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バンクーバー島 とう を地域 ちいき ごとに色分 いろわ けした地図 ちず
地域 ちいき (ちいき、英語 えいご : region )とは、地形 ちけい が似通 にかよ っている、同 おな じ性質 せいしつ をもっているなどの理由 りゆう からひとまとめにされる土地 とち のこと。
地理 ちり 学 がく における定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
地理 ちり 学 がく 、特 とく に場所 ばしょ ごとの差異 さい を解明 かいめい しようとする人文 じんぶん 地理 ちり 学 がく や地誌 ちし 学 がく において、「地域 ちいき 」とは大変 たいへん 重要 じゅうよう な概念 がいねん である。
日本 にっぽん の地理 ちり 学界 がっかい で権威 けんい があるとされる二宮 にのみや 書店 しょてん 刊行 かんこう の『地理 ちり 学 がく 辞典 じてん 』(1973年 ねん 発行 はっこう )には以下 いか のような説明 せつめい がある。
「
一般 いっぱん には地表 ちひょう の広狭 こうきょう さまざまな部分 ぶぶん を地域 ちいき と称 しょう している.例 たと えば,アジア大陸 たいりく ・日本 にっぽん ・関東 かんとう 地方 ちほう ・武蔵野台 むさしのだい 地 ち ・九十九里平野 くじゅうくりへいや などを,それぞれ地域 ちいき と呼 よ ぶようにである.しかし,現在 げんざい の地理 ちり 学 がく の用語 ようご としては,この言葉 ことば が地理 ちり 学 がく の本質 ほんしつ 上 じょう 極 きわ めて重要 じゅうよう な意味 いみ を有 ゆう しているために,ある程度 ていど ,厳密 げんみつ な内容 ないよう を持 も つものとして使 つか われている.地表 ちひょう 上 じょう ,自然 しぜん が類似 るいじ する地域 ちいき を自然 しぜん 地域 ちいき と呼 よ ぶように,地域 ちいき を単 たん なる任意 にんい の区域 くいき の広 ひろ がりとせず,個性 こせい 的 てき な内容 ないよう を有 ゆう する広 ひろ がりとして理解 りかい する必要 ひつよう がある.
」
(後略 こうりゃく )
しかし、この説明 せつめい がすべての地理 ちり 学者 がくしゃ に受 う け入 い れられているわけではなく、1950年代 ねんだい から1960年代 ねんだい にかけては、アメリカ やイギリス を中心 ちゅうしん として、「地域 ちいき 」を中核 ちゅうかく に据 す える「伝統 でんとう 地理 ちり 学 がく 」(Traditional Geography)に対 たい する批判 ひはん が起 お こった[1] 。これを受 う けて、朝倉書店 あさくらしょてん 刊行 かんこう の『オックスフォード地理 ちり 学 がく 辞典 じてん 』(2003年 ねん 発行 はっこう )では、
「
周囲 しゅうい の地区 ちく とは異 こと なるものとして判別 はんべつ できる,自然 しぜん 的 てき あるいは人工 じんこう 的 てき な特徴 とくちょう をもった地表 ちひょう の任意 にんい の区域 くいき .
