半導体はんどうたいで終おわらない！富士通ふじつうの｢ハード切きり離はなし｣ 新光しんこう電工でんこうをJICに売却ばいきゃくへ､残のこる再編さいへんの焦点しょうてんは？

半導体はんどうたい関連かんれん子会社こがいしゃ・新光電気工業しんこうでんきこうぎょうの売却ばいきゃくを発表はっぴょうした富士通ふじつう。同社どうしゃが”売却ばいきゃく方針ほうしん”を明言めいげんしている大型おおがた案件あんけんは2社しゃ残のこっている（編集へんしゅう部ぶ撮影さつえい）

富士通ふじつうグループが積つみ残のこした大型おおがた売却ばいきゃく候補こうほは、これで2つとなった。

国内こくないIT大手おおての富士通ふじつうは12月12日にち、半導体はんどうたいパッケージ製造せいぞうなどを手てがける子会社こがいしゃ、新光電気工業しんこうでんきこうぎょうの保有ほゆう株式かぶしきをすべて売却ばいきゃくすると発表はっぴょうした。富士通ふじつうの現時点げんじてんでの持分もちぶん比率ひりつは50.02%で、売却ばいきゃく額がくは約やく2850億おく円えんに達たっする見込みこみ。同社どうしゃとしては、過去かこ最大さいだい級きゅうの事業じぎょう売却ばいきゃくとなる。

2024年ねん8月がつ下旬げじゅんをメドに、政府せいふ系けいファンドの産業さんぎょう革新かくしん投資とうし機構きこう（JIC）が子会社こがいしゃを通つうじ、大日本印刷だいにほんいんさつや三井化学みついかがくと共同きょうどうで、新光しんこう電工でんこうに対たいしてTOB（株式かぶしき公開こうかい買かい付つけ）を実施じっし。富士通ふじつうはTOBには応おうじず、上場じょうじょう廃止はいし後ごにその持分もちぶんを譲渡じょうとする形かたちをとるという。

新光しんこう電工でんこうには追加ついか増資ぞうしも予定よていされており、最終さいしゅう的てきな保有ほゆう比率ひりつはJICの子会社こがいしゃが80%、大日本印刷だいにほんいんさつが15％、三井化学みついかがくが5%となる見通みとおしだ。

8年ねん前まえから売却ばいきゃくをほのめかしていた

リリースによれば、富士通ふじつうは保有ほゆう株かぶ売却ばいきゃくについて2022年ねん1月がつから新光しんこう電工でんこうと協議きょうぎを開始かいしし、内々うちうちで候補こうほ先さきの選定せんていに着手ちゃくしゅしていた。その後ご入札にゅうさつを経へて、2023年ねん11月にJIC連合れんごうへの株式かぶしき譲渡じょうとを決定けっていしたという。

富士通ふじつうは2022年ねん10月がつの決算けっさん説明せつめい会かいの場ばで、新光しんこう電工でんこうの売却ばいきゃくを検討けんとうしている旨むねを対外たいがい的てきに公表こうひょうしていた。さらにさかのぼれば、前ぜん社長しゃちょうの田中たなか達也たつや氏しが社長しゃちょうに就任しゅうにんした2015年ねんには、すでに新光しんこう電工でんこう株かぶの売却ばいきゃくがほのめかされており、実現じつげんまでに8年ねんもの歳月さいげつを要ようする結果けっかとなった。

ある富士通ふじつう幹部かんぶは「半導体はんどうたい関連かんれん事業じぎょうは国くにの経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうにも関かかわってくる。相手あいて先さきの選定せんていには慎重しんちょうにならざるをえない」と話はなす。売却ばいきゃくが正式せいしきに決きまるまでに時間じかんがかかった背景はいけいには、そうした事情じじょうもあったようだ。