかで閉店へいてんした後のち、横浜よこはま五稜郭ごりょうかく亭ていに応募おうぼする。

応募おうぼ時じの実技じつぎ試験しけんでカレーを作つくり、でき具合ぐあいを芹澤せりざわに見みてもらうことであったが、カレーの腕うでを芹澤せりざわに否定ひていされたことで、生いきる希望きぼうをなくし死しを選えらぼうとするほどであった。

そこで偶然ぐうぜん歳とし三さんに出会であい、横浜よこはま五稜郭ごりょうかく亭ていでの経緯けいいを話はなした後のち、今度こんどは歳三としぞうが試験しけんを受うけて採用さいようされたことで、仲間なかまということにして採用さいようされる。

沖田おきた　誠まこと（おきた　まこと）

神戸こうべ五稜郭ごりょうかく亭ていの料理りょうり長ちょう。若わかき天才てんさいシェフと呼よばれている。

その腕うでは一いち度どは歳とし三さんに賄まかない食しょく対決たいけつで勝利しょうりする程ほどだが、自分じぶんの料理りょうりを残のこしたり味付あじつけを変かえることを許ゆるさないなど狭量きょうりょうな一いち面めんがある。

父親ちちおやはかつてはホテルのセコンドを務つとめており、現在げんざいは喫茶店きっさてんを営いとなんでいる。

改心かいしん後ごは父親ちちおやとの関係かんけいも改善かいぜんし、父親ちちおやの方法ほうほうを真似まねて注文ちゅうもんした客きゃくに合あわせた味付あじつけにするようにしている。

近藤こんどう虎とら之の介かい（こんどう とらのすけ）

五稜郭ごりょうかく亭ていの元もとパティシエ長ちょうであり、現在げんざいは新潟にいがたのケーキ屋や『CAKE SHOPとら屋や』を開ひらいている。

歳とし三さんのお菓子かし作づくりの師匠ししょうであり、昔気質むかしかたぎで豪放ごうほうな性格せいかくをしている。

五稜郭ごりょうかく亭ていをリストラにあった後のち、地元じもと新潟にいがたで再起さいきするためにオリジナルケーキを作つくり上あげコンペに応募おうぼするも、ケーキをコピーした『IKEDAYA』に破やぶれ、落選らくせん。

自身じしんは酒さけに溺おぼれ、一種いっしゅのトラウマのような状態じょうたいとなり、厨房ちゅうぼうに入はいりケーキを作つくろうとするだけで体からだが震ふるえ気絶きぜつしてしまうまでになってしまった。

柴山しばやま

旭川あさひかわ五稜郭ごりょうかく亭ていのオーナーシェフ。五稜郭ごりょうかく亭ていを乗のっ取とろうという野心やしんを持もっている。

旭川あさひかわ五稜郭ごりょうかく亭ていの経営けいえい状じょう況きょうが悪わるい事ことを気きにしており、歳三としぞうを利用りようして売上うりあげを伸のばし他ほかの店舗てんぽより上うえに行いこうとするが、歳とし三さんの作つくった中華ちゅうか料理りょうりを食たべて心しんを入いれ替かえ、客きゃくの事ことを考かんがえた料理りょうり作づくりをするようになる。

北海道ほっかいどう五稜郭ごりょうかく亭てい支店してんの3オーナーのうち、唯一ゆいいつ下かの名前なまえが明あきらかになっていない。

徳田とくた 家康いえやす（とくだ いえやす）

小樽おたる五稜郭ごりょうかく亭ていのオーナーシェフ。五稜郭ごりょうかく亭ていを乗のっ取とろうという野心やしんを持もっている。

腕うでは良よいが有名人ゆうめいじん志向しこうが強つよく、有名人ゆうめいじんのパネルを店内てんないに飾かざったり、有名人ゆうめいじんの為ために先約せんやくを勝手かってにキャンセルするといった行為こういに出でる事ことも。

歳とし三さんの料理りょうりを食たべた事ことで改心かいしんし一いち度どはオーナーを辞やめようとするも、歳とし三さんの説得せっとくを受うけ、厨房ちゅうぼう責任せきにん者しゃを務つとめる事ことに。