」
と、地理 ちり 学 がく における地域 ちいき の重要 じゅうよう 性 せい には言及 げんきゅう していない。
「地域 ちいき とは何 なに か」という課題 かだい については、国 くに によって認識 にんしき が異 こと なる。以下 いか に、主要 しゅよう な議論 ぎろん を記 しる す。
ドイツ では、地理 ちり 学者 がくしゃ のカロル(H. Carol)の地域 ちいき (Landschaft )論 ろん が知 し られている。カロルによると地域 ちいき とは「さまざまな要素 ようそ からなる複 ふく 合体 がったい 」であるという[2] 。この「要素 ようそ 」とは地表 ちひょう 圏 けん (Geosphäre)を構成 こうせい する気圏 きけん ・生物 せいぶつ 圏 けん ・人類 じんるい 圏 けん ・水圏 すいけん ・岩 いわ 圏 けん を指 さ し、「地域 ちいき 」は地表 ちひょう 圏 けん の一部分 いちぶぶん である。
い換 いか えるならば、「具体 ぐたい 的 てき な、現実 げんじつ の、事物 じぶつ によって満 み たされた地表 ちひょう の一部分 いちぶぶん 」[3] が地域 ちいき である。これには自然 しぜん 現象 げんしょう ・人文 じんぶん 現象 げんしょう 共 ども に含 ふく まれる。当時 とうじ のドイツでは、ヴァルター・クリスタラー の中心 ちゅうしん 地理 ちり 論 ろん の理解 りかい が進 すす み、人間 にんげん や社会 しゃかい と空間 くうかん との関係 かんけい を機能 きのう を通 とお して研究 けんきゅう しようとする動 うご きが盛 さか んであり、これがLandschaft論 ろん に取 と り入 い れられたと指摘 してき されている[4] 。
アメリカ・イギリスの地域 ちいき 論 ろん [ 編集 へんしゅう ]
アメリカの地理 ちり 学者 がくしゃ ダウエント・ホイットルセー の説 せつ が有名 ゆうめい である。ホイットルセーによると地域 ちいき とは「何 なん らかの意味 いみ での一体 いったい 性 せい をもつ地表 ちひょう の広 ひろ がり(範囲 はんい )」であるという[2] 。
具体 ぐたい 的 てき には、複数 ふくすう の共通 きょうつう 点 てん を持 も ち、周辺 しゅうへん とは区別 くべつ されうる地表 ちひょう の一部分 いちぶぶん が地域 ちいき である。ホイットルセーは更 さら に地域 ちいき を以下 いか の3つに分類 ぶんるい した。
単一 たんいつ 指標 しひょう 地域 ちいき (single feature region)…ある1つの共通 きょうつう 性 せい を持 も つ区域 くいき 。例 たと えば、行政 ぎょうせい 地域 ちいき や言語 げんご 地域 ちいき などが挙 あ げられる[5]
複 ふく 合 あい 指標 しひょう 地域 ちいき (multiple feature region)…2つ以上 いじょう の共通 きょうつう 性 せい を持 も つ区域 くいき 。例 たと えば、気候 きこう 区 く などである[5] 。
全体 ぜんたい 地域 ちいき (total (feature) region、compage)…自然 しぜん 的 てき 指標 しひょう と社会 しゃかい 的 てき 指標 しひょう を高度 こうど に組 く み合 あ わせて複 ふく 合 あい 的 てき に分析 ぶんせき した結果 けっか 、共通 きょうつう 性 せい を認 みと められる区域 くいき 。
なお、地域 ちいき を1本 ほん の直線 ちょくせん で分 わ けることは難 むずか しく、一般 いっぱん 的 てき には漸 やや 移 うつり 帯 たい (transitional zone)が存在 そんざい する[6] 。
しかし、ホイットルセーは以上 いじょう のような定義 ていぎ は、地域 ちいき を区画 くかく する以上 いじょう 、何 なん らかの基準 きじゅん があるため、 地域 ちいき を任意 にんい に切 き り取 と られた地表 ちひょう の1区画 くかく が含 ふく まれることを免 まぬか れないとしている[5] 。このため、「地域 ちいき は虚構 きょこう (フィクション)である」とする主張 しゅちょう もなされる[5] 。
