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骨 ほね 化 か (こつか、英 えい : ossification 、独 どく : Ossifikation, Verknöcherung )は、発生 はっせい 過程 かてい において骨 ほね 組織 そしき が作 つく られることを示 しめ す。正常 せいじょう な骨 ほね 化 か は膜 まく 内 ない 骨 ほね 化 か および軟骨 なんこつ 内 ない 骨 ほね 化 か に分類 ぶんるい される。
胎生 たいせい 期 き における神経 しんけい 堤 つつみ 細胞 さいぼう に由来 ゆらい する[1] 。未 み 分化 ぶんか 間 あいだ 葉 は 細胞 さいぼう が骨 ほね 芽 め 細胞 さいぼう に分化 ぶんか し、類 るい 骨 こつ (osteoid)、骨 ほね 小柱 おばしら (bone trabecula)を経 へ て骨 ほね 細胞 さいぼう となる。これを膜 まく 内 ない 骨 ほね 化 か (intramembranous ossification)という。骨 ほね 芽 め 細胞 さいぼう は複数 ふくすう の骨 ほね 化 か 中心 ちゅうしん で骨 ほね 様 さま 組織 そしき を合成 ごうせい 、分泌 ぶんぴつ して骨 ほね 様 さま 組織 そしき の無機質 むきしつ 沈着 ちんちゃく が起 お きる。そしてその骨 ほね 芽 め 細胞 さいぼう は小 しょう 腔に閉 と じ込 こ められ骨 ほね 細胞 さいぼう になる。前 ぜん 頭骨 とうこつ 、頭頂 とうちょう 骨 こつ 、後 こう 頭骨 とうこつ 、側 がわ 頭骨 とうこつ 、頭蓋 とうがい 冠 かんむり を構成 こうせい する扁平 へんぺい 骨 こつ 、下 しも 顎骨 がっこつ の一部 いちぶ 、鎖骨 さこつ などがある。
異 い 甲 かぶと 類 るい (英語 えいご 版 ばん ) の外 そと 骨格 こっかく に由来 ゆらい するものと考 かんが えられている[2] 。
軟骨 なんこつ 内 ない 骨 ほね 化 か の過程 かてい 上 うえ の方 ほう が軟骨 なんこつ である。
胎生 たいせい ~思春期 ししゅんき における硝子 がらす 軟骨 なんこつ が骨 ほね 組織 そしき に置換 ちかん されることを軟骨 なんこつ 内 ない 骨 ほね 化 か (内 うち 軟骨 なんこつ 性 せい 骨 ほね 化 か )という。椎骨 ついこつ 、四肢 しし 骨 こつ などがある。すなわち胎生 たいせい 期 き は軟骨 なんこつ で骨格 こっかく が作 つく られている。軟骨 なんこつ 性 せい 骨 ほね 化 か によってできる骨 ほね は軟骨 なんこつ 性 せい 骨 こつ と呼 よ ばれることがある。
細胞 さいぼう レベルで見 み てみると次 つぎ の現象 げんしょう が起 お こっている。軟骨 なんこつ 細胞 さいぼう は肥大 ひだい 化 か 後 ご 、やがて細胞 さいぼう 死 し する。細胞 さいぼう 死中 しちゅう の軟骨 なんこつ 細胞 さいぼう は破 やぶ 骨 ほね 細胞 さいぼう に取 と り込 こ まれて処理 しょり される。軟骨 なんこつ 細胞 さいぼう がなくなった部分 ぶぶん には、骨 ほね 芽 め 細胞 さいぼう が骨 ほね 基質 きしつ を分泌 ぶんぴつ して骨 ほね を形成 けいせい する。成長 せいちょう 期 き では、軟骨 なんこつ 細胞 さいぼう が破 やぶ 骨 ほね 細胞 さいぼう に吸収 きゅうしゅう される速 はや さと、骨 ほね 芽 め 細胞 さいぼう によって石灰 せっかい 化 か していく速 はや さが等 ひと しく、動的 どうてき 平衡 へいこう を保 たも っているため、身長 しんちょう が伸 の びる。ホルモン異常 いじょう により、思春期 ししゅんき を過 す ぎても骨 ほね 化 か がつづく場合 ばあい があり、末端 まったん 肥大 ひだい 症 しょう や、巨人 きょじん 症 しょう を引 ひ き起 お こす。
異 こと 所 しょ 性 せい 骨 ほね 化 か (英 えい : heterotopic ossification , heterotopic bone formation 、独 どく : heterotopische Ossifikation )は、本来 ほんらい 骨 ほね 形成 けいせい の起 お こらない軟部組織 そしき に認 みと められる骨 ほね 形成 けいせい の総称 そうしょう で、異 こと 所 しょ 的 てき 骨 ほね 形成 けいせい ともいう。骨 ほね 組織 そしき 以外 いがい の筋肉 きんにく 、腱 けん 、靭帯 じんたい 、臓器 ぞうき に骨 ほね 形成 けいせい が起 お こることは古 ふる くから知 し られ、実験 じっけん 的 まと にも骨 ほね 誘導 ゆうどう 研究 けんきゅう が続 つづ いているが、そのメカニズムにはいまだ不 ふ 明確 めいかく な部分 ぶぶん が多 おお い。臨床 りんしょう 的 まと には、脊椎 せきつい の靭帯 じんたい に骨 ほね 化 か が生 しょう じ様々 さまざま な症状 しょうじょう を呈 てい する後 こう 縦 たて 靭帯 じんたい 骨 こつ 化 か 症 しょう 、黄色 おうしょく 靭帯 じんたい 骨 こつ 化 か 症 しょう (黄色 おうしょく 靭帯 じんたい 肥厚 ひこう 症 しょう )が多 おお く見 み られ、重要 じゅうよう 視 し される。この他 ほか 、幼少 ようしょう 期 き に発症 はっしょう する進行 しんこう 性 せい 骨 ほね 化 か 性 せい 筋炎 きんえん 、外傷 がいしょう 後 のち に見 み られる外傷 がいしょう 性 せい 骨 ほね 化 か 性 せい 筋炎 きんえん 、関節 かんせつ 周辺 しゅうへん の外傷 がいしょう 後 ご に見 み られる異 こと 所 しょ 性 せい 骨 ほね 化 か 、人工 じんこう 関節 かんせつ 置換 ちかん 術後 じゅつご に見 み られる関節 かんせつ 周辺 しゅうへん の異 こと 所 しょ 性 せい 骨 ほね 化 か などが問題 もんだい 視 し される。また腫瘍 しゅよう やその類似 るいじ 疾患 しっかん としては軟部骨 こつ 肉腫 にくしゅ osteosarcoma of the soft part などがある。
骨 ほね 化 か 性 せい 筋炎 きんえん (英 えい : ossifying myositis 、独 どく : Myositis ossificans )のうち、外傷 がいしょう 性 せい 骨 ほね 化 か 性 せい 筋炎 きんえん traumatic ossifying myositis は外傷 がいしょう 後 ご 骨 ほね 化 か posttraumatic ossification ともいい、骨折 こっせつ 時 どき や関節 かんせつ が高度 こうど に損傷 そんしょう した時 とき に起 お こる。関節 かんせつ 包 つつめ 、骨膜 こつまく が骨 ほね から剥離 はくり し、そこに生 しょう じた血腫 けっしゅ から骨 ほね 化 か が発生 はっせい する。小児 しょうに の肘 ひじ 関節 かんせつ の脱臼 だっきゅう 骨折 こっせつ に多 おお く見 み られる。また骨折 こっせつ 手術 しゅじゅつ 後 ご における過剰 かじょう な機能 きのう 訓練 くんれん でも見 み られることがある。いずれの場合 ばあい も関節 かんせつ を十分 じゅうぶん に安静 あんせい に保 たも ち、局所 きょくしょ の血腫 けっしゅ 形成 けいせい を最小限 さいしょうげん に抑 おさ えることが必要 ひつよう となる。
^ Scott F. Gilbert『ギルバート発生 はっせい 生物 せいぶつ 学 がく 』阿形 あがた 清和 きよかず 、高橋 たかはし 淑子 としこ 、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2015年 ねん 。ISBN 978-4-89592-805-2 。
^ 須田 すだ 立雄 りつお ; 小澤 おざわ 英浩 えいこう ; 高橋 たかはし 榮 さかえ 明 あきら ; 田中 たなか 栄 さかえ ; 中村 なかむら 浩 ひろし 彰 あきら ; 森 もり 諭 さとし 史 し 『新 しん 骨 ほね の科学 かがく 』医歯薬出版 いしやくしゅっぱん 、2007年 ねん 。ISBN 978-4-263-45609-5 。