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核かく内ない低てい分子ぶんしリボ核かくタンパク質たんぱくしつ

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（SnRNPから転送てんそう）

核かく内ない低てい分子ぶんしリボヌクレオタンパク質しつまたは核かく内ない低てい分子ぶんしリボ核かくタンパク質たんぱくしつ（かくないていぶんしリボ ヌクレオ/かく タンパクしつ、英えい: small nuclear ribonucleoprotein、略称りゃくしょう: snRNP）はRNA-タンパク質たんぱくしつ複ふく合体がったいであり、未み修飾しゅうしょくのpre-mRNAと結合けつごうし、他たのさまざまなタンパク質たんぱくしつとともにスプライソソームを形成けいせいする。スプライソソームはpre-mRNAのスプライシングを行おこなう巨大きょだいなRNA-タンパク質たんぱくしつ複ふく合体がったいである。pre-mRNAからのイントロンの除去じょきょにはsnRNPの作用さようが必須ひっすであり、真ま核かく細胞さいぼうの核かく内うちでのみ起おこる転写てんしゃ後ご修飾しゅうしょくの重要じゅうような過程かていである。ただし、U7 snRNA（英語えいご版ばん）とタンパク質たんぱくしつの複ふく合体がったいであるU7 snRNPはスプライシングには全まったく関与かんよせず、ヒストンのpre-mRNAの3'ステムループ構造こうぞうのプロセシングを担になう[1]。

snRNPの2つの必須ひっす構成こうせい要素ようそはタンパク質たんぱくしつ分子ぶんしとRNAである。各かくsnRNP粒子りゅうし内ないに見みつかるRNAは核かく内ない低てい分子ぶんしRNA（snRNA）として知しられており、その長ながさは通常つうじょうおよそ150ヌクレオチドである。snRNPのsnRNA要素ようそはイントロンの5'末端まったん、3'末端まったん、そして分岐ぶんき部位ぶい（branch site）のスプライシングシグナル配列はいれつを認識にんしきし、個々ここのイントロンに特異とくい性せいを与あたえる。snRNP中ちゅうのsnRNAは、酵素こうそ的てきな役割やくわりと構造こうぞう的てきな役割やくわりの双方そうほうが組くみ込こまれているという点てんで、リボソームRNAと類似るいじしている。

snRNPはマイケル・R・ラーナー（英語えいご版ばん）とジョーン・A・スタイツによって発見はっけんされた[2][3]。トーマス・チェックとシドニー・アルトマンも発見はっけんに寄与きよし、細胞さいぼう成長せいちょうにおいてRNAが触媒しょくばいとして機能きのうすることを発見はっけんした業績ぎょうせきによって1989年ねんにノーベル化学かがく賞しょうを受賞じゅしょうした。

タイプ

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少すくなくとも5つの異ことなる種類しゅるいのsnRNPが、スプライソソームに加くわわってスプライシングに関与かんよする。それらはゲル電気でんき泳およげ動どうによって可視かし化かすることができ、それぞれU1、U2、U4、U5、U6として知しられている。それらのsnRNA要素ようそは、それぞれU1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNAとして知しられている[4]。

1990年代ねんだい中盤ちゅうばんに異ことなるクラスのsnRNPが存在そんざいすることが発見はっけんされ、後生ごしょう動物どうぶつにのみに見みつかる、高度こうどに保存ほぞんされた5'スプライス部位ぶいと分岐ぶんき部位ぶいを持もつイントロンのスプライシングを助たすけていることが発見はっけんされた。このクラスのsnRNPにはU11、U12、U4atac、U6atacが含ふくまれ、snRNA要素ようそはそれぞれU11 snRNA（英語えいご版ばん）、U12 snRNA（英語えいご版ばん）、U4atac snRNA（英語えいご版ばん）、U6atac snRNA（英語えいご版ばん）である。それぞれ別物べつものではあるものの、U1、U2、U4、U6と同おなじ機能きのうを果はたす[5]。

加くわえて、U7 snRNPはU7 snRNA（英語えいご版ばん）と結合けつごうタンパク質たんぱくしつから構成こうせいされ、ヒストンのpre-mRNAの3'ステムループのプロセシングに関与かんよしている[1]。