日本 にっぽん における地域 ちいき 論 ろん [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん においては、上記 じょうき のドイツのLandschaft論 ろん と英 えい 米 べい のRegion論 ろん の双方 そうほう が受容 じゅよう され、学者 がくしゃ によって見解 けんかい が異 こと なるが、同 おな じ「地域 ちいき 」という語 かたり を用 もち いている。以下 いか に主要 しゅよう な主張 しゅちょう を示 しめ す。
水津 すいつ 一朗 いちろう の説 せつ [ 編集 へんしゅう ]
Landschaft論 ろん に近 ちか い学者 がくしゃ として、京都大学 きょうとだいがく 文学部 ぶんがくぶ 教授 きょうじゅ や奈良大学 ならだいがく 学長 がくちょう などを務 つと めた水津 すいつ 一朗 いちろう がいる。水津 すいつ は著書 ちょしょ 『地域 ちいき の構造 こうぞう -行動 こうどう 空間 くうかん の表層 ひょうそう と深層 しんそう -』においてドイツのヴィンクラー(E. Winkler)の地理 ちり 学 がく 的 てき 方法 ほうほう 論 ろん に関 かん する15の命題 めいだい を以下 いか の3つに整理 せいり した上 うえ で、数学 すうがく 的 てき に説明 せつめい した[7] 。
個々 ここ の現象 げんしょう (e)…分布 ぶんぷ ・相互 そうご 作用 さよう ・人間 にんげん と自然 しぜん との関係 かんけい など[8]
地表 ちひょう の部分 ぶぶん (Rm)…空間 くうかん ・場所 ばしょ ・海洋 かいよう ・景観 けいかん ・環境 かんきょう など[8] 。これが「地域 ちいき 」に相当 そうとう する。
地表 ちひょう (E)…地表 ちひょう 全体 ぜんたい を指 さ し、地表 ちひょう の部分 ぶぶん (Rm)の総和 そうわ である。カロルが「地球 ちきゅう の被覆 ひふく 」(Erdhülle)と名付 なづ けたものに相当 そうとう する。[8]
水津 すいつ はこれらの3つの関係 かんけい を「Eの部分 ぶぶん 集合 しゅうごう がRmであり、Rmの元 もと (要素 ようそ )がeである」とした。つまり、数学 すうがく 的 てき に記述 きじゅつ すると
E
⊃
R
m
,
R
m
∋
e
{\displaystyle E\supset Rm,Rm\ni e}
となる。
木内 きうち 信 しん 蔵 ぞう の説 せつ [ 編集 へんしゅう ]
一方 いっぽう region論 ろん に近 ちか い学者 がくしゃ として、東京大学 とうきょうだいがく 教養 きょうよう 学部 がくぶ 教授 きょうじゅ の木内 きうち 信 しん 蔵 ぞう が挙 あ げられる。木内 きうち は『地域 ちいき 概論 がいろん -その理論 りろん と応用 おうよう -』において、region(リジォン[注釈 ちゅうしゃく 1] )の説明 せつめい とともに、地域 ちいき の属性 ぞくせい [注釈 ちゅうしゃく 2] (形式 けいしき 的 てき な性格 せいかく [注釈 ちゅうしゃく 1] )を次 つぎ のように示 しめ している[9] 。
地表 ちひょう 面 めん の一部分 いちぶぶん である。
固有 こゆう な場所 ばしょ 的 てき 関係 かんけい をもつ。
空間 くうかん 的 てき な拡 ひろ がり(spatial extent)をもつ。
隣接 りんせつ の空間 くうかん から区別 くべつ される。
より大 だい なる地域 ちいき の部分 ぶぶん である。
この中 なか で重要 じゅうよう なのは2番目 ばんめ と4番目 ばんめ であり、い換 いか えれば「何 なん らかの意味 いみ で一体 いったい 性 せい をもつ(まとまりがある)」[10] ということになる。これは、一般 いっぱん 用語 ようご の地域 ちいき と区別 くべつ して「地理 ちり 的 てき 地域 ちいき 」とも表現 ひょうげん する[10] 。
