戸籍こせき謄本とうほんとは？ 抄本しょうほんとの違ちがいや取得しゅとく方法ほうほう、謄本とうほんが必要ひつような場面ばめんを解説かいせつ

1. 戸籍こせき謄本とうほんとは

戸籍こせき謄本とうほんとは、個人こじんの身分みぶん事項じこうが記載きさいされた「戸籍こせき簿ぼ」の写うつしです。戸籍こせき簿ぼには出生しゅっしょうや結婚けっこん、死亡しぼうなど個人こじんの一生いっしょうが記録きろくされています。

また、戸籍こせき簿ぼは役所やくしょで保管ほかんされており、本人ほんにんなどが役所やくしょへ申請しんせいすると戸籍こせき謄本とうほんを発行はっこうしてもらえます。住民じゅうみん票ひょうには現住所げんじゅうしょが記載きさいされていますが、戸籍こせき謄本とうほんには本籍ほんせき地ちと身分みぶん事項じこうが書かかれているという違ちがいがあります。

相続そうぞくが発生はっせいすると、主おもに以下いかのようにさまざまな場面ばめんで戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようになります。

戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようとなる相続そうぞく手続てつづきの例れい

• 相続そうぞく人じん調査ちょうさ
• 不動産ふどうさんの名義めいぎ変更へんこう
• 預貯金よちょきん払はらい戻もどし
• 株式かぶしき名義めいぎ変更へんこう
• 車くるまの名義めいぎ変更へんこう
• 相続そうぞく税ぜい申告しんこく
• 生命せいめい保険ほけんの請求せいきゅう

1-1. 現在げんざいの正式せいしき名称めいしょうは「戸籍こせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょ」

実じつは戸籍こせき謄本とうほんというのは少すこし古ふるい呼よび方かたです。現在げんざいは多おおくの役所やくしょで戸籍こせきが電子でんし化かされているので「戸籍こせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょ」が発行はっこうされるのが一般いっぱん的てきです。

ただし、「戸籍こせき謄本とうほん」といったほうがわかりやすいので、今いまでも戸籍こせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょを含ふくめて「戸籍こせき謄本とうほん」と呼よばれるケースがよくあります。

なお、戸籍こせき謄本とうほんと戸籍こせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょは同おなじものです。戸籍こせきの電子でんし化か以前いぜんのものが戸籍こせき謄本とうほん、電子でんし化か後ごのものが戸籍こせき全部ぜんぶ証明しょうめい書しょと理解りかいしましょう。

1-2. 戸籍こせき謄本とうほんの見本みほん

以下いかは、戸籍こせき謄本とうほん（戸籍こせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょ）の見本みほんです。戸籍こせき謄本とうほんには、同おなじ戸籍こせき内ないの全員ぜんいんの身分みぶん事項じこうが記載きさいされています。

面倒めんどうな相続そうぞく手続てつづきを丸まるごと頼たのみたい人ひとは必読ひつどく！

相続そうぞく手続てつづきの代行だいこうは誰だれに依頼いらいするべき？ 代行だいこうサービスの費用ひよう相場そうばと選えらぶ際さいの注意ちゅうい点てん

1-3. 戸籍こせき謄本とうほんと戸籍こせき抄本しょうほんの違ちがい

戸籍こせき謄本とうほんと似にた書類しょるいに戸籍こせき抄本しょうほんがあります。

戸籍こせき謄本とうほんには、同おなじ戸籍こせき内ないの全員ぜんいんの身分みぶん事項じこうが記載きさいされていますが、戸籍こせき抄本しょうほんには、同おなじ戸籍こせき内うちの人ひとのうち、特定とくていの個人こじんの身分みぶん事項じこうのみが記載きさいされ、それ以外いがいの人ひとの情報じょうほうは省はぶかれています。たとえば自分じぶんだけの分ぶんの証明しょうめい書しょが必要ひつような場合ばあいには戸籍こせき抄本しょうほんで足たります。

なお、戸籍こせきの電子でんし化か以降いこう、戸籍こせき抄本しょうほんの正式せいしき名称めいしょうは「戸籍こせき一部いちぶ事項じこう証明しょうめい書しょ」となっています。

