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J/FPS-5

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J/FPS-5
J/FPS-5
種別しゅべつ 3次元じげんレーダー
目的もくてき 対空たいくう捜索そうさく
開発かいはつ運用うんよう
開発かいはつこく 日本の旗 日本にっぽん
就役しゅうえきねん 2008ねん平成へいせい20ねん
アンテナ
形式けいしき アクティブ・フェーズドアレイ方式ほうしき
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J/FPS-5は、航空こうくう自衛隊じえいたい警戒けいかい管制かんせいレーダー装置そうちレーダーサイトよう大型おおがた固定こてい3次元じげんレーダーであり、アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESA)を採用さいようして、弾道だんどうミサイル探知たんち追尾ついびにも対応たいおうしたフェーズドアレイレーダーである[1]三菱電機みつびしでんきせい通称つうしょうガメラレーダー[2]

概要がいよう

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たかやく34mある六角ろっかくはしら建物たてものの3つの側壁そくへきにはそれぞれ巨大きょだいなレーダーめんがあり、その円形えんけいおおいの模様もようカメ甲羅こうらのようであることから、大映だいえいげん角川かどかわ映画えいが)の特撮とくさつ怪獣かいじゅうガメラにちなみ、「ガメラレーダー」ともばれる[2]

3めんあるうち中央ちゅうおうめんには、直径ちょっけいやく18mのおおいのしたLSバンドのレーダーが設置せっちされており、これが航空機こうくうき弾道だんどうミサイルに対処たいしょするしゅ警戒けいかいめんである[3]のこりの2めんには、直径ちょっけいやく12mのおおいのしたにLバンドのレーダーがあり、航空機こうくうき対処たいしょする警戒けいかいめんとなっている[3]建物たてもの全体ぜんたい回転かいてんできるため、必要ひつようおうじてこう脅威きょうい方向ほうこう指向しこうできる[4]

隣接りんせつするレーダーの送信そうしん電波でんぱ受信じゅしんすることにより、ステルスなどの捕捉ほそくしにくい目標もくひょう検出けんしゅつできるバイスタティック・レーダーである[5]。また、故障こしょう部位ぶいはなし、のこりの部分ぶぶん機能きのう配分はいぶんするフォールトトレラント機能きのう[5]基本きほん機能きのう航空機こうくうき探知たんち追尾ついび機能きのう)と付加ふか機能きのう弾道だんどうミサイル探知たんち追尾ついび、バイスタティック受信じゅしん目標もくひょう類別るいべつなど)を分離ぶんりしたモジュールで構成こうせいされている[5][6]表面ひょうめん多数たすうちいさな突起とっきぶつ碍子がいしとこれをささえるステーでり、これらをつなほそいワイヤーは落雷らくらいそなえてのものである。

実際じっさい弾道だんどうミサイルの飛来ひらい探知たんちした場合ばあいは、まず航空こうくうそうたい/BMD統合とうごう任務にんむ部隊ぶたいにデータが送信そうしんされ、防衛ぼうえいしょう内閣ないかく総理そうり大臣だいじんおよびかく省庁しょうちょうにデータがおくられる。総務そうむしょうは、全国ぜんこく瞬時しゅんじ警報けいほうシステムつうじてマスメディアや地方ちほう公共こうきょう団体だんたい警報けいほう伝達でんたつする。国民こくみんには、報道ほうどう防災ぼうさい無線むせんつうじて屋内おくない退避たいひなどの自己じこ防衛ぼうえい指示しじされる。将来しょうらいてきに、宇宙うちゅうゴミ監視かんしもちいることも検討けんとうされている[7]

開発かいはつ

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いま早期そうき警戒けいかい衛星えいせい保有ほゆうしていない日本にっぽんでは、既存きそんのレーダーでは、北朝鮮きたちょうせん弾道だんどうミサイル発射はっしゃ早期そうき探知たんちすることは不可能ふかのうであった。そこで、技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶが1999年度ねんどから弾道だんどうミサイル探知たんち対応たいおうしたレーダーを開発かいはつ名称めいしょうFPS-XXとして開発かいはつ開始かいしした。まずは千葉ちばけんあさひ位置いちするだい2研究所けんきゅうじょ飯岡いいおか支所ししょつくられた研究けんきゅう試作しさくによって技術ぎじゅつ試験しけん実施じっしし、2004年度ねんどからは同時どうじ航空こうくう開発かいはつ実験じっけん集団しゅうだん電子でんし開発かいはつ実験じっけんぐん飯岡いいおか試験しけん評価ひょうかたい実用じつよう試験しけんおこなった。研究けんきゅう試作しさくしゅ警戒けいかいめん警戒けいかいめんが1めんずつで、建物たてものごと回転かいてんさせることができる。