木内 きうち は『地域 ちいき 概論 がいろん 』の中 なか でLandschaftにも触 ふ れているが、そこではLandschaftを「景観 けいかん 」と訳 やく している[11] 。
地域 ちいき の概念 がいねん には、いくつかの分類 ぶんるい 方法 ほうほう が知 し られている。先 さき に挙 あ げたホイットルセーの地域 ちいき 分類 ぶんるい もその一 ひと つである。以下 いか に地域 ちいき の概念 がいねん の代表 だいひょう 的 てき な例 れい を示 しめ す。
個別 こべつ 地域 ちいき と類型 るいけい 地域 ちいき [ 編集 へんしゅう ]
戦前 せんぜん のイギリスで重視 じゅうし された概念 がいねん である[12] 。
個別 こべつ 地域 ちいき (こべつちいき、英語 えいご : specific region )は、世界 せかい にただ1つしか存在 そんざい しない地域 ちいき であり、具体 ぐたい 的 てき な地名 ちめい をもって呼 よ ばれる空間 くうかん である。一方 いっぽう 、類型 るいけい 地域 ちいき (るいけいちいき、英語 えいご : generic region )は世界 せかい に同様 どうよう の性格 せいかく を有 ゆう する空間 くうかん がいくつか存在 そんざい する。例 たと えば、「日本 にっぽん で人口 じんこう 密度 みつど が高 たか い地域 ちいき はどこか」という問 と いに対 たい し、「東京 とうきょう ・大阪 おおさか ・名古屋 なごや 周辺 しゅうへん 」と答 こた えることも「平野 へいや が広 ひろ がるところ」と答 こた えることも可能 かのう である。この際 さい 、前者 ぜんしゃ が個別 こべつ 地域 ちいき 、後者 こうしゃ が類型 るいけい 地域 ちいき となる。
実質 じっしつ 地域 ちいき と形式 けいしき 地域 ちいき [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん で発達 はったつ した概念 がいねん であり、適切 てきせつ な訳語 やくご がない[注釈 ちゅうしゃく 3] 。木内 きうち 信 しん 蔵 ぞう が「地域 ちいき は本来 ほんらい ,地 ち 的 てき 内容 ないよう をもつ実質 じっしつ 的 てき な存在 そんざい であり,地域 ちいき は内容 ないよう にしたがって合理 ごうり 的 てき に規定 きてい される」と主張 しゅちょう したものが定義 ていぎ の基 もと となっている。すなわち、内容 ないよう をもつものが実質 じっしつ 地域 ちいき 、もたざるものが形式 けいしき 地域 ちいき である。例 れい を挙 あ げれば、小学校 しょうがっこう の通学 つうがく 区 く が実質 じっしつ 地域 ちいき 、経線 けいせん と緯線 いせん で区切 くぎ られた空間 くうかん が形式 けいしき 地域 ちいき である。
ただし、実質 じっしつ と形式 けいしき の区別 くべつ は大変 たいへん 曖昧 あいまい であり、先 さき の例 れい でも通学 つうがく 区 く は小学校 しょうがっこう への通学 つうがく 以外 いがい には無意味 むいみ な地域 ちいき 区分 くぶん であるから形式 けいしき 地域 ちいき 、経線 けいせん ・緯線 いせん が国境 こっきょう として機能 きのう しているところでは実質 じっしつ 地域 ちいき 、と解釈 かいしゃく することもできる。 このため、現状 げんじょう ではこの分類 ぶんるい に大 おお きな意義 いぎ はないとされる[13] 。
なお、実質 じっしつ 地域 ちいき を既存 きそん の物理 ぶつり 的 てき ・客観 きゃっかん 的 てき な単位 たんい としてみるときの地域 ちいき 概念 がいねん (後述 こうじゅつ の等質 とうしつ 地域 ちいき や機能 きのう 地域 ちいき ・結節 けっせつ 地域 ちいき のような分類 ぶんるい を含 ふく む概念 がいねん )と捉 とら え、後述 こうじゅつ の認知 にんち 地域 ちいき や活動 かつどう 地域 ちいき に対 たい する概念 がいねん として用 もち いられることもある[14] 。
