N(エヌ)は、第五世代の登場人物。
ゲームにおけるN
白黒の帽子、白のシャツ、黒のインナー、ベージュの長ズボンを身に着けた青年。首、両手首、腰には特徴的なアクセサリーをつけている。緑の長髪(ゲーチスの髪型に似ている)で、目元は帽子で陰っている。ポケモンを「トモダチ」と呼び、「ポケモンは人間から解放されるべき」という独自思想を抱いており、ゲーム中で幾度か主人公とバトルすることとなる。ゲームのオープニングでは、戴冠式を行い、正式に王となる描写がある(だが、ゲーチスだけは跪かずに隣に立っている)。
注意:以降の記述には、作品の内容やあらすじ、登場人物などのネタバレが含まれます。ご理解の上ご利用ください。
彼の正体はプラズマ団の王である。イッシュ建国伝説に登場する伝説のポケモンを手に入れることで「英雄」になり、脅迫ではなく自主的に人々にポケモンを解放させようとしている。しかし、これは表向きの話で、実際にプラズマ団を牛耳っているのは彼の父親と言われるゲーチスであった。ゲーチスの策略により、Nは幼少の頃から外界と隔離された世界で、人間に虐げられたポケモンに囲まれて過ごしており(いわゆる「英才教育」を受けた)、これが元で「ポケモンという存在=虐げられているもの」と錯覚し、「ポケモンを解放する」という思想に至っている。ブラック2・ホワイト2ではゲーチスとは血の繋がりはなく、拾われた子供であることが判明した。
しかし、外界に出たとき主人公や他のトレーナーに「なついているポケモン」を目の当たりにしたことで、自身の思想に疑問を感じるようになる。そして、自分の思想の正当性を確認するために道中で幾度も勝負をしかけてくる。最終的には、伝説のポケモンを手に入れた主人公と「どちらが真の英雄であるか?」をかけて勝負し、敗北。その後、ゲーチスに「不甲斐ない息子」「心のない化け物」と呼ばれ、自分が操り人形だったという真実を告げられ、自身の思想が間違っていたと確信したNは、主人公に自分の気持ちと別れを告げた後、伝説のポケモンとともにどこかに飛び去ってしまった。また、ゲーム中の台詞から、ポケモンバトルをすることはポケモンを傷つけることになり、N自身はバトルをすることを苦に思っていたと捉えられる。
主人公と対面する際、幾度か『ポケモンの言葉が分かる』『未来をあらかじめ知っている』といった特殊能力を持っているような言動を見せる。実際、フキヨセシティでは、主人公の手持ちポケモンと対話して、主人公の出身地などを当てていた。逆に、人に懐いているポケモンとの対話が、自身の思想への疑問へと繋がる結果にもなったようだ。実際主人公を『世界を変えるための数式の不確定要素』として見るようになっていく。ライモンシティの観覧車やでんきいしのほらあなでのイベントなどがよい例だが、Nは「数学関連の事柄」において天才的であり、ストーリー中でも、それに関係する言動が多い。また、ゲーム中での会話スピードは、「設定」において「はやい」を選択しても、それよりさらに速い。
2011年10月14日、増田部長のめざめるパワー[1]において、初期設定が発表され、本名が「ナチュラル・ハルモニア・グロピウス」(Natural Harmonia Gropius)であることが発表された。初期設定によれば身長は180cmである。
所持ポケモン
ブラック・ホワイト
今までのライバル的立場にあったキャラクターはいずれも、手持ちポケモンの追加はあっても離脱はほぼなく(グリーンが赤・緑・青でラッタを、ピカチュウでオニドリルを手放したのみ)、同じポケモンを最後まで進化させて使い続けるのが常であったのに対し、Nのポケモンは一転して毎回ほぼ全てのメンバーが違う(例外はギアル→ギギギアルのみだが、のちにBW2のおもいでリンクにてNのギアルを捕獲できるためこれらは別個体であることが判明した)。
ポケモンをトモダチと呼び人間から解放されるべきと言う思想、および手持ちポケモンは決戦(Nの城での戦い)以外は全てが現地付近において野生で出現するポケモンであることから、使うポケモンは主人公とバトルする直前に毎回現地で調達していたものと推測される。
ブラック・ホワイトに登場する他の強豪トレーナーはいずれも「切り札」に該当するポケモンのみレベルが2高く後は同じと言う構成になっているが、最終決戦時を除いてNは全ての手持ちポケモンが同じレベルであるという特徴もある。
3回目以降、戦闘時のカットインが変わり、Nのアップ絵とプラズマ団のエンブレムが表示される。トレーナーとしての肩書きも、「ポケモントレーナーのN」から「プラズマ団のN」に変わる。1~4回目まで戦闘曲は同じだが、5回目のみ戦闘曲が異なり、前者は「戦闘! N」、後者は「決戦! N」という曲名である。
5回目に出てくるゾロアークは特性の関係上、ギギギアルに化けて出てくる。
ブラック2・ホワイト2
前作ブラック・ホワイトの主人公が、プラズマ団の野望を阻止したのち、Nは心を入れ替え、まずレシラム/ゼクロム以外のポケモンすべてを元いた場所に逃がした。Nの考えに賛同するものとゲーチスの野望に乗るものとでプラズマ団は分裂する。
最初にホドモエシティでN派とゲーチス派が初めて対面し、それ以降ゲーチスの野望を阻止する形で助けてくれることもある。N派は高台の元プラズマ団の屋敷に身を潜めている。元七賢人のひとりロットからはNのゾロアがもらえる。その後から、Nのポケモンたちが各地で出現するようになる。出現時に特別なエフェクトが出るほか、捕獲後にNのポケモンと判明するようになっており、いずれもおや名N・ID:00002・性別:♂(ギアルは除く)に固定されている。
ジャイアントホールでは、最深部にある洞窟で主人公がゲーチスが操るキュレムに襲われそうになったところを助けてくれる。しかし、キュレムはレシラム/ゼクロムを吸収し、襲ってくる。
バッジチェックゲートで再び会い、この時はひでんマシン05(たきのぼり)を貰える。また、このタイミングで下記の「Nのポケモン」を連れていた場合はそのポケモンに反応して特殊台詞が入る(未進化の状態で捕獲することになるポケモンの場合、進化させていても構わない)。
Nのポケモン
性格・個性・性別・親名・ID・個体値(全て30)などの情報は固定だが、特性はランダムである(ただしヒヒダルマは除く)。ある特定の道路および洞窟などに低確率で出現する。この内、リゾートデザートに出てくる5体は、周辺で出る他の野生ポケモンよりレベルが高いことから、レベル22のポケモンを用意して各種スプレーを使えば他の野生ポケモンを出さずに確実に出現させることができる(他の場所に出現するNのポケモンは、周囲の野生ポケモンのレベルより同じか低いため、各種スプレーでおびき出すことができない)。出現した際は「あ! やせい?の ○○が とびだしてきた!」と表示され、飛び出したポケモンの周囲が光るエフェクトがあり、通常のポケモンと同じように捕獲することができる(ただし、通常のポケモンとは違って他人のポケモン扱いになるため、ニックネームをつけることはできない)。
ポケモン
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パーソナル情報
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出現場所
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備考
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チョロネコ
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Lv.7
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おくびょう
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きがつよい
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2ばんどうろ
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-