生なま合成ごうせい

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snRNPは緊密きんみつに組織そしき化か・調節ちょうせつされた過程かていで組くみ立たてられ、細胞さいぼう核かくで行おこなわれる段階だんかいと細胞さいぼう質しつで行おこなわれる段階だんかいが存在そんざいする[6]。

核かくでのRNAの合成ごうせいと核かく外がい輸送ゆそう

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RNAポリメラーゼIIはU1、U2、U4、U5 snRNAを転写てんしゃし、U11、U12、U4atacもわずかに転写てんしゃする。これらには7-メチルグアノシンの5'キャップが付加ふかされる。CRM1（英語えいご版ばん）に媒介ばいかいされて、核かく外がいへ輸送ゆそうされる。

細胞さいぼう質しつでのSmタンパク質たんぱくしつの合成ごうせいと保管ほかん

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Smタンパク質たんぱくしつ（英語えいご版ばん）は、他たのタンパク質たんぱくしつと同様どうよう、細胞さいぼう質しつでリボソームがmRNAを翻訳ほんやくすることで合成ごうせいされる。Smタンパク質たんぱくしつは3種類しゅるいの部分ぶぶん的てきに組くみ立たてられたのリング複ふく合体がったいの形かたちで細胞さいぼう質しつに保管ほかんされ、そのすべてがpIClnタンパク質たんぱくしつと結合けつごうしている。SmD1、SmD2、SmF、SmE、SmGとpIClnからなる6S五ご量りょう体からだ複ふく合体がったい、SmBとおそらくSmD3、そしてpIClnからなる2–4S複ふく合体がったい、SmD3、SmB、SmD1、pIClnとアルギニンメチルトランスフェラーゼ5（PRMT5）からなる20Sメチロソーム（methylosome）の3つの形態けいたいである。SmD3、SmB、SmD1はメチロソーム中ちゅうで翻訳ほんやく後ご修飾しゅうしょくを受うける[7]。これら3つのSmタンパク質たんぱくしつにはC末端まったんに反復はんぷく性せいのアルギニン-グリシンモチーフが存在そんざいし、アルギニン側がわ鎖くさりのωおめが-NG, NG'-ジメチルアルギニンへの対称たいしょう性せいジメチル化かが行おこなわれる。pIClnは、3つの前駆ぜんく体たい複ふく合体がったい全すべてに存在そんざいするが成熟せいじゅくしたsnRNPには存在そんざいせず、Smタンパク質たんぱくしつの未み成熟せいじゅくな組くみ立たてを防ふせぐ、専門せんもん化かされたシャペロンとして機能きのうすることが示唆しさされている。

SMN複ふく合体がったい中ちゅうでのコアsnRNPの組くみ立たて

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snRNA（U1、U2、U4、U5、そしてわずかの U11、U12、U4atac）はすぐにSMN（英語えいご版ばん）タンパク質たんぱくしつ（survival of motor neuron protein、SMN1遺伝子いでんしにコードされる）とGemin 2–8（Gem-associated protein、GEMIN2（英語えいご版ばん）、GEMIN3（英語えいご版ばん）、GEMIN4（英語えいご版ばん）、GEMIN5（英語えいご版ばん）、GEMIN6（英語えいご版ばん）、GEMIN7（英語えいご版ばん）、GEMIN8（英語えいご版ばん））と相互そうご作用さようし、SMN複ふく合体がったいを形成けいせいする[8][9]。ここでsnRNAはSmD1-SmD2-SmF-SmE-SmG五ご量りょう体たいと結合けつごうし、続つづいてSmD3-SmB二に量りょう体たいが加くわわってsnRNAのSm結合けつごう部位ぶいのまわりにSmリングが完成かんせいする。Sm結合けつごう部位ぶいは、これらのsnRNAにおいて保存ほぞんされたヌクレオチド配列はいれつで、一般いっぱん的てきには AUUUGUGG である。snRNAの周囲しゅういにSmリングが組くみ立たてられた後のち、5'末端まったんの7-メチルグアノシンのキャップがさらにメチル化かされて2,2,7-トリメチルグアノシンとなるとともに、3'末端まったんがトリミングされる。この修飾しゅうしょくと完全かんぜんなSmリングの存在そんざいは、Snurportin1によって認識にんしきされる。

