1972年 札幌 オリンピックの開会 式
1972
概要
[開会 式 の冒頭 、「札幌 オリンピック祝典 序曲 『白銀 の祭典 』」(作曲 :矢代 秋雄 )演奏 。各 参加 国 の国旗 を競技 場 の観客 席 の最 後段 にあるポールに掲揚 。昭和 天皇 ・香 淳 皇后 がロイヤルボックスに着席 。日本 国歌 「君 が代 」演奏 。入場 行進 。3曲 の入場 行進曲 の演奏 にのせて、アイスブルーの衣装 を着用 した北海道 ・札幌 市 内 の女子 大学生 が国名 のプラカード(黒地 に白 文字 の英語 表示 )を持 って先導 しつつ、各国 選手 団 が入場 した。真駒内 屋外 競技 場 の東 ゲートより入場 。スピードスケート用 のリンク(一周 440m、幅 16m)を橋 で横断 し、内側 に敷 かれた幅 7mの白 いカーペットの上 を行進 した。この当時 は入場 行進 前 のアトラクションはなかった。オリンピック発祥 の地 であるギリシャを先頭 に英語 のアルファベット順 に入場 。ギリシャがフィールドの中央 に整列 し、その後 は東側 と西側 に交互 に整列 。最後 に入場 した日本 選手 団 が東側 のもっとも外側 に整列 し、これをもって全 ての選手 団 の入場 が完了 した。〈行進曲 〉①「札幌 オリンピック・マーチ『白銀 の栄光 』」(作曲 :山本 直純 )②「純白 の大地 」(作曲 :古関 裕 而)③「虹 と雪 」(作曲 :岩 河 三郎 ・村井 邦彦 )植村 甲 午 郎 札幌 オリンピック組織 委員 会 会長 挨拶 。
我々 の長 きにわたる宿願 が叶 って、札幌 オリンピック冬季 大会 は、本日 から11日間 、ここに開催 されます。東京 に、アジアで初 めての聖火 が点 じられてから約 8年 。再 び、聖火 がわが国 にともされるこの日 を、札幌 市民 はもとより全日本 国民 は深 い感激 をもって迎 えております。我々 は、オリンピックに象徴 されるスポーツの栄光 が、世界 の平和 と、人類 の友好 ・親善 のために、永遠 に貢献 することを信 じ、かつ祈 っております。第 11回 冬季 オリンピック札幌 大会 は、アジアで初 めて開催 される冬季 大会 であるにもかかわらず、幸 いにも、このように多数 の選手 団 の参加 をみましたことは、誠 に欣快 に堪 えません。この機会 に、長期間 にわたって国際 オリンピック委員 会 の会長 として、近代 オリンピックの精神 の昂揚 に尽 くしておられる、アベリー・ブランデージ会長 から天皇陛下 に、札幌 オリンピック冬季 大会 の開会 宣言 を要請 していただきたく、お願 いいたします。
- アベリー・ブランデージ
国際 オリンピック委員 会 (IOC)会長 挨拶 。※最後 に昭和 天皇 に日本語 での開会 宣言 をお願 いする。
(英語 で)5年間 にわたる準備 を終 えて、札幌 は今日 、ウィンタースポーツの世界 の首都 になりました。組織 委員 会 が用意 してくださった素晴 らしい競技 施設 は、準備 万 端 整 っています。天候 にも恵 まれますように。フェアプレーと、スポーツマンシップをうたったオリンピック憲章 が全 ての競技 に生 かされ、選手 の皆 さんが自分 のプレーに誇 りを持 つことを願 ってやみません。(日本語 で)私 は、天皇陛下 に第 11回 冬季 オリンピック札幌 大会 の開会 宣言 をお願 いすることを、光栄 に存 じます。
昭和 天皇 開会 宣言 (午前 11時 36分 )。
私 は、ここに第 11回 冬季 オリンピック札幌 大会 の開会 の宣言 をします。
- ファンファーレ(
作曲 :三善 晃 )演奏 。聖火 台下 で陸上 自衛隊 音楽 隊 が演奏 する。 - 「オリンピック
賛歌 」(作曲 :スピロ・サマラ、訳詞 :野上 彰 )合唱 のうちに西 ゲートから陸上 自衛隊 員 8人 が五輪 旗 を持 って入場 。旗 はメインスタンド前 を横切 って直進 し、東 の隅 に立 つメインポールに旗 を取 り付 け、そのまま高 く掲揚 する。 - オスロ
