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クオリティ・オブ・ライフ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
QOLから転送てんそう

クオリティ・オブ・ライフえい: quality of life、略称りゃくしょう: QOL)とは、ひとりひとりの人生じんせい内容ないようしつ社会しゃかいてきにみた生活せいかつしつ』のことをし、あるひとがどれだけ人間にんげんらしい生活せいかつ自分じぶんらしい生活せいかつおくり、人生じんせい幸福こうふく見出みいだしているか、ということを尺度しゃくどとしてとらえる概念がいねんである。おどろくべきことに、規律きりつせいたかひと長生ながいきする傾向けいこうがあるが、規律きりつせいひくひとよりも生活せいかつしつひくくなる可能かのうせいがある[1]

1970年代ねんだい以降いこう注目ちゅうもくされるようになった概念がいねんで、もとは健康けんこう関連かんれん概念がいねんだったが、それ以外いがいにも拡張かくちょうされるようになったため、健康けんこうかんするQOLは健康けんこう関連かんれんQOL(HRQOL、Health - related QOL)ということもある[2]

クオリティ・オブ・ライフは、個人こじん収入しゅうにゅう財産ざいさんもと算出さんしゅつされる生活せいかつ水準すいじゅんえい: standard of living)とはけてかんがえられるべきものである。

クオリティ・オブ・ライフと対比たいひされる概念がいねんとして、クオリティ・オブ・デスえい: quality of death、略称りゃくしょう: QODしつ』)がある[3]

健康けんこう関連かんれんQOL

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定義ていぎ

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国際こくさいてき定義ていぎについてかならずしも合意ごういられているとはいえないが、1947ねん世界せかい保健ほけん機関きかん(World Health Organization:WHO)の健康けんこう憲章けんしょうから「(りゃく)not merely the absence of disease, but physical, psychological and social well-being(たん疾病しっぺいがないということではなく、身体しんたいてきにも精神せいしんてきにも社会しゃかいてきにも完全かんぜん満足まんぞくのいく状態じょうたいにあること)」と定義ていぎされることがおお[2]。ただし、この部分ぶぶんには1998ねんに「spirituality(霊的れいてき/宗教しゅうきょうてき/実存じつぞんてき)」という文言もんごんくわえられており、その意味いみについてはおおくの議論ぎろんがある[2]

日本にっぽんでは、2000ねんきゅう厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう障害しょうがい保健ほけん福祉ふくし公表こうひょうした「障害しょうがいしゃ施設しせつのサービス共通きょうつう評価ひょうか基準きじゅん」の用語ようご解説かいせつにある「日常にちじょう生活せいかつ社会しゃかい生活せいかつのありかたみずからの意思いし決定けっていし、生活せいかつ目標もくひょう生活せいかつ様式ようしき選択せんたくできることであり、本人ほんにん身体しんたいてき精神せいしんてき社会しゃかいてき文化ぶんかてき満足まんぞくできるゆたかな生活せいかつ」をQOLとする定義ていぎがある[2]

QOLの評価ひょうかほう

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健康けんこう関連かんれんの QOL の評価ひょうかほうは、一般いっぱんてき患者かんじゃにききとるか、評価ひょうかしゃ自身じしん評価ひょうかする。評価ひょうか項目こうもくは、その文化ぶんかけん一般いっぱんてき汎用はんよう評価ひょうかほうと、特定とくてい疾患しっかん病態びょうたい患者かんじゃ対象たいしょうとした疾患しっかん特異とくいてき評価ひょうかほう、QOL の構成こうせい概念がいねんかく領域りょういきごとの評価ひょうかほうなどがある。

汎用はんよう評価ひょうかほう

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  • WHO Quality of Life 26 (WHOQOL-26)
  • Sickness Impact Profile (SIP)
  • Nottingham Health Profile (NHP)
  • Medical Outcomes Study 36-Item Short Form-36 (SF-36)
  • EuroQoL (EQ-5D)
  • Patient Generated Index (PGI)