等質 とうしつ 地域 ちいき と機能 きのう 地域 ちいき [ 編集 へんしゅう ]
地域 ちいき 概念 がいねん の中 なか で最 もっと も重要 じゅうよう な類型 るいけい である[12] 。
等質 とうしつ 地域 ちいき (英語 えいご : uniform region 又 また はformal region )
地形 ちけい (平野 ひらの 、台地 だいち 、丘陵 きゅうりょう など)や土地 とち 利用 りよう (水田 すいでん 、畑作 はたさく 、工業 こうぎょう など)などによって特徴 とくちょう づけられる空間 くうかん 的 てき なまとまりを等質 とうしつ 地域 ちいき という[14] 。ある空間 くうかん が周囲 しゅうい とは異 こと なる性格 せいかく によって切 き り取 と られる場合 ばあい 、その空間 くうかん を等質 とうしつ 地域 ちいき と言 い う。例 たと えば、とある畑作 はたさく 地 ち においてジャガイモ の生産 せいさん が卓越 たくえつ する区画 くかく とニンジン の生産 せいさん が卓越 たくえつ する区画 くかく があったとする。この時 とき 、前者 ぜんしゃ をジャガイモの等質 とうしつ 地域 ちいき 、後者 こうしゃ をニンジンの等質 とうしつ 地域 ちいき と考 かんが えることができる。このほか、有名 ゆうめい な等質 とうしつ 地域 ちいき の例 れい としては柳田 やなぎだ 國男 くにお が『蝸牛 かぎゅう 考 こう 』の中 なか で示 しめ したカタツムリ の方言 ほうげん 分布 ぶんぷ (→方言 ほうげん 周 しゅう 圏 けん 論 ろん を参照 さんしょう )が知 し られる。
機能 きのう 地域 ちいき (英語 えいご : functional region )
性格 せいかく の異 こと なる空間 くうかん 同士 どうし が一 ひと つないし複数 ふくすう の中心 ちゅうしん 点 てん (=結節 けっせつ 点 てん 、ノード、node)を核 かく として機能 きのう 的 てき に結 むす び付 つ くことで形成 けいせい される。身近 みぢか な例 れい では生活 せいかつ 圏 けん や通勤 つうきん 圏 けん が挙 あ げられる。機能 きのう 地域 ちいき は結節 けっせつ 点 てん を有 ゆう することから結節 けっせつ 地域 ちいき (nodal region)とも称 しょう する。厳密 げんみつ には機能 きのう 地域 ちいき は単 たん に機能 きのう 的 てき 結合 けつごう がみられる場合 ばあい 、結節 けっせつ 地域 ちいき は中心 ちゅうしん 地 ち があり一般 いっぱん 的 てき に階層 かいそう 的 てき な関係 かんけい がみられる場合 ばあい をいうとされる[14] 。
実質 じっしつ 地域 ちいき を既存 きそん の物理 ぶつり 的 てき ・客観 きゃっかん 的 てき な単位 たんい として定義 ていぎ した場合 ばあい に、これに対 たい して自宅 じたく や職場 しょくば など個人 こじん や社会 しゃかい 集団 しゅうだん の主観 しゅかん 的 てき で構造 こうぞう 的 てき なまとまりを認知 にんち 地域 ちいき という[15] 。認知 にんち 地域 ちいき には地域 ちいき アイデンティティや地域 ちいき 観 かん などがみられる[15] 。
実質 じっしつ 地域 ちいき を既存 きそん の物理 ぶつり 的 てき ・客観 きゃっかん 的 てき な単位 たんい として定義 ていぎ した場合 ばあい に、これに対 たい して既存 きそん の構造 こうぞう ではなく新 あら たな都市 とし 計画 けいかく や市場 いちば 開拓 かいたく の際 さい の対象 たいしょう として捉 とら えられる地域 ちいき を活動 かつどう 地域 ちいき という[16] 。活動 かつどう 地域 ちいき は一定 いってい 範囲 はんい の社会 しゃかい や集団 しゅうだん を組織 そしき 化 か する側面 そくめん がある[16] 。
全域 ぜんいき と基 もと 域 いき [ 編集 へんしゅう ]