旗 の引継 ぎ。東 ゲートから、札幌 市内 の女子 中学生 による鼓笛隊 に先導 されて、フランスの女子 滑降 選手 が前回 開催 都市 グルノーブルの子供 たちとともにオスロ旗 を持 って入場 。西 ゲートからも、鼓笛隊 の先導 で札幌 の子供 たちが入 ってくる。音楽 隊 が演奏 するコラールの中 、オスロ旗 はまずグルノーブル市 のデュブドウ市長 に渡 される。旗 は、そのままIOCのブランデージ会長 へ、そして、札幌 市 の板垣 武四 市長 に手渡 された。この瞬間 、競技 場 の外 では、自衛隊 の祝砲 隊 が105ミリ榴弾 砲 で祝砲 を3発 発射 。この当時 、開催 都市 に順番 に引 き継 がれるオスロ旗 は開会 式 でその開催 都市 に渡 されていた。次 の回 まで札幌 が持 って、インスブルック五輪 開会 式 で板垣 市長 がインスブルックに引 き渡 している。現在 のように閉会 式 で次回 開催 都市 に引 き渡 すことになったのは1988年 のカルガリー五輪 からである。 聖火 の入場 。高校 1年生 の辻村 いずみがトーチを掲 げながら東 ゲートより入場 。フィギュアスケート用 の白 い衣装 で、大 歓声 の中 、トーチを掲 げて氷上 を滑走 。リンクを3/4周 した後 、バックスタンドの下 で待 つ最終 ランナー、同 じく高校 1年生 の高田 英 基 にトーチを渡 した。16歳 の最終 ランナーは史上 最年少 。スタジアムの中 で聖火 リレーが行 われたのも初 めてだった。聖火 台 へ続 く103段 の階段 を一気 に駆 け上 り、午前 11時 49分 、柳 宗 理 がデザインした三日月 形 の聖火 台 に点火 。場内 の盛 り上 がりは最高潮 に達 した。- 「
開会 式 賛歌 『いまここに我 等 』」(作詞 :谷川 俊太郎 、作曲 :間宮 芳生 )演奏 。 風船 スケーター入場 。「スケーターワルツ」(作曲 :古関 裕 而)の演奏 に合 わせ、スケートをはき、色 とりどりの風船 を手 にした札幌 市内 の小学生 848人 が東西 両 ゲートから登場 。軽快 な3拍子 のリズムに乗 って、リンクを滑 る。中 には、滑 れずに転 ぶ子 もいて、選手 やスタンドの笑 いを誘 う。聖火 点火 の緊張 感 から一転 、楽 しく和 やかな雰囲気 に包 まれた。各国 選手 団 の旗手 が国旗 を掲 げながら式台 前 に整列 。選手 宣誓 。日本 選手 団 の鈴木 恵一 (スピードスケート)が行 う。
私 は、すべての競技 者 の名 において、オリンピック競技 大会 の規約 を尊重 し、スポーツの栄光 とチームの栄誉 のため、真 のスポーツマン精神 をもって、大会 に参加 することを誓 います。選手 代表 鈴木 恵一 。
審判 員 および役員 宣誓 。日本 選手 団 の浅木 文雄 審判 員 が行 う。
私 は、ここに、全 審判 員 及 び役員 の名 において、オリンピック競技 大会 の規約 を尊重 し、真 のスポーツマン精神 をもって、この大会 の各 競技 を、公平 無私 に審判 することを誓 います。審判 員 および役員 代表 浅木 文雄 。
二 つの宣誓 が終 わると同時 に、風船 スケーターたちが風船 を空 に放 つ。18,000個 の風船 が快晴 の空 に舞 い上 がる。日本 国歌 「君 が代 」斉唱 。- 5
色 の煙火 を打 ち上 げ。 昭和 天皇 ・香 淳 皇后 がロイヤルボックスから退席 。選手 団 退場 。
来賓
[- メイン
州 知事 ケネス・カーティス(Kenneth M. Curtis) - アベリー・ブランデージ
国際 オリンピック委員 会 (IOC)会長 - ダーワード・G・ホール (Durward Gorham Hall)
下院 議員 - ウィリアム・J・ブライアン・ドーン (William Jennings Bryan Dorn)
下院 議員 - トム・ベビル (Tom Bevil)
下院 議員 - マニュエル・ルハン(Manuel Lujan Sr.)
下院 議員 両 陛下 - スピロ・アグニュー
アメリカ合衆国 副 大統領 - 彭孟緝
駐 日 中華民国 大使
出典
[参考 文献
[- 『
第 11回 オリンピック冬季 大会 札幌 市 報告 書 』(札幌 市 総務 局 オリンピック整理 室 編 )1972年 12月 - 『アサヒグラフ
特別 増大 号 札幌 オリンピック冬季 大会 』(朝日新聞社 )1972年 2月 - 『さっぽろ
文庫 16冬 のスポーツ』(札幌 市 教育 委員 会 編 /北海道新聞社 )1981年