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BitTorrent DNA

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

BitTorrent DNA(ビットトレント・ディエヌエー、bittorrent delivery network accelerator)は、べいビットトレントしゃ開発かいはつしたインターネット環境かんきょう使用しようされるP2P(ピア・トゥー・ピア、peer to peer)がたのコンテンツ配信はいしんようソフトウェアである。すでに世界中せかいじゅう広汎こうはん利用りようされているP2PようソフトウェアであるBitTorrentをベースに、おも動画どうが共有きょうゆうサービス使用しようされることを想定そうてい商業しょうぎょう利用りよう可能かのうなように改良かいりょうされ、2007ねんまつあらわれたあたらしいインターネットようP2Pソフトウェアである。

特徴とくちょう

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  • 動画どうがサーバアクセス集中しゅうちゅうしない
    • コンテンツ・データは細分さいぶんされハッシュ管理かんりされた「ピース」となって、分散ぶんさんされた「ピア」PCじょう格納かくのうされている
    • 「DNAクライアント」は多数たすうのピアPCとのあいだ多数たすうのセッションをって、同時どうじ複数ふくすうのピースをダウンロードする
  • 動画どうがサーバからはオリジナル・データの一部いちぶピースがかくピアPCに送信そうしんされるように設定せっていできるので、特定とくてい断片だんぺんだけがけるといった従来じゅうらいのBitTorrentでの問題もんだい発生はっせいしない
  • ユーザーPCじょうにDNAクライアント・ソフトをインストールしたのちは、ポート開放かいほうや「トレント・ファイル」といったP2Pでの動作どうさ意識いしきする必要ひつようがなくなり、(無料むりょう場合ばあいは)Webページをクリックするだけで
    • 80ばんポートを使つか
    • DNAクライアントはHTTPのローカル・プロキシとしてバックグランドで動作どうさする
  • DNAクライアントへの配信はいしん開始かいしは、トレント・ファイルを送信そうしんする「トラッカ」がわ管理かんりできる

動画どうが配信はいしん現状げんじょう今後こんご

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これまでの動画どうが配信はいしんサービス環境かんきょう

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アクトビラGyaOのような商業しょうぎょうベースでの有料ゆうりょう無料むりょう動画どうが配信はいしんサービスはいくつかあり、また、YouTubeニコニコ動画どうがのような投稿とうこう動画どうがコンテンツの配信はいしんもインターネット・ユーザーの支持しじあつめている。これらだい容量ようりょうファイルの配信はいしん環境かんきょうは、通信つうしん占有せんゆう負荷ふかだけでなく配信はいしんもとサーバの負荷ふかおおきなものとなるため、ユーザーに安定あんていして配信はいしんするためのだい規模きぼ設備せつび投資とうし負担ふたんおおきくなっており、結果けっかとしてこう解像度かいぞうどびょうあたりの画像がぞう枚数まいすうおお動画どうがあつかえない状況じょうきょうにある。

動画どうがサーバへのアクセスの集中しゅうちゅう回避かいひするためにかんがえられたIPマルチキャストのようなあたらしい技術ぎじゅつ使用しようするためには、現在げんざいのインターネットを構成こうせいしているおおくの通信つうしん機器きき対応たいおうするあたらしいものとえねばならず、主要しゅようなインターネット通信つうしん環境かんきょう保有ほゆうするプロバイダ各社かくしゃが、それほどの投資とうし見合みあったメリットをほとんどられない現状げんじょうでは、すぐに解決かいけつできるとはかんがえられない。

アナログ動画どうが衰退すいたい

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上記じょうき動画どうが配信はいしんサービスの拡大かくだいくわえて、将来しょうらい地上波ちじょうはアナログ放送ほうそうとまなみやインターネットこう接続せつぞく増加ぞうか、VHSビデオの衰退すいたい、TV放送ほうそうチャンネル番組ばんぐみ著作ちょさくけんのメディア・フリーH.264デコーダの一般いっぱん、NHKやTokyo MXのようなTV放送ほうそうきょくのネット進出しんしゅつiPod touchのような携帯けいたい動画どうが端末たんまつ普及ふきゅう、NTT各社かくしゃNGN次世代じせだいネットワーク)計画けいかくなど、デジタル・データによるこう解像度かいぞうどだい画面がめん動画どうがコンテンツの普及ふきゅう加速度かそくどをつけて増加ぞうかしており、一部いちぶにはいまある地上波ちじょうはTV番組ばんぐみのかなりの視聴しちょう時間じかんは、将来しょうらいインターネット配信はいしんなどのメディアがうばうのではないかという意見いけんもある[1]

将来しょうらいのP2Pによるコンテンツ配信はいしん

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BitTorrent DNAのようなP2Pによるコンテンツ配信はいしん今後こんご普及ふきゅうすれば、以下いかのような効果こうかられる。

  • ユーザーがわでは、おおくのひと使用しようするほど安定あんていし、人気にんきがあるコンテンツほどダウンロードがより高速こうそくになる。
  • コンテンツの配信はいしん事業じぎょうしゃがわでは、配信はいしん設備せつびやすのではなくむしろすでにある設備せつび過剰かじょうになるくらいに配信はいしんサーバの負担ふたんかるくなる。
  • プロバイダがわでも特段とくだん対応たいおうもとめられない。ただし、だい容量ようりょうデータ配信はいしんによる通信つうしんへの負担ふたんすので対応たいおう必要ひつようになる可能かのうせいがある。

現状げんじょうではサーバ増設ぞうせつやネットワーク機器きき更新こうしんによる販売はんばい機会きかいることや、TV放送ほうそうなどの業界ぎょうかいなどへの影響えいきょう以外いがいでのデメリットはかんがえられない。ただ、スポーツ中継ちゅうけいのような即時そくじせいもとめられる動画どうが番組ばんぐみ配信はいしん対応たいおうには不明ふめいてんがある。すでにBitTorrent DNAにたP2PソフトにJoostがある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 大野おおの敏行としゆき野沢のざわ哲生てつおちょ 「アナログとまなみ死角しかくあり」 日経にっけいエレクトロニクス 2007ねん12月3にちごう p.47-p.65

出典しゅってん

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  • 「BitTorrent DNA」日経にっけいNETWORK 2008ねん1がつごう p.28-p.29

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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