2005年度ねんど開発かいはつ終了しゅうりょう研究けんきゅう試作しさく解体かいたいされる予定よていだったが、量産りょうさんがた配備はいびまで運用うんよう研究けんきゅう実施じっしするとしてのこされることになった。北朝鮮きたちょうせんによる2006ねんのミサイル発射はっしゃ実験じっけんでは弾道だんどうミサイルが発射はっしゃ直後ちょくご空中くうちゅう分解ぶんかいしたことから出番でばんはなかったが、2009ねんのミサイル発射はっしゃ実験じっけんでは弾道だんどうミサイルの追跡ついせき成功せいこうしている。

配備はいび

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与座よざだけぶんたむろ基地きちのJ/FPS-5レーダー

2006年度ねんどから2009年度ねんど予算よさん計上けいじょうされ、2008年度ねんどから2011年度ねんどまでに4配備はいびされた。1たりやく180おくえん大型おおがたであることから、取得しゅとく費用ひようのみならず、設置せっちけての土木どぼく工事こうじにも費用ひようがかかるため、4調達ちょうたつ終了しゅうりょうした[1]。Dかたまでの4つのサブタイプがあり既存きそんものもアップデートされている。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e 小林こばやし 2012.
  2. ^ a b c すずさき 2012.
  3. ^ a b 平成へいせい18年度ねんど 事後じご事業じぎょう評価ひょうか 政策せいさく評価ひょうかしょ 将来しょうらい警戒けいかい管制かんせいレーダの概要がいよう”. 防衛ぼうえいしょう. 2020ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ 北朝鮮きたちょうせんのミサイルを見張みは千里眼せんりがん 亀甲きっこう模様もようの“ガメラレーダー”FPS5”. The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL. (2017ねん5がつ24にち). https://www.sankei.com/article/20170524-3I6ZEYR2ZZPUJAF4ZYFZ4N5PSQ/2/ 
  5. ^ a b c 平成へいせい18年度ねんど政策せいさく評価ひょうかしょ事後じご事業じぎょう評価ひょうか”. 防衛ぼうえいしょう. 2020ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  6. ^ 技術ぎじゅつ開発かいはつかん航空機こうくうき担当たんとう」『防衛ぼうえいしょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶろくじゅうねん防衛ぼうえい技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ、2012ねん11月。オリジナルの2015ねん12月24にち時点じてんにおけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20151224044636/http://www.mod.go.jp/trdi/data/pdf/60th/2-4.pdf 
  7. ^ 宇宙うちゅうごみ:衝突しょうとつなら衛星えいせい被害ひがい 監視かんし空自くうじレーダーで 防衛ぼうえいしょう検討けんとう. 毎日新聞まいにちしんぶん. (2013ねん4がつ2にち). オリジナルの2013ねん5がつ1にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/MPlVu 2013ねん4がつ2にち閲覧えつらん 
  8. ^ a b c d 平成へいせい19年度ねんど 総合そうごう評価ひょうか 政策せいさく評価ひょうかしょ弾道だんどうミサイル防衛ぼうえい防衛ぼうえいしょう.平成へいせい20ねん3がつ
  9. ^ 平成へいせい20年度ねんど装備そうび施設しせつ本部ほんぶ調達ちょうたつ実施じっし概況がいきょう
  10. ^ 平成へいせい21年度ねんど装備そうび施設しせつ本部ほんぶ調達ちょうたつ実施じっし概況がいきょう

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 小林こばやし晴彦はるひこきたそらにらむ!しん時代じだいむかえる空自くうじ固定こていしき警戒けいかい管制かんせいレーダー BMD探知たんち!ステルス対応たいおう!」『軍事ぐんじ研究けんきゅうだい47かんだい5ごうジャパン・ミリタリー・レビュー、2012ねん5がつ、64-73ぺーじNAID 40019278876 
  • すずさき利治としはる沖縄おきなわの「ガメラ」与座よざだけぶんたむろ基地きちひらきちょう39周年しゅうねん」『軍事ぐんじ研究けんきゅうだい47かんだい5ごう、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2012ねん5がつ、11-13ぺーじNAID 40019278835 

関連かんれん項目こうもく

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