出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう (しゃりょうそうじゅうりょう)(gross vehicle weight rating (GVWR), gross vehicle mass (GVM)
Gross vehicle weight rating )とは、自動車 じどうしゃ などにおいて最大 さいだい 定員 ていいん が乗車 じょうしゃ し、最大 さいだい 積載 せきさい 量 りょう の荷物 にもつ を積 つ んだ状態 じょうたい の自動車 じどうしゃ 全体 ぜんたい の総 そう 質量 しつりょう をいう。英語 えいご の gross vehicle weight (この weight は質量 しつりょう の意 い )を省略 しょうりゃく して「GVW 」ともいう。
日本 にっぽん の道路 どうろ 運送 うんそう 車両 しゃりょう 法 ほう は、その第 だい 40条 じょう 3号 ごう で次 つぎ のように定義 ていぎ している[ 1] 。
車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう (kg) = 車両 しゃりょう 重量 じゅうりょう (kg) + 最大 さいだい 積載 せきさい 量 りょう (kg) + 55 kg ×乗車 じょうしゃ 定員 ていいん (人 ひと )
(注 ちゅう )キログラム(kg)に替 か えて、トン(t)を単位 たんい とすることもある[ 2] 。
ここで、
車両 しゃりょう 重量 じゅうりょう (kg) = 運行 うんこう に必要 ひつよう な装備 そうび をした状態 じょうたい における自動車 じどうしゃ の重量 じゅうりょう (kg)(道路 どうろ 運送 うんそう 車両 しゃりょう 法 ほう 第 だい 40条 じょう 5号 ごう )
したがって、車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう が表 あらわ す物理 ぶつり 量 りょう は質量 しつりょう であるが、道路 どうろ 運送 うんそう 車両 しゃりょう 法 ほう は、計量 けいりょう 法 ほう の改正 かいせい により重量 じゅうりょう キログラム と重量 じゅうりょう トン が1999年 ねん に使用 しよう が禁止 きんし された以降 いこう も、質量 しつりょう の意味 いみ で、「重量 じゅうりょう 」の語 かたり を用 もち い続 つづ けている。一般 いっぱん に「重量 じゅうりょう 」という慣用 かんよう 語 ご は質量 しつりょう を表 あらわ す場合 ばあい と、荷重 かじゅう (物理 ぶつり 量 りょう としては「力 ちから 」)を表 あらわ す場合 ばあい があるので混同 こんどう しないようにしなければならない。英語 えいご の一般 いっぱん 語 ご としての weight も質量 しつりょう の意 い と荷重 かじゅう (力 ちから )の意 い の両方 りょうほう があり紛 まぎ らわしい[ 3] 。
自動車 じどうしゃ の質量 しつりょう に関 かん して、日本 にっぽん 産業 さんぎょう 規格 きかく (JIS)の「自動車 じどうしゃ 用語 ようご − 自動車 じどうしゃ の寸法 すんぽう ,質量 しつりょう ,荷重 におも 及 およ び性能 せいのう 」(JIS D 0102-1996)は、「車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう 」の語 かたり に替 か えて「自動車 じどうしゃ 総 そう 質量 しつりょう 」の語 かたり を用 もち いて、次 つぎ のように明確 めいかく に定義 ていぎ している[ 4] 。
表 ひょう 自動車 じどうしゃ 総 そう 質量 しつりょう と自動車 じどうしゃ 総 そう 荷重 かじゅう
番号 ばんごう
用語 ようご
定義 ていぎ
単位 たんい 記号 きごう
慣用 かんよう 語 ご (参考 さんこう )
対応 たいおう 外国 がいこく 語 ご (参考 さんこう )
313
自動車 じどうしゃ 総 そう 質量 しつりょう
最大 さいだい 積載 せきさい 状態 じょうたい の自動車 じどうしゃ の質量 しつりょう
kg
自動車 じどうしゃ 総 そう 重量 じゅうりょう 、車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう
maximum authorized total mass
314
自動車 じどうしゃ 総 そう 荷重 かじゅう
最大 さいだい 積載 せきさい 状態 じょうたい の自動車 じどうしゃ に働 はたら く重力 じゅうりょく
N
自動車 じどうしゃ 総 そう 重量 じゅうりょう 、車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう
maximum authorized total weight、gross vehicle weight
(番号 ばんごう 314の備考 びこう )自動車 じどうしゃ 総 そう 荷重 かじゅう は、自動車 じどうしゃ 総 そう 質量 しつりょう と標準 ひょうじゅん 重力 じゅうりょく 加速度 かそくど との積 せき である。
すなわち、質量 しつりょう mass(慣用 かんよう 語 ご としては「重量 じゅうりょう 」、単位 たんい :キログラム kg)と荷重 かじゅう weight (慣用 かんよう 語 ご としては同 おな じく「重量 じゅうりょう 」、単位 たんい :ニュートン N)を峻別 しゅんべつ している。これはこのJIS規格 きかく が、ISO 1176:1990,Road vehicles - Masses - Vocabulary and codes を基 もと にしているからである[ 5] 。
1994年 ねん 、道路 どうろ 運送 うんそう 車両 しゃりょう 法 ほう の改正 かいせい で、それまで単車 たんしゃ (トレーラー でない)大型 おおがた 貨物 かもつ 自動車 じどうしゃ はGVW20トン に制限 せいげん されていたが、これを緩和 かんわ し、軸 じく 距離 きょり により最大 さいだい 25トンまで認 みと めることになった[ 6] [ 7] 。過 か 積載 せきさい による交通 こうつう 死亡 しぼう 事故 じこ が多発 たはつ したため、過 か 積載 せきさい の取締 とりしま りを強化 きょうか する代 か わりに、歩道 ほどう ・橋梁 きょうりょう などの強化 きょうか とワンセットで積載 せきさい 量 りょう の上限 じょうげん を緩和 かんわ したものである。ちょうどこれに合 あ わせていすゞ自動車 ずじどうしゃ はギガ にGVW22・25トンの新 しん 規格 きかく 車 しゃ を設定 せってい 。これが総 そう 重量 じゅうりょう という概念 がいねん を広 ひろ めたといえる。
道路 どうろ 運送 うんそう 車両 しゃりょう 法 ほう の保安 ほあん 基準 きじゅん では、「GVW25トン以下 いか 」と定 さだ められている。これを超 こ えると「特別 とくべつ 申請 しんせい 車両 しゃりょう 」となり、走行 そうこう させるには当該 とうがい 道路 どうろ 管理 かんり 者 しゃ 等 とう の許可 きょか が必要 ひつよう である。したがって走行 そうこう 区間 くかん が限定 げんてい されたり、公道 こうどう で走 はし ることができなかったりする。また、GVW20トン以上 いじょう の車両 しゃりょう は道路 どうろ 標識 ひょうしき 等 とう で走行 そうこう を制限 せいげん される道路 どうろ がある。大型 おおがた トラックの単車 たんしゃ の場合 ばあい 、「20t超 ちょう 」という円形 えんけい のステッカーを貼 は って走行 そうこう しなければならない。
またバス の場合 ばあい 、連 れん 節 ぶし バス は車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう が20tを超 こ えることがほとんどである。過去 かこ には全長 ぜんちょう 15mの2階 かい 建 けん バス であるネオプラン・メガライナー が車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう が20tを超 こ えていた。