スクエニの武器ぶき庫こに潜入せんにゅう！大量たいりょうの小道具こどうぐに触ふれつつ、広ひろいモーションキャプチャスタジオを見学けんがくしました

取材しゅざい / 倉くら嶌しま孝彦たかひこ・橋本はしもと尚しょう平たいら 文ぶん / 橋本はしもと尚しょう平たいら 撮影さつえい / 上山うえやま陽介ようすけ ヘアメイク（のっち） / 大須賀おおすが昌子まさこ 題字だいじ / のっち

壁かべ一いち面めんに貼はられた、付箋ふせんだらけのマップ

のっちさんがスクウェア・エニックスを訪おとずれるのは、この連載れんさいの第だい9回かいで「ドラゴンクエスト」シリーズの生うみの親おや・堀井ほりい雄二ゆうじさんに会あいに行いったとき以来いらい2度目どめ。ただし前回ぜんかいはコロナ禍かということもあって社内しゃないが閉しめ切きられていたので、オフィスに入いれていただくのはこれが初はじめてです。

社内しゃないにはたくさんのデスクが並ならんでいますが、そこで働はたらいている人ひとは多おおくありません。吉田よしださんが事業じぎょう本部ほんぶ長ちょうを務つとめる第だい三さん開発かいはつ事業じぎょう本部ほんぶは、コロナ禍かに在宅ざいたく勤務きんむが推奨すいしょうされていた時期じきにワークフローを全部ぜんぶリモートワーク向むけに切きり替かえ、今いまもそれを維持いじしているため、社員しゃいんの在宅ざいたく率りつは社内しゃないで一番いちばん。でもそれによって、大阪おおさかオフィスの人ひとたちとも一緒いっしょに仕事しごとをすることができたりと、メリットが多おおいんだそうです。のっちさんは「皆みなさん休やすんでるわけじゃないんですね！」と納得なっとく。

しばらくオフィスを探索たんさくしていると、「FF16」に登場とうじょうする狼おおかみ・トルガルのぬいぐるみがソファーの上うえに寝転ねころんでいるのを発見はっけん。よく見みると前足まえあしに何なにかが巻まき付ついています。

トルガルの足あしについていたのは、雑誌ざっし「週刊しゅうかんファミ通ふぁみつう」のクロスレビューで「FF16」が39点てんという高こう得点とくてんをマークし、プラチナ殿堂でんどう入いりをした記念きねんのメダルでした。

ソファのそばには「FF16」のグッズが飾かざられています。「あれ、超ちょうカッコいいなー！」とのっちさんが指ゆびさしたのは、8人にんの登場とうじょう人物じんぶつとその召喚しょうかん獣じゅうのグラフィックが描えがかれたメタルプレート。「シドとラムウ、同おなじポーズしててめっちゃカッコいいな！」と、のっちさんのテンションが上あがります。

こちらに飾かざってあるのは、限定げんていボックス「ファイナルファンタジーXVI コレクターズエディション」に封入ふうにゅうされていたワールドマップと、「FF16」発売はつばい記念きねんくじのB賞しょうだった胸像きょうぞうフィギュア。のっちさんはこのコレクターズエディションを持もっているそうで、「これと一緒いっしょに入はいってたフェニックスとイフリート、めっちゃ写真しゃしん撮とりました（笑）。どこから撮とってもカッコよくて」とフィギュアの仕上しあがりを絶賛ぜっさんしていました。

「こんなものがあるんだ！ くぅーっ！」とのっちさんが声こえを上あげたのは、革かわ表紙ひょうしの本ほんと羽根はねペン。これらは「FF16」のCM撮影さつえいのために作つくられた小道具こどうぐですが、ゲーム内ないのあるシーンでまったく同おなじものを見みたというのっちさんは「ええ……？ CMに、これが、映うつってたんですか……？ なんてことなの！」と動揺どうようしつつ、「盛もれる！」と言いいながら撮影さつえいを楽たのしんでいました。

こちらの壁かべ一いち面めんに貼はられているのは、「FF16」のさまざまな場所ばしょのマップ。メモ書がきした付箋ふせんをここに貼はることで、ゲーム内ないのどこでどんなイベントが起おこるのかを管理かんりしています。

イベントはみんなで話はなし合あいながら何なん度ども付箋ふせんを貼はり直なおして決きめているのだそう。周まわりに書かき込こまれたメモの形跡けいせきから、試行錯誤しこうさくごぶりが見みて取とれます。これを見みながらのっちさんは「ほかの作業さぎょうはリモートでも、これはこういうふうにアナログでやったほうがわかりやすいんでしょうね」とうなずいていました。

「あ、これはシドの隠かくれ家がですね！」「こっちは途中とちゅうで場所ばしょが変かわってからの、クライヴたちの新あたらしい隠かくれ家がか！」「あー、砂漠さばくもきれいだったなー」などなど、マップを見みながらゲームのストーリーを振ふり返かえるのっちさん。「この桟橋さんばし、超ちょう行いったり来きたりしましたよ。こことここが通とおり抜ぬけられればいいのに！ってホントに思おもってました（笑）」と、マップを見みているだけでとても楽たのしそうです。

