1人ひとり当あたりの所得しょとく

一人ひとり当あたりの所得しょとく（ひとりあたりのしょとく、英えい:Per capita income, PCI）または総そう所得しょとく（そうしょとく）とは、指定していされた年としにある地域ちいき（都市とし、地域ちいき、国くになど）で一人ひとりあたりに平均へいきんして稼かせがれる収入しゅうにゅうを測定そくていするものである。

これは、地域ちいきの総そう所得しょとくをその総そう人口じんこうで割わって計算けいさんされる。

解説かいせつ

国くにまたは地域ちいき別べつ2023年ねんの一人ひとり当あたりGDP（名目めいもく）を色分いろわけしたもの

一人ひとり当あたりの所得しょとくは、国くにの所得しょとくを人口じんこうで割わったものである。一人ひとり当あたりの所得しょとくは、セクターの平均へいきん所得しょとくを測定そくていし、異ことなる人口じんこうの富とみを比較ひかくするためによく使用しようされる。また、国くにの生活せいかつ水準すいじゅんを測定そくていするためにもよく使用しようされる。それは通常つうじょう、ユーロやアメリカドルなどの一般いっぱん的てきに使用しようされる国際こくさい通貨つうかの形かたちで表あらわされ、広ひろく知しられているので便利べんりであり、利用りよう可能かのうな国内こくない総そう生産せいさん（GDP）および人口じんこうの推定すいていから簡単かんたんに計算けいさんでき、主権しゅけん領域りょういき間あいだの富とみの比較ひかくするときに便利べんりである。これは、国くにの発展はってん度合どあいを確認かくにんするのに役立やくだつ。一人ひとり当あたりの所得しょとくは、国くにの人間にんげん開発かいはつ指数しすうを計算けいさんする3つの指標しひょうの1つである。一人ひとり当あたりの所得しょとくは、平均へいきん所得しょとくとも呼よばれる。

批判ひはん

批評ひひょう家かは、一人ひとり当あたりの所得しょとくの使用しように関かんして以下いかの欠点けってんをしばしば挙あげる。

• 時間じかんをかけての一人ひとり当あたりの所得しょとくの比較ひかくは、インフレを考慮こうりょする必要ひつようがある。インフレの調整ちょうせいをせずには、経済けいざい成長せいちょうの効果こうかを過大かだい評価ひょうかしがちである。
• 国際こくさい的てきな比較ひかくは、為替かわせレートに反映はんえいされない生活せいかつ費ひの違ちがいによって歪ゆがめられる可能かのう性せいがある。国くに間あいだの生活せいかつ水準すいじゅんを比較ひかくする目的もくてきがある場合ばあい、購買こうばい力りょく平価へいかの違ちがいを調整ちょうせいすることで、人々ひとびとが実際じっさいにそのお金かねで買かうことができるものをより正確せいかくに反映はんえいするだろう。
• それは平均へいきん値ちであり、所得しょとくの分布ぶんぷを反映はんえいしていない。所得しょとく分布ぶんぷが偏かたよっている国くにでは、小ちいさな富裕ふゆう層そうが一人ひとり当あたりの所得しょとくを大幅おおはばに増加ぞうかさせる一方いっぽうで、大だい多数たすうの人口じんこうは所得しょとくに変化へんかがない。この点てんで、平均へいきん所得しょとくよりも中央ちゅうおう値ちの所得しょとくの方ほうが、繁栄はんえいを測定そくていする際さいに外はずれ値ちの影響えいきょうを受うけにくいため、より有用ゆうようである。
• 通貨つうかを使用しようしない活動かつどう、たとえば物々交換ぶつぶつこうかんや家族かぞく内ないで提供ていきょうされるサービスは、通常つうじょう、数かぞえられない。これらのサービスの重要じゅうよう性せいは、経済けいざいごとに大おおきく異ことなる。
• 一人ひとり当あたりの所得しょとくは、収入しゅうにゅうが健康けんこう、教育きょういく、またはインフラなどの地域ちいきの発展はってんを向上こうじょうさせる可能かのう性せいのある要因よういんに投資とうしされているかどうかを考慮こうりょしない。

関連かんれん項目こうもく

• 国内こくない総そう生産せいさん
• 貧困ひんこん線せん