CRIMSON (中森なかもり明菜あきなのアルバム)

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『CRIMSON』
中森なかもり明菜あきな の スタジオ・アルバム
リリース	1986年ねん12月24日にち
録音ろくおん	1986年ねん7月がつ
ジャンル	ポップ・ミュージック
時間じかん	44分ふん36秒びょう
レーベル	ワーナー・パイオニア
チャート最高さいこう順位じゅんい
1位い（オリコン） 1987年度ねんど年間ねんかん3位い（オリコン）
ゴールドディスク
第だい29回かい日本にっぽんレコード大賞たいしょう 優秀ゆうしゅうアルバム賞しょう
中森なかもり明菜あきな アルバム 年表ねんぴょう
『不思議ふしぎ』 （1986年ねん） 『CRIMSON』 （1986年ねん） 『CD'87』 （1987年ねん）

『CRIMSON』（クリムゾン）は、日本にっぽんの歌手かしゅ中森なかもり明菜あきなの10枚まい目めのスタジオ・アルバム。このアルバムは1986年ねん12月24日にちにワーナー・パイオニアよりリリースされた (LP: L-12650, CT: LKF-8150, CD: 32XL-190)。

背景はいけい

『CRIMSON』は、中森なかもりにとって前作ぜんさく『不思議ふしぎ』に続つづく1986年ねん発表はっぴょうの2枚まい目めとなるスタジオ・アルバムで、前作ぜんさくからおよそ4か月げつ振ふりとなる同年どうねん12月がつ24日にちにLP (L-12650) とコンパクトカセット (LKF-8150) とCD (32XL-190) の3形態けいたいで同時どうじ発売はつばいされた通算つうさん10枚まい目めにあたるスタジオ・アルバムである。本ほん作さくも『不思議ふしぎ』と同様どうようにシングル楽曲がっきょくは収録しゅうろくしていない。このアルバムタイトルのCRIMSONとは「深紅しんくの」という意味いみを表あらわし、オリコンは「それはサンセットの焼やけた海うみと空そらの色いろ、それはしっとり濡ぬれた口唇こうしんの色いろ、アフター・ファイブのドレスの色いろ。」とタイトルイメージを解説かいせつしている。

このアルバムでは、小林こばやし明子あきこと竹内たけうちまりやからそれぞれ5曲きょく提供ていきょうを受うけた。これは女性じょせい作家さっか陣じんによる女性じょせい的てきな温あたたかみや、優美ゆうびさをテーマにしたいとのコンセプトにより、小林こばやしと竹内たけうちに楽曲がっきょく提供ていきょうを依頼いらいしたものであった。ディレクターの藤倉ふじくら克己かつみは本ほん作さくについて、「20歳さいすぎの女性じょせいが誰だれでも経験けいけんしそうな物語ものがたりという事ことを意識いしきしています。」と説明せつめいし、ニューヨークあるいは日本にっぽんでは例たとえるならば東急東横とうきゅうとうよこ線せんの地域ちいきで暮くらすオフィスレディをイメージしていると述のべた。

このアルバムのレコーディングは、1986年ねん7月がつより開始かいしされた。このアルバムに収録しゅうろくされている楽曲がっきょくのうち、10曲きょく目めとして配置はいちされた「ミック・ジャガーに微笑ほほえみを」を除のぞき、全曲ぜんきょくで歌唱かしょう法ほうを統一とういつしている。「ミック・ジャガーに微笑ほほえみを」についてディレクターの藤倉ふじくらは、アルバム全体ぜんたいの中なかでこの楽曲がっきょくのみ肌合はだあいの異ことなるもので、どのようにしてアルバムに取とり入いれるかを取とり組くんだ末すえにSE処理しょりを施ほどこし、「明菜あきなが自分じぶんの部屋へやにいるような設定せっていにして、カセットの中なかから流ながれてくる曲きょくという設定せっていにしたんです。」と解説かいせつしている。この部屋へやのSEは実際じっさいに中森なかもりの部屋へやで録音ろくおんされたものであった。なお、この曲きょくのオリジナルバージョンは、1993年ねん11月がつ10日とおかにリリースされた企画きかくアルバム『AKINA』（CD: WPCL-770〜773）に収録しゅうろくされている。

