Tivoli

Tivoli（Tivoli Software、チボリ）は、IBMのソフトウェアブランドのひとつであり、システム管理かんり用ようのソフトウェア製品せいひん群ぐんを提供ていきょうする。

かつては「チボリシステムズ(Tivoli Systems)」という企業きぎょうおよび製品せいひん群ぐんであったが、1996年ねんにIBMに買収ばいしゅうされた。（日本にっぽんでは2002年ねんに日本にっぽんIBMと日本にっぽんチボリシステムズが合併がっぺいした。）

Tivoli

公式こうしきサイト	(IBM Tivoli NetView for z/OS)

歴史れきし

チボリシステムズ社しゃはTME10 (Tivoli Management Environment 10)シリーズを中心ちゅうしんとしたシステム管理かんりソフトウェアの開発かいはつ販売はんばい企業きぎょうであった。TME10製品せいひんの特徴とくちょうとして、オブジェクト指向しこうのTivoli Management Framework (TMF)の上うえで稼働かどうする事ことで、マルチプラットフォーム環境かんきょうでも、各かくプラットフォームへの依存いぞんが少すくないシステム管理かんり環境かんきょうを構築こうちくできるとされた。

IBMは1996年ねん3月がつにチボリシステムズ社しゃを買収ばいしゅうして、IBMソフトウェア事業じぎょう部ぶに統合とうごうした。チボリシステムズ社しゃの製品せいひんは、IBMの従来じゅうらいからのシステム管理かんり製品せいひんであるNetView、SystemView、ADSMなどと統合とうごうされ、「Tivoli Software」ブランドとなった。

IBMは更さらに、2004年ねん4月がつには監視かんしソフトウェアのOMEGAMONシリーズを持もつCandle Corporation社しゃ、2005年ねん12月には大だい規模きぼ監視かんしソフトウェアのNetCoolシリーズを持もつMicromuse社しゃ、2006年ねん10月がつには資産しさん管理かんりソフトウェアのMaximoシリーズを持もつMRO Software社しゃを買収ばいしゅうし、それぞれTivoliブランドに追加ついか・統合とうごうした。

製品せいひん

Tivoli製品せいひん群ぐんは、以下いかのように幅広はばひろいシステム管理かんり領域りょういきをカバーする。

• メッセージ管理かんり
  • Tivoli Enterprise Console (TEC) - 旧きゅうTivoli System社しゃのメッセージ管理かんり。
  • Netcool/OMNIbus - 旧きゅうMicromuse社しゃのメッセージ管理かんり。大だい規模きぼネットワークのメッセージを高速こうそくに処理しょりする。
• ネットワーク監視かんし
  • Tivoli NetView - IBMの従来じゅうらいからのSNMPサーバー。
  • Tivoli Network Manager (TNM) - 旧きゅうMicromuse社しゃのSNMPサーバー。
• システム監視かんし（プロセス監視かんし、リソース監視かんし）
  • Tivoli Monitoring (ITM) - V5まではTMFアーキテクチャ、V6からはOMEGAMONアークテクチャ。
• サービスレベル管理かんり
  • Tivoli Business Service Manager (TBSM)
• 構成こうせい管理かんり
  • Tivoli Configuration Manager (TCM)
• バックアップ
  • Tivoli Storage Manager (TSM) - 前身ぜんしんはIBMから分社ぶんしゃ化かしたAdstar社しゃのAdstar Distributed Storage Manager、IBMに再さい統合とうごう後ごのAdvanced Distributed Storage Manager(略称りゃくしょうはいずれもADSM)。TSM-DBを中心ちゅうしんとした統合とうごうバックアップを提供ていきょうする。
• ジョブ管理かんり
  • Tivoli Workload Scheduler (TWS) - メインフレーム用ようはIBM独自どくじ、分散ぶんさんシステム用ようは買収ばいしゅうしたUnison社しゃのMaestroがベース。現在げんざいはTivoliブランドが外はずれ、IBM Workload Scheduler (IWS)として販売はんばい。
• ユーザー管理かんり・セキュリティ
  • Tivoli Identity Manager (TIM) - 前身ぜんしんはAccess360
  • Tivoli Access Manager (TAM)
• 資産しさん管理かんり
  • Maximo

特徴とくちょう

特とくに、IBMの主要しゅよう顧客こきゃく層そうでもある大だい企業きぎょう(特とくに金融きんゆう)では採用さいよう比率ひりつが高たかい。多数たすうの製品せいひんを組くみ合あわせカスタマイズすることで、大だい規模きぼシステムで必要ひつようとなる、細こまかい統合とうごうシステム管理かんりが構築こうちくできる。反面はんめん、効果こうか的てきな使つかいこなしには各かく製品せいひんの理解りかいとカスタマイズ（構築こうちく、要員よういん、保守ほしゅ）が必要ひつようなため、ハードルが高たかいと言いわれる場合ばあいもある。

インフラ面めんの特徴とくちょうとして、チボリシステムズ系列けいれつの製品せいひんの多おおく(旧称きゅうしょうTME10シリーズのTEC、TWS(旧称きゅうしょうMaestro)など)は、Tivoli Management Framework(無料むりょう)の上うえで稼動かどうするため、マルチプラットフォームに対応たいおうしやすい反面はんめん、Frameworkの知識ちしき・管理かんり・負荷ふかが必要ひつようとなる。

NetViewやTSM(旧称きゅうしょうADSM)は、IBMの従来じゅうらいからのシステム管理かんり製品せいひんをTivoliブランドに統合とうごうし連携れんけいさせたものであり、Tivoli Management Frameworkは必要ひつようとしない。

またITMはV5まではチボリシステムズ系列けいれつだったが、V6以降いこうは買収ばいしゅうした旧きゅうキャンドル社しゃのOMEGAMONに置おき換かえられたため、Tivoli Management Frameworkは必要ひつようとしなくなった。

名称めいしょう

「Tivoli」の名称めいしょうの由来ゆらいは、"I LOV IT" のスペルを逆ぎゃくにしたものと言いわれる事ことが多おおいが、真実しんじつではない。Todd Smith が暫定ざんていの名称めいしょうで考かんがえたものが、変更へんこうされずに残のこっているものである。

備考びこう

2008年ねんより年次ねんじカンファレンス「IBM Pulse」を開催かいさいしている。

関連かんれん項目こうもく

• システム管理かんり
• IBMによる合併がっぺい買収ばいしゅう一覧いちらん

外部がいぶリンク

• IBM Tivoli Monitoring の概要がいよう
• IBM Tivoli NetView for z/OS（日本語にほんご）
• IBM Pulse
  • IBM Pulse 2008 Report - ITMedia
  • IBM Pulse 2009 Report - ITMedia
• IBM マーケットプレイス
• IBM ソフトウェア