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演奏(エンソウ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

演奏えんそうみ)エンソウ

デジタル大辞泉だいじせん演奏えんそう」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

えん‐そう【演奏えんそう

(スル)音楽おんがくそうすること。「タンゴ演奏えんそうする」
[類語るいご]奏楽そうがく

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん演奏えんそう」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

えん‐そう【演奏えんそう

  1. 名詞めいし 音楽おんがくをかなでること。おおく、公衆こうしゅうまえ音楽おんがくそうすること。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「今日きょう今夜こんやねんでの演奏えんそう(エンソウ)なのだ」(出典しゅってん恋慕れんぼながし(1898)〈小栗おぐり風葉ふうよういち)

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん演奏えんそう」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

演奏えんそう (えんそう)

音楽おんがく音響おんきょうとおして時間じかんてき現実げんじつする行為こうい一般いっぱん芸術げいじゅつ活動かつどうは,創作そうさく享受きょうじゅというふたつの活動かつどうからつが,演劇えんげき舞踊ぶようなどとともに実演じつえん芸術げいじゅつ区分くぶんされる音楽おんがくにおいては,創作そうさく享受きょうじゅ中間ちゅうかんに,楽曲がっきょく音楽おんがくとして時間じかんてき実現じつげんするための演奏えんそう行為こうい介在かいざいする。相互そうご密接みっせつした関連かんれんをもつ創作そうさく演奏えんそう享受きょうじゅ行為こういは,西洋せいよう近代きんだいからたがいに独立どくりつし,作曲さっきょく演奏えんそう聴衆ちょうしゅう区別くべつしょうじるようになった。西洋せいよう中世ちゅうせい音楽おんがくルネサンス音楽おんがく東洋とうよう日本にっぽん伝統でんとう音楽おんがくにおいては,演奏えんそうはしばしば作曲さっきょくね,比較的ひかくてき制約せいやくすくない楽譜がくふをもとに自由じゆう即興そっきょう演奏えんそうおこなっていた。しかし西洋せいよう近代きんだいから現代げんだいにかけて,演奏えんそう役割やくわりは,作曲さっきょく創作そうさくした固定こていてき作品さくひん楽譜がくふを,創造そうぞうてき解釈かいしゃくし,聴衆ちょうしゅうきたかたち伝達でんたつすることに変化へんかした。

 20世紀せいき西洋せいよう演奏えんそうは,19世紀せいきロマン主義しゅぎ反旗はんきをひるがえすことから活動かつどうはじめた。創作そうさく演奏えんそう享受きょうじゅ活動かつどう完全かんぜん分離ぶんりした19世紀せいきにおいては,演奏えんそうは,17,18世紀せいきとおして一般いっぱんてきになった演奏えんそうかいで,どう時代じだい作曲さっきょく作品さくひんはなやかな〈名人めいじんげい〉で演奏えんそうしていた。しかし20世紀せいき演奏えんそうは,どう時代じだい作曲さっきょく作品さくひんよりも,過去かこ作曲さっきょく作品さくひん積極せっきょくてきにとりあげるようになった。こうした演奏えんそう世界せかいにおける〈歴史れきし主義しゅぎ〉のはやれいは,メンデルスゾーンバッハヘンデル演奏えんそうした19世紀せいき中葉ちゅうようにもられるが,20世紀せいきはいってから一般いっぱんてき傾向けいこうとして定着ていちゃくした。

 20世紀せいき初頭しょとうの〈しん音楽おんがく〉や〈しんそくぶつ主義しゅぎ〉の音楽おんがく運動うんどうは,演奏えんそうかいにおける〈歴史れきし主義しゅぎ〉にあたらしい方向ほうこうからひかりをあて,〈楽譜がくふ忠実ちゅうじつ演奏えんそう〉〈作品さくひん忠実ちゅうじつ演奏えんそう〉〈歴史れきしてき忠実ちゅうじつ演奏えんそう〉というスローガンさけばれるようになった。B.ワルターやW.ギーゼキングは,19世紀せいきてきな〈名人めいじんげい〉や主観しゅかんてき解釈かいしゃくをさけ,原典げんてん楽譜がくふ指示しじされたとおりのフレージングダイナミックスアーティキュレーション忠実ちゅうじつ再現さいげんしようとした。さらに20世紀せいきはいってからのレコード,テープ,放送ほうそうなどの発達はったつは,こうした客観きゃっかんてき演奏えんそう様式ようしきへの傾斜けいしゃ拍車はくしゃをかけた。同一どういつ演奏えんそうなんかい再現さいげんできるレコードやテープは,コンサートではきとれないような演奏えんそう細部さいぶ拡大かくだいするため,演奏えんそうは,1音符おんぷのミスもない正確せいかく演奏えんそうざすようになった。そして20世紀せいき後半こうはんはいると,G.グールドのように,レコード録音ろくおんでしか完璧かんぺき演奏えんそうはできないとし,コンサート活動かつどうをいっさいおこなわない演奏えんそう登場とうじょうするようになった。また演奏えんそうの〈歴史れきし主義しゅぎ〉は,1960年代ねんだいから〈古楽こがく〉とむすびつき,中世ちゅうせいやルネサンス時代じだいふる音楽おんがくを,当時とうじ楽器がっきピッチおとたかさ)や演奏えんそう習慣しゅうかんでそのまま再現さいげんすることがひろおこなわれるようになった。