疾患しっかん特異とくいてき評価ひょうかほう

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  • European Organization for Research and Treatment of Cancer (EORTC QLQ-C30)
  • General [Geriatric] Oral Health Assessment Index (GOHAI)
  • Kidney Disease Quality of Life Short Form (KDQOL-SF)

年代ねんだいべつ評価ひょうかほう

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  • COHIP(コーヒップ) 対象たいしょう年齢ねんれい8~17さいくち状態じょうたいがQOLにあたえる影響えいきょうアンケート 34-Item (SF-19)

日常にちじょう生活せいかつ動作どうさ

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  • Barthel Index of Disability (BI)

QOLと医療いりょう

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しつ調整ちょうせい生存せいぞんねん(QALY)。健康けんこう生存せいぞんねんじく評価ひょうかされる

疾患しっかん病名びょうめいにより医学いがくてき定義ていぎされるが、障害しょうがいもしくは合併症がっぺいしょうじょう生活せいかつめん影響えいきょうは、医学いがくてきには充分じゅうぶん考慮こうりょされていない。

たとえば治療ちりょう行為こういともなしょうじた運動うんどう視力しりょく食事しょくじ排泄はいせつなどの障害しょうがいには、それぞれになんらかの合併症がっぺいしょうめいあたえられるが、障害しょうがい程度ていどにはそうじて「QOL の低下ていか」と表現ひょうげんされる。また医学いがくてき検査けんさ原因げんいん不明瞭ふめいりょう感覚かんかくてき障害しょうがいいたみ、しびれ、倦怠けんたいかんなど)では、課題かだいとして軽視けいしする傾向けいこうがある。障害しょうがい合併症がっぺいしょうじょう)の影響えいきょう患者かんじゃ生活せいかつにとって重要じゅうようであり、これを QOL として認識にんしき指標しひょうする医療いりょうじょう課題かだいがある。

がんなどの治療ちりょう選択せんたく治療ちりょう評価ひょうかにおいては、生存せいぞんりつ縮小しゅくしょうりつなどを指標しひょうとする場合ばあいおおいが、の QOL を考慮こうりょしていない場合ばあいもある。 患者かんじゃ立場たちばからは、QOL も考慮こうりょされることがのぞましいが、医療いりょう機関きかん医師いし患者かんじゃ本人ほんにんとの価値かちかん差異さいなどもあり、具体ぐたいてき言及げんきゅうされることがすくない。最近さいきんは、インフォームド・コンセント普及ふきゅうともない QOL の概念がいねん重要じゅうようされる傾向けいこうにある。

疾病しっぺい増悪ぞうあく治療ちりょうにおいてしょうじた障害しょうがい生活せいかつ支援しえんとして、公的こうてき障害しょうがい年金ねんきん制度せいどがある。

概念がいねん拡張かくちょう

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本来ほんらい健康けんこう関連かんれん概念がいねんだったが、道路どうろ公園こうえんとう環境かんきょう整備せいびじょうきょうかんする市民しみんのQOLも評価ひょうかおこなわれるようになった[2]

QOLは、国家こっか発展はってん個人こじん人権じんけん自由じゆう保障ほしょうされている度合どあい、居住きょじゅう快適かいてきさとの関連かんれんせい指摘してきされる。

指標しひょうとして人間にんげん開発かいはつ指数しすう世界せかい幸福こうふく報告ほうこくなどが提案ていあんされている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Big 5 - Get In: Know yourself”. Coursera. 2022ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e 吉川よしかわあきらもり宮崎みやざきたかし重度じゅうど重複じゅうふく障害しょうがいしゃにおけるQOL評価ひょうかほう検討けんとう 新潟にいがた青陵せいりょう大学だいがく
  3. ^ ちょう高齢こうれい社会しゃかいのフロントランナー日本にっぽん:これからの日本にっぽん医学いがく医療いりょうのありかた”. 日本にっぽん学術がくじゅつ会議かいぎ 臨床りんしょう医学いがく委員いいんかい. 2018ねん1がつ12にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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医療いりょうとの情報じょうほう関係かんけい

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労働ろうどう慣行かんこう

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外部がいぶリンク

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