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追捕使(ツイブシ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

つい使つかいみ)ツイブシ

デジタル大辞泉だいじせんつい使つかい」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

ついぶ‐し【おい使つかい

平安へいあん時代じだい治安ちあんみだもの逮捕たいほ鎮圧ちんあつ任命にんめいされたかん国司こくし郡司ぐんじなかから武勇ぶゆうものえらばれた。はじ臨時りんじかんであったが、のちには常置じょうちとなった。

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてんつい使つかい」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

ついぶ‐し【つい使つかい

  1. 名詞めいし 平安へいあん時代じだい地方ちほう治安ちあん維持いじのために任命にんめいされたかんぞく横行おうこう叛乱はんらん発生はっせいさいし、しゅとして諸道しょどう単位たんいにんじられる臨時りんじかんであったが、のちこく単位たんい常置じょうちかんとなった。国司こくし申請しんせいにより武芸ぶげいにすぐれた在地ざいち豪族ごうぞく任命にんめいされ、犯罪はんざいじん捜査そうさ逮捕たいほたった。また、平安へいあん末期まっきには荘園しょうえん神社じんじゃ域内いきない警備けいびたるものをもしょうした。これらはすべて鎌倉かまくら幕府ばくふそうおい使つかい守護しゅご)・地頭じとう設置せっちにより、とってかわられた。ついふくし。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「今日きょうにん東海とうかい東山ひがしやま山陽さんようみちとうおい使つかい以下いかじゅうにんいち」(出典しゅってん日本にっぽんりゃくてんけいさんねん(940)正月しょうがついちにち)

つい使つかい補助ほじょ注記ちゅうき

元来がんらいついまもるおよび検非違使けびいしたったが、つい使つかい補任ほにんされたのは、「さだしんおおやけしょううけたまわひらたねんよんがつはちにち」にえる、平将門たいらのまさかどらんにしたものが最初さいしょである。


ついふく‐し【つい使つかい

  1. 名詞めいしついぶし(つい使つかいいろるいしょう(1177‐81)〕

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてんつい使つかい」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

つい使つかい (ついぶし)

平安へいあん時代じだい軍事ぐんじ担当たんとうかんれいそとかん(りようげのかん)のひとつ。〈ついぶうし〉〈ついぶくし〉ともいう。はつは932ねんうけたまわひら2)で,瀬戸内海せとないかい海賊かいぞくを討滅するために朝廷ちょうていによって任命にんめいされている。ついで東国とうごくでの平将門たいらのまさかどらん西国さいこくでの藤原ふじわらじゅんともらん激化げきかしたときに何人なんにんかが任命にんめいされており,らん鎮定ちんてい活躍かつやくした。このときは山陽さんようどう南海なんかいどうなどのみちという広域こういき対象たいしょう地域ちいきとして任命にんめいされているが,らんにはいちこく単位たんいとするつい使つかいかれるようになってくる。律令りつりょう国家こっか衰退すいたいとともにかく地域ちいき治安ちあんみだれ,それをくに単位たんいまもることが任務にんむであった。この場合ばあい前代ぜんだいのように中央ちゅうおう政府せいふによってではなく国衙こくがによって任命にんめいされる地方ちほうかんである。徐々じょじょ各国かっこくもうけられていくが,同様どうよう軍事ぐんじ官職かんしょくである押領使(おうりようし)の任命にんめい地域ちいきとのちがいや職務しょくむ権限けんげんなどはあきらかでない。鎌倉かまくら幕府ばくふは1185ねん文治ぶんじ1)にそうおい使つかい守護しゅご)を全国ぜんこく任命にんめいするが,これはそののとおりおい使つかいのもつ軍事ぐんじてき権限けんげん吸収きゅうしゅうして武家ぶけ政権せいけん地方ちほう行政ぎょうせい組織そしきとしたものである。なお,荘園しょうえんにもつい使つかいそうかんとして設置せっちされた場合ばあいがあって,荘園しょうえん内部ないぶでの治安ちあん維持いじなどにあたったとおもわれる。
執筆しっぴつしゃ

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてんつい使つかい」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

