MSXマガジン

MSXマガジン
ジャンル	パソコン雑誌ざっし
読者どくしゃ対象たいしょう	MSXのユーザー
刊行かんこう頻度ひんど	月刊げっかん→不定期ふていき刊行かんこう
発売はつばい国こく	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
出版しゅっぱん社しゃ	アスキー
雑誌ざっし名めいコード	208（月刊げっかん時代じだい） 359（ムック形態けいたい、1992年ねん夏なつ号ごうのみ） なし（永久えいきゅう保存ほぞん版ばん）
刊行かんこう期間きかん	1983年ねん10月がつ6日にち（創刊そうかん0号ごう） - 1992年ねん8月がつ（1992年ねん夏なつ号ごう） 2002年ねん12月24日にち - 2005年ねん4月がつ28日にち（永久えいきゅう保存ほぞん版ばん）

MSXマガジン（えむえすえっくす - ）はアスキーより1983年ねんから発行はっこうされていた月刊げっかんのMSX専せん門もんのコンピューター雑誌ざっし。2002年ねんから2005年ねんにかけては、「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」としてムックとして発行はっこうされた。

歴史れきし

創刊そうかんから休刊きゅうかんまで

1983年ねん10月がつ6日にちに創刊そうかん0号ごうが発売はつばい 。当時とうじは唯一ゆいいつのMSX専門せんもん誌しで、コンピューター雑誌ざっしとしては珍めずらしく中なか綴とじ、右みぎ開びらき（縦たて組ぐみ）のレイアウトで創刊そうかんされ、コンピューター雑誌ざっしらしくない誌面しめんも話題わだいになった。価格かかくは200円えん、AB版ばん(260x210mm)サイズ。 創刊そうかん編集へんしゅう長ちょうは田口たぐち旬しゅん一いち 。目標もくひょう部数ぶすうは15万まん部ぶとしたが、同時どうじに1984年ねんのMSXの普及ふきゅう台数だいすうを50万まん台だいと予測よそくして同数どうすうの部数ぶすうも目標もくひょうとして掲かかげた。

1984年ねん9月がつ発売はつばいの同年どうねん10月がつ号ごうより一般いっぱん的てきなコンピューター雑誌ざっしと同様どうよう、平ひら綴とじ、左ひだり開びらき（横よこ組ぐみ）のレイアウトに変更へんこうされた。田口たぐち編集へんしゅう長ちょうの編集へんしゅう方針ほうしんは、「MSXはホーム・パーソナル・コンピュータであり、インテリジェント・ツールと定義ていぎづけられる」ものとし、「MSXではこういうこともできるとアピールしたい」と、「コンピュータのニオイのしないものを目指めざした」。イラストレーターには、桜沢さくらざわエリカや桜さくら玉吉たまきちらを起用きよう。その一方いっぽうで、ハードウェアに関かんする記事きじを中心ちゅうしんに、ゲームを含ふくめたソフトウェア関連かんれんの記事きじや、MSXの活用かつよう方法ほうほうに関かんする記事きじ、プログラミング関連かんれんの記事きじなど、誌面しめん的てきには月刊げっかんアスキー的てきな構成こうせいのテクニカルな内容ないようも掲載けいさいしていた。1984年ねん10月がつ号ごうから1988年ねん5月がつ号ごうまでの表紙ひょうしはイラストレーターの大野おおの一興かずおきが三洋さんようのMSX・MPC-11と周辺しゅうへん機器ききMPC-Xの組くみ合あわせを用もちいて描えがいていた。マスコットキャラクターはMSX坊ぼうや。1986年ねんにはMSXマガジンオリジナルソフトとして『J.P.ウィンクル』をリリースした。

しかし、MSXがゲーム主体しゅたいのホビーパソコンという位置いちづけになっていったこと、1987年ねんには『MSX・FAN』（徳間書店とくましょてん）や『MSX応援おうえん団だん』（大陸たいりく書房しょぼう）の後発こうはつ誌しがゲーム関連かんれんの記事きじ主体しゅたいになっているという状況じょうきょうの中なか、発売はつばい不振ふしんで赤字あかじとも言いわれた『MSXマガジン』は、別べつ雑誌ざっしとも言いえる全面ぜんめん的てきなリニューアルを敢行かんこうした。1988年ねん6月がつ号ごうより編集へんしゅう長ちょうが『ログイン』誌しの黄金おうごん時代じだいを築きずいた小島こじま文隆ふみたかに交代こうたいして編集へんしゅう部ぶを一新いっしん。ログイン誌しの人気にんきコーナー「MSX通信つうしん」の編集へんしゅう者しゃごと移籍いせき。雑誌ざっし形態けいたいも平ひら綴ていじから中ちゅう綴ていじになり、1988年ねん9月がつ号ごうから1990年ねん8月がつ号ごうまで表紙ひょうしは佐久間さくま良一りょういちの描えがくロボットのイラストを用もちいた。カラーページの大幅おおはば増ぞう、ゲーム紹介しょうかい・攻略こうりゃくや読よみ物もの記事きじが多おおい内容ないようで、ゲーム情報じょうほう中心ちゅうしんの雑誌ざっしになった。『ログイン』掲載けいさいの荒井あらい清和きよかずの漫画まんが「べーしっ君きみ」も掲載けいさいされるようになった。

