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韓国の不動産バブル論再燃 2005年06月28日 | 大和総研 | 五百旗頭 治郎

韓国かんこく不動産ふどうさんバブルろん再燃さいねん

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2005ねん06がつ28にち

  • ひゃく旗頭はたがしら 治郎じろう

韓国かんこくではふたた不動産ふどうさんバブルろん浮上ふじょうしてきている。

03ねんあき厳格げんかく不動産ふどうさん投機とうき規制きせいさくされてから沈静ちんせい様相ようそうていしていた韓国かんこく不動産ふどうさん市場いちばであるが、2005ねんはいってふたたびマンション価格かかく上昇じょうしょうはじまった。ソウル江南えな地区ちくやソウル周辺しゅうへんしん都市としなどの人気にんき地域ちいきでは、年初ねんしょからのマンション価格かかく上昇じょうしょうりつすでに20%以上いじょうたっする箇所かしょている。

不動産ふどうさん価格かかくさい上昇じょうしょう要因よういんとしては以下いかの2てん指摘してきできる。


(1)まずは不動産ふどうさん規制きせい効果こうか一巡いちじゅんげられよう。03ねん10がつまつ発表はっぴょうされた不動産ふどうさん規制きせい目玉めだまは、こう価格かかく住宅じゅうたく保有ほゆうしゃ複数ふくすう住宅じゅうたく保有ほゆうしゃたいする不動産ふどうさん関連かんれんぜい負担ふたんげであった。具体ぐたいてきには、土地とちやマンションなど保有ほゆう不動産ふどうさん公示こうじ価格かかくけい9おくウォン以上いじょうひとには総合そうごう不動産ふどうさんぜい保有ほゆうぜい)が適用てきようされるほか、3住宅じゅうたく以上いじょう保有ほゆうしゃ譲渡じょうとえき課税かぜいが60%にげられる(通常つうじょうは9~36%)。ポイントは、こうした増税ぞうぜいが05ねんはつから施行しこうされたことである。つまり、03ねんまつから04ねんいちはいは、05ねんはつからのぜい負担ふたん増加ぞうかきらって複数ふくすう住宅じゅうたく保有ほゆうしゃからのりがて、住宅じゅうたく市場いちば需給じゅきゅうバランスが悪化あっかした。ところが、実際じっさいに05ねんはいるともの激減げきげんしたのである。なぜなら、ぜい負担ふたん増加ぞうかきらおおくの所有しょゆうしゃすで処分しょぶんしてしまったし、いまから処分しょぶんすれば莫大ばくだい譲渡じょうと益税えきぜい支払しはらわなければならないからである。
(2)つぎ不動産ふどうさん規制きせい副作用ふくさよう指摘してきされている。ソウル江南えな地域ちいきのマンション価格かかく高騰こうとう抑制よくせいのためにソウル郊外こうがいしん都市とし開発かいはつ住宅じゅうたく供給きょうきゅうやすねらいであった。しかし、供給きょうきゅうりょう不十分ふじゅうぶんであるうえ、しん都市としブームにより周辺しゅうへん都市とし不動産ふどうさん価格かかく急騰きゅうとうまねいたとわれている。また、マンションさい建築けんちく物件ぶっけん価格かかく上昇じょうしょうおさえるためさい建築けんちく条件じょうけん厳格げんかくしたが、それにより、かえって中型ちゅうがた以上いじょうのマンション供給きょうきゅう不足ふそくまねいているという批判ひはんもある。

とはいえ、なにっても、不動産ふどうさん価格かかく上昇じょうしょう根源こんげんには過剰かじょう流動りゅうどうせいがある。韓国かんこくでも景気けいきささえのための金融きんゆう緩和かんわさくにより市中金利しちゅうきんり史上しじょう最低さいていレベルまで低下ていかしている。韓国かんこく銀行ぎんこう中央ちゅうおう銀行ぎんこう)は04ねんに2利下りさげをおこない、ベンチマークとするコール翌日よくじつぶつ金利きんり誘導ゆうどう目標もくひょうを3.25%とした。金利きんり低下ていかによりうしなった資金しきんが、不動産ふどうさん投資とうし株式かぶしき投資とうしへとかっているのである。ちか将来しょうらい韓国かんこく政府せいふは、追加ついかてき不動産ふどうさん市場いちば沈静ちんせいさくすとられるが、金利きんりげも選択肢せんたくしひとつになろう。庶民しょみん自認じにんする盧武鉉のむひょん大統領だいとうりょうとしては、庶民しょみん生活せいかつ痛手いたであたえ、金持かねもちをますます金持かねもちにする不動産ふどうさん価格かかく上昇じょうしょう放置ほうちすることはできない。しかし、内需ないじゅ低迷ていめいくるしむ韓国かんこく経済けいざい依然いぜんよちよちあるきである。05ねんだい1四半期しはんき実質じっしつ経済けいざい成長せいちょうりつ前年ぜんねん+2.7%まで低下ていかした。盧武鉉のむひょん政権せいけんは、利上りあげによる経済けいざいへの悪影響あくえいきょう排除はいじょしながら不動産ふどうさん価格かかく上昇じょうしょう抑制よくせいするというむずかしい舵取かじとりをふたたせまられている。

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