吉田よしだ直樹なおきさんの仕事しごと部屋へやで、あの人ひとのサイン発見はっけん

このオフィスフロアの真まん中なかにあるのが吉田よしだ直樹なおきさんの仕事しごと部屋へやです。コロナ禍かになってから会議かいぎもリモートが増ふえたため、取締役とりしまりやく会かいなどがなければ吉田よしださんは基本きほん的てきにほぼ1日にち中ちゅうこの部屋へやで作業さぎょうをしています。部屋へやに1歩ほ入はいったのっちさんは「グッズの量りょうがすごいです！」とびっくり。でもこの中なかで吉田よしださんの私物しぶつはスノーボードギアくらいで、ほとんどは世界中せかいじゅうのプレイヤーの皆みなさんが送おくってくれた差さし入いれなんだそう。

「あ、この絵えかわいい！」と言いってのっちさんが見みつけた色紙いろがみ、よく見みると何なにやらサインが。吉田よしださんによると、神木しぼく隆之たかゆき介かいさんが2021年ねんの「FF14」ファンイベントに遊あそびに来きた際さいに「自分じぶんが愛あいするキャラを描えがいていいですか？」と言いって、このイラストを描えがいてくれたんだそうです。「『ただ 1人ひとりのユーザーです』って書かいてある（笑）。なるほどそうか神木しぼくくんだったか！」と納得なっとくするのっちさん。

奥おくの壁かべにずらっと並なべて飾かざってあるのは、「FF14」と「FF16」のイメージアートを高こう品質ひんしつ印刷いんさつした複製ふくせい原画げんがです。のっちさんが「FF16」のジョシュアのイラストに見みとれていると、吉田よしださんが「それ描えがいてもらったの、もう7年ねん前まえですね」とつぶやき、「えっ！ そんなに前まえなんですか？」とのっちさんはビックリ。これらのアートは開発かいはつ初期しょきにキャラ設定せっていを詰つめて、表情ひょうじょうやまとっている雰囲気ふんいきをイメージするためにキャラクターデザインの高橋たかはし和哉かずやさんによって描えがかれたものなんです。

「例たとえば『ジルとミドが一緒いっしょに買かい物ものに行いったら』みたいな、ゲーム中ちゅうには存在そんざいしないシチュエーションの絵えも描えがいてもらいます。そういうのを描えがくことで、デザイナーにニュアンスをつかんでもらうんです」という吉田よしださんの説明せつめいを聞きいて、そのキャラ作づくりに対たいする姿勢しせいにのっちさんはすっかり感服かんぷくしていました。

このあとの対談たいだんまで吉田よしださんとは一旦いったんお別わかれをして、次つぎにのっちさんがやってきたのは20階かいにあるコミュニケーションスペース。併設へいせつされた社員しゃいん食堂しょくどうは朝あさから夜よるまで営業えいぎょうしていて、ここで働はたらく皆みなさんの胃袋いぶくろを支ささえています。

安やすさと種類しゅるいの豊富ほうふさがこの社しゃ食しょくの特徴とくちょう。メニューを見みせてもらったのっちさんは「えっ！ 安やすい！ いいなあ！」と思おもわず声こえを上あげ、「お料理りょうりもいろんなのがあるから毎日まいにちでも食たべられるし、もし仕事しごとが忙いそがしいときでも、この食堂しょくどうがあればご家族かぞくも安心あんしんですよね」と品しなぞろえの充実じゅうじつぶりを賞しょう讃さんしていました。

社しゃ食しょくのすぐ隣となりにはソファーに囲かこまれた、さまざまなゲームやアケコンなどが置おかれたスペースが。社員しゃいんさんはここで、休憩きゅうけい時間じかんなどに自由じゆうにゲームをプレイすることができます。さらにソファーの後うしろには、ゲームの様子ようすを観みるための観覧席かんらんせきも設置せっち。窓まどからは新宿しんじゅくの街並まちなみを一望いちぼうすることができ、のっちさんは「こんなパノラマをバックにゲームするって、気持きもちよさそうー！」とうらやましそうです。

続つづいてやって来きたのはサウンドチームのフロア。ここにはアフレコブースなどの録音ろくおんスタジオや、録ろくった音おとを調整ちょうせいするコントロールルームのほか、チームメンバーが1人ひとり1室しつ使つかえる個別こべつブースもありました。

個別こべつブースには開発かいはつ用ようのゲーム機きが置おかれているので、ここでは実際じっさいに音楽おんがくを実装じっそうしてゲームをプレイし、うまく音おとが鳴なっていないバグがないか確認かくにんしたり、サラウンドスピーカーで後うしろからの音おとがちゃんと聞きこえるかチェックしたりといった調整ちょうせいをしています。

サウンドチームもリモートワークの導入どうにゅうが進すすんでいるため、個別こべつブースはフリーアドレスになっていて、自宅じたくにシステムがある人ひとは家いえで作業さぎょうしているんだそう。それを聞きいたのっちさんは「それって逆ぎゃくに言いえば、おうちにそういうシステムがある方ほうが何人なんにんもいらっしゃるってことですよね……」「音おとの調整ちょうせいって、全部ぜんぶスタジオみたいなところでやってるのかと思おもったら、今いまはそういうことまでおうちでできちゃうんだ」と感心かんしんしていました。