明石あかし 光秀みつひで(あかし みつひで）

札幌さっぽろ五稜郭ごりょうかく亭ていのオーナーシェフ。五稜郭ごりょうかく亭ていを乗のっ取とろうという野心やしんを持もっている。

料理りょうりを権力けんりょくを得えるための手段しゅだんとしか思おもっておらず、店みせの味あじを勝手かってに変かえたり、それに反発はんぱつする者ものをクビにするなど自分勝手じぶんがってな行動こうどうが目立めだつ。

かつては料理人りょうりにんとしての夢ゆめを追おう純粋じゅんすいな若者わかものだったが、好意こういを持もっていた料理りょうり学校がっこうの同期どうきの千穂ちほが結婚けっこんした事ことがショックで料理りょうりに対たいする想おもいが歪いがんでいった。

歳三としぞうが再現さいげんした料理りょうり学校がっこう時代じだいに食たべていたインスタントラーメンを食たべた事ことで改心かいしんし、料理人りょうりにんとしての初心しょしんを思おもい出だす。

佐々木ささき

五稜郭ごりょうかく亭てい傘下さんかのチェーン店てんの監視かんしを行おこなう「見廻みまわり組ぐみ」のチーフ。

元もと刑事けいじであり、張はり込こみの途中とちゅうで食たべた五稜郭ごりょうかく亭ていのカレーがきっかけとなり、刑事けいじを辞やめ五稜郭ごりょうかく亭ていで働はたらくようになる。

その時ときのカレーが歳とし三さんの料理りょうりであったこと、今いまの五稜郭ごりょうかく亭ていではその時ときの感動かんどうを得えられなかったことから、歳三としぞうを助たすけるスパイの形かたちで活動かつどうするようになる。

エドワード・クック

イギリスで数すう十じゅう店てんの店舗てんぽを持もつ料理人りょうりにん。

精四郎さよしろうの出張しゅっちょう先さきであるヨーロッパのサミットで知しり合あい、函館はこだて五稜郭ごりょうかく亭ていにスカウトされる。

同時どうじに、エドワードに従したがえる3人にんの料理人りょうりにんを旭川あさひかわ・小樽おたる・札幌さっぽろの各かく五稜郭ごりょうかく亭ていに応募おうぼさせ、採用さいようされることになる。

採用さいよう後ご、各店かくてんの料理人りょうりにんを味方みかたにつけることで、次第しだいに本性ほんしょうを表あらわすことになる。

五稜郭ごりょうかく亭ていの料理人りょうりにんとなった真しんの目的もくてきは、祖先そせんであるクック家かの復讐ふくしゅうのため五稜郭ごりょうかく亭ていを乗のっ取とった後のち、廃業はいぎょうに追おい込こむことであった。

ボブ・マクラレン

エドワードの配下はいかの料理人りょうりにんの1人ひとり。旭川あさひかわ五稜郭ごりょうかく亭ていに採用さいようされる。

ピーター・ウォーク

エドワードの配下はいかの料理人りょうりにんの1人ひとり。小樽おたる五稜郭ごりょうかく亭ていに採用さいようされる。

リチャード・ウッド

エドワードの配下はいかの料理人りょうりにんの1人ひとり。札幌さっぽろ五稜郭ごりょうかく亭ていに採用さいようされる。

主要しゅような依頼人いらいにん

洋食ようしょく店てん『ミツバチ』主人しゅじん

妻つま・美恵子みえこと2人ふたりの息子むすこがいる。

料理りょうりの手抜てぬきで店みせが繁盛はんじょうせず、家賃やちんを滞納たいのうしたせいで立たち退のきを迫せまられており、息子むすこの願ねがいから歳とし三さんに再建さいけんを頼たのむ。

歳とし三さんの修行しゅぎょうに屈くっしかけるも、給食きゅうしょくのカレーを期待きたいする児童じどう達たちの声こえを聞きき、やる気きを取とり戻もどした。

料理りょうり店てん『田中たなか』の主人しゅじん

どんぶり店てん『田中たなか屋や』主人しゅじんの息子むすこ。

老舗しにせの親子おやこ丼どんぶりの店みせを持もつ父親ちちおやに反目はんもくし、親子おやこ丼どんぶり以外いがいの多彩たさいな丼どんぶりをメニューに据すえたどんぶり店てんをオープンしたが、粗悪そあくな作つくりで鳴なかず飛とばずであった。

