(Translated by https://www.hiragana.jp/)
awakening (佐藤博のアルバム) - Wikipedia コンテンツにスキップ

awakening (佐藤さとうひろしのアルバム)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
『awakening / HIROSHI SATO featuring Wendy Matthews』
佐藤さとうひろしスタジオ・アルバム
リリース
録音ろくおん
  • 1982ねん2がつ1にち (1982-02-01) - 4がつ28にち
  • ALFA STUDIO “A”
時間じかん
レーベル アルファレコード
プロデュース 佐藤さとうひろし
佐藤さとうひろし アルバム 年表ねんぴょう
  • ORIENT
  • (1979ねん (1979)
  • awakening / HIROSHI SATO featuring Wendy Matthews
  • (1982ねん (1982)
テンプレートを表示ひょうじ

awakening / HIROSHI SATO featuring Wendy Matthews』(アウェイクニング ヒロシ・サトウ・フィーチャリング・ウェンディ・マシューズ)は、1982ねん6がつ21にちアルファレコードから発売はつばいされた佐藤さとうひろし4さくオリジナル・アルバム

背景はいけい

[編集へんしゅう]

佐藤さとうひろしは1975ねん鈴木すずきしげるハックルバックをきっかけにキーボーディストとして上京じょうきょうする。もともとは京都きょうと関西かんさい音楽おんがくシーン、ライブハウス拾得しゅうとくなどで「オリジナル・ザ・ディラン」のキーボーディストとしてをはせていた。

ハックルバック解散かいさんの1976ねんにレコード会社かいしゃ日本にほんコロムビア)からソロだいいちさく発売はつばいシンガーソングライターとしてソロ・デビューする。

みずからの作品さくひん世界せかいをシンガーソングライターとして発表はっぴょうしていきたい佐藤さとうであったが、実態じったいスタジオ・ミュージシャン、ピアニストやキーボーディストという演奏えんそうしゃとしての活動かつどうばかりとなり、徐々じょじょにギャラはたかくなる一方いっぽうで、みずからの制作せいさくしたい音楽おんがく追求ついきゅうがままならなくなりまっていく焦燥しょうそうかんられていた。そこで1979ねんみなみ佳孝よしたか『SPEAK LOW』(1979ねん6がつ21にち (1979-06-21)、25AH-733)のレコーディングに参加さんか、それまでのすう年間ねんかん資金しきんたくわみずからの納得なっとくできるグルーヴ(リズム)を追求ついきゅうするという目的もくてきって渡米とべいする。

渡米とべい

[編集へんしゅう]

渡米とべいいたった心境しんきょう以下いかとお吐露とろしている。

まさに(ソロ・デビュー)2、3ねんからどんどん煮詰につまりしたんです。一方いっぽう、スタジオ・ミュージシャンとしてやる仕事しごとのほとんどは、歌謡かようきょく歌謡かようポップスのようなもので、ぼくはそういうものにはあまり関心かんしんてなかった。ギャラはだんだんくなったけれど、るのはそんな仕事しごとばかりで。このまま東京とうきょうでスタジオ・ミュージシャンとしてやっていくのはえられないという理由りゆうでアメリカ移住いじゅうめたんです[1]
自分じぶんはスタジオ・ミュージシャンをやるために東京とうきょうたのでもないし、ましてや音楽おんがくはじめたのではない。アメリカへきたかったというよりは日本にっぽんたいというほうおおきかったですね[2]
日本にっぽん音楽おんがく状況じょうきょう、ジャズ、クラシック、ニュー・ミュージック、R&B、あらゆるジャンルが猿真似さるまねいきをでてないとおもっていた。それにたいする抵抗ていこうがすごくあったから、自分じぶんだけは過去かこ影響えいきょうけないオリジナリティがあるものを追求ついきゅうしたいというおもいがつよかった。それでよけいぼくが影響えいきょうけたビートルズやジャズを排除はいじょしようとしたんですね。そうすればするだけ自分じぶんのやりたいことがえにくくなるし、範囲はんいがせばまってくる。それでアルバムを2まいつくったあと、このまま日本にっぽん音楽おんがくをつづけていくのは精神せいしんてきにもたない、自分じぶんのアルバムなのに心底しんそこたのしんでない。これはあたまやしに日本にっぽんからなければいけないとおもってロスにいったんです[3]

佐藤さとうによると当時とうじ貨幣かへい価値かちで1000まんえんちかくのたくわえをって渡米とべいしたものの、いざ生活せいかつ基盤きばんをゼロからきずきあげるためには、すう年間ねんかんごそうとおもってたくわえたおかね生活せいかつのみならず自家用車じかようしゃ購入こうにゅうなどの費用ひようかさみ1ねんたずに資金しきんそこをつきそうになったとのこと

