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12しきたいかん誘導ゆうどうだん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
12しきたいかん誘導ゆうどうだん
じゅうそう車両しゃりょう搭載とうさいされた誘導ゆうどうだん発射はっしゃとう
種類しゅるい たいかんミサイル
製造せいぞうこく 日本の旗 日本にっぽん
設計せっけい 陸上りくじょう自衛隊じえいたい研究けんきゅう本部ほんぶ
製造せいぞう 三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう
性能せいのうしょもと
ミサイル直径ちょっけい やく0.35m
ミサイル全長ぜんちょう やく5m
ミサイル重量じゅうりょう やく700kg
射程しゃてい やく200km
推進すいしん方式ほうしき 固体こたい燃料ねんりょうロケットモーター(ブースター)+ターボジェットエンジン巡航じゅんこうよう
誘導ゆうどう方式ほうしき 中途ちゅうとこうほどINSGPS
終末しゅうまつこうほどARH
飛翔ひしょう速度そくど N/A
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12しきたいかん誘導ゆうどうだん(ひとにいしきちたいかんゆうどうだん[1])は、日本にっぽん陸上りくじょう自衛隊じえいたい装備そうびするたいかんミサイルたいかん誘導ゆうどうだん)システムで、2012ねん平成へいせい24ねんから調達ちょうたつ開始かいしされた。たいかんミサイル連隊れんたい配備はいびされており、別称べっしょう12SSM[2]

概要がいよう

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88しきたいかん誘導ゆうどうだん(SSM-1)の後継こうけいであり、当初とうしょは88しきたいかん誘導ゆうどうだんシステム(あらため)やSSM-1(あらため)と呼称こしょうされていた[3][4]試作しさくは2001ねん平成へいせい13ねんからおこなわれており、開発かいはつ所要しょよう経費けいひやく138おくえん[3]艦船かんせんにおけるたいかんミサイル迎撃げいげき能力のうりょく向上こうじょう対応たいおうし、おもミサイル生存せいぞんせい向上こうじょう改良かいりょう主眼しゅがんとなっている[3]

ほんシステムは以下いかにより構成こうせいされる。

  • 捜索そうさく標定ひょうていレーダー装置そうち:21/2tトラック搭載とうさい
  • 中継ちゅうけい装置そうち:1同上どうじょう
  • 指揮しき統制とうせい装置そうち:13 1/2tトラック積載せきさい
  • 射撃しゃげき管制かんせい装置そうち:1同上どうじょう
  • 発射はっしゃ搭載とうさい車両しゃりょう:1-4りょう
    • およ誘導ゆうどうだん6はつ(1りょうたり)
  • 弾薬だんやく運搬うんぱんしゃ:1-4りょう
    • およ誘導ゆうどうだん予備よびだん):(1りょうあたり6はつ7tトラック搭載とうさい[5]

システム全体ぜんたい構成こうせいは88しき同様どうようであるが、発射はっしゃ装置そうち外観がいかんが88しきからおおきくわり、識別しきべつ容易よういである。発射はっしゃ搭載とうさい車両しゃりょうじゅうそう回収かいしゅうしゃ共通きょうつう車体しゃたいじゅうそう車両しゃりょう)に発射はっしゃ搭載とうさいしたものに変更へんこうされ、誘導ゆうどうだんからだおさめる容器ようき(キャニスター)もまるがた生産せいさん中止ちゅうしともなかくがた変更へんこうされており、03しき中距離ちゅうきょり対空たいくう誘導ゆうどうだん発射はっしゃ装置そうち搭載とうさい車両しゃりょう類似るいじしたものとなっている。なお、発射はっしゃ搭載とうさい車両しゃりょうに88しきたいかん誘導ゆうどうだん搭載とうさいすることも可能かのうとなっている[6]

特徴とくちょう

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ほんシステムは以前いぜん88しきたいかん誘導ゆうどうだんよりつぎてんすぐれている[3]

  • 射撃しゃげきかんする能力のうりょく向上こうじょう
    • 目標もくひょう情報じょうほう更新こうしん能力のうりょく向上こうじょう
    • 目標もくひょう大小だいしょう判別はんべつ能力のうりょく指揮しき統制とうせい機能きのう向上こうじょう
    • 命中めいちゅうてんのばらつき低減ていげん
    • さい装填そうてん時間じかん短縮たんしゅく
  • 残存ざんそんせい向上こうじょう
    • 同時どうじだん機能きのうこう精度せいど
    • 高射こうしゃかくでの発射はっしゃ可能かのう
    • 地形ちけい追随ついずい機能きのう向上こうじょう
  • ライフサイクルコスト抑制よくせい