木内 きうち 信 しん 蔵 ぞう が地域 ちいき の属性 ぞくせい として挙 あ げた第 だい 5番目 ばんめ の「より大 だい なる地域 ちいき の部分 ぶぶん である」の「より大 だい なる地域 ちいき 」が全域 ぜんいき (ぜんいき)、「部分 ぶぶん 」が基 もと 域 いき (きいき)に当 あ たる。つまり、基 もと 域 いき の集合 しゅうごう 体 たい が全域 ぜんいき である。
例 たと えば、四国 しこく は日本 にっぽん 全体 ぜんたい から見 み れば一部分 いちぶぶん であるから、日本 にっぽん は全域 ぜんいき 、四国 しこく は基 もと 域 いき である。また見方 みかた を変 か えて、四国 しこく を全域 ぜんいき と考 かんが えれば、香川 かがわ 県 けん は基 もと 域 いき である。更 さら に香川 かがわ 県 けん を全域 ぜんいき とすると、高松 たかまつ 市 し は基 もと 域 いき である。
政治 せいじ 学 がく ・経済 けいざい 学 がく における定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
政治 せいじ 学 がく や経済 けいざい 学 がく においても「地域 ちいき 」の語 かたり は用 もち いられるが、地理 ちり 学 がく ほど地域 ちいき そのものについて議論 ぎろん されることは少 すく なく、政治 せいじ 学 がく や経済 けいざい 学 がく の辞典 じてん では、地域 ちいき から始 はじ まる用語 ようご は掲載 けいさい されていても、「地域 ちいき 」という項目 こうもく がないものも多 おお い[注釈 ちゅうしゃく 4] 。
政治 せいじ 学 がく における定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
政治 せいじ 学 がく 及 およ び地域 ちいき 研究 けんきゅう においては、ジュリアン・スチュワード の「世界 せかい 地域 ちいき 」の説明 せつめい が「地域 ちいき 」の定義 ていぎ として受容 じゅよう 、定着 ていちゃく している[17] 。スチュワード自身 じしん は、以下 いか の5つをすべて「地域 ちいき 」として捉 とら えた[17] 。
世界 せかい 地域 ちいき (world area)…世界 せかい 的 てき な重要 じゅうよう 性 せい を持 も った区域 くいき 。例 たと えば、ロシア ・極東 きょくとう ・東 ひがし ヨーロッパ など。
文化 ぶんか 地域 ちいき (culture area)…共通 きょうつう の文化 ぶんか を持 も つと考 かんが えられる区域 くいき 。例 たと えば、ラテンアメリカ ・近東 きんとう ・マヤ など。
国家 こっか (nation)
植民 しょくみん 地 ち
特定 とくてい 地方 ちほう (specific region)
これに対 たい する批判 ひはん としては、「世界 せかい 地域 ちいき 」の概念 がいねん によって地域 ちいき 研究 けんきゅう が政策 せいさく 科学 かがく の性格 せいかく を帯 お びるようになったこと、きわめて恣意 しい 的 てき なくくり方 かた をした人為 じんい 的 てき 区画 くかく をもって「地域 ちいき 」と称 しょう することができる面 めん があること、が挙 あ げられる[18] 。
また、スチュワードが主張 しゅちょう した「特定 とくてい 地方 ちほう 」に相当 そうとう する、国民 こくみん 国家 こっか の内部 ないぶ の部分 ぶぶん 領域 りょういき を「地域 ちいき 社会 しゃかい 」とする用法 ようほう もある[19] 。
経済 けいざい 学 がく における定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
