中国ちゅうごくは為替かわせ政策せいさく変更へんこうの時期じきを探さぐる

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2005年ねん02月がつ17日にち

小林こばやし卓たく典てん

2月がつ初はじめにロンドンで行おこなわれたG7で中国ちゅうごくの為替かわせ政策せいさく、特とくにその柔軟じゅうなん性せいの拡大かくだいについて何なんらかの進展しんてんがあるのではないかとの見方みかたもあった。しかし、共同きょうどう声明せいめいで示しめされたのは、為替かわせレートの柔軟じゅうなん性せいを欠かく国くにや地域ちいきにとって、市場いちばメカニズムに基もとづいた調整ちょうせいを進すすめるためにはさらなる柔軟じゅうなん性せいが望のぞましいというもの。

これは為替かわせレートが各国かっこくのファンダメンタルズを反映はんえいして決きまるべきとした、ちょうど一いち年ねん前まえのボカラトンG7の声明せいめいに盛もり込こまれたものと同おなじ内容ないようである。そのため、昨年さくねん秋あき頃ごろから切きり上あげ期待きたいを反映はんえいしてドル安やすに振ふれていた人民元じんみんげ先物さきもの相場そうばは、元もと安やす・ドル高だか方向ほうこうに揺ゆり戻もどされている。

為替かわせ政策せいさく変更へんこうの時期じきが遠とおざかった印象いんしょうは否いなめないが、世界せかい経済けいざいの安定あんていを維持いじする上じょうで中国ちゅうごく経済けいざいの重おもみが一段いちだんと増ましている事実じじつから、米国べいこくの双子ふたごの赤字あかじという不ふ均衡きんこう是正ぜせいに人民元じんみんげ切きり上あげという手段しゅだんを用もちいるのは性急せいきゅう過すぎるという判断はんだんなのだろう。あるいは、やはり中国ちゅうごくは他国たこくの要求ようきゅうに屈くっする形かたちで政策せいさく変更へんこうを行おこなうことを極端きょくたんに嫌きらうということなのかもしれない。

これで今年ことしは為替かわせ政策せいさくの変更へんこうの可能かのう性せいが完全かんぜんになくなったのかと言いえばそうではあるまい。為替かわせレートの柔軟じゅうなん性せいを拡大かくだいしたとき、中国ちゅうごくが直面ちょくめんする可能かのう性せいのある問題もんだいとして、輸入ゆにゅう増加ぞうかによる農村のうそん経済けいざいへの打撃だげき、銀行ぎんこう部門ぶもんの脆弱ぜいじゃく性せい、資本しほん逃避とうひの可能かのう性せいなどがある。

このところ農村のうそん部ぶの所得しょとく向上こうじょうは目覚めざましいようだ。これと為替かわせ政策せいさくを結むすびつけるのは一見いっけん迂遠うえんな感かんじがするかもしれない。しかし、中国ちゅうごくが外圧がいあつによらず自身じしんの問題もんだいとして為替かわせ政策せいさくの変更へんこう時期じきを探さぐるとき、農村のうそん経済けいざいの成長せいちょうによる雇用こよう吸収きゅうしゅうとマクロ経済けいざいの安定あんてい化かも欠かかすことのできない条件じょうけんとなるはずだ。

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