天辺(テッペン)とは？意味や使い方

デジタル大辞泉だいじせん「天辺てっぺん」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

てっ‐ぺん【^▽天辺てっぺん】

《「てへん（天辺てっぺん）」の音おと変化へんか》
１（「頂いただき辺べ」とも書かく）兜かぶとかぶとのいただき。転てんじて、頭あたまのいただき。「頭あたまの天辺てっぺん」
２いただき。頂上ちょうじょう。「山やまの天辺てっぺん」
３最高さいこう。最上さいじょう。また、その地位ちい。「プレーヤーとして天辺てっぺんに上のぼりつめる」「幸福こうふくの天辺てっぺんにある」
４俗ぞくに、深夜しんや0時じのこと。時計とけいの文字もじ盤ばんで0時じ（12時じ）が最もっとも高たかい位置いちにあることから。映像えいぞう・放送ほうそう業界ぎょうかいの用語ようごで、収録しゅうろくや編集へんしゅうなどの作業さぎょうが日付ひづけをまたいで続つづくことを「てっぺんをまわる」などと言いう。
[類語るいご]頂上ちょうじょう・山頂さんちょう・峰みね・山嶺さんれい・山巓さんてん・天頂てんちょう・頂いただき

て‐へん【^▽天辺てっぺん／^▽頂いただき辺べ】

１兜かぶとかぶとの鉢はちのいただき。てっぺん。
２いただき。頭あたま。てっぺん。
「此の奴やつども―さ打うち被こうむる時とき」〈滑すべり・浮世うきよ風呂ふろ・前まえ〉

てっ‐ぺい【^▽天てん^▽辺あたり】

《「てへん（天辺てっぺん）」の音おと変化へんか》「てっぺん」に同おなじ。
「―より太ふとし腹はらまで節々ふしぶし込こめてから竹たけわり」〈浄きよし・女護島にょごがしま〉

てん‐ぺん【天辺てっぺん】

空そらの高たかいところ。上空じょうくう。また、空そらのはて。「天辺てっぺんの月つき」

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精選せいせん版ばん日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん「天辺てっぺん」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

てっ‐ぺん【天辺てっぺん・頂いただき辺べ】

〘名詞めいし〙 ( 「てへん（天辺てっぺん）」の変化へんかした語かたり )
① 兜かぶと(かぶと)のいただき。転てんじて、頭あたまのいただき。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「たアことウぬかすと、てっぺんを張子はりこの福ぶく介かいのやうにするぜへ」(出典しゅってん：滑稽本こっけいぼん・旧観きゅうかん帖じょう（1805‐09）初はつ)
② 物もののいちばん高たかい所ところ。頂上ちょうじょう。いただき。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「初はつの夢見ゆめみに富士ふじの頭上ずじょう(テッペン)」(出典しゅってん：雑俳ざっぱい・花見はなみ車しゃ集しゅう（1705）)
③ はじめ。最初さいしょ。真まっ先さき。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「有徳うとくな人ひとの子供こどもは、てっぺんから大だい医いにかけて人参にんじんずくめ」(出典しゅってん：談義だんぎ本ほん・八景はっけい聞取ききと法問ほうもん（1754）一いち)
④ 物ものの極点きょくてん。最高さいこう。最上さいじょう。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「女房にょうぼう方かた、娘むすめ方かた、おやま、所作事しょさごと引ひくるめて若わか女形おんながたのてっぺん」(出典しゅってん：談義だんぎ本ほん・根無草ねなしぐさ（1763‐69）前まえ)
⑤ ホトトギスの鳴なき声ごえ。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「初物はつもののてっへん銭ぜにが入はいらず聞きく」(出典しゅってん：雑俳ざっぱい・柳やなぎ多留たる‐六ろく六ろく（1814）)

て‐へん【天辺てっぺん・頂いただき辺べ】

〘名詞めいし〙
① 兜かぶと(かぶと)の部分ぶぶんの名な。鉢はちの中央ちゅうおう上部じょうぶをいう。てっぺん。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「常つねに錏(しころ)を傾かたぶけよ、いたう傾かたむけて手てへん射いさすな」(出典しゅってん：平家ひらか物語ものがたり（１３Ｃ前まえ）四よん)
② 頭あたま。いただき。てっぺん。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「朝霧あさぎりに馬うまは大津おおつの追おいからし〈乙おつ由よし〉山やまのてヘンに落かかる月つき〈芦あし本ほん〉」(出典しゅってん：俳諧はいかい・一いち幅ぶく半はん（1700）一いち折おり)
③ 佐渡さわたりの金山かなやまで用もちいた一種いっしゅの保安ほあん帽ぼう。かんぜよりで兜かぶとのように編あんだもの。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「てへんといふ、甲かぶとのごとく、笠かさに似にたる、こよりにて作さくたるものをかぶり」(出典しゅってん：島根しまねのすさみ‐天保てんぽう一いち一いち年ねん（1840）八はち月がつ八はち日にち)

てっ‐ぺい【天辺てっぺん】

〘名詞めいし〙 ( 「てへん（天辺てっぺん）」の変化へんかした語かたり。「てつべい」とも )
① 兜かぶと(かぶと)や頭あたまのいただき。脳天のうてん。てへん。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「てつべいを枕まくらにぶっさげめされい」(出典しゅってん：仮名かめい草子ぞうし・東海道とうかいどう名所めいしょ記き（1659‐61頃ごろ）三さん)
② 山やまのいただき。山頂さんちょう。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「おびただし・あの巓平(テッペイ)に三さん千せん坊ぼう」(出典しゅってん：雑俳ざっぱい・西国さいこく船せん（1702）)

てん‐ぺん【天辺てっぺん】

〘名詞めいし〙 天てんのはて。空そらの際さい。また、空そらの高たかい所ところ。上空じょうくう。
1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「天辺てっぺん孤月こげつ乗じょう_レ流ながれ疾やまし、山やま裏うら飢かつえ猿ざる到いた_レ暁あかつき啼」(出典しゅってん：文ぶん華はな秀麗しゅうれい集しゅう（818）上じょう・江頭えがしら春暁しゅんぎょう〈嵯峨天皇さがてんのう〉)
2. 「旧臣きゅうしん后妃こうひ泣々鼎かなえ湖この雲くもを瞻望(せんばう)して、恨を天辺てっぺん(ヘン)の月つきに添へ」(出典しゅってん：太平たいへい記き（１４Ｃ後ご）二に一いち)
3. [その他たの文献ぶんけん]〔宋そう之の問とい‐上陽じょうよう宮みや侍さむらい宴えん序じょ〕