発売はつばい後ごの翌年よくねんの1987年ねん7月がつ11日にちからは、本ほん作さくを引ひっ提さげた全国ぜんこくコンサート・ツアー『A HUNDRED days』が開催かいさいされた。また、本ほん作さく収録しゅうろく曲きょくは音楽おんがく番組ばんぐみでも披露ひろうされ、1987年ねん2月がつからマンスリー出演しゅつえんしたフジテレビ系けい音楽おんがく番組ばんぐみ『夜よるのヒットスタジオDELUXE』の1987年ねん2月がつ18日にちのマンスリー3週しゅう目めで「約束やくそく」を、同年どうねん4月がつ29日にち放送ほうそうの同どう番組ばんぐみで「OH NO, OH YES!」を、また、同年どうねん5月がつ20日はつか放送ほうそうの同どう番組ばんぐみで「ミック・ジャガーに微笑ほほえみを」を披露ひろうした。中森なかもりがワーナーを離籍りせきした後のちも、1993年ねん3月がつ31日にちに放送ほうそうされた『夜よるのヒットスタジオ・リターンズスペシャル』で本ほん作さく収録しゅうろくの「駅えき」を披露ひろうした。この「駅えき」は、2002年ねん12月発売はつばいの中森なかもりのセルフカバー・ベスト・アルバム『Akina Nakamori〜歌姫うたひめダブル・ディケイド』にて新しん録ろくしている。

昨今さっこんのシティポップ、アナログ盤ばんブームで本ほん作さくは再さい評価ひょうかされて人気にんき盤ばんとなっており、アナログ盤ばんはプレミア価格かかくで取とり引ひきされている。

批評ひひょう

『CDジャーナル』は本ほん作さくについて、女性じょせいシンガーとして相当そうとうな存在そんざいとなった中森なかもりの安定あんてい感かんと際きわどさにより、ゆとりを持もってロックやジャズをして織おりなされた作風さくふうは、気取きどりのない華はなやかな「シティ・ポップス」であったと指摘してきし、肯定こうてい的てきな評価ひょうかをした。オリコンは、「ミックジャガーに微笑びしょうを」を除のぞく全曲ぜんきょくの中森なかもりの歌唱かしょうについて、フェミニンなソフトさと表現ひょうげんすべきか、「力ちからを抜ぬいた囁ささやきにも似にた歌うたい方かたに終始しゅうししている。」と指摘してきし、前作ぜんさく『不思議ふしぎ』ではヴォーカルを過度かどに絞しぼられたミキシングであったが、『CRIMSON』では歌唱かしょうは前面ぜんめんに出でているものの、「捉とらえどころのない浮遊ふゆう感かんは前作ぜんさくに引ひき続つづき全体ぜんたいに流ながれている。」と批評ひひょうした。

評価ひょうか

『CRIMSON』は、オリコン週間しゅうかんLP&TAPESチャートの1987年ねん1月がつ12日にち付づけで初はつ登場とうじょうし最高さいこう順位じゅんい1位いを記録きろくし、翌週よくしゅうの1987年ねん1月がつ19日にちでも1位いを獲得かくとくした。1987年ねん1月がつ12日にち付づけが2週しゅう分ぶんの合算がっさん週しゅうであったことにより、通算つうさんでは3週しゅう連続れんぞくとなる1位いを獲得かくとくした。メディア別べつでは、LP盤ばんが計けい23週しゅうにわたりランクインし、カセット盤ばんが計けい22週しゅうに渡わたりランクイン、CD盤ばんが計けい21週しゅうに渡わたってオリコンチャートの100位い以内いないにランクインしている。1987年度ねんどのオリコン年間ねんかんアルバムチャートでは、3位いを記録きろくした。また本ほん作さくは、1987年ねん12月31日にちに行おこなわれた第だい29回かい日本にっぽんレコード大賞たいしょうにて優秀ゆうしゅうアルバム賞しょうを受賞じゅしょうした。