なお、誘導ゆうどうについては従来じゅうらい慣性かんせい誘導ゆうどうちゅうあいだ)+アクティブ・レーダー・ホーミング終末しゅうまつ)にくわえ、中間ちゅうかん誘導ゆうどうGPS誘導ゆうどう追加ついかされている[7]

調達ちょうたつ配備はいび

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発射はっしゃ

予算よさん計上けいじょう初年度しょねんどとなる2012ねん平成へいせい24ねん予算よさん発射はっしゃ車両しゃりょうおよ誘導ゆうどうだん予算よさん計上けいじょうされており、2014ねん平成へいせい26ねん陸上りくじょう自衛隊富士学校じえいたいふじがっこうとく陸上りくじょう自衛隊じえいたい武器ぶき学校がっこう教育きょういくよう整備せいび要員よういん育成いくせいようとして1りょうずつ配備はいびされ、2013ねん平成へいせい25ねん調達ちょうたつの4りょうは2015ねん平成へいせい27ねん部隊ぶたい育成いくせいよう富士ふじ教導きょうどうだんとく教導きょうどうたい配備はいびされ、2015ねん平成へいせい27ねん富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅう参加さんかした。2014ねん平成へいせい26ねん調達ちょうたつの16りょうは、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほうぐん海軍かいぐん南西諸島なんせいしょとう海域かいいき進出しんしゅついちじるしいことから、2016ねん平成へいせい28ねん健軍駐屯地けんぐんちゅうとんち西部せいぶ方面ほうめんとくたいだい5たいかんミサイル連隊れんたい配備はいびされた[8]

12しきたいかん誘導ゆうどうだん調達ちょうたつすう[9]
予算よさん計上けいじょう年度ねんど 調達ちょうたつすう 予算よさんがく
括弧かっこ初度しょど(そとすう)
平成へいせい24年度ねんど(2012ねん 発射はっしゃ車両しゃりょう2りょう 43おくえん(59おくえん)
平成へいせい25年度ねんど(2013ねん 発射はっしゃ車両しゃりょう4りょう(1個いっこ中隊ちゅうたい) 79おくえん(55おくえん)
平成へいせい26年度ねんど(2014ねん 発射はっしゃ車両しゃりょう16りょう(4中隊ちゅうたい) 309おくえん
平成へいせい27年度ねんど(2015ねん 発射はっしゃ車両しゃりょう0りょう -
平成へいせい28年度ねんど(2016ねん 1しき 120おくえん(7おくえん)
平成へいせい29年度ねんど(2017ねん 1しき 81おくえん(1おくえん)
平成へいせい30年度ねんど(2018ねん 1しき 129おくえん
平成へいせい31年度ねんど(2019ねん 1しき 135おくえん
れい2年度ねんど(2020ねん - -
れい3年度ねんど(2021ねん 1個いっこ中隊ちゅうたい 55おくえん
れい4年度ねんど(2022ねん - -
合計ごうけい 発射はっしゃ車両しゃりょう22りょう+4しき+1個いっこ中隊ちゅうたい 951おくえん(122おくえん)

2013ねん平成へいせい25ねん)8がつ平成へいせい25年度ねんど富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅう装備そうびひん展示てんじにおいて、発射はっしゃ車両しゃりょう試作しさくしゃ)がはじめて一般いっぱん公開こうかいされた。2015ねん8がつ平成へいせい27年度ねんど富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅうにおいて、とく教導きょうどうたいだい6中隊ちゅうたい配備はいび発射はっしゃ車両しゃりょうはじめて参加さんかした。また、2016ねん平成へいせい28ねん)9がつ西部せいぶ方面ほうめんとくたい記念きねん行事ぎょうじ、および西部せいぶ方面ほうめんたいそうたい式典しきてん観閲かんえつ行進こうしんだい5たいかんミサイル連隊れんたい所属しょぞくしゃ参加さんかしている。