経済 けいざい 学 がく で用 もち いられる「地域 ちいき 」の語 かたり は、理論 りろん 的 てき 文脈 ぶんみゃく では往々 おうおう にして不明瞭 ふめいりょう に扱 あつか われ、実証 じっしょう 的 てき 分析 ぶんせき では定義 ていぎ が厳密 げんみつ ではない[20] 。このため、取 と り扱 あつか うテーマやデータの利用 りよう 可能 かのう 性 せい に合 あ わせて意味合 いみあ いの変化 へんか する概念 がいねん である[20] 。『マグローヒル現代 げんだい 経済 けいざい 学 がく 辞典 じてん 』では、地域 ちいき (Region)について以下 いか のような説明 せつめい がなされている[21] 。
「
都市 とし 地域 ちいき の一部分 いちぶぶん から,大陸 たいりく の一 いち 地方 ちほう にいたるまで,さまざまの広 ひろ さに用 もち いられる用語 ようご 。たとえば,合衆国 がっしゅうこく では,地域 ちいき あるいは,地方 ちほう の資料 しりょう は,都市 とし 地域 ちいき ,地区 ちく ,州 しゅう ,おもな地域 ちいき の州 しゅう 群 ぐん ,たとえば,ニューイングランド やミドルアトランテック州 しゅう のような形 かたち で得 え られる。
」
(後略 こうりゃく )
経済 けいざい 学 がく における地域 ちいき は、一般 いっぱん に資本 しほん や労働 ろうどう の移動 いどう の制約 せいやく が小 ちい さく、移動 いどう 可能 かのう 性 せい の高 たか いものとして捉 とら えられる[20] [22] 。ゆえに、現代 げんだい は移動 いどう 可能 かのう 性 せい が高 たか まっていることから『マグローヒル現代 げんだい 経済 けいざい 学 がく 辞典 じてん 』の定義 ていぎ を超 こ えて、宇宙 うちゅう や地球 ちきゅう も地域 ちいき であると考 かんが えられる[22] 。また、人類 じんるい の歴史 れきし をたどれば、地域 ちいき は都市 とし と農村 のうそん という2つの定住 ていじゅう 形態 けいたい からなり、国家 こっか が消滅 しょうめつ しても存続 そんぞく する概念 がいねん である[23] 。
上記 じょうき のように、国家 こっか の枠 わく を超越 ちょうえつ した大 だい 規模 きぼ な空間 くうかん を地域 ちいき として捉 とら える一方 いっぽう で国家 こっか の内部 ないぶ の狭 せま い空間 くうかん を地域 ちいき として捉 とら えることもある[23] 。よって、地域 ちいき 経済 けいざい 学 がく に関 かん する文献 ぶんけん では、地域 ちいき がさまざまな範囲 はんい を指 さ す言葉 ことば であることを示 しめ した上 うえ で、国家 こっか の内部 ないぶ の狭 せま い空間 くうかん を対象 たいしょう とする旨 むね を述 の べたものもある[24] 。
言語 げんご 学 がく における「地域 ちいき 」[ 編集 へんしゅう ]
言語 げんご 学 がく において、地理 ちり 的 てき に近接 きんせつ した言語 げんご 同士 どうし は、しばしば一 いち 群 ぐん の音韻 おんいん 的 てき ・文法 ぶんぽう 的 てき 特徴 とくちょう を共有 きょうゆう していることが知 し られており、そのような地域 ちいき 特徴 とくちょう により規定 きてい される言語 げんご 群 ぐん は「言語 げんご 連合 れんごう (独 どく : Sprachbund)」ないし「言語 げんご 領域 りょういき 」(英 えい : linguistic area) と呼 よ ばれる[25] 。言語 げんご 連合 れんごう の範囲 はんい は、行政 ぎょうせい 上 じょう の地方 ちほう 区分 くぶん や、自然 しぜん 的 てき ・歴史 れきし 的 てき ・文化 ぶんか 的 てき な観点 かんてん から行 おこな われた地域 ちいき 区分 くぶん と一致 いっち するとは限 かぎ らない。例 たと えば、バルカン言語 げんご 連合 れんごう の分布 ぶんぷ 地域 ちいき は、歴史 れきし 的 てき ・文化 ぶんか 的 てき な「バルカン 」と概 おおむ ね一致 いっち している一方 いっぽう 、大陸 たいりく 部 ぶ 東南 とうなん アジア言語 げんご 連合 れんごう は、通常 つうじょう 東南 とうなん アジア の一部 いちぶ とは見 み 做されない地域 ちいき の言語 げんご 、すなわち北方 ほっぽう 官話 かんわ を始 はじ めとする中国 ちゅうごく 語 ご の諸 しょ 方言 ほうげん が含 ふく まれる[26] 。
