Love again (globeのアルバム)

『Love again』
globe の スタジオ・アルバム
リリース	1998年ねん3月31日にち 2016年ねん12月21日にち(ハイレゾ盤ばん)
録音ろくおん	1998年ねん3月1日にち - 1998年ねん3月25日にち tetsuya komuro sequence 1103st, 1105st SEDIC STUDIO SOUND VALLEY Baybridge Studio SONY MUSIC STUDIOS (L.A.) RECORD PLANT (L.A.) Bunkamura Studio（マスタリング）
ジャンル	J-POP
時間じかん	61分ふん22秒びょう
レーベル	avex globe
プロデュース	TETSUYA KOMURO
チャート最高さいこう順位じゅんい
週間しゅうかん1位い（オリコン） 1998年度ねんど年間ねんかん12位い（オリコン）
ゴールドディスク
2ミリオン（日本にっぽんレコード協会きょうかい） 第だい13回かい日本にっぽんゴールドディスク大賞たいしょう ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー（邦楽ほうがく）
globe アルバム 年表ねんぴょう
FACES PLACES （1997年ねん） Love again （1998年ねん） Relation （1998年ねん）
EANコード
EAN 4988064700035（1998年ねん） EAN 4542114506963（2012年ねん）
『Love again』収録しゅうろくのシングル
「Wanderin' Destiny」 リリース: 1997年ねん10月がつ15日にち 「Love again」 リリース: 1998年ねん3月がつ31日にち

『Love again』（ラヴ・アゲイン）は、globeの3枚まい目めのフルアルバム。1998年ねん3月31日にち発売はつばい。発売はつばい元もとはavex globe。

解説かいせつ

前作ぜんさく『FACES PLACES』から約やく1年ねん、当時とうじの日本にっぽん記録きろくを打うち立たてる大だいヒットとなったデビューアルバム『globe』からちょうど2年ねんとなる日ひに発売はつばいされた3枚まい目めのアルバム。前作ぜんさくまでと異ことなり、同時どうじ発売はつばいのシングル『Love again』を含ふくむ2作さくしかシングルは収録しゅうろくされていない。

アルバムタイトルは当初とうしょ「そろそろ日本にっぽんも終末しゅうまつ的てきなエッジ感かんが出でてきたのではないか」という考かんがえから『edge』にするつもりだったが、小室こむろ哲哉てつやが日本にっぽんに帰国きこく後ご、東京とうきょうで街まちを歩あるいているカップルを見みかけた際さいに「もう一度いちどふたりの愛情あいじょうを確たしかめ合あいたい」という雰囲気ふんいきが伝つたわってきたので『Love again』に変更へんこうした。

シングル「Can't Stop Fallin' in Love」からの流ながれで「恋こいに落おちる」「恋こいに嵌はまってしまう」距離きょりの近ちかい男女だんじょをアルバムのコンセプトにした。但ただしそれは「不倫ふりん」等とうの悪わるい意味いみではなく、「恋こいに嵌はまる前まえ→嵌はまりかけ→嵌はまった後のち→恋愛れんあい」を時間じかん軸じくで考かんがえて、それをアルバムタイトルに反映はんえいさせている。「一いち度ど別わかれた二人ふたりがまた元もとの鞘さやに納おさまる」「別べつの人ひととの新あたらしい恋愛れんあいが始はじまる」とどちらでも取とれるようにし、「恋こいに嵌はまる」「愛情あいじょうを注そそぐ」ことをもう一度いちど行おこなうことを歌詞かしの全体ぜんたいのテーマにしている。マーク・パンサーは「友情ゆうじょう・愛情あいじょう・人情にんじょう等とう全すべての『情じょう』がこのアルバムに入はいっている」と称しょうしている。

ベーシックとなるバックトラックは「究極きゅうきょくの宅たく録ろく」をテーマに、事前じぜんにロサンゼルスの小室こむろの当時とうじの自宅じたくの地下ちかの50人にん程ほど入はいる映画えいが館かんで小室こむろ・岩佐いわさの2人ふたりで機材きざいを持もち込こんで制作せいさくされて、出来上できあがったデータを東京とうきょうに送おくって東京とうきょうで歌うた録ろくりを進すすめていたが、バレンタインデーまでは深ふかく考かんがえていなかった。本格ほんかく的てきなレコーディングに入はいったのは1998年ねん3月がつ1日にちに小室こむろが日本にっぽんに帰国きこくしてからのことであり、10日とおかで全すべての音おとの素材そざいを録音ろくおんして、3月25日にちにマスタリングを完了かんりょうさせた。小室こむろは「音楽おんがくプロデューサーとして周囲しゅういをまとめる力ちから、作品さくひんを形かたちにする力ちからを再さい認識にんしきしたアルバム」と振ふり返かえっている。

