ドミニカ共和国どみにかきょうわこく近海きんかいを泳およぐマッコウクジラの親子おやこ。（PHOTOGRAPH BY AMANDA COTTON）

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　マッコウクジラの「会話かいわ」がどれほど複雑ふくざつであるかを明あきらかにする全まったく新あたらしい方法ほうほうが、5月7日にち付づけで学術がくじゅつ誌し「Nature Communications」に発表はっぴょうされた。マッコウクジラの発はっするクリック音おんには、コーダと呼よばれる通常つうじょう2秒びょう以内いないの反復はんぷく可能かのうなパターンが少すくなくとも150あることが知しられている。これまではコーダを一ひとつひとつ分析ぶんせきしていたが、追加ついかの音おとやコーダとコーダの関連かんれん性せい、リズムやテンポなど新あらたな要素ようそに着目ちゃくもくしたところ、「マッコウクジラの音声おんせいのイロハ（アルファベット）」を初はじめて明あきらかにした。クジラたちが何なにを話はなしているのかまではまだわからないが、この発見はっけんがそれを知しる足あしがかりになる可能かのう性せいがある。

「マッコウクジラのコミュニケーションシステムの基礎きそ的てきな構成こうせい要素ようそを理解りかいするうえで、極きわめて重要じゅうような第一歩だいいっぽです」と、米べいニューヨーク市立しりつ大学だいがくの生物せいぶつ学がく教授きょうじゅで論文ろんぶんの共著きょうちょ者しゃであるデビッド・グルーバー氏しは話はなす。グルーバー氏しは、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー（探求たんきゅう者しゃ）でもある。

　マッコウクジラは長寿ちょうじゅで、優すぐれた知能ちのうを持もち、社会しゃかい性せいが高たかい動物どうぶつであることはよく知しられている。しかし、マッコウクジラの会話かいわに耳みみを傾かたむけて数すう十じゅう年ねんという専門せんもん家かでも、明あきらかに複雑ふくざつな生態せいたいをしている動物どうぶつにしては、クジラたちには話はなすことが少すくなすぎるのではないかという謎なぞがずっとあった。

「マッコウクジラが発はっする音おとを聞きいたり、これまでのやり方かたでその音おとをグラフ化かしようとすると、同おなじ音おんをただずっと繰くり返かえしているだけのように思おもえてきます」と言いうのは、米べいマサチュまさちゅーセッツ工科大学せっつこうかだいがくコンピューター科学かがく・人工じんこう知能ちのう研究けんきゅう室しつの博士はかせ課程かていに在籍ざいせきするプラトューシャ・シャーマ氏しは言いう。

何なにを伝つたえているのか、背景はいけいを考慮こうりょ

　この研究けんきゅうは、ドミニカ・マッコウクジラ・プロジェクトなしには実現じつげんしなかった。グルーバー氏しと同おなじくナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで論文ろんぶんの共著きょうちょ者しゃであるシェーン・ゲロー氏しが創立そうりつした同どうプロジェクトは、海中かいちゅうでクジラの発はっする音おとを聞きく装置そうちと、クジラに取とり付つけた音響おんきょうタグを組くみ合あわせて、2005年ねんから2018年ねんの間あいだに、9000近ちかいコーダを録音ろくおんした。（参考さんこう記事きじ：「【動画どうが】マッコウクジラの超ちょう貴重きちょうな誕生たんじょうシーン、感動かんどう的てきな光景こうけい」）

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