 20世紀せいき後半こうはん作曲さっきょくは,〈電子でんし音楽おんがく〉や〈ミュジック・コンクレート〉を創案そうあんして,演奏えんそうをまったく必要ひつようとしない音楽おんがくつくりだし,また厳格げんかく数理すうりてき作曲さっきょく技法ぎほうによる〈ミュジック・セリエル〉などでは,演奏えんそう自由じゆうをほとんどみとめていない。しかし,こうした傾向けいこう反対はんたいし,演奏えんそう創造そうぞうてき参加さんかもとめる〈偶然ぐうぜんせい音楽おんがく〉や〈確定かくていせい音楽おんがく〉もかれている。
執筆しっぴつしゃ

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)演奏えんそう」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

演奏えんそう
えんそう

音楽おんがく行動こうどうひとつで、身体しんたいあるいは楽器がっき使つかって音響おんきょう生成せいせいし、それがつくりだす意味いみてき世界せかいをききてつたえようとする行為こういである。とくに楽器がっきによる演奏えんそうを、play英語えいご)、Spiel(ドイツ)、jeuフランス語ふらんすご)というかたりによってあらわすように、(1)規則きそくをもつ、(2)可逆かぎゃくてき時間じかん構造こうぞうをもつなどのてんで、演奏えんそう遊戯ゆうぎ原理げんりてきふかいかかわりをもっている。日本にっぽんでも、ふるくは『源氏物語げんじものがたり』に「あそびはじまりて……そう(おんこと)どもす」(ふじうら(ふじのうらば))とあるように、管絃かんげん(かんげん)のわざをなすことを「あそぶ」というかたりでとらえていた。

 演奏えんそう行為こういは、文化ぶんかあいだによって、自己じこ目的もくてき自律じりつてきなものから、多目的たもくてき他律たりつてきなものまで、さまざまな度合どあいと種類しゅるいをみいだすことができる。ヨーロッパでは創作そうさく演奏えんそう享受きょうじゅというコミュニケーション連関れんかんのなかで、演奏えんそう作品さくひん解釈かいしゃく行為こういとして、おもに演奏えんそうかいという音楽おんがくてき意義いぎのみをもつことがおおいが、しょ地域ちいきではふくあいてき行動こうどう構成こうせいするひとつの要素ようそとしてとらえることができる。たとえば、インドのバウル歌唱かしょう日本にっぽん東大寺とうだいじ修二しゅうじかい(しゅにえ)の行法ぎょうほうでは、演奏えんそう行為こうい同時どうじ儀礼ぎれいてきあるいは宗教しゅうきょうてき行為こういであるとかんがえられ、そのため舞踊ぶようてき演劇えんげきてき所作しょさもあわせもつという、多義たぎてき行動こうどう類型るいけいかさなりのなかで、演奏えんそう意味いみをもち機能きのうしている。

 一連いちれん音楽おんがく行動こうどうのなかでも、とくに演奏えんそうは、身体しんたいとのむすきをつよくもっている。それぞれの文化ぶんかにおける演奏えんそう方法ほうほう様式ようしきは、身体しんたいとそれを風土ふうど環境かんきょう、さらには生態せいたいてき条件じょうけんとの相互そうご作用さよう産物さんぶつといえる。たとえば、マレー・ポリネシアけい人々ひとびとにみられるはなふえは、はなからの呼気こき霊気れいきたずさえているということ以上いじょうに、熱帯ねったい環境かんきょう適応てきおうしたはな粘膜ねんまくそなえているという生理せいりてき条件じょうけんが、演奏えんそうほう規定きていしているといえよう。また、モンゴルにおけるきわめて遠方えんぽうにまでおととど倍音ばいおん唱法(ホーミー)は、生活せいかつ環境かんきょうである広大こうだい草原そうげんきにしてはかんがえられない。さらに生態せいたいてき条件じょうけんひとつとして、楽器がっき材質ざいしつがあげられる。たとえば、たけはアジア一帯いったいにしかみいだされず、そこから日本にっぽん尺八しゃくはち中国ちゅうごくしょう(しょう)、インドネシアのアンクルンのような独特どくとくたけせい楽器がっき演奏えんそう方法ほうほうされている。ただ、生態せいたいてき条件じょうけん規定きていされた物質ぶっしつ文化ぶんか楽器がっき以外いがいにもおおくあり、人間にんげん行動こうどう全般ぜんぱんひろ影響えいきょうあたえていることはわすれてはならない。

