出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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拙
- おとる。
- まずい。つたない。技量がおとる。
- 話者又は話者に所属・由来するものについて謙遜した表現を作る。
- 音読み
- 訓読み
- 常用漢字表内
- つたな-い
- 常用漢字表外
- まず-い
- (セツ)得意でない事、苦手。
- 私の時間の遣操に拙なのは、金の遣操に拙なのと同一である。拙は藏するが常である。併し拙を藏するのも、金を藏すると同一で、氣苦勞である。今は告白流行の時代である。仍て私は私の拙を告白するのである。(森林太郎 『長谷川辰之助』)
- (セツ・セチ:古風、しばしば滑稽。明治期以降は職人・芸人・幇間の自称や遊里における用語)自称に用いる。
- 「いや、拙はさようなことは考えませぬ。拙は文学道のためにのみ筆をとります。」六樹園は昂然として言った。今度は三馬がびっくりした。(林不忘 『仇討たれ戯作』 六樹園は戯作者石川雅望、三馬は式亭三馬で設定は天明期の会話)
- 「狸が人を婆化すと云いやすけれど、何で狸が婆化しやしょう。ありゃみんな催眠術でげす……」「なるほど妙な本だね」と源さんは煙に捲まかれている。「拙が一返古榎になった事がありやす、ところへ源兵衛村の作蔵と云う若い衆が首を縊りに来やした……」(夏目漱石 『琴のそら音』 「拙」は床屋の職人)
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