ミキシングするときのイメージは「ボーカルを前面ぜんめんに出ださず、3人にんがそこに並ならんでいる」感かんじを出だすようにした。

ノンクレジットだが、音色ねいろ作づくりにマークも参加さんかしている。自身じしんは「完全かんぜん分業ぶんぎょう制せいの音楽おんがくユニットから、共同きょうどう作業さぎょうのバンドへと一いち歩ほ踏ふみ込こめた」と語かたっている。

アルバムのための曲きょくとして、マークは「G9」という楽曲がっきょくを制作せいさくした。内容ないようは「ザ・クラッシュの様ようなイントロで始はじまり、途中とちゅうでオアシスの様ような調子ちょうしになり、ニルヴァーナの雰囲気ふんいきで終おわる」展開てんかいだったが、収録しゅうろくされなかった。

小室こむろはKEIKOに対たいし、小学生しょうがくせいから耳みみの肥こえた大人おとなまで幅広はばひろく聴きいてもらうためという意図いとで「あまり上手うまく歌うたいすぎない様ように」「原曲げんきょくが生うまれた時ときの成長せいちょうする前まえ・初々ういういしさとプロが持もつテクニカルさの中なか間あいだをイメージして欲ほしい」とリクエストした。

収録しゅうろく曲きょく

CD

全ぜん作詞さくし: 小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）、全ぜん作曲さっきょく・編曲へんきょく: 小室こむろ哲哉てつや。
#	タイトル	作詞さくし	作曲さっきょく・編曲へんきょく	時間じかん
1.	「before dark」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	1:43
2.	「UNDER Your Sky」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	4:25
3.	「Love again」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	4:45
4.	「You are the one」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	5:24
5.	「Nothing ever makes me happy」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	5:37
6.	「two keys」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	4:23
7.	「I'm bad」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	6:25
8.	「Watching everything」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	3:40
9.	「I'm still alone」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	5:41
10.	「Open Wide」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	5:12
11.	「Wanderin' Destiny」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	6:13
12.	「creatures」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	3:49
13.	「end of 3rd element」	小室こむろ哲哉てつや・MARC（#1,#13は除のぞく）	小室こむろ哲哉てつや	4:05
合計ごうけい時間じかん:		61:22

楽曲がっきょく解説かいせつ

1. before dark

   インストゥルメンタル。「アルバムの序章じょしょう」として位置いちづけた。

2. UNDER Your Sky

   テーマは「恋こいが終おわった人ひとの恋こいを振ふり返かえりたくない気持きもち」を描えがいている。

   歌詞かしは「制作せいさく当時とうじは僕ぼくとKEIKOの間あいだで曲きょく順じゅん・曲きょくに対たいしての考かんがえ方かた・曲きょく毎ごとにに対たいしての向むき合あい方かた等とうタイミングが上手うまく合あわなかった。その時ときの閉塞へいそく感かんが現あらわれた出来できになっている」と話はなしている。それでも「海うみを渡わたることで、東京とうきょうとロサンゼルスは遠とおい空そらの下したでもつながっている」という感触かんしょくを味あじわえて、それがタイトルに反映はんえいされている。

3. Love again

   本ほん作さくと同時どうじ発売はつばいの12thシングル。

4. You are the one

   「こねっと」名義めいぎで発表はっぴょうしたシングル曲きょくのglobeバージョン。

   歌詞かしカード等とうに記載きさいは無ないものの、一部いちぶでは[globe version]と表記ひょうきされている。

   小室こむろが個人こじん的てきにお気きに入いりの楽曲がっきょくであり、カラオケで歌うたう感覚かんかくでレコーディングを行おこなった。

   制作せいさく当時とうじのアメリカでは自動車じどうしゃでもスタジオでもオルタナティブ・ヒップホップが鳴なっていたため、その影響えいきょうが大おおきいアレンジになっている。

5. Nothing ever makes me happy

   テーマは「私わたしを幸しあわせにしてくれるものは何なにも無ない」とこれ以上いじょうない程ほど落おち込こみ、途方とほうに暮くれている様子ようすを描えがいた。小室こむろは「救すくい1：喪失そうしつ感かん9」と評ひょうしている。

   globeとしては珍めずらしくAメロは小室こむろのボーカルが目立めだっている。

6. two keys

   テーマは「恋こいが終おわったばかりで、恋こいの残像ざんぞうが鮮明せんめいに残のこっている様子ようす」を描えがいた。

   メロディ・アレンジの全体ぜんたい的てきな構成こうせいは「『GONNA BE ALRIGHT』の続編ぞくへん」と称しょうしている。

   小室こむろはタイトルについて「『2つの鍵かぎ』だけで色々いろいろな連想れんそうや深ふか読よみができる。好すきなタイプ」と好意こうい的てきに振ふり返かえっている。

7. I'm bad

   マークをフィーチャリングしたオルタナティヴ・ロック。

   自身じしんのレコーディングパートが終おわって疲つかれ果はてた状態じょうたいのマークに「書かいて下ください」と電話でんわで小室こむろからお願ねがいされ、ひらめいたのをそのままFAXで送おくった。