その後ご、修行しゅぎょうと歳とし三さんの薫陶くんとうで偉大いだいな父ちちへのコンプレックスを払拭ふっしょくし、親子おやこ丼どんぶりの名店めいてんとして名なを馳はせている。

なお、依頼いらい自体じたいは父親ちちおやが申もうし込こんだものであり、報奨ほうしょう金きんも払はらう予定よていであったが、本人ほんにんから徴収ちょうしゅうするとしてこれを断たっている。

中華ちゅうか料理りょうり店てん『大龍おおたつ軒のき』主人しゅじん

オムライスを売うりにした『キッチンアカシア亭てい』に嫌いやがらせを受うけていたところ、息子むすこから依頼いらいを受うけた歳とし三さんに助たすけられる。

中華ちゅうか料理りょうり店てんであるが、洋食ようしょく料理人りょうりにんであった父親ちちおやの得意とくい料理りょうりで人気にんきメニューであったオムライスが遺言ゆいごんによりメニューに残のこされており、これが原因げんいんで『アカシア亭てい』からの嫌いやがらせを受うけていたこともあり、オムライスで再建さいけんをはかるために修行しゅぎょうを行おこなった。

木谷きたに 元次もとつぐ（きたに もとつぐ）

S県けんK市しにある中華ちゅうか料理りょうり店てん『味あじ楽園らくえん』の店長てんちょうで、餃子ぎょうざの料理人りょうりにん。家族かぞくに娘むすめとその娘むすめの息子むすこがいる。

元もとは県けんや市しから表彰ひょうしょうされるほどの料理人りょうりにんだったが、妻つまの死しを機きに腕うでを落おとす。

当初とうしょは再建さいけんを突つっぱねていたが、孫まごの『餃子ぎょうざが美味おいしくない』の一言ひとことで再建さいけんを決意けついする。

野崎のさき 安彦やすひこ（のざき やすひこ）

30年ねん働はたらいてきた会社かいしゃを辞やめ、その退職たいしょく金きんを元手もとでにうどん店てん『さらりぃ麺めん』を開ひらく。

自称じしょう『退職たいしょく者しゃ援助えんじょ会かい』の詐欺さぎ師しに金かねを騙だまし取とられるうえ、料理りょうりの腕うでも並なみの料理人りょうりにんに劣おとるため、客きゃくが寄より付つかなくなる。

さらに闇やみ金融きんゆうの借金しゃっきんにも手てを出だしたことで退職たいしょく金きんのほとんどを失うしない、妻つまに去さられたことで『さらりぃ麺めん』の閉店へいてんを余儀よぎなくされる。

一縷いちるの望のぞみとして歳とし三さんに再建さいけんを依頼いらいし、うどんの屋台やたいを開ひらいて再建さいけんし、妻つまも戻もどってきた。

生来せいらいの泣なき虫むしであり、事ことあるごとに涙なみだを流ながしていたが、修行しゅぎょう後ごはヤクザ相手あいてに啖呵たんかを切きり、自身じしんの腕うでで店みせを守まもることを決意けついするまでに心しんが成長せいちょうした。

「喰くいしん坊ぼう!」では、山梨やまなし県けん・甲府こうふの大だい食ぐいイベントでほうとうを提供ていきょうした『さらりー麺めん』の店主てんしゅとして登場とうじょうしている。