とはいえ、このリニューアルも成功せいこうしたとは言いいがたく、1989年ねん2月がつ号ごうから中ちゅう綴ていじから平ひら綴ていじに戻もどり、一旦いったんは終了しゅうりょうしたハードウェア製作せいさく連載れんさいなどが復活ふっかつし、リニューアル以前いぜんと直後ちょくごとの中なか間あいだ的てきな誌面しめんになった。1989年ねん10月がつ号ごうより編集へんしゅう長ちょうに宮野みやの洋美ひろみが就任しゅうにん、表紙ひょうしイラストも加藤かとう直之なおゆきに交代こうたいした。この頃ころはMSXでゲームを制作せいさくするツールに力ちからを入いれて、後ごの「RPGツクール」シリーズに繋つながる「RPGコンストラクションツール Dante」や「吉田よしだ工務こうむ店てん」「吉田よしだ建設けんせつ」といったシューティングゲームの制作せいさくツールなどを発表はっぴょうし、誌上しじょうでコンテストを開催かいさいするなど盛もり上あげた。毎月まいつき発売はつばいされていた掲載けいさいプログラムを収録しゅうろくした「MSXディスク通信つうしん」を含ふくめ、MSXマガジンのオリジナルソフトのほとんどはパソコンソフト自動じどう販売はんばい機きソフトベンダーTAKERUで発売はつばいされていた。

1990年ねんごろから、MSXを取とり巻まく状況じょうきょうが悪化あっか、部数ぶすうも減少げんしょうしていく。そして通巻つうかん102号ごうである1992年ねん5月がつ号ごうをもって雑誌ざっし形態けいたいとしては休刊きゅうかんとなった。休刊きゅうかん号ごうでは夏なつからムックとして再さいスタートすることと速報そくほう性せいの高たかい情報じょうほうをフォローするため『ログイン』誌しで毎号まいごうMSXの情報じょうほうを伝つたえるコーナーを設置せっちすることが告知こくちされた。

公約こうやくどおり、1992年ねん8月がつには、『プリンセスメーカー』などゲームの体験たいけん版ばんなどを収録しゅうろくしたフロッピーディスクを付録ふろくに不定期ふていき刊かんとしてムック形くけい態たいで1992年ねん夏なつ号ごうが発行はっこうされるも、1号ごうしか出でなかった。

「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」としての復活ふっかつ

『MSXマガジン』休刊きゅうかん以降いこう、ライバル誌し『MSX・FAN』も休刊きゅうかんし、MSX自体じたいもハード・ソフトともに供給きょうきゅうされなくなったが、ユーザー主体しゅたいでの活動かつどうは細々こまごまとしかし活発かっぱつに行おこなわれていった。そうした中なかで任意にんい団体だんたい「MSXアソシエーション」が発足ほっそくし、公認こうにんのエミュレータ「MSXPLAYer」を発表はっぴょうする。これにあわせた形かたちで『MSXマガジン』も2002年ねん12月24日にちに「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」と銘打めいうって復活ふっかつすることとなった。なお「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」は雑誌ざっしコードが付与ふよされておらず、流通りゅうつう上じょうは書籍しょせき扱あつかいである。

内容ないようとしてはMSXPLAYerの使用しよう法ほうやMSXの活用かつよう法ほうなどの、前半ぜんはん期きのころのようなテクニカル的てきな記事きじを中心ちゅうしんに、付録ふろくCD-ROMに収録しゅうろくされたゲームに関かんする記事きじなどの、後半こうはん期きのころのようなゲーム主体しゅたいの記事きじを組くみ合あわせた内容ないようとなっている。なお、付属ふぞくしているゲームは体験たいけん版ばんなどではなく、当時とうじの製品せいひん版ばんの内容ないようがそのまま収録しゅうろくされており、「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」の目玉めだまとなっている。市販しはんゲームは1号ごうに20本ほん、2号ごうに16本ほん、3号ごうに15本ほん収録しゅうろく。ただし、1号ごうに収録しゅうろくされた3本ほんのゲームのみ体験たいけん版ばんが存在そんざいした。

「永久えいきゅう保存ほぞん版ばん」は初はつ刷すりが完売かんばいして増刷ぞうさつされる好評こうひょうぶりで、2003年ねん2月がつ8日にちには発売はつばい記念きねんイベントが催もよおされ、展示てんじ会かいや新旧しんきゅう編集へんしゅう長ちょう対談たいだんなどが行おこなわれた。その後ご、2003年ねん12月3日にちに2号ごうが、2005年ねん4月がつ28日にちに3号ごうが発売はつばいされた。2013年ねん現在げんざい、4号ごう以降いこうは発売はつばいされていない。

電子でんし書籍しょせき化か

2023年ねん10月がつ1日にち、アスキー創業そうぎょう者しゃの一人ひとりである西にし和彦かずひこは、自身じしんが代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうを務つとめる電子でんし書籍しょせきサイト「アカシックライブラリー」で電子でんし書籍しょせきとして無料むりょう公開こうかいを開始かいししたと発表はっぴょうした。同日どうじつ時点じてんで公開こうかいされたのは1992年ねん夏なつ号ごうであるが、今後こんごは全巻ぜんかんを掲載けいさいする予定よていで、関連かんれんする単行本たんこうぼんの有料ゆうりょうでの配信はいしんも予定よていしているとのこと。

歴代れきだい編集へんしゅう長ちょう

• 田口たぐち旬しゅん一いち
• 小島こじま文隆ふみたか
• 宮野みやの洋美ひろみ

関連かんれん項目こうもく

• べーしっ君きみ(荒井あらい清和きよかずの漫画まんが)
• のんきな父とうさん(桜さくら玉吉たまきちの漫画まんが)
• ウーくん (桜沢さくらざわエリカの漫画まんが)

参考さんこう文献ぶんけん

• 「ASCII 1983年ねん10月がつ号ごう」第だい7巻かん第だい10号ごう、株式会社かぶしきがいしゃアスキー出版しゅっぱん、1983年ねん10月がつ1日にち。 

外部がいぶリンク

• MSXマガジン永久えいきゅう保存ほぞん版ばん