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マメパト
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Lv.13
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なまいき
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きがつよい
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ヤグルマのもり(外部のみ)
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ドッコラー
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うっかりや
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かけっこがすき
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オタマロ
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ひかえめ
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きがつよい
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シンボラー
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Lv.22
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おとなしい
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きがつよい
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リゾートデザート
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メグロコ
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すなお
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きがつよい
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ズルッグ
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のうてんき
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ちからじまん
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ダルマッカ
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むじゃき
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ちからじまん
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ヒヒダルマ
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Lv.35
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おだやか
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ちからじまん
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かくれとくせいであるダルマモード固定。
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ゾロア
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Lv.25
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せっかち
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ちからじまん
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ホドモエシティ
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高台の施設にいる元七賢人のロットからもらう。
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ガントル
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Lv.28
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むじゃき
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ちからじまん
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でんきいしのほらあな
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-
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バチュル
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すなお
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きがつよい
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テッシード
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てれや
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ちからじまん
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ギアル
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うっかりや
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たべるのがだいすき
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コロモリ
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Lv.55
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おくびょう
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ちからじまん
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ちかすいみゃくのあな
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Nのしろ(初回)
殿堂入り後にチャンピオンロードにいるゾロアークを追うとNのしろに入ることができ、城の最上階でバトルが発生し、勝利後にダークストーンB2/ライトストーンW2を渡される。ただし途中で離脱したり、Nとの戦闘に敗北すると再び城に潜入することは不可能になり、以降のイベントは起こせなくなるので注意が必要。チャレンジ・アシストモードではそれぞれレベル±5。
その後リュウラセンのとうでゼクロムB2/レシラムW2の捕獲イベントが発生し、さらにその後ジャイアントホールでキュレムの捕獲イベントが発生する。
Nのしろ(観覧車後)
上記のキュレムまでのイベントを一通り実施し、ライモンシティの遊園地の観覧車でのNとのイベントを終えると、再びNのしろでバトルできるようになる。季節ごとに1回バトルが可能で、季節によって異なる天気パーティとなる。チャレンジ・アシストモードではそれぞれレベル±5。
対策
天候変化によって、必中や威力アップなど詳細があるので、チェックしておこう。基本的に天候を変えたり、特性ノーてんきやエアロックのポケモンを使ったりすることで対策できる。すいすい・サンパワー・すながくれなどで、すばやさ・特攻・回避率などが上がる場合もある。
アニメにおけるN
本編
BW編第109話の終わりで初登場。プラズマ団の総帥・ゲーチスによってプラズマ団の次期総帥候補として育てられていたが、実際はゲーチスの野望を果たすための道具として利用されていた。2年前にレシラムを呼び出す儀式が失敗してからはプラズマ団に利用されているポケモンを解放するために旅を続けている。
BW編第110話でサトシたちと出会い、ゼクロムとレシラムの伝説について話した。
BW編第114話ではプラズマ団に捕獲されて研究材料にされそうになった野生のウォーグルを保護するためにサトシ達に協力した。その後、サトシ達の旅に同行することを決めた。
白の遺跡での一件の後はヘレナ・バーベナと共に旅立っていった。
興奮すると早口になる癖がある。なお、早口になる癖はN自身も自分の悪い癖だと自覚している。
ニャースに対しては「ポケモンにはポケモンの素晴らしい言葉があるのになぜ人間の言葉を話すのか」と、ニャースが人間の言葉を覚えた経緯を考えれば酷な質問をしていた。
ポケモンバトルなど、ポケモンを傷つける行為を好ましく思っておらず、それゆえにポケモントレーナーのことをよく思っていない。そのため、BW編第115話に登場したポケモン湾岸救助隊の隊長・ヒロトとは「ポケモンを危険な目に遭わせている」という理由で対立していたが、ヒロトのミルホッグの活動の様子をみて考えを改めた。
ポケモンジェネレーションズ
PG第15話に登場。
Pokémon Evolutions
第4話に登場。
所持ポケモン
マンガにおけるN
ポケットモンスターSPECIALにおけるN
ポケットモンスターSPECIAL 第10章の464話に初登場した。
「本来等しく持っている」「尊厳」という表現を用いてポケモンバトルをすることを肯定的に捉えているなど、ゲームでのNと違いが見られる。
ゲームより情緒不安定であり、超能力者と思しき描写もある。また、対戦相手に精神的ショックを与えたうえで倒すという非情な部分もある。
強奪したダークストーンからゼクロムを解放した。
アデクと交戦し勝利。
ポケモンリーグ会場でレシラムを解放したブラックと交戦するも、敗北。最後までNについて来たゾロアを置いてゼクロムと共に飛び立っていった。
使用ポケモン
モンスターボールの中に閉じ込めるとポケモンの声が聞こえなくなるという理由で、ひんしになったとしてもボールに入れていない。
- 手持ち
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- 親はNだが所持していないポケモン
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- 一時的な手持ち
-
ポケモンカードゲームにおけるN
以下のポケモンのカードに描かれている。
以下のトレーナーのカードに描かれている。
ポケモンマスターズにおけるN
2020年12月24日からトレーナーとして登場。ゼクロム、レシラム、ゾロアーク、シンボラー、キュレム(ブラックキュレム)を使用する。
専用のアレンジBGM「戦闘!N(ポケマスアレンジ)」「決戦!N(ポケマスアレンジ)」が公開された。
詳細はN (ポケモンマスターズ)を参照。
グッズ
商品・シリーズ名 |
発売日 |
概要
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ポケットモンスターブラック・ホワイト スペシャルコレクションシール |
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非売品。2011年11月13日より、ポケモンセンター各店等で貰えた。
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ゲームドットシリーズ |
2013年2月15日 |
ゲームドットを再現したグッズシリーズ。ブラック・ホワイトの主人公・チェレン・ベルと共にNが含まれる。
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コレクタブルアートPG |
2011年6月4日 2013年(再販売) |
杉森建の描きおこしによるアートシリーズ商品。「Nのレシラム」「Nのゼクロム」に描かれている。2013年にはその2種のセットとして再販売された。
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ポケモンメイト |
2012年6月14日 |
ムービックによるグッズブランド。
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デッキシールド N |
2012年8月3日 |
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ポケットモンスター ベストウイッシュ DXFフィギュア~PARTNERS N~ |
2013年8月 |
アミューズメント専用景品。N&ゾロア、N&ダルマッカの2種。
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N の名セリフ コースター ポケモンセンター特製シール |
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非売品。2013年1月17日~3月3日に行われたポケモンセンターでのキャンペーンにて、 ゲーム中のNのセリフが書かれたコースター、アニメ ベストウイッシュの場面やビジュアルを使用したシールが貰えた。
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ねんどろいど N |
2015年11月 |
グッドスマイルカンパニーの「ねんどろいど」シリーズ。モンスターボールとレシラムが付属。
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缶バッジコレクション ~イッシュ地方編 A~ |
2018年9月 |
ブラック・ホワイトの公式イラストのNとレシラムが描かれている。
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缶バッジコレクション ~イッシュ地方編 B~ |
2018年9月 |
ブラック2・ホワイト2の公式イラストのNとゼクロムが描かれている。
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デッキシールド 歴戦の強者達 |
2018年11月 |
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タペストリー N |
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非売品。2019年のバレンタインデーの抽選キャンペーンとして、Nのイラストを使用したタペストリーが登場した。
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デッキシールド N 孤高の王様 |
