日銀にちぎんの利上りあげに米国べいこく経済けいざいの不透明ふとうめい感かんで荒あれ模様もようの為替かわせ市場いちば。そこで稼かせぎまくる一人ひとりのトレーダーがいる。生涯しょうがい収支しゅうしが17億おく円えんに達たっしたスキャルピングトレーダーのジュンFX氏しだ。8月30日にちに初はつの著書ちょしょ『チリが積つもって15億おく』が刊行かんこうされる同氏どうしのトレード法ほうを大だい公開こうかい 　株かぶはまさかの大だい暴落ぼうらくからのV字じ回復かいふくで、為替かわせは超ちょう円えん安やす相場そうばから一転いってんしての円えん高だかシフト。買かって放ほったらかしのバイ＆ホールド勢ぜいの多おおくが大だいやけどしたが、この荒あれ相場そうばでも着実ちゃくじつに利益りえきを積つみ重かさねる個人こじん投資とうしたちがいる。秒びょう単位たんいないしは、分ぶん単位たんいのトレードを繰くり返かえすFXのスキャルピングトレーダーたちだ。 「僕ぼくは8月がつ5日にちの暴落ぼうらく相場そうばで3000万まん円えん近ちかくやられましてしまったんですけど、周まわりの“秒びょうスキャ勢ぜい”たちは千せん万まん円えん単位たんいで稼かせいでますね」 　こう話はなすのは秒びょうスキャ界かいでその名なを轟とどろかせるジュンFX氏し。8月30には初はつの著書ちょしょ『チリが積つもって15億おく』が刊行かんこうされる。 「実際じっさいにはこの本ほんをつくっている間あいだにFXで2億おく円えん以上いじょう稼かせいだので、生涯しょうがい収支しゅうしは『15億おく』ではなく、17億おく円えんを超こえてきました。ただ、さっき言いったとおり、この8月がつは負まけてますが（苦笑くしょう）」 　曰いわく、スキャルピングほど個人こじんに有利ゆうりなトレードスタイルはないという。 「1週間しゅうかん先さき、1か月げつ先さきの相場そうばを予想よそうしようとしたら、ヘッジファンドや機関きかん投資とうし家かには勝かてません。情報じょうほう格差かくさがあるからです。でも、数すう秒びょう先さきを読よむのに多おおくの情報じょうほうはいらない。だから、個人こじんがプロと対等たいとう以上いじょうに戦たたかえる。加くわえて、日本にっぽんのFXは圧倒的あっとうてきに低ていコストです。ドル／円えんのスプレッド（買値かいねと売値うりねの差さ）はだいたい0.2銭ぜに。100万まん通貨つうか（約やく1億おく4500万まん円えん相当そうとうのポジション）取引とりひきしても2000円えんしかかからない。インターバンク市場いちば（銀行ぎんこう間あいだ取引とりひき市場いちば）で為替かわせ取引とりひきを行おこなうプロたちは倍ばい以上いじょうのコストを払はらっているとされているので、個人こじんのほうが断然だんぜん有利ゆうりなんです」 　ただし、ジュン氏しが行おこなうスキャルピングは、相場そうばのトレンドに乗のる“王道おうどう”とはかけ離はなれた「邪道じゃどう」だ。 「瞬間しゅんかん的てきに生しょうじる相場そうばの歪ゆがみを狙ねらってトレードするのが、僕ぼくらのスタイル。その歪ゆがみは、多おおくの投資とうし家かの損そん切ぎりが溜たまるポイントで生しょうじやすい。大衆たいしゅうの損そん切ぎり注文ちゅうもんが次々つぎつぎと約定やくじょうして瞬間しゅんかん的てきにオーバーシュートする局面きょくめんを狙ねらうわけです。大衆たいしゅう心理しんりの隙すきを突つくトレードと言いってもいいかも」 　その損そん切ぎりが溜たまるポイントはどこなのか？ 「それは明確めいかくです。過去かこの高値たかね・安値やすねやラウンドナンバーです。僕ぼくらは略りゃくして“ラウナン”とか“キリ番ばん”などと呼よんだりしますが、要ようは145円えん00銭ぜになどのゼロが並ならぶキリのいい価格かかくです。高値たかね・安値やすねも含ふくめて、プロも含ふくめた多おおくの投資とうし家かが意識いしきする水準すいじゅんなので、おのずと損そん切ぎりが溜たまりやすい。だから、その水準すいじゅんにタッチした瞬間しゅんかんに歪ゆがみが生しょうじる」 　実際じっさいにジュン氏しはどうトレードしているのか？ 「145円えん00銭ぜにに向むけてドル／円えんが徐々じょじょに下さげてきたとしましょう。そのとき、僕ぼくはファーストタッチでまず逆ぎゃく張はりの買かいを入いれます。初動しょどうでは重要じゅうような節目ふしめをブレイクする確かく率りつが低ひくく、瞬間しゅんかん的てきに反発はんぱつする傾向けいこうにあるからです」 　その次つぎに、ラウナンの下した抜ぬけ＝ブレイクを待まつという。 「買かい手ては安値やすねをブレイクして勢いきおいよく下さげるのが怖こわいので、安値やすねの少すこし下かに損そん切ぎりを入いれる傾向けいこうにあります。だから、再ふたたび下さげに転てんじてブレイクさいたら、損そん切ぎりが約定やくじょうして値ねが“飛とぶ”んです。一気いっきに下さげる。そうしたらエントリーのチャンスです。急激きゅうげきに下さげたローソク足あしが下さげ止どまりの兆きざしを見みせたところで、僕ぼくは逆ぎゃく張はりの買かいを入いれる。なぜなら、下さげ止どまりの要因よういんはブレイクを見越みこして売うっていた売うり手ての利益りえき確定かくてい（買かい戻もどし）注文ちゅうもんだと想像そうぞうできるからです」 　ブレイクを見越みこした売うり手てはトレンドに乗のった順じゅん張ばりで、ジュン氏しが狙ねらうのは逆ぎゃく張はり。まったく真ま逆ぎゃくのトレードだが、共通きょうつう点てんもある。 「順じゅん張ばりは『ブレイクするだろう』という“期待きたい”で撃うつ（注文ちゅうもんする）一方いっぽう、逆ぎゃく張はりは『ブレイクした』という結果けっかをもとに撃うつ。そして、トレード例れいを見みればわかるように、順じゅん張ばりの利益りえき確定かくていのポイントは、逆ぎゃく張はりのエントリーポイントとなりやすいのです」 　王道おうどうの順じゅん張はり投資とうしを行おこなう投資とうし家かの視点してんで見みれば、おのずと歪ゆがみを狙ねらったトレードの神髄しんずいが見みえてくるというのだ。その語かたり口くちは、ゲームを攻略こうりゃくするかのようにも聞きこえる。