核かくでの最終さいしゅう的てきなsnRNPの組くみ立たて

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完成かんせいしたコアsnRNP-snurportin1複ふく合体がったいは、インポーチンβべーたを介かいして核かく内ないへ輸送ゆそうされる。核かく内ないではコアsnRNPはカハール体たいで見みられ、そこでsnRNPの最終さいしゅう的てきな組くみ立たてが行おこなわれる。この過程かていには、タンパク質たんぱくしつの付加ふかや特定とくていのsnRNP（U1、U2、U4、U5）に対たいする特異とくい的てきな修飾しゅうしょくが含ふくまれる。

多おおくの遊離ゆうりU6 snRNAが細胞さいぼう質しつに見みつかるものの、U6 snRNPの生なま合成ごうせいは核かく内ないで起おこる。まずLSm（英語えいご版ばん）リングが集合しゅうごうし、その後ごU6 snRNAと結合けつごうすると考かんがえられている。

snRNPの解体かいたい

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snRNPの寿命じゅみょうは非常ひじょうに長ながいが、やがて解体かいたいされ分解ぶんかいされると考かんがえられている。分解ぶんかいの過程かていはほとんど解明かいめいされていない。

組くみ立たての欠陥けっかん

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SMN1遺伝子いでんしの遺伝いでん的てき欠陥けっかんによって、SMNタンパク質たんぱくしつのsnRNP生せい合成ごうせい機能きのうの欠陥けっかんが引ひき起おこされる。これが遺伝子いでんし疾患しっかんである脊髄せきずい性せい筋すじ萎縮いしゅく症しょうで見みられる運動うんどうニューロンの病理びょうりの原因げんいんとなっている可能かのう性せいがある[10]。

構造こうぞう、機能きのうと組織そしき化か

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ヒトと酵母こうぼのsnRNPの構造こうぞうがいくつかクライオ電子でんし顕微鏡けんびきょうと連続れんぞく的てき単たん粒子りゅうし解析かいせきによって決定けっていされている[11]。近年きんねんでは、ヒトのU1 snRNPのコア構造こうぞうがX線せん結晶けっしょう構造こうぞう解析かいせきによって決定けっていされた（3cw1​、3pgw​）[12][13]。続つづいて決定けっていされたU4 snRNPのコア構造こうぞう（2y9a​）は原子げんし相互そうご作用さように最初さいしょの知見ちけんをもたらし、特とくにSmタンパク質たんぱくしつのSm結合けつごう部位ぶいへの結合けつごう様式ようしきが示しめされた[14]。U6 snRNAの構造こうぞうが特異とくい的てきタンパク質たんぱくしつPrp24との複ふく合体がったいとして解とかれ（4n0xt​）[15]、特別とくべつなLsm2–8リングが3'末端まったんのヌクレオチドに結合けつごうした構造こうぞうも解とかれた（4m7a​）[16]。クライオ電子でんし顕微鏡けんびきょうによる単たん粒子りゅうし解析かいせきによって、ヒトU1 snRNP[17]、ヒトU11/U12 di-snRNP[18]、ヒトU5 snRNP、U4/U6 di-snRNP、U4/U6∙U5 tri-snRNP[19]の構造こうぞうが決定けっていされている。snRNPやスプライソソームの構造こうぞうや機能きのうの決定けっていは、現在げんざいも進展しんてんし続つづけている[20]。

抗こうsnRNP抗体こうたい

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自身じしんのsnRNPに対たいして自己じこ抗体こうたいが産さん生むされる可能かのう性せいがある。もっとも顕著けんちょなものはSmタンパク質たんぱくしつ結合けつごう型がたsnRNPを標的ひょうてきとした抗こうSm抗体こうたいであり、全身ぜんしん性せいエリテマトーデスにおいて特異とくい的てきにみられる。

出典しゅってん

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  1. ^ a b Schümperli, D.; R. S. Pillai (2004-10-01). “The special Sm core structure of the U7 snRNP: far-reaching significance of a small nuclear ribonucleoprotein”. Cellular and Molecular Life Sciences CMLS 61 (19–20): 2560–2570. doi:10.1007/s00018-004-4190-0. ISSN 1420-682X. PMID 15526162. http://doc.rero.ch/record/311624/files/18_2004_Article_4190.pdf. 
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外部がいぶリンク

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