VH-92

VH-92 パトリオットとは、シコルスキー・エアクラフト社しゃが開発かいはつしたS-92をベースとして、ロッキード・マーティンと共同きょうどうで開発かいはつした、アメリカ海兵かいへい隊たいのマリーンワン（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょう専用せんよう機き）用ようヘリコプターである。VH-3D、及およびVH-60Nプレジデントホークの後継こうけいである。

概要がいよう　

シコルスキーはS-92の派生はせい型がたであるVH-92パトリオットをアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょう専用せんようヘリコプター(マリーンワン)の後継こうけい計画けいかく、VXX(シコルスキー VH-3D シーキング及およびVH-60N ホワイトホークの後継こうけい）に参加さんかさせたが、ロッキード・マーティン VH-71 ケストレルに敗やぶれた。しかし、VH-71の開発かいはつ費ひが膨ふくらんだため、2010年ねんに再さい入札にゅうさつが行おこなわれ、シコルスキーは2010年ねん4月がつにVH-92を再さい提出ていしゅつすることができた。 2013年ねん半なかばまでに、他たの航空機こうくうきメーカーはすべて入札にゅうさつから脱落だつらくし、シコルスキーだけが残のこった。

2014年ねん5月がつ7日にち、VH-92が再開さいかいされたVXXを勝かち抜ぬいたことが発表はっぴょうされた。2014年ねん5月がつ、シコルスキーは12億おく4,000万まん米あめりかドルの契約けいやくを獲得かくとくし、エグゼクティブインテリアと、三重みえ電源でんげんや冗長じょうちょう飛行ひこう制御せいぎょを含ふくむ軍事ぐんじ任務にんむ支援しえんシステムを装備そうびしたVH-92を生産せいさんした。VH-92Aと命名めいめいされた6機きは、2017年ねんに米べい海軍かいぐんによって発注はっちゅうされた。2015年度ねんどのプログラム総そう費用ひようは、23機きのヘリコプターに対たいして47億おく1,800万まんドルであり、1機きあたりの平均へいきんコストは2億おく500万まんドルである。 2016年ねん7月がつ、設計せっけいは予備よび設計せっけいテストに合格ごうかくし、生産せいさんが許可きょかされた。

運用うんよう　

2017年ねん7月がつ28日にち、最初さいしょのVH-92Aは、シコルスキーのコネチカット州しゅうストラットフォードの施設しせつで初はつ飛行ひこうを行おこなった。2018年ねん9月がつ22日にち、VH-92は、マリーンワンに使用しようされるスポットで離着陸りちゃくりくテストのためにホワイトハウスに飛行ひこうした。

2021年ねん11月がつ下旬げじゅん、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国防総省こくぼうそうしょうの当局とうきょく者しゃは、この航空機こうくうきが「信頼しんらい性せい、可用性かようせい、整備せいび性せいのしきい値ち要件ようけんを満みたしていない」と指摘してきし、試験しけん飛行ひこう中ちゅうに排気はいきや燃料ねんりょう漏もれで着陸ちゃくりく帯たいを損傷そんしょうさせたと指摘してきした。VH-92はまだVIPを運はこぶ任務にんむに就ついていなかった。

2021年ねん12月28日にち、VH-92は初期しょき作戦さくせん能力のうりょく（IOC）を獲得かくとくした。しかし、2022年ねんに「パトリオット」と命名めいめいされた本ほん機きは、暗号あんごう化かされた通信つうしんシステムの問題もんだいのため、大統領だいとうりょうや副ふく大統領だいとうりょうを運はこぶことができなかった。またホワイトハウス南みなみにある芝生しばふのヘリポートの芝生しばふをエンジンが焼やくという問題もんだいもあったため、同どうヘリポートへの離着陸りちゃくりくが禁止きんしされた。

2024年ねん8月がつ19日にち、VH-92Aは初はじめてバイデン大統領だいとうりょうを乗のせて「マリーンワン」となった。ただ暗号あんごう化か通信つうしんの問題もんだいについては解決かいけつしたものの、芝生しばふを焼やく問題もんだいについては不明ふめいとされているため、完全かんぜんに大統領だいとうりょう専用せんようヘリがVH-92Aに置おき換かわるのはまだ先さきになる可能かのう性せいがある。

派生はせい型がた

VH-92A パトリオット

2024年ねん8月がつまでに全ぜん23機きが納入のうにゅうされた。

CH-92A

訓練くんれん用ように2機きが計画けいかくされている。