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　ポール・オースターは何なによりもまず物語ものがたりを語かたる作家さっかだった。作家さっかなんだから物語ものがたりを語かたるのは当あたり前まえじゃないか、と言いわれるかもしれないが、ほかの大半たいはんの作家さっか以上いじょうにこの書かき手ては、紙かみの上うえのシミだか画面がめん上じょうの点てんの集合しゅうごうだかにすぎないものの連つらなりが読者どくしゃの脳のう内ないで解凍かいとうされ、場所ばしょや出来事できごとや人間にんげんが立たち上あがってくることの神秘しんぴと魅惑みわく…