このころマリア・マルダーエイモス・ギャレットといった現地げんちのミュージシャンといセッションに参加さんかするようになる[1]。そんななか、ちょうど1980ねんに(佐藤さとう恩人おんじんのひとり)アルファレコード社長しゃちょう村井むらい邦彦くにひこYMO以外いがいにもA&Mレコードとの業務ぎょうむ提携ていけいもあり、アルファレコードの現地げんち法人ほうじんであるアルファ・アメリカを設立せつりつしていた。

そこで佐藤さとう村井むらい相談そうだんし、アルファ・アメリカの専属せんぞくアーティストけんプロデューサーとしてはたらくことになった[1]

帰国きこく

[編集へんしゅう]

1981ねん、ロジャー・リンが発明はつめいしたリンドラムLINN LM-1に出合であう。この機材きざいはそれまでのリズムマシンとちがい、PCM音源おんげんのサンプリングしたドラムの音色ねいろ使つかってみずからリズムパターンをプログラミングによってつくれる機材きざいであり、これがあればみずからがおもかぶドラミングをプログラミングによって制作せいさくできると佐藤さとう解釈かいしゃくし、以下いかのようにかたっている。

じつ日本にっぽんかえおおきなきっかけの1つになったのが、Roger LinnのつくったLinn Drum LM-1だったのです。サンプリングをもちいたはじめてのドラム・マシンですね。ぼくはそのおとハービー・ハンコックの『Mr. Hands』かなんかでいてぶったまげた。それで“これを使つかえば日本にっぽんでもアルバムがつくれる!”とおもったわけですよ。これを使つかって海外かいがいのミュージシャンにたよらなくても、自分じぶんもとめるドラム・サウンドは明確めいかくなので、めばできるとおもったんですね。むしろハービーよりカッコいいリズム・パターンをオレはっているぞと(笑)[1]
これでぼく1人ひとり多重たじゅう録音ろくおんをやってきたころおなじスタイルで音楽おんがくつくれるとおもった。本当ほんとう意味いみでの自分じぶんのスタイルっていうか、きだった多重たじゅう録音ろくおん延長線えんちょうせんじょうでのアルバムづくりができるなというのが(帰国きこくの)一番いちばんのきっかけだったんです[4]
それで(アルファレコードの社長しゃちょうの)村井むらい邦彦くにひこさんに“ギャラのわりにLM-1ってください”と無理むりやりおねがいして、つくったのが『awakening』。だからこの作品さくひんにはドラマーが一切いっさい参加さんかしていない。すべてLM-1でつくったんです[1]
それまでは、日本にっぽんかえってまた以前いぜんおなじようなことをするのもいやだなあ、とらない気持きもちだったので、Roger Linnに(帰国きこくの)背中せなかしてもらったようなものですね[2]

納得なっとくできるドラマーとの出会であいをももとめたすえでの渡米とべいだった佐藤さとうにとって、この機材きざい帰国きこくへの後押あとおしをしてくれたとのことであり、事実じじつ佐藤さとうは1982ねん帰国きこくする。

録音ろくおん

[編集へんしゅう]

1982ねん帰国きこくした佐藤さとうであるが、アメリカでほんさくの「デモテープ」制作せいさくしており、それをたずさえての帰国きこくであった。ほんさくのマスター・テープは、デジタルマスターである[5]。3Mしゃのデジタル・マスタリング・システムで、1982ねんの2がつより制作せいさくはじまり、1982ねんの4がつ28にち終了しゅうりょうした[5]

録音ろくおん東京とうきょうみなとまちにあったALFA STUDIO “A”でおこなわれ、マスタリングは横浜よこはま神奈川かながわにあるJVC/日本にほんビクター株式会社かぶしきがいしゃのJVC CUTTING CENTERでしょうてつてっによりおこなわれた[5]

作品さくひん

[編集へんしゅう]

自分じぶんでも、前々まえまえからつくりたいとおもっていたものに一番いちばん近付ちかづけました[1]

ほかのミュージシャンと一緒いっしょにやると、自分じぶん意思いし徹底てっていしたいという意味いみではどうしてもめられない部分ぶぶんがあって、それがジレンマになっていた[1]

リンドラムLINN LM-1を使つかうことで、京都きょうと時代じだい多重たじゅう録音ろくおんのころとおな感覚かんかくもどれたんです。自分じぶんにはこれがっているとおもいました[1]

収録しゅうろくきょく

[編集へんしゅう]
ぜん編曲へんきょく: 佐藤さとうひろし[6]
#タイトル作詞さくし作曲さっきょく時間じかん
1.AWAKENING(覚醒かくせい 佐藤さとうひろし
2.YOU'RE MY BABYLORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
3.BLUE AND MOODY MUSICLORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
4.ONLY A LOVE AFFAIRLORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
5.LOVE AND PEACE Arthur K. Adams
6.FROM ME TO YOUMcCartney - LennonMcCartney - Lennon
7.I CAN'T WAITLORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
8.IT ISN'T EASYLORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
9.AWAKENING 佐藤さとうひろし
10.SAY GOODBYELORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
11.BLUE AND MOODY MUSIC (WENDY'S VERSION)LORRAIN FEATHER[6]佐藤さとうひろし[6]
合計ごうけい時間じかん:

使用しよう機材きざい

[編集へんしゅう]

AWAKENING(覚醒かくせい

[編集へんしゅう]
  • ROLAND JUPITER-8, ACOUSTIC PIANO[7]

YOU'RE MY BABY

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, EMULATER, ROLAND JUPITER-8, KORG PS-3200, FENDER RHODES[7]

BLUE AND MOODY MUSIC

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, VOCODER, ROLAND JUPITER-8, ACOUSTIC PIANO, FENDER TELECASTER[7]

ONLY A LOVE AFFAIR

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, ROLAND JUPITER-8, FENDER RHODES, ACOUSTIC PIANO, FENDER TELECASTER[7]

LOVE AND PEACE

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, SEQUENTIRL CIRCUITS PROPHET-5, FENDER RHODES, ACOUSTIC PIANO, FENDER TELECASTER[7]

FROM ME TO YOU

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, ROLAND JUPITER-8, SYNCLAVIER II, KORG PS-3200, FENDER RHODES, FENDER TELECASTER[7]

I CAN'T WAIT

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, ROLAND JUPITER-8, FENDER RHODES, FENDER TELECASTER[7]

IT ISN'T EASY

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, ROLAND JUPITER-8, KORG PS-3200, SEQUENTIRL CIRCUITS PROPHET-5, N.V.EMINENT SOLINA STRING ENSAMBLE, FENDER RHODES, ACOUSTIC PIANO[7]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, ROLAND JUPITER-8, SYNCLAVIER II, SEQUENTIRL CIRCUITS PROPHET-5, KORG PS-3200, FENDER RHODES, FENDER TELECASTER[7]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, VOCODER, ROLAND JUPITER-8, SEQUENTIRL CIRCUITS PROPHET-5, SYNCLAVIER11, YAMAHA CS-10, FENDER RHODES[7]

BLUE AND MOODY MUSIC (WENDY'S VERSION)

[編集へんしゅう]
  • LINN LM-1, SEQUENTIAL CIRCUITS PRO-ONE, EMULATER, ROLAND JUPITER-8, KORG PS-3200, FENDER RHODES[7]

演奏えんそうしゃクレジット

[編集へんしゅう]

AWAKENING(覚醒かくせい

[編集へんしゅう]

YOU'RE MY BABY

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – ボーカル、キーボード、プログラミング
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル[7]

BLUE AND MOODY MUSIC

[編集へんしゅう]

ONLY A LOVE AFFAIR

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – ボーカル、キーボード、プログラミング、FENDER TELECASTER
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル[7]

LOVE AND PEACE

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – キーボード、プログラミング[7]

FROM ME TO YOU

[編集へんしゅう]

I CAN'T WAIT

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – ボーカル、キーボード、プログラミング
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル
  • 松木まつきひさししげる  – IBANEZ LR-10[7]

IT ISN'T EASY

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – ボーカル、キーボード、プログラミング、FENDER TELECASTER、アコースティック・ギター
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル[7]
  • 佐藤さとうひろし  – キーボード、プログラミング[7]
  • 佐藤さとうひろし  – ボーカル、キーボード、プログラミング
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル
  • 山下やました達郎たつお  – FENDER TELECASTER[7]

BLUE AND MOODY MUSIC (WENDY'S VERSION)

[編集へんしゅう]
  • 佐藤さとうひろし  – キーボード、プログラミング
  • WENDY MATTHEWS  – ボーカル
  • 山下やました達郎たつお  – FENDER TELECASTER
  • 鳥山とりやま雄司ゆうじ  – FENDER TELECASTER SPECIAL[7]

リリース履歴りれき

[編集へんしゅう]
# リリース 規格きかく 品番ひんばん 備考びこう
1 1982ねん6がつ21にち (1982-06-21) LP ALR-28036 ぜん10きょく(M-11収録しゅうろく
2 1986ねん8がつ25にち (1986-08-25) CD 32XA-91 はつCD
3 2005ねん9がつ21にち (2005-09-21) MHCL648 リマスター+リミックス再発さいはつ
4 2014ねん12がつ10日とおか (2014-12-10) 2BSCD2 MHCL30275/6
5 2019ねん11月3にち (2019-11-03) LP MHJL106 Clear Blue Vinyl(透明とうめいブルー)による完全かんぜん生産せいさん限定げんていアナログばんぜん10きょく

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h 『キーボード・マガジン』2008ねん4がつごう
  2. ^ a b 『キーボード・マガジン』2004ねん10がつごう
  3. ^ 『ADLIB』1995ねん6がつごう
  4. ^ 『プレイヤー』2005ねん11がつごう
  5. ^ a b c 32XA-91
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o awakening special edition』(2014ねん12がつ10日とおか (2014-12-10)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v http://www.hiroshi-sato.com/album/awakening.html

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
SonyMusic