2019年8月 |
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ポケモン カスタムスタンプでチュウ! |
2020年 |
大川ぶくぶによる描き下ろしLINEスタンプ。Nが含まれる。
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Pokémon Trainers |
2019年8月2日(第1弾) 2020年9月(第2弾) |
第1弾ではレシラム、第2弾ではゾロアと共に描かれている。
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ポケモンセンターオリジナル フィギュア N&ゾロア |
2021年9月 |
原案イラストはさいとうなおき、制作はコトブキヤが担当。
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引用
N/引用を参照。
備考
各言語版での名前と由来
N
言語
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名前
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由来
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日本語
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N
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N(自然数を表す記号)、natural(英語:自然の)の省略
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ドイツ語
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N
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日本語名に同じ
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英語
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N
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日本語名に同じ
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スペイン語
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N
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日本語名に同じ
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フランス語
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N
|
日本語名に同じ
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イタリア語
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N
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日本語名に同じ
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韓国語
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N 엔 (En)
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日本語名に同じ
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中国語
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簡体字
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N
|
日本語名に同じ
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繁体字
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N
|
日本語名に同じ
|
ポルトガル語
|
N
|
日本語名に同じ
|
タイ語
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N
|
日本語名に同じ
|
ベトナム語
|
N
|
日本語名に同じ
|
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ナチュラル・ハルモニア・グロピウス
言語
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名前
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由来
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日本語
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ナチュラル・ハルモニア・グロピウス
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natural number(自然数)、natural(自然の)、enharmonic(異名同音)、harmonic function(調和関数)、Harmonia(ハルモニアー;ギリシャ神話の女神、調和を司る)、ヴァルター・グロピウス?
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ドイツ語
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Natural Harmonia Gropius
|
日本語名に同じ
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英語
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Natural Harmonia Gropius
|
日本語名に同じ
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スペイン語
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Natural Armonia Gropius
|
日本語名に同じ
|
フランス語
|
Natural Harmonia Gropius
|
日本語名に同じ
|
イタリア語
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Natural Harmonia Gropius
|
日本語名に同じ
|
韓国語
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내추럴 하르모니아 그로피우스 (Natural Harmonia Gropius)
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日本語名に同じ
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|
脚注
外部リンク
関連項目