配備はいび部隊ぶたい機関きかん

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陸上りくじょう自衛隊富士学校じえいたいふじがっこう

陸上りくじょう自衛隊じえいたい武器ぶき学校がっこう整備せいび要員よういん育成いくせいよう:1りょう

西部せいぶ方面ほうめんたい

※ 数量すうりょうは、発射はっしゃかず

派生はせいがた

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たいかん誘導ゆうどうだん発達はったつ開発かいはつ系譜けいふ
17しきかんたいかん誘導ゆうどうだん
12しきたいかん誘導ゆうどうだん開発かいはつ成果せいか最大限さいだいげん活用かつようして、2013年度ねんど平成へいせい25年度ねんど)から2017ねん平成へいせい29ねんにかけて90しきかんたいかん誘導ゆうどうだん(SSM-1B)の後継こうけい17しきかんたいかん誘導ゆうどうだん(SSM-2)が開発かいはつされた。SSM-1Bとくらべて、射程しゃてい延伸えんしん誘導ゆうどう精度せいど向上こうじょう目標もくひょう情報じょうほうのアップデート機能きのう追加ついかはかられる。そう開発かいはつ経費けいひ見込みこみはやく57おくえん[4]
12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらため)・23しきそらたいかん誘導ゆうどうだん
また、2017ねん平成へいせい29ねんから2022年度ねんどまでにしんかんたいかん誘導ゆうどうだん(17しきかんたいかん誘導ゆうどうだん)をベースに「12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらためおよ哨戒しょうかいようしんそらたいかん誘導ゆうどうだん」の研究けんきゅうがされ、23しきそらたいかん誘導ゆうどうだん哨戒しょうかいようしんそらたいかん誘導ゆうどうだん開発かいはつされた。ちょう射程しゃてい実現じつげんするために現用げんようだんよりおおきくなるしん誘導ゆうどうだんを、車両しゃりょうまたは哨戒しょうかいから運用うんようする技術ぎじゅつ開発かいはつする[10][11][12]。12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらため)は後述こうじゅつの12しきたいかん誘導ゆうどうだん能力のうりょく向上こうじょうがたへとつづく。
12しきたいかん誘導ゆうどうだん能力のうりょく向上こうじょうがた巡航じゅんこうミサイル)
2020ねんれい2ねん)12月18にち閣議かくぎで「スタンド・オフ防衛ぼうえい能力のうりょく強化きょうか」が決定けっていされ、12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらため)にさらなるちょう射程しゃてい多様たようなプラットフォーム(はつがたかんはつがた空発くうはつがた)からの発射はっしゃ能力のうりょくくわえた12しきたいかん誘導ゆうどうだん能力のうりょく向上こうじょうがた開発かいはつ決定けっていした[13]。2020ねんれい2ねんおこなわれたはつがた事前じぜん評価ひょうかでは、2021ねんれい3ねんから2025ねんれい7ねんまで394おくえんをかけて開発かいはつされる予定よていであり[14]、2021ねんれい3ねんおこなわれたはつがたかんはつがた空発くうはつがたふくめた事前じぜん評価ひょうかとしては、れい3ねん(2021ねんから2028ねんれい10ねんまでそう事業じぎょう999おくえんをかけて開発かいはつされる予定よていである[15]
開発かいはつにはASM-3、12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらためおよ島嶼とうしょ防衛ぼうえいよう新地さらちたいかん誘導ゆうどうだん成果せいかかされる。ちょう射程しゃていのための大型おおがた展開てんかい主翼しゅよくとジェットエンジンの作動さどう領域りょういき拡大かくだいRCS低減ていげんのためのたま体形たいけいじょうのエッジ処理しょり人工じんこう衛星えいせい経由けいゆたい地上ちじょう装置そうちあいだデータリンク、マルチプラットフォームなどの技術ぎじゅつ開発かいはつおこなわれる[14][15]産経新聞さんけいしんぶんによると予定よていされるしゅ契約けいやくしゃ三菱重工みつびしじゅうこうで、現在げんざい射程しゃていやく200kmから当面とうめんは900kmを目指めざして開発かいはつされるが、最終さいしゅうてきには射程しゃてい1,500kmまで延伸えんしんされる予定よていであるという[16]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 「MAMOR(マモル) 2015ねん6がつごう」p19に記載きさい表記ひょうき。また、平成へいせい27年度ねんど富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅう後段こうだん演習えんしゅうでは「ひとにいしきちたいかんゆうどうだんシステム」とアナウンスで紹介しょうかいされた。