1-4. 戸籍こせき謄本とうほん、除籍じょせき謄本とうほん、改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほんの違ちがい

戸籍こせき謄本とうほんに似にた言葉ことばに、除籍じょせき謄本とうほんや改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほんもあります。

除籍じょせき謄本とうほんとは、戸籍こせき内ないに誰だれもいなくなった戸籍こせきの写うつし（謄本とうほん）です。結婚けっこんや死亡しぼうなどによって戸籍こせき内ないに誰だれもいなくなったら除籍じょせき謄本とうほん（除籍じょせき全部ぜんぶ事項じこう証明しょうめい書しょ）が交付こうふされます。戸籍こせき謄本とうほんは「戸籍こせき簿ぼ」の写うつし、除籍じょせき謄本とうほんは「除籍じょせき簿ぼ（戸籍こせき内ないに誰だれもいなくなった場合ばあいに作成さくせいされる）」の写うつしとも言いえます。

戸籍こせきは法ほう改正かいせいにより様式ようしきが変更へんこうされたことが何なん度どもあります。改あらためられる前まえの戸籍こせき（古ふるい戸籍こせき）の写うつしのことを「改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほん」と言いいます。

相続そうぞくの際さいには被ひ相続そうぞく人じん（以下いか「亡なくなった人ひと」）に関かんする戸籍こせき謄本とうほん、除籍じょせき謄本とうほん、改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほんのすべてを集あつめる必要ひつようがあります。

2. 戸籍こせき謄本とうほんの記載きさい事項じこう

戸籍こせき謄本とうほんには以下いかのような事項じこうが記載きさいされます。

• 氏名しめい
• 出生しゅっしょう年月日ねんがっぴ
• 戸籍こせきに入はいった原因げんいん及および年月日ねんがっぴ
• 実じつ父母ちちははの氏名しめいや実じつ父母ちちははとの続柄つづきがら
• 養子ようしであるときは、養親ようしんの氏名しめいや養親ようしんとの続柄つづきがら
• 夫婦ふうふについては、夫おっとや妻つまである旨むね
• ほかの戸籍こせきから入はいった人ひとについては、元もとの戸籍こせきの表示ひょうじ
• 届出とどけでや申請しんせいの受付うけつけ年月日ねんがっぴ、事件じけんの本人ほんにんでない者ものが届出とどけでまたは申請しんせいをした場合ばあいには、届出とどけで人じんまたは申請しんせい人じんの資格しかく、氏名しめい（父ちちまたは母ははが届出とどけで人じんまたは申請しんせい人じんであるときは、氏名しめいを除のぞく）
• 報告ほうこくの受付うけつけ年月日ねんがっぴと報告ほうこく者しゃの職名しょくめい
• 請求せいきゅうや嘱託しょくたく、証書しょうしょもしくは航海こうかい日誌にっしの謄本とうほんの受付うけつけ年月日ねんがっぴ
• ほかの市町村しちょうそん長ちょうや官庁かんちょうから受理じゅりした届とどけ書しょ、申請しんせい書しょその他たの書類しょるいの送付そうふを受うけた場合ばあいには受付うけつけ年月日ねんがっぴやその書類しょるいを受理じゅりした者ものの職名しょくめい
• 戸籍こせきの記載きさいを命めいずる裁判さいばん確定かくていの年月日ねんがっぴ

3. 戸籍こせき謄本とうほんの取得しゅとく方法ほうほう

戸籍こせき謄本とうほんは基本きほん的てきに本籍ほんせき地ちの市区しく町村ちょうそん役場やくばで取得しゅとくできます。窓口まどぐちへ行いくと交付こうふ請求せいきゅうできますが、郵送ゆうそうでの請求せいきゅうやマイナンバーカードを利用りようしたコンビニ交付こうふも可能かのうです。

なお、コンビニ交付こうふは対応たいおうしていない市区しく町村ちょうそんもあるので、詳細しょうさいは個別こべつに確認かくにんしましょう。

3-1. 戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようになる手続てつづき｜何なん通つうくらい必要ひつよう？

戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようになるのは、不動産ふどうさんの相続そうぞく登記とうきや自動車じどうしゃの名義めいぎ変更へんこう、預貯金よちょきんの相続そうぞく手続てつづきなどの場面ばめんです。

必要ひつような通つう数すうは、ケースによって大おおきく異ことなります。

基本きほん的てきに亡なくなった人ひとの出生しゅっしょう時じから死亡しぼう時じまでのすべての戸籍こせき謄本とうほん類るいが必要ひつようになるので、結婚けっこんや離婚りこんを繰くり返かえした人ひと、本籍ほんせき地ちの移動いどうを繰くり返かえした人ひとの場合ばあいには通つう数すうが多おおくなるでしょう。

また、家族かぞく構成こうせい（相続そうぞく関係かんけい）が複雑ふくざつになると子こどもや親おやの戸籍こせき謄本とうほんなども必要ひつようになる可能かのう性せいがあるので、必要ひつような通つう数すうが増ふえる可能かのう性せいがあります。

なお、各かく相続そうぞく手続てつづきでは原本げんぽん還付かんぷを受うけられるので、戸籍こせき謄本とうほんは最低さいてい1通つうずつあれば手続てつづきに足たります。ただし原本げんぽん還付かんぷ申請しんせいをしても実際じっさいに書類しょるいが戻もどってくるまでに時間じかんがかかるので、並行へいこうして相続そうぞく手続てつづきを行おこなうために同おなじ戸籍こせき謄本とうほんを複数ふくすう通どおり取得しゅとくするケースもよくあります。

3-2. 相続そうぞくで戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつような手続てつづき

相続そうぞくで戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようとなるのは以下いかのような手続てつづきを行おこなう場面ばめんです。

相続そうぞく登記とうき
不動産ふどうさんの名義めいぎ変更へんこうをする際さいには法務局ほうむきょくへ提出ていしゅつしなければなりません。

預貯金よちょきんの払はらい戻もどし
預貯金よちょきんの払はらい戻もどしを受うける際さいには金融きんゆう機関きかんへ提出ていしゅつします。

自動車じどうしゃの名義めいぎ変更へんこう
自動車じどうしゃの名義めいぎ変更へんこう等とう相続そうぞく手続てつづきをする際さいにも戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようです。

株式かぶしきの名義めいぎ変更へんこう
株式かぶしきの名義めいぎ変更へんこうをする際さいにも戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつようです。

不動産ふどうさんの名義めいぎ変更へんこうの手間てまを省はぶきたい方ほうは必読ひつどく！

相続そうぞく登記とうき まずは司法しほう書士しょしに相談そうだんを 依頼いらいすべきケースや費用ひよう、選えらび方かたを解説かいせつ

3-3. 相続そうぞく以外いがいで戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつような手続てつづきの例れい

相続そうぞく以外いがいで戸籍こせき謄本とうほんが必要ひつような手続てつづきには以下いかのようなケースが挙あげられます。

• パスポートを申請しんせいするとき
• 本籍ほんせき地ち以外いがいの役所やくしょへ婚姻こんいん届とどけを提出ていしゅつするとき
• 年金ねんきんを受給じゅきゅうし始はじめるとき
• 遺言ゆいごん書しょを作成さくせいするときなど

4. 法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ずは戸籍こせき謄本とうほんの代かわりになる

相続そうぞく手続てつづきの際さい、すべての戸籍こせき謄本とうほん類るいを毎回まいかい集あつめるのは大変たいへんです。不動産ふどうさんの名義めいぎ変更へんこうや預貯金よちょきん払戻はらいもどしなどの相続そうぞく手続てつづきが多数たすうあって戸籍こせき集あつめが面倒めんどうな場合ばあいは「法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ず」を利用りようすると良よいでしょう。

法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ずとは、法務局ほうむきょくが発行はっこうしてくれる身分みぶん関係かんけいについての証明しょうめい書しょです。法務局ほうむきょくに戸籍こせき謄本とうほんなどの必要ひつよう書類しょるいを提出ていしゅつすれば、相続そうぞく関係かんけいを一覧いちらんに表あらわした図面ずめん（法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ず）の交付こうふを受うけられます。