つい使つかい
ついぶし

「ついぶくし」ともいう。凶賊きょうぞくつい取締とりしまることを任務にんむとする臨時りんじ地方ちほうかんひとつ。おおくは国司こくし郡司ぐんじ子弟してい武芸ぶげいひいでたものにんじられた。うけたまわひら2 (932) ねん4がつ摂政せっしょう藤原ふじわら忠平ちゅうへいつい海賊かいぞく使のことをさだめたのがつい使つかいはついでてんけい3 (940) ねん平将門たいらのまさかどらんにも東海とうかい東山ひがしやま山陽さんようどう臨時りんじにおかれた (→うけたまわひらてんけいらん ) 。のち国司こくし管内かんないにも設置せっちされて次第しだい常置じょうちかんとなり,治安ちあん維持いじにあたった。畿内きないではみことのりせんほうじて,諸国しょこくでは国司こくし太政官だじょうかんなどに提出ていしゅつするくにかい (こくげ) によって,律令りつりょう政府せいふ申請しんせいし,補任ほにんされるのがれいであった。またつい使つかい荘園しょうえん社寺しゃじにも職名しょくめいとしてもちいられた。みなもと頼朝よりとも文治ぶんじ1 (1185) ねん義経よしつねぎょうおいのため諸国しょこくそうおい使つかい設置せっち勅許ちょっきょされた。

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)つい使つかい」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

つい使つかい
ついぶし

平安へいあん時代じだい警察けいさつてき官職かんしょく。いわゆるれいそとかん(りょうげのかん)で、律令りつりょうのなかに職掌しょくしょうじょう規定きていをもたない。史料しりょうじょうはつは932ねんうけたまわひら2)で、海賊かいぞく鎮圧ちんあつ目的もくてきとして設置せっちされた。古代こだい日本にっぽん軍事ぐんじ警察けいさつけん基本きほんてきにはかく国々くにぐに単位たんいとして発動はつどうされるから、海賊かいぞくのような広範囲こうはんいにわたって活動かつどうする集団しゅうだん対象たいしょうとしにくく、したがってつい使つかい創設そうせつされるところとなった。東海道とうかいどう東山ひがしやまどうといったひろ地域ちいき対象たいしょうとなったが、やがて各国かっこくごとに任命にんめいされるようになり、国司こくし制度せいどあいまって軍事ぐんじ警察けいさつ行動こうどう活躍かつやくした。任命にんめいされたのはしゅとして現地げんち土豪どごうで、地域ちいき実情じつじょう知悉ちしつ(ちしつ)しているということでもっともふさわしい存在そんざいであった。鎌倉かまくら幕府ばくふそうおい使つかい守護しゅご)の源流げんりゅうひとつともなった。

井上いのうえ満郎みつろう

井上いのうえ満郎みつろうちょ平安へいあん時代じだい軍事ぐんじ制度せいど研究けんきゅう』(1980・吉川弘文館よしかわこうぶんかん)』

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百科ひゃっか事典じてんマイペディアつい使つかい」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

つい使つかい【ついぶし】

平安へいあん時代じだい凶賊きょうぞくおい反乱はんらん鎮圧ちんあつのためにもうけたかんれいそとかん(りょうげのかん)のひとつ。はじ臨時りんじかん,のち常置じょうち。1185ねんみなもと頼朝よりとも諸国しょこくすべそうつい使つかいいた。→守護しゅご
関連かんれん項目こうもく衛門えもんそうおい使つかい平野ひらの殿どのそう

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山川やまかわ 日本にっぽんしょう辞典じてん 改訂かいてい新版しんぱんつい使つかい」の解説かいせつ

つい使つかい
ついぶし

10世紀せいき中葉ちゅうよう以降いこう諸国しょこくにおかれたきょうとうつい機関きかんれいそとかん(りょうげのかん)。押領使(おうりょうし)とおなじく国司こくしくにかい(こくげ)で国内こくない有力ゆうりょく武士ぶし推挙すいきょし,かん任命にんめいされる。武装ぶそう蜂起ほうき(きょうとう)が発生はっせいすると,国司こくし太政官だじょうかん報告ほうこくしてついかんをうけ,それにもとづいてつい使つかい国内こくない武士ぶし動員どういんし,きょうとう集団しゅうだんついする。つい使つかい畿内きない近国きんごく山陽さんよう南海なんかいどう諸国しょこく,押領使東国とうごく山陰さんいん西海にしうみみち諸国しょこく範囲はんいとする傾向けいこうがある。鎌倉かまくら幕府ばくふ守護しゅご制度せいどは,押領使つい使つかい権限けんげん継承けいしょうしたもの。

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旺文社おうぶんしゃ日本にっぽん事典じてん さんていばんつい使つかい」の解説かいせつ

つい使つかい
ついぶし

平安へいあん中期ちゅうき以降いこう設置せっちされたれいそとかん (りようげのかん)
国司こくし郡司ぐんじなどから任命にんめいされ,叛徒はんとつい海賊かいぞく盗賊とうぞくなどの鎮圧ちんあつにあたった。932ねん臨時りんじかんとしてかれたがうけたまわひらてんけいらん(935〜941)諸国しょこく常置じょうち。1185ねんみなもと頼朝よりとも諸国しょこくそうおい使つかい設置せっちしたが,これがのちの守護しゅごとなった。

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