  2. ^ 陸上りくじょう自衛隊じえいたい仕様しようしょ「シャシ,7tトラック (12SSM 弾薬だんやく運搬うんぱんしゃしゃ両用りょうよう)」
  3. ^ a b c d 平成へいせい24年度ねんど政策せいさく評価ひょうか 事後じご事業じぎょう評価ひょうか 88しきたいかん誘導ゆうどうだん(あらため)システムの開発かいはつ”. 防衛ぼうえいしょう公式こうしきサイト. 2019ねん8がつ5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん4がつ29にち閲覧えつらん
  4. ^ a b 平成へいせい24年度ねんど政策せいさく評価ひょうか 事前じぜん事業じぎょう評価ひょうか しんかんたいかん誘導ゆうどうだん開発かいはつ” (PDF). 防衛ぼうえいしょう. 2019ねん8がつ4にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2019ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  5. ^ 平成へいせい23年度ねんどライフサイクルコスト管理かんり年次ねんじ報告ほうこくしょ」より。ただし「平成へいせい23年度ねんど事前じぜん事業じぎょう評価ひょうか」の運用うんようイメージにある弾薬だんやく運搬うんぱんしゃは、じゅうそう回収かいしゅうしゃ共通きょうつう車体しゃたいじゅうそう車両しゃりょう)をもちいた10tトラック(PLSづけ)が想定そうていされている
  6. ^ 陸上りくじょう自衛隊じえいたい西部せいぶ方面ほうめんたい 鎮西ちんぜい28活動かつどうじょうきょうNO.4 じゅうそう回収かいしゅうしゃベースの車両しゃりょうに88しき円筒えんとうがたキャニスターが搭載とうさいされている
  7. ^ 誘導ゆうどう武器ぶき開発かいはつ調達ちょうたつ現状げんじょう 平成へいせい23ねん5がつ” (PDF). 防衛ぼうえいしょう経理けいり装備そうびきょくシステム装備そうび. 2019ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  8. ^ 陸自りくじ新型しんがたたいかんミサイルを熊本くまもと集中しゅうちゅう配備はいび 南西なんせい防衛ぼうえい強化きょうか. 産経さんけいニュース. (2014ねん6がつ15にち). オリジナルの2014ねん6がつ15にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140615083813/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140615/plc14061506300003-n1.htm 
  9. ^ 予算よさん概要がいよう防衛ぼうえいしょう
  10. ^ 平成へいせい29年度ねんど くに防衛ぼうえい予算よさん” (PDF). 防衛ぼうえいしょう. 2019ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  11. ^ 12しきたいかん誘導ゆうどうだんあらためおよ哨戒しょうかいようしんそらたいかん誘導ゆうどうだん”. 防衛ぼうえいしょう. 2018ねん12月14にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2019ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  12. ^ 防衛ぼうえいりょく抜本ばっぽんてき強化きょうか進捗しんちょく予算よさん れい7年度ねんど概算がいさん要求ようきゅう概要がいよう
  13. ^ あらたなミサイル防衛ぼうえいシステムの整備せいびとうおよびスタンド・オフ防衛ぼうえい能力のうりょく強化きょうかについて (PDF) れい2ねん12月18にち 国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎ決定けってい 閣議かくぎ決定けってい
  14. ^ a b れい2年度ねんど 政策せいさく評価ひょうかしょ事前じぜん事業じぎょう評価ひょうか)12しきたいかん誘導ゆうどうだん能力のうりょく向上こうじょうがた (PDF) 防衛ぼうえいしょう
  15. ^ a b れい3年度ねんど 政策せいさく評価ひょうかしょ事前じぜん事業じぎょう評価ひょうか)12しきたいかん誘導ゆうどうだん能力のうりょく向上こうじょうがたはつがたかんはつがた空発くうはつがた 防衛ぼうえいしょう
  16. ^ “《独自どくじ》「国産こくさんトマホーク」開発かいはつ射程しゃてい2せんキロの新型しんがたたいかんだん 12しきは1500キロに延伸えんしん. 産経新聞さんけいしんぶん. (2020ねん12月29にち). https://www.sankei.com/article/20201229-IJSI3I2G35PKXLKSEGF4FR76JA/ 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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