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　50歳さいを過すぎてピアノを始はじめ、難曲なんきょくとされるリストの「ラ・カンパネラ」を弾ひく佐賀さが市しのノリ漁師りょうし、徳永とくなが義昭よしあきさん（61）が大忙おおいそがしだ。4月、ピアノと出であうきっかけとなったピアニスト、フジコ・ヘミングさんのコンサートの前座ぜんざをつとめ、今月こんげつ2日にちには母校ぼこう佐賀さが市立しりつ南川みなみかわ副ふく小学校しょうがっこうで演奏えんそう。き入きいった児童じどうらに「目標もくひょうに向むかって努力どりょくしてください」とエールをおくった。

　徳永とくながさんがピアノを始はじめたのは2012年ねんの春はる。ノリ漁期ぎょきが終おわる春はるから秋あきにかけてはパチンコばかりの日々ひびだった。初はじめて2カ月かげつで70万まん円えんも負まけ込こんだ。妻つま千恵子ちえこさん（59）の財布さいふに手てを付つけようとしてきつく怒おこられたこともあった。

　もうパチンコはやめよう――。ラ・カンパネラを弾ひく著名ちょめいなピアニスト、フジコ・ヘミングさんをテレビで見みた。「すごい。かっこいい」。ピアノ講師こうしの千恵子ちえこさんに「絶対ぜったい無理むり」と断言だんげんされ、逆ぎゃくにやる気きにスイッチが入はいった。

　とはいえ、演奏えんそうどころか楽譜がくふ…