 演奏えんそう身体しんたいとおしておこなわれ、そのつど1かいかぎりのはかないものではあるが、音楽おんがくきたかたちて、ききてまえ顕現けんげんさせる唯一ゆいいつ機会きかいである。その意味いみでは、演奏えんそうは、音楽おんがく現象げんしょうのなかでももっともきした場面ばめんであるといえよう。

中川なかがわ しん

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん演奏えんそう」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

演奏えんそう
えんそう
musical performance

音楽おんがく現実げんじつおととしてひびかせる行為こうい演奏えんそう即興そっきょう演奏えんそう場合ばあいのぞき,創造そうぞう享受きょうじゅめんせいをもつ。 19世紀せいき作曲さっきょく演奏えんそう職能しょくのうとして分離ぶんりされて以来いらい音楽おんがく創造そうぞう最後さいご仕上しあげとして,演奏えんそうに「解釈かいしゃく」の問題もんだいせられ,個性こせいてき芸術げいじゅつ創造そうぞう要求ようきゅうされてきた。作品さくひん演奏えんそう媒体ばいたいとしての楽譜がくふ (記号きごう) を,どうみ,解釈かいしゃくするかが演奏えんそうそのものを左右さゆうする。したがって,演奏えんそう歴史れきしには,演奏えんそうしゃ主観性しゅかんせい個性こせいてき魅力みりょくおもとするうごきと,ぎゃくぼつ個性こせい目指めざ楽譜がくふ忠実ちゅうじつ演奏えんそうへのうごきの2めんがみられる。演奏えんそうたん機械きかいてき物理ぶつりてき実現じつげんではなく,音楽おんがくという芸術げいじゅつ創造そうぞうてき体験たいけんであり,つねに「解釈かいしゃく」のうえに「表現ひょうげん」と「技法ぎほう」の問題もんだいがからんでくる。

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうち演奏えんそう言及げんきゅう

音楽おんがく】より

英語えいごのミュージックmusic,ドイツのムジークMusik,フランス語ふらんすごのミュジックmusique,イタリアのムージカmusicaなどのかたり共通きょうつう語源ごげんとされるのは,ギリシアの〈ムシケmousikē〉であるが,それはそもそも〈ムーサMousa〉(英語えいごでミューズMuse)としてられる女神めがみたちのつかさどる技芸ぎげい意味いみし,そのなかには狭義きょうぎおと芸術げいじゅつのほか,朗誦ろうしょうされるものとしての芸術げいじゅつ舞踊ぶようなど,リズムによって統合とうごうされる各種かくしゅ時間じかん芸術げいじゅつ包含ほうがんされていた。このように包括ほうかつてきな〈音楽おんがく〉の概念がいねんは,ヨーロッパ中世ちゅうせいにおいては崩壊ほうかいし,それにわって思弁しべんてきがくとして〈自由じゆうななseptem artes liberales〉のなか位置いちづけられる〈音楽おんがく〉と演奏えんそう行為こうい前提ぜんていとして実際じっさいひび実践じっせんてきな〈音楽おんがく〉の概念がいねんまれたが,後者こうしゃ中世ちゅうせいからルネサンスにかけてのポリフォニー音楽おんがく発展はってんにつれて,しだいにリズム理論りろん音程おんてい理論りろんなどを内部ないぶふく精緻せいちおと構築こうちくぶつへと進化しんかした。これらの実践じっせんてき音楽おんがくとその理論りろんがギリシア古代こだいから一貫いっかんしていだのは,音楽おんがくてき構築こうちく基礎きそ合理ごうりてき整除せいじょできる関係かんけい(ラティオratio)とすうてき比例ひれい(プロポルティオproportio)にもとめるかんがかたである。…

※「演奏えんそう」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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