^ a b 木内 きうち 『地域 ちいき 概論 がいろん 』83ページでの表現 ひょうげん
^ 中村 なかむら ほか『地域 ちいき と景観 けいかん 』109ページでの表現 ひょうげん
^ 『地域 ちいき と景観 けいかん 』112ページでは「形式 けいしき 地域 ちいき 」を"formal region"と訳 やく した場合 ばあい 、「等質 とうしつ 地域 ちいき 」と同 おな じになってしまい、用語 ようご の混乱 こんらん を来 きた すことを紹介 しょうかい している。
^ 阿部 あべ ほか編 へん (1999)『現代 げんだい 政治 せいじ 学 がく 小 しょう 辞典 じてん 新版 しんぱん 』有斐閣 ゆうひかく 、金森 かなもり ほか編 へん (2002)『有斐閣 ゆうひかく 経済 けいざい 辞典 じてん 第 だい 4版 はん 』有斐閣 ゆうひかく 、大学 だいがく 教育 きょういく 社 しゃ 編 へん (1998)『新 しん 訂 てい 版 ばん 現代 げんだい 政治 せいじ 学 がく 事典 じてん 』ブレーン出版 しゅっぱん など。いずれも地域 ちいき から始 はじ まる用語 ようご を掲載 けいさい するが、「地域 ちいき 」そのものの項目 こうもく はない。
^ 中村 なかむら ほか、1991、107ページ
^ a b 中村 なかむら ほか、1991、108ページ
^ 中村 なかむら ほか、1991、113ページ
^ 朝野 ちょうや ほか、1988、38 - 39ページ
^ a b c d 中村 なかむら ほか、1991、110
^ 木内 きうち 、1968、84ページ
^ 水津 すいつ 、1982、18 - 41ページ
^ a b c 水津 すいつ 、1982、20ページ
^ 木内 きうち 、1968、83ページからの引用 いんよう
^ a b 中村 なかむら ほか、1991、109ページ
^ 木内 きうち 、1968、87ページ
^ a b 中村 なかむら ほか、111ページ
^ 中村 なかむら ほか、112ページ
^ a b c 『地域 ちいき 政策 せいさく 入門 にゅうもん 』ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 、2008年 ねん 、14頁 ぺーじ 。
^ a b 『地域 ちいき 政策 せいさく 入門 にゅうもん 』ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 、2008年 ねん 、14-15頁 ぺーじ 。
^ a b 『地域 ちいき 政策 せいさく 入門 にゅうもん 』ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 、2008年 ねん 、16頁 ぺーじ 。
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^ 宮本 みやもと ほか(1990)『地域 ちいき 経済 けいざい 学 がく 』や原 はら (2000)『地域 ちいき の経済 けいざい 学 がく 』など。
^ 田口 たぐち 善久 よしひさ (著 ちょ )「言語 げんご 連合 れんごう 」。斎藤 さいとう 純男 すみお 、田口 たぐち 善久 よしひさ 、西村 にしむら 義樹 よしき (編 へん )『明解 めいかい 言語 げんご 学 がく 辞典 じてん 』三省堂 さんせいどう 、2015年 ねん 、75頁 ぺーじ 。
^ Enfield, N. J. (2018), Mainland Southeast Asian Languages: A Concise Typological Introduction , Cambridge University Press, doi :10.1017/9781139019552 , ISBN 9781139019552
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