法務局ほうむきょくや金融きんゆう機関きかんなどでは、戸籍こせき謄本とうほんの束たばの代かわりに法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ずでも申請しんせいを受うけ付つけています。そこで法定ほうてい相続そうぞく情報じょうほう一覧いちらん図ずを利用りようすれば、戸籍こせき謄本とうほんや除籍じょせき謄本とうほん、改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほんなどの束たばを各かく機関きかんに何なん度ども出だし直なおす必要ひつようがなくなり、スムーズに相続そうぞく手続てつづきを進すすめやすくなるメリットがあります。

5. 戸籍こせき集あつめを依頼いらいできる専門せんもん家か

相続そうぞく手続てつづきに際さいして戸籍こせき謄本とうほん類るいを集あつめるのは大変たいへんな手間てまになります。自分じぶんで取とり組くむと必要ひつような戸籍こせき類るいを全部ぜんぶ集あつめられず、抜ぬけ漏もれが生しょうじてしまうケースも少すくなくありません。そうなると相続そうぞく手続てつづきが滞とどこおってしまいます。

スムーズかつ正確せいかくに戸籍こせき謄本とうほん類るいを取得しゅとくするには、専門せんもん家かに依頼いらいするのが得策とくさくです。

戸籍こせき集あつめを依頼いらいできる専門せんもん家かは、司法しほう書士しょしや弁護士べんごし、行政ぎょうせい書士しょしなどです。特とくに相続そうぞく財産ざいさんに不動産ふどうさんが含ふくまれている場合ばあい、後のちに司法しほう書士しょしへ不動産ふどうさんの相続そうぞく登記とうきを依頼いらいすると名義めいぎ変更へんこうの手続てつづきが楽らくになります。

そこで遺産いさんに不動産ふどうさんが含ふくまれている場合ばあいには、戸籍こせき集あつめの段階だんかいから司法しほう書士しょしに依頼いらいするとスムーズに進すすめやすいでしょう。

相続そうぞくに強つよい司法しほう書士しょしを探さがしたい方ほうへ

相続そうぞくで司法しほう書士しょしにできること　依頼いらいすべきケース・選えらび方かたを解説かいせつ

6. まとめ｜相続そうぞく手続てつづきの戸籍こせき集あつめは司法しほう書士しょしに相談そうだんを

相続そうぞく手続てつづきで必要ひつようとなる戸籍こせき謄本とうほんや除籍じょせき謄本とうほん、改あらため製せい原げん戸籍こせき謄本とうほんは通つう数すうが多おおくなるケースも多おおく、取得しゅとく漏もれが生しょうじると相続そうぞく手続てつづきが滞とどこおってしまいます。手間てまを省はぶいてスムーズに相続そうぞく手続てつづきを進すすめるためには専門せんもん家かに取得しゅとくを依頼いらいするのが良よいでしょう。

司法しほう書士しょしは不動産ふどうさん登記とうきや戸籍こせき調査ちょうさなどの相続そうぞくの専門せんもん家かです。戸籍こせき謄本とうほんを取得しゅとくしなければならない場合ばあい、まずは一いち度ど、相続そうぞくに力ちからを入いれている司法しほう書士しょしに相談そうだんして見みるようお勧すすめします。

（記事きじは2023年ねん3月がつ1日にち時点じてんの情報じょうほうに基もとづいています）

• 相続そうぞく登記とうきの申請しんせい義務ぎむ化かが決定けってい　2024年ねんまでに施行しこうされる制度せいどを解説かいせつ
• 母ははが死去しきょ、取とり寄よせた戸籍こせき謄本とうほんで見みつけた「知しらないきょうだい」の存在そんざいに困惑こんわく… 連絡れんらくを取とらなきゃダメ？
• 税務署ぜいむしょに隠かくし通とおすことは難むずかしい　生前せいぜん贈与ぞうよを現金げんきんで手渡てわたすと追徴ついちょう課税かぜいのリスクも
• 森永もりなが卓郎たくろうさん「相続そうぞくは地獄じごくの作業さぎょうでした」。実体験じつたいけんで得えた教訓きょうくんとは
• 相続そうぞくの手続てつづきは３、４、10カ月かげつで大事だいじな締しめ切きりがくる　家族かぞくが亡なくなった時ときの手続てつづき