収録しゅうろく曲きょく

#	タイトル	作詞さくし	作曲さっきょく	編曲へんきょく	時間じかん
1.	「MIND GAME」	許もと瑛子えいこ	小林こばやし明子あきこ	鷺巣さぎす詩し郎ろう	4:59
2.	「駅えき」	竹内たけうちまりや	竹内たけうちまりや	椎名しいな和夫かずお	5:00
3.	「約束やくそく」	竹内たけうちまりや	竹内たけうちまりや	椎名しいな和夫かずお	4:05
4.	「ピンク・シャンパン」	三浦みうら徳子とくこ	小林こばやし明子あきこ	鷺巣さぎす詩し郎ろう	4:03
5.	「OH NO, OH YES!」	竹内たけうちまりや	竹内たけうちまりや	椎名しいな和夫かずお	4:47
6.	「エキゾティカ」	湯川ゆかわれい子こ	小林こばやし明子あきこ	鷺巣さぎす詩し郎ろう	4:49
7.	「モザイクの城しろ」	FUMIKO	小林こばやし明子あきこ	鷺巣さぎす詩し郎ろう	3:58
8.	「JEALOUS CANDLE」	吉元よしもと由美ゆみ	小林こばやし明子あきこ	鷺巣さぎす詩し郎ろう	3:52
9.	「赤あかのエナメル」	竹内たけうちまりや	竹内たけうちまりや	椎名しいな和夫かずお	4:23
10.	「ミック・ジャガーに微笑ほほえみを」	竹内たけうちまりや	竹内たけうちまりや	椎名しいな和夫かずお	4:40
合計ごうけい時間じかん:					44:36

クレジット

『CRIMSON』のライナー・ノーツより

• 撮影さつえい: 渡辺わたなべ達生たつお、塚田つかだ和徳かずのり
• MARIYA TAKEUCHI and KAZUHITO MURATA appears by the courtesy of MOON RECORDS
• SPECIAL THANKS TO COMME CA DU MODE (KIYOKO TAKASE)

リリース履歴りれき

発売はつばい日び	レーベル	規格きかく	品番ひんばん	備考びこう
1986年ねん12月24日にち	ワーナー・パイオニア	LP	L-12650
		CT	LKF-8150
		CD	32XL-190
1991年ねん7月がつ17日にち	ワーナーミュージック・ジャパン		WPCL-421	廉価れんか盤ばん、紙かみ帯たい
1996年ねん4月がつ25日にち			WPC6-8191	音おと泉いずみ1500シリーズ、Q盤ばん
2006年ねん6月がつ21日にち		CD、デジタル・ダウンロード	WPCL-10287	紙かみジャケット仕様しよう完全かんぜん生産せいさん限定げんてい盤ばん
2006年ねん7月がつ26日にち		デジタル・ダウンロード	N/A
2012年ねん8月がつ22日にち		SACD/CDハイブリッド	WPCL-11145	紙かみジャケット仕様しよう完全かんぜん生産せいさん限定げんてい盤ばん
2014年ねん1月がつ29日にち		CD	WPCL-11731	廉価れんか盤ばん、赤あか帯たい
2018年ねん7月がつ4日にち		LP	WPJL-10094	高音こうおん質しつ180g重量じゅうりょう盤ばん、初回しょかい生産せいさん限定げんてい
2023年ねん5月がつ1日にち		CD	WPCL-13476/7	オリジナル・カラオケ付づけ、2023ラッカーマスターサウンド
2023年ねん8月がつ5日にち		LP	WPJL-10186	LPカラー盤ばん(白しろ)
			WPJL-10187/8	高音こうおん質しつ45回転かいてん、2LPカラー盤ばん(赤あか＆青あお)、ボーナス・トラック付づけ

竹内たけうちまりやのセルフカバー

本ほん作さくに楽曲がっきょく提供ていきょうした竹内たけうちまりやは、「駅えき」「OH NO, OH YES!」をセルフカバーし、共ともに1987年ねんのアルバム『REQUEST』に収録しゅうろくしている。また、前者ぜんしゃは同年どうねんに「AFTER YEARS」とのカップリングでシングルカットしており、後者こうしゃは翌よく1988年ねんのシングル「元気げんきを出だして」（これもセルフカバー）のB面めんに収録しゅうろくしている。

なお、アルバム『Mariya's Songbook』の初回しょかい限定げんてい盤ばんに、「ミック・ジャガーに微笑ほほえみを」の竹内たけうちによるデモ音源おんげんが収録しゅうろくされている。また、アルバム『VARIETY -30th Anniversary Edition-』のボーナストラックに「赤あかのエナメル」の竹内たけうち自身じしんによるテイクが収録しゅうろくされている。「約束やくそく」のセルフカバーは、シングル「純愛じゅんあいラプソディ」のカップリングとして収録しゅうろくされた。後のちに『Denim』の初回しょかい限定げんてい盤ばんと、ベスト・アルバム『Turntable』にも収録しゅうろくされた。

これにより、提供ていきょう全曲ぜんきょくは、竹内たけうちまりやの作品さくひん内ないですべてセルフカヴァー（一部いちぶオリジナル）で聴きくことができる。

外部がいぶリンク

• 中森なかもり明菜あきな 「CRIMSON」|Warner Music Japan