本城ほんじょう 剛つよし太ふとし（ほんじょう ごうた）

『本丸ほんまる食堂しょくどう』の亡なき店主てんしゅ、本城ほんじょう豊吉とよきちの息子むすこ。

板前いたまえ修業しゅうぎょうを10年ねんしており腕うでは確たしかだが、荒あらっぽく喧嘩けんかっ早はやく酒癖さけぐせも悪わるい放蕩ほうとう息子むすこ。

豆腐とうふ料理りょうり対決たいけつで歳とし三さんに破やぶれ、本丸ほんまる食堂しょくどうで売うられている駅弁えきべんの再建さいけんに臨のぞむ。

極度きょくどの高所こうしょ恐怖症きょうふしょうであり、修行しゅぎょう当初とうしょは目めを回まわして気絶きぜつしていた。

海うみ遊ゆう亭ていいわし（かいゆうてい　－）

ハンバーグ専門せんもん店てん『いわし亭てい』の店主てんしゅ。

元々もともとは落語らくご家かであり、テレビ企画きかくの芸能人げいのうじん料理りょうりコンテストで優勝ゆうしょうしたことを契機けいきに店みせを開ひらく。

驕おごりと怠惰たいだを師匠ししょうである海うみ遊ゆう亭てい鯛たい吉きちに忠告ちゅうこくされたが聞きく耳みみを持もたず、歳とし三さんの予言よげん通どおり半月はんつきで客足きゃくあしが途絶とだえてしまう。

その後ごはなぜハンバーグの店みせを開ひらいたかを思おもい出だし、心しんを入いれ替かえ修行しゅぎょうしていわしハンバーグ専門せんもん店てんとして復活ふっかつ。

鯛たい吉きちより料理人りょうりにんの真打しんうちとして認みとめてもらった。

島原しまばら 亜希あき（しまばら あき）

チャンポン屋や『出島でじま屋や』店主てんしゅの女性じょせい。

暴漢ぼうかんに襲おそわれていたところをオランダ人じんのピーターに助たすけてもらい、その縁えんで共ともに出島でじま屋やの再建さいけんに乗のり出だすことになる。

当初とうしょは再建さいけん請負人うけおいにん『味あじ小路こうじ鉄人てつじん』に再建さいけんを依頼いらいしたが、歳三としぞうが鉄人てつじんのチャンポンの欠点けってんを見抜みぬき再建さいけんを中止ちゅうしさせる。

その後ごは自身じしんが料理りょうりを始はじめたきっかけを再さい認識にんしきし、ピーターとともにラーメン屋やとして再さい出発しゅっぱつを目指めざした。

再建さいけん過程かていで父親ちちおやによって店みせの玄関げんかん部分ぶぶんが取とり壊こわされてしまい、テントを張はっていたが、後のちに店みせが登場とうじょうした際さいは修繕しゅうぜんされていた。

その他たの人物じんぶつ

川島かわしま

月刊げっかんマダムキッチンの記者きしゃ。料理りょうり店てん『田中たなか』への取材しゅざいに来きた際さいに歳とし三さんと出会であう。

歳とし三さんの正体しょうたいを知しっており彼かれへの取材しゅざいを試こころみようとするが、『田中たなか』の再建さいけん後ごは登場とうじょうすることはなかった。

小川おがわ 清子きよこ（おがわ きよこ）

東京とうきょう都と江東こうとう区くでおでん屋や『清子きよこ』を営いとなむ年配ねんぱいの女性じょせい。

母ははを失うしなった北方ほっぽう兄弟きょうだいの乳母うばとして学生がくせいの頃ころまで二人ふたりを育そだてており、二人ふたりからは「清きよし」と呼よばれている。

得意とくい料理りょうりのおでんは北方ほっぽう兄弟きょうだいのおふくろの味あじであり、精四郎さよしろうを改心かいしんさせる一助いちじょにしたい思おもいで歳三としぞうは『清子きよこ』を訪おとずれる。

極ごく食しょくキングの登場とうじょう人物じんぶつ

口くち福ぶく倶楽部くらぶの関係かんけい者しゃ

織田おだ獅子しし丸まる（おだ ししまる）

元々もともとは同どう作者さくしゃの別べつ作品さくひん「喧嘩けんかラーメン」のキャラクター。比叡山ひえいざんの麓ふもとにある料理りょうり店てん「口くち福ぶく倶楽部くらぶ」の主管しゅかん。料理人りょうりにんとしての腕うでは確たしかで和食わしょく、洋食ようしょく、中華ちゅうかを問とわずに幅広はばひろい天才てんさい肌はだであったが、一方いっぽうで部下ぶかの料理人りょうりにんには厳きびしい。

歳とし三さんとたびたび争あらそい、ラーメン勝負しょうぶを行おこなうが敗北はいぼく。以後いごはさらに料理りょうりと部下ぶかに対たいして厳きびしくなり、部下ぶかの離反りはんにあい、かつて自みずからが追おい出だした明智めいちに総そう料理りょうり長ちょうの座ざを奪うばわれてホームレスにまで身みを落おとす。森もりの要請ようせいを受うけた歳とし三さんの再建さいけんを受うけ、料理人りょうりにんとして復活ふっかつした。

森もり 蘭らん太郎たろう（もり らんたろう）

獅子しし丸まるの側近そっきんとしてエリアマネージャーを務つとめる。「蘭らん」と獅子しし丸まるから呼よばれている。獅子しし丸まるの事ことを慕したっており、歳とし三さんに再建さいけんを依頼いらいする。

明智あけち（あけち）

口くち福ぶく倶楽部くらぶ五条ごじょう店てんの店長てんちょう。売うり上あげが激減げきげんしたため獅子しし丸まるの怒いかりを買かって解任かいにんされ、三条さんじょう河原町かわらまち店てんの店長てんちょうの座ざを条件じょうけんに歳とし三さんを罠わなにはめるように命令めいれいされる。だが獅子しし丸まるの厳きびしいやり方かたについていけず、歳とし三さんの再建さいけんを受うけて離反りはんし、中京ちゅうきょう区く寺町てらまち御池みいけで明智めいち亭ていを建たてて自立じりつする。獅子しし丸まるが他たの部下ぶかからも離反りはんされると、京都きょうと財界ざいかいの重鎮じゅうちんから新あらたな総そう料理りょうり長ちょう候補こうほとして擁立ようりつされ、獅子しし丸まるを追おい出だした。

用語ようご

五稜郭ごりょうかく亭てい（ごりょうかくてい）

函館はこだて市しに本店ほんてんを置おく、西洋せいよう料理りょうり店てん。函館はこだての他ほかに札幌さっぽろ・旭川あさひかわ・小樽おたる・横浜よこはま・神戸こうべにも支店してんを置おいている。

精四郎さよしろうが経営けいえいし始はじめてから支店してんを拡大かくだいし、チェーン店てん化かするようになった。

極ごく食しょくキングでは、名古屋なごや・松山まつやまにも支店してんを置おいていることがうかがえる。

支店してんは地域ちいきごとに特色とくしょくのあるメニューが揃そろっているのが特徴とくちょうであり、札幌さっぽろは羊ひつじ肉にく料理りょうり、旭川あさひかわは野菜やさいを多用たようした中華ちゅうか料理りょうり、小樽おたるは創作そうさく海鮮かいせん料理りょうり、横浜よこはまはカレー、神戸こうべは神戸こうべ牛うしを使用しようした肉にく料理りょうり、名古屋なごやは八丁はっちょう味噌みそを利用りようしたフランス料理りょうり、松山まつやまは名物めいぶつのじゃこのカツや松山まつやま揚あげ、鯛たいを利用りようした料理りょうりを取とり扱あつかっている。

作品さくひんデータ

初出しょしゅつ

雑誌ざっし掲載けいさい

• 本編ほんぺん
  • 『漫画まんがゴラクネクスター』（1999年ねん2月がつ9日にち号ごう（通巻つうかん71号ごう）・1999年ねん2月がつ23日にち号ごう（通巻つうかん72号ごう））
  • 『週刊しゅうかん漫画まんがゴラク』（1999年ねん4月がつ - 2004年ねん4月がつ）
• 外伝がいでん（『食しょくキング』27巻かん収録しゅうろく）
  • 「維新いしん洋食ようしょく伝でん」『漫画まんがゴラクスーパー増刊ぞうかん』2001年ねん5月がつ号ごう
  • 「ハイカラ洋食ようしょく伝でん」『漫画まんがゴラクスーパー増刊ぞうかん』2001年ねん10月がつ号ごう
  • 「モダン洋食ようしょく伝でん」『漫画まんがゴラクスーパー増刊ぞうかん』2001年ねん12月がつ号ごう
  • 「チンピラ洋食ようしょく伝でん」『漫画まんがゴラクスーパー増刊ぞうかん』2002年ねん2月がつ号ごう

単行本たんこうぼん

• ニチブンコミックス版ばん（日本文芸社にほんぶんげいしゃ）全ぜん27巻かん
• Gコミックス版ばん（日本文芸社にほんぶんげいしゃ）※廉価れんか版ばんコミック