   マークの担当たんとうしたパートは、仮かり歌うたのつもりで入いれたのがほぼそのままOKテイクになった。

   当初とうしょはメインボーカルはマークのみの予定よていだったが面白おもしろみに欠かけていたため、歌うたいたがっていたKEIKOに好すきなパートを歌うたわせた。

8. Watching everything

   テーマは「恋愛れんあいの途中とちゅう」であり、佳境かきょうはとうに過すぎて「貴方あなたのせいでちゃんとした生活せいかつができないのよ。振ふり回まわすのなら責任せきにんとってよ」という女性じょせいの不満ふまんを描えがいた。

   歌詞かしはマークが小室こむろに色いろんな言葉ことばを提出ていしゅつしてきて、それを小室こむろが修正しゅうせいすることで作つくり上あげられた。

9. I'm still alone

   テーマは「9割わり方かた終おわっている恋こい」「一人ひとりでいる時間じかんが長ながく中なか々『Love again』の世界せかいにならない」「女性じょせい1人ひとりと男性だんせい2人にんからなるグループの関係かんけい性せい」という状況じょうきょうを描えがいている。

   マークが2日間にちかん寝ねないで歌詞かしを作つくり、KEIKOが3日間にちかんボーカル録ろくりに時間じかんをかけた。

10. Open Wide

    歌詞かし・楽曲がっきょく共どもにカリフォルニアの雰囲気ふんいきを出だすようにした。そのために「Is this love」「UNDER Your Sky」の世界せかい観かん・路線ろせんを踏襲とうしゅうし、ゆったりとしたブレイクビーツとメロディアスな展開てんかいを押おし出だした。

11. Wanderin' Destiny

    11thシングルでTBS系けいドラマ「青あおい鳥とり」主題歌しゅだいか。

    オリジナルと多少たしょう異ことなり、小室こむろのコーラスやシーケンスが追加ついかされている。一部いちぶでは[album version]と表記ひょうきされている。

    シングル盤ばんより落おち込こみすぎないようにアレンジされた。

12. creatures

    「preview」で初はつ披露ひろうされた際さい、好評こうひょうだったために収録しゅうろくされた。

    小室こむろは「今いま出ださないと世よに出だす機会きかいが無なくなる」「globeはただのロックバンドではない」「『小室こむろの定番ていばんの四よっつ打うちが1個いっこもない』と言いわれない様ように」という思おもいで制作せいさくした。

13. end of 3rd element

    インストゥルメンタル。「3枚まい目めの区切くぎり」という位置いちづけである。

    小室こむろは「キース・ジャレットのあのフレーズはどういうものなのかな?」と思おもいながら、即興そっきょう演奏えんそうで制作せいさくした。

    『globe』『FACES PLACES』のインストゥルメンタルの頭文字かしらもじがそれぞれ「g」「l」「o」「b」「e」となる様ように付つけられている。

クレジット

レコーディングメンバー

• All VOICES are KEIKO, MARC PANTHER, TETSUYA KOMURO
• 松尾まつお和博かずひろ : Guitars
• 佐野さの健二けんじ : Bass

スタッフ

• Mixed : EDDIE DELENA (Tracks#2,3,6,8,9,11,12,13)
• Mixed : 小室こむろ哲哉てつや (Tracks#1,4,5,7,10)
• Mastered : 上田うえだ佳子けいこ
• Recorded : 若わか公おおやけ俊広としひろ, まつむらしげる, Troy Yen Gonzaiez, Steve Sykes
• Vocal Directed : 佐野さの健二けんじ
• Synthesizer Programming : 村上むらかみ章あきら久ひさ
• Musical Equipement Technician : 岩佐いわさ俊秀としひで
• Production Management : おりもとゆいち, さとうけんしょう, にしむらちから
• Production Coordinated : さとうきみ, うえかたてつや, めいわにりき
• A&R Chief : 柳やなぎ和実かずみ
• A&R : ごとうけんご
• A&R Assisted : むろまさたか
• Executive Produced : 松浦まつうら勝人まさと
• Executive Supervisor : やまだえいじ
• General Produced : 林はやし真司しんじ, おおしたかつろう
• Publicist : 遠藤えんどう正則まさのり
• Art Direction : Tycoon Graphics

リリース履歴りれき

No.	日付ひづけ	レーベル	規格きかく	規格きかく品番ひんばん	最高さいこう順位じゅんい	備考びこう
1	1998年ねん3月31日にち	avex globe	CD	AVCG-70003	1位い
2	2012年ねん3月21日にち	avex infinity	CD	AQCD-50696		「マスターピース・シリーズ」。期間きかん限定げんてい生産せいさん廉価れんか盤ばん、紙かみジャケット仕様しよう

• 上記じょうきの他ほかに、2016年ねん12月21日にちに96kHzきろへるつ/24bitのハイレゾリューションオーディオとして鈴木すずき浩二こうじの手てによりリマスタリングされ、配信はいしんリリースされた。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• ぴあ 編へん『小室こむろ哲哉てつやぴあ globe編へん』ぴあ、2015年ねん